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第1章
第四話 ~自宅で緑茶を飲みながらミソラと話を終えるとリーファがやって来ていた~
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第四話
「じゃあミソラ、俺は部屋着に着替えてくるから。とりあえずそこの椅子にでも座って待っててくれ」
「ありがとう、ベル。そうさせてもらうわ」
俺はミソラを居間へと案内した後に、部屋着に着替えるために自室へと向かう。
そして、スーツを脱いで綺麗に畳んでロッカーにしまい、動きやすい服装に着替える。
着替えを終えた俺は部屋を後にして台所に保管しておいた茶葉を取りに向かった。
「一人で何回か飲んでるけど、誰かに振る舞うのはミソラが初めてだな」
俺はそう呟きながら茶葉を用意した後に、水を沸騰させていく。
これは先週王様から貰ったもので、どうやら隣国で良く飲まれてる『緑茶(りょくちゃ)』と呼ばれるものらしい。
『急須(きゅうす)』と呼ばれる専用の茶器で容れるのだが、これが少しコツがいる。
『蒸らし』と呼ばれる時間がキモらしいが今回は上手くいったようだ。
「待たせたなミソラ」
緑茶を湯呑みに注いだ俺は二人分のお茶を持ってテーブルへと向かう。
「へぇ、緑茶とは珍しいものを持ってきたわね」
「王様からの頂き物でな。たまたま手に入ったんだよ」
博識なミソラだ。やはり緑茶のことも知っていたようだ。
緑茶の苦味のある味わいを楽しんでいると、彼女から話を切り出してきた。
「それで、ベル。冒険者を引退して結婚相手を探しに故郷に帰るって話を聞いてるけど、本気なの?」
「はぁ……なんて言うか皆に言われてるんだけど、俺としては故郷に帰ってのんびりとした日々を過ごしたい。ってのが一番だよ。その上で結婚相手でも探そうかなぁって話だよ」
「そうなのね。それで、結婚相手に当てはあるのかしら?」
「ははは。馬鹿なことを言うなよ。冒険者をして二十年。彼女なんか一人も出来たこともないしな。こんなおっさんじゃあなかなか難しいとは思ってるよ」
下手したら一生独り身かなぁ……
まぁ、そしたら残りの人生はツキと過ごして行くことになるかな。
なんて思っていると、ミソラはため息をつきながら俺に言ってきた。
「はぁ……それで、リーファのことはどうするつもりなのよ?」
「リーファ?なんであいつの名前が出てくるんだよ。まぁ……二十年間ともに冒険者をやって来たからな。離れるとなると寂しい気持ちはあるよな」
俺がそう答えると、ミソラは少しだけ不機嫌そうな表情をしながら言葉を放つ。
「彼女が怒るからあまり詳しくは言いたくないけど、貴方がそんな調子だとリーファが可哀想だわ」
「……どういう意味だよ」
俺がそう催促をすると、ミソラは外を見ながら話を始めた。
「彼女が隣の国の王子様から求婚をされてたのは知ってるわよね?」
「あぁ知ってるぞ。相談されたからな」
リーファに『俺はお前とまだまだ冒険がしたい』って話をしたんだったな。
それが決め手だったのか『仲間と冒険者を続けたいから』って理由で断ったんだよな。
「彼女が王子様からの求婚を断った本当の理由は『貴方と一緒にいたいから』よ」
「……え」
そ、そんな話はリーファから一言も聞いてないぞ……
「ねぇ、ベル。冒険者を引退するのは構わないわ。Sランク冒険者が一人居なくなるのは王国としてもギルドとしてもかなりの痛手だけど、それは飲み込むわよ」
「すまない。でも、ありがとう」
「でもね、リーファの親友として言わせてもらうわ。彼女を悲しませないで。冒険者を辞めたとしても、貴方の隣に彼女を置いて欲しいわ」
「こ、こんなおっさんが相手じゃリーファが可哀想だろ……」
俺がそう言うと、ミソラは少しだけ笑いながら言葉を返す。
「あはは。貴方のその自己評価の低さは異常ね。でも、私の言葉じゃ貴方は信じられないわよね」
外を見なさい。
彼女はそう言うと、窓の外を指さした。
そこには亜麻色の髪の毛を腰まで伸ばした見目麗しいハーフエルフが佇んでいた。
「……リーファ」
「あら、やっぱりミソラも来てたのね。一体何を話してたのかは気になるところだけど?」
リーファは部屋の中を見ながらそう言うと、軽く頬を上げながら微笑みを浮かべた。
「さて、私はそろそろお暇するわね。ギルドマスターは暇じゃないのよ」
「ははは。そうか、じゃあなミソラ。仕事頑張ってくれ」
何かどうしようもないことがあったらいつでも呼んでくれて構わない。旧知の仲間として力を貸すからな。
俺がそう言うと、彼女は笑いながら言葉を返す。
「そうね。もう冒険者じゃないんだから給料を払う必要も無いしね!!こき使ってやるわよ」
「ははは。お手柔らかに頼むよ」
そんなやり取りをして、俺はミソラを玄関まで見送った。
そして、扉を開けると目の前にはリーファが立っていた。
「あら、ミソラ。もう行くの?」
「ええそうよ。仕事があるのも理由だけど、おじゃま虫にはなりたくないもの」
「も、もぅ……」
イタズラっぽく笑うミソラに、リーファは少しだけ頬を赤く染めながら言葉を返していた。
「じゃあねベル。何かあったら連絡するわ」
「ははは。別にミソラだったらなんの用事もなくても連絡して構わないよ」
俺がそう言うと、ミソラは軽くため息をつきながら何かを小さく呟いていた。
「はぁ……そう言うのはリーファだけに言ってあげなさいよ。ばか」
良く聞き取れなかったけど、ばかと言われてたような気がした……
「じゃ、じゃあリーファ。こんなところで話をするのもあれだから中に入れよ」
「そうね。色々と話したいこともあるし、お邪魔するわ、ベル」
ミソラが帰ったと思ったら次はリーファか。
さっき彼女に言われたこともあるし、少しだけ気まずい思いがあるんだよな……
なんてことを思いながら、俺はリーファを部屋の中へと案内した。
「じゃあミソラ、俺は部屋着に着替えてくるから。とりあえずそこの椅子にでも座って待っててくれ」
「ありがとう、ベル。そうさせてもらうわ」
俺はミソラを居間へと案内した後に、部屋着に着替えるために自室へと向かう。
そして、スーツを脱いで綺麗に畳んでロッカーにしまい、動きやすい服装に着替える。
着替えを終えた俺は部屋を後にして台所に保管しておいた茶葉を取りに向かった。
「一人で何回か飲んでるけど、誰かに振る舞うのはミソラが初めてだな」
俺はそう呟きながら茶葉を用意した後に、水を沸騰させていく。
これは先週王様から貰ったもので、どうやら隣国で良く飲まれてる『緑茶(りょくちゃ)』と呼ばれるものらしい。
『急須(きゅうす)』と呼ばれる専用の茶器で容れるのだが、これが少しコツがいる。
『蒸らし』と呼ばれる時間がキモらしいが今回は上手くいったようだ。
「待たせたなミソラ」
緑茶を湯呑みに注いだ俺は二人分のお茶を持ってテーブルへと向かう。
「へぇ、緑茶とは珍しいものを持ってきたわね」
「王様からの頂き物でな。たまたま手に入ったんだよ」
博識なミソラだ。やはり緑茶のことも知っていたようだ。
緑茶の苦味のある味わいを楽しんでいると、彼女から話を切り出してきた。
「それで、ベル。冒険者を引退して結婚相手を探しに故郷に帰るって話を聞いてるけど、本気なの?」
「はぁ……なんて言うか皆に言われてるんだけど、俺としては故郷に帰ってのんびりとした日々を過ごしたい。ってのが一番だよ。その上で結婚相手でも探そうかなぁって話だよ」
「そうなのね。それで、結婚相手に当てはあるのかしら?」
「ははは。馬鹿なことを言うなよ。冒険者をして二十年。彼女なんか一人も出来たこともないしな。こんなおっさんじゃあなかなか難しいとは思ってるよ」
下手したら一生独り身かなぁ……
まぁ、そしたら残りの人生はツキと過ごして行くことになるかな。
なんて思っていると、ミソラはため息をつきながら俺に言ってきた。
「はぁ……それで、リーファのことはどうするつもりなのよ?」
「リーファ?なんであいつの名前が出てくるんだよ。まぁ……二十年間ともに冒険者をやって来たからな。離れるとなると寂しい気持ちはあるよな」
俺がそう答えると、ミソラは少しだけ不機嫌そうな表情をしながら言葉を放つ。
「彼女が怒るからあまり詳しくは言いたくないけど、貴方がそんな調子だとリーファが可哀想だわ」
「……どういう意味だよ」
俺がそう催促をすると、ミソラは外を見ながら話を始めた。
「彼女が隣の国の王子様から求婚をされてたのは知ってるわよね?」
「あぁ知ってるぞ。相談されたからな」
リーファに『俺はお前とまだまだ冒険がしたい』って話をしたんだったな。
それが決め手だったのか『仲間と冒険者を続けたいから』って理由で断ったんだよな。
「彼女が王子様からの求婚を断った本当の理由は『貴方と一緒にいたいから』よ」
「……え」
そ、そんな話はリーファから一言も聞いてないぞ……
「ねぇ、ベル。冒険者を引退するのは構わないわ。Sランク冒険者が一人居なくなるのは王国としてもギルドとしてもかなりの痛手だけど、それは飲み込むわよ」
「すまない。でも、ありがとう」
「でもね、リーファの親友として言わせてもらうわ。彼女を悲しませないで。冒険者を辞めたとしても、貴方の隣に彼女を置いて欲しいわ」
「こ、こんなおっさんが相手じゃリーファが可哀想だろ……」
俺がそう言うと、ミソラは少しだけ笑いながら言葉を返す。
「あはは。貴方のその自己評価の低さは異常ね。でも、私の言葉じゃ貴方は信じられないわよね」
外を見なさい。
彼女はそう言うと、窓の外を指さした。
そこには亜麻色の髪の毛を腰まで伸ばした見目麗しいハーフエルフが佇んでいた。
「……リーファ」
「あら、やっぱりミソラも来てたのね。一体何を話してたのかは気になるところだけど?」
リーファは部屋の中を見ながらそう言うと、軽く頬を上げながら微笑みを浮かべた。
「さて、私はそろそろお暇するわね。ギルドマスターは暇じゃないのよ」
「ははは。そうか、じゃあなミソラ。仕事頑張ってくれ」
何かどうしようもないことがあったらいつでも呼んでくれて構わない。旧知の仲間として力を貸すからな。
俺がそう言うと、彼女は笑いながら言葉を返す。
「そうね。もう冒険者じゃないんだから給料を払う必要も無いしね!!こき使ってやるわよ」
「ははは。お手柔らかに頼むよ」
そんなやり取りをして、俺はミソラを玄関まで見送った。
そして、扉を開けると目の前にはリーファが立っていた。
「あら、ミソラ。もう行くの?」
「ええそうよ。仕事があるのも理由だけど、おじゃま虫にはなりたくないもの」
「も、もぅ……」
イタズラっぽく笑うミソラに、リーファは少しだけ頬を赤く染めながら言葉を返していた。
「じゃあねベル。何かあったら連絡するわ」
「ははは。別にミソラだったらなんの用事もなくても連絡して構わないよ」
俺がそう言うと、ミソラは軽くため息をつきながら何かを小さく呟いていた。
「はぁ……そう言うのはリーファだけに言ってあげなさいよ。ばか」
良く聞き取れなかったけど、ばかと言われてたような気がした……
「じゃ、じゃあリーファ。こんなところで話をするのもあれだから中に入れよ」
「そうね。色々と話したいこともあるし、お邪魔するわ、ベル」
ミソラが帰ったと思ったら次はリーファか。
さっき彼女に言われたこともあるし、少しだけ気まずい思いがあるんだよな……
なんてことを思いながら、俺はリーファを部屋の中へと案内した。
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