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第2章

第九話 ~美凪と一緒にゲーセンでメダル落としを楽しんだ件~

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 第九話




『ゲームセンター』



 食材の買い物を終えた俺と美凪。
 買った食材は保冷機能付きのコインロッカーに入れたあと、小さなお菓子と500mlの飲み物を持って、ゲーセンの入り口に辿り着く。

「わぁ……大きなゲームセンターですね」
「そうだな。ここには初めて来たけど、駅前の規模に負けないレベルだな」

「規模が大きいほどメダル落としにも期待が出来ると思います!!行きましょう、隣人さん!!」
「了解だ」

 俺と美凪はそう言って、手を繋いでゲーセンの中へと向かう。
 自然と、二人で歩く時は手を繋いで歩くようになっていた。

 中を進んでいくとメダルを売ってる機械が見えた。

 1000円で100枚
 2000円で250枚
 3000円で500枚
 5000円で1000枚

 そう書いてあった。
 意外と高く感じたが、こんなもんなのかなと思った。

「いくらで買いますか?」

 美凪がそう聞いてきたので、俺は一番下の5000円を指さす。

「途中で買い足すのも馬鹿らしいだろ?それに、もし増えたり、余ったりすれば預けることも出来るみたいだからな。俺が3000円出すからお前が2000円出す感じでいいか?」

 俺がそう提案すると、美凪は笑って頷いた。

「私も同じことを考えてました!!もし増えたらまた一緒に来ましょうね!!」
「そうだな。じゃあメダルを買ったらメダル落としのゲームを探そうか」

 俺と美凪は機械に1000円札を5枚入れてメダルを買った。

 大きなメダル入れに500枚づつ分けた。

「結構ズシッと来ますね」
「そうだな。まぁ抱えながらやるわけじゃないからな」

 そんな話をしながら中を進むと、モンスターを狩猟するゲームがモチーフになったメダル落としがあった。

「隣人さん!!ひと狩り行こうぜ!!です!!」
「あはは。そうだな、あれなら楽しめそうかな」

 それなりに人も多く居たが、運良く席が空いていた。

 メダルの溜まり方によって『期待値』と呼ばれるものがあるみたいだが、そんなことを考えて遊ぶのば無粋だろう。

 俺と美凪はメダルを増やしに来た訳では無い。
 楽しく遊ぶために来たんだから。

 二人で座ることが出来る椅子に、俺と美凪は並んで座る。

「……り、隣人さん。その……結構近いですね」
「まぁな……」

 そう。これが俺が考えていた問題だった。
 このゲームの特性上。椅子に二人並んでプレイをすると近いんだよな……

「まぁでも隣に居るのが貴方ですので平気です!!タイミングを合わせてやって行きましょう!!」
「あはは。そうだな。タイミングを合わせてメダルを投入して行こう」

 そして、俺と美凪はメダル落としをやっていく。

 機会の動きに合わせてメダルを五枚くらいを目安に入れていく。
 ジャラジャラとメダルが落ちてくるが、やはり入れた数よりは落ちてくる数の方が少ない。
 画面を見てみると、どうやらあと一個玉を落とせばルーレットを回せるようだった。

「美凪。あと一個玉を落とせばルーレットみたいだな。左側の玉が落ちそうだから、ちょっとこっち側にメダルを集めて落としてこうぜ」
「了解です!!」

 画面を見ると、数字が揃ったみたいで、モンスターを狩りまくれる確率変動ってのになっていた。
 まとまったメダルが放出されやすい状態になり、狙っていた玉もどんどん落ちるところに近づいてきた。

「よし、美凪。後ちょっとで落ちそうだな!!」
「あはは!!隣人さん!!私今楽しいです!!」

 そして、二人で息を合わせてメダルを投入した結果。
 最後の玉を落とすことに成功した。

「やったな美凪!!」
「やりましたね、隣人さん!!」

 俺と美凪は手を合わせて喜んだ。

 いや、でも勝負はこれからだ。

 画面ではルーレットが始まっていたので俺と美凪はメダルを入れるのを一旦止めて、その行く末を見守る。

「これってどうなったら良いんですか?」

 美凪の質問に、俺はスマホで説明を調べて見た。

「まずはこのルーレットで赤か黄色のジャックポットチャレンジってのに入らないとダメみたいだな」

 俺は左の方で回ってるルーレットを指さす。

「それ以外だと25枚くらいが機械から放出されるだけだから、そんなに美味しくないんだな」
「なるほど……あ!!隣人さん!!私たちの玉が黄色のスーパージャックポットチャレンジに入りましたよ!!」
「マジで!!??」

 美凪に言われて見てみると、確かに俺たちの玉は黄色のスーパージャックポットチャレンジに入って行った。

「こ、この後は……ど、どうなるんですか!!??」
「目の前の機械を見てみろよ。めちゃくちゃ派手に騒いでるだろ?」

 俺たちの目の前のでかい機械が派手な音を立ててルーレット演出をしていた。
 メダル落としをしてる誰もが注目する中で、俺と美凪の玉が回っていた。

「あれのスーパージャックポットってのに入ればとんでもない量のメダルが放出される。まぁでも最低でも100枚は放出される本機最強の演出だな」
「凄いですね、隣人さん!!私、これが見れただけでも満足です!!」

 俺と美凪は手を繋いでルーレットを回る玉を眺めていた。

 そして、俺たちの玉はスーパージャックポット!!

 ……と、書かれた隣の穴に入って行った。

「あはは……まぁこんなもんだよな」
「それでも150枚は凄いですよね!!使った枚数よりこれで落ちてきた量の方が増えました!!」

 ジャラジャラと150枚のメダルが放出された結果。
 俺と美凪の手元にはだいたい100枚位のメダルが落ちてきた。

 使ったのは50枚くらいだから50枚くらいは増えたかな。

「この調子で頑張りましょう!!次は目指せスーパージャックポットです!!」
「そうだな。まだまだメダルも落ちてきそうだしな。またルーレットの玉を貯めてチャレンジを目指すぞ!!」



 俺と美凪はそう言って時間を忘れてメダル落としを楽しんだ。

 ルーレットは最初のも含めて四回作動させることが出来た。

 最後の一回を赤のジャックポットチャレンジに入れることが出来た。

 そして美凪と力を合わせてモンスターを討伐していき、最後のルーレットの結果……

 なんとジャックポットに入って行った。

「ど、ど、ど、どうしましょう隣人さん!!??」
「やべぇな……5980枚とか意味わかんねぇ……」

 左側からでかい槍みたいなのでメダルがバンバン落ちてきてる。

 俺たちの手元にはジャラジャラとメダルが吐き出されてきていた。

 どう考えても使い切れるものではなかった。

 気が付いたら三時間近い時間が過ぎていた様だった。

 手元には4000枚以上のメダルが残った。

「これは……預けるか」
「ですね!!また二人で遊びに来ましょう!!奏さんや成瀬さんを誘っても良いですね!!今度はタダで遊べますね!!」

 俺の名前で登録をして、獲得したメダルはお店に預けることにした。
 とても楽しい時間を二人で過ごせて、俺たちは大満足でゲーセンを後にした。
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