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第1章
第八話~リーファとも結婚をしたいという話をツキにしたら条件付きで了承を貰えた~
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第八話
「凄く良い匂いがする……ツキは本当に料理が作れるんだな……」
洗面所で顔を洗い、眠気を飛ばした俺は居間の方へと足を運んだ。
台所からは包丁が奏でる軽快な音と、卵とベーコンが焼ける良い匂いがしていた。
「簡単なスープとベーコンエッグを作りました。バケットと一緒に食べてください」
「至れり尽くせりだな。ツキがここまで出来るとは思いもしなかったよ」
テーブルの上には食べやすい厚さにカットされたバケットが、そしてその隣には一枚の便箋が置いてあった。
封留めには王国の印が使われている。
丁寧に中身を取りだしてから、手紙の内容を読んでいく。
「……国王からの呼び出しか」
内容は今日の昼に王城に来い。と言うものだった。
まぁ、特に用事も無いからな。断る理由も無い。
「ベルフォードはSランクでしたからね。引退するとなれば周りに与える影響は少なくないですからね」
「まぁすんなり行くとは思ってなかったからな。とりあえずしっかりと話はする予定だよ。それに、冒険者は辞めたけど助けを求められれば出来る範囲で力は貸す予定だから」
スープとベーコンエッグを持ってこちらに来たツキに俺はそう話をした。
「ふふふ。タダ働きになってしまいますね?」
「こんなことを言うと怒られそうだけど、お金には困ってないからな。現役の頃からの蓄えもあるし。退職金やら年金やらも考えると、普通に暮らしてたら一生かけても使い切れないな」
豪遊しようとすればいくらでも出来るけど、俺の性にあわなかったからなぁ……
「ベルフォードのそういう所は美徳だと思いますよ。では、ご飯が冷めないうちに食べましょう」
「そうだね。本当にこれは美味しそうだ」
「お褒めいただき、ありがとうございます。ベルフォードの舌に合えば良いと思います」
そして、俺とツキは「いただきます」と声を揃えた後にご飯を食べていった。
「……これは美味しいな。びっくりしたよ」
スープを一口飲んだ俺はその味に驚いた。
「ふふふ。そう言っていただけて安心しました。ベーコンエッグも上手く出来たと思ってますよ?」
「そうだな。火の通りが絶妙だな。これが毎日食べられるのか。俺は幸せ者だな」
ベーコンエッグをバケットの上に乗せて、咀嚼しながら俺は幸せな気持ちになっていた。
「ごちそうさま。とても満足が出来たよ」
「はい。お粗末さまでした。ベルフォードのお口にあって私も安心しました」
そして、ツキお手製の朝食を食べ終わった俺は食後のミルクを飲みながら彼女に話を切り出した。
「とりあえず。今日の国王への謁見にはツキも着いてきてもらいたい」
「ふふふ。ダメと言われても着いていく予定でしたよ?」
「ははは。そうか。あと、問題にはなりたくないからせっかくだけど刀の姿でお願いしたい」
「……仕方ありませんね。ベルフォードがそう言うのでしたら」
ツキは渋々と言った感じで了承をしてくれた。
そんな彼女をさらに不機嫌にさせることをこれから言わなければならないと思うと……気が重いな。
俺は一つ息を吐いた後に、彼女に向かって話をする。
「なぁ、ツキ。リーファのことは知ってるよな?」
「はい。知ってますよ。ベルフォードのパーティメンバーで私よりも付き合いの長い女狐です」
め、女狐って……
少しだけ嫌な汗が背中に流れるのを感じながら、俺は話を続ける。
「彼女からも結婚の打診を受けているんだ。そして、俺はそれを了承しようと思っている」
「……………………」
ツキは俺のその言葉を黙って聞いていた。
ち、沈黙が怖い。
「リーファと結婚したからと言って、ツキを蔑ろにするつもりは微塵もない。お前がこうして人の身体を得て俺の前に現れてくれたことをすごく嬉しく思ってるのも確かだ」
「………………………………」
「そ、その……リーファとも結婚することを了承してくれないか?」
リーファ『とも』という言葉を使ったのは意図的だ。
ツキが俺と『結婚』したいと思っているのを拒絶する訳では無い。というのを示すための言葉だからだ。
そして、俺の言葉を聞いたツキは長い沈黙の後、俺に話をしてくれた。
「…………はぁ。わかりました。あの女狐との結婚を認めますよ」
「ほ、本当か!!??」
俺は思わず椅子から立ち上がって彼女に聞いてしまった。
「まぁ、彼女がベルフォードに対して、親愛以上の感情を持ってるのは見てきましたからね。私の次に!!くらいは貴方を愛してると思ってますよ」
「ははは……」
椅子に座った俺はツキの言葉を聞いて少しだけ笑った。
刀の姿の時から俺たちのことを見てたんだな。
「ただし、条件があります」
「じょ……条件ですか」
まぁどんな条件なのだろうか。あまり無理難題は止めて欲しいとは思うけど、出来ることなら叶えてあげたいと思っている。
「ベルフォードの『初めて』は全部私が貰います」
「…………なるほど」
愛刀とそういう行為が出来るのか?と言うのはさておき。
彼女から向けられる愛の重さに少しだけ驚きを覚えるが、それ以上に嬉しいとは思ってしまう。
これまでの人生で、ここまで深い愛を向けられたことは無かったからな。
「ははは。わかったよ。なんの経験も無い男だけど、俺の初めては全てツキに捧げるよ」
「ふふふ。ありがとうございます。それなら私はリーファとの結婚を了承出来ますよ。所詮は『二番目の女』と思えますから」
に、二番目の女って……
まぁ、こうして愛刀からの許可も貰えたし。前途は多難かもしれないけど何とかなる道筋が立ったな。
「それじゃあ自室で着替えてくる。身支度を整えたら城に向かおうか」
「はい。それでは私は食器の片付けをしてきます」
「ありがとう、ツキ。じゃあまた後で」
そして、俺は自室に向かい。ツキは台所へと向かった。
「…………か、刀とそういうことが出来るのか?本当に伝説級武器ってのはわからないことだらけだな」
自室に戻って身支度を整えながら、愛刀から提示された条件にかなりの戦慄を覚えてしまった。
お、俺の初めては刀かぁ……
本当に、人生ってのは何があるのかわからないものだよ……
「凄く良い匂いがする……ツキは本当に料理が作れるんだな……」
洗面所で顔を洗い、眠気を飛ばした俺は居間の方へと足を運んだ。
台所からは包丁が奏でる軽快な音と、卵とベーコンが焼ける良い匂いがしていた。
「簡単なスープとベーコンエッグを作りました。バケットと一緒に食べてください」
「至れり尽くせりだな。ツキがここまで出来るとは思いもしなかったよ」
テーブルの上には食べやすい厚さにカットされたバケットが、そしてその隣には一枚の便箋が置いてあった。
封留めには王国の印が使われている。
丁寧に中身を取りだしてから、手紙の内容を読んでいく。
「……国王からの呼び出しか」
内容は今日の昼に王城に来い。と言うものだった。
まぁ、特に用事も無いからな。断る理由も無い。
「ベルフォードはSランクでしたからね。引退するとなれば周りに与える影響は少なくないですからね」
「まぁすんなり行くとは思ってなかったからな。とりあえずしっかりと話はする予定だよ。それに、冒険者は辞めたけど助けを求められれば出来る範囲で力は貸す予定だから」
スープとベーコンエッグを持ってこちらに来たツキに俺はそう話をした。
「ふふふ。タダ働きになってしまいますね?」
「こんなことを言うと怒られそうだけど、お金には困ってないからな。現役の頃からの蓄えもあるし。退職金やら年金やらも考えると、普通に暮らしてたら一生かけても使い切れないな」
豪遊しようとすればいくらでも出来るけど、俺の性にあわなかったからなぁ……
「ベルフォードのそういう所は美徳だと思いますよ。では、ご飯が冷めないうちに食べましょう」
「そうだね。本当にこれは美味しそうだ」
「お褒めいただき、ありがとうございます。ベルフォードの舌に合えば良いと思います」
そして、俺とツキは「いただきます」と声を揃えた後にご飯を食べていった。
「……これは美味しいな。びっくりしたよ」
スープを一口飲んだ俺はその味に驚いた。
「ふふふ。そう言っていただけて安心しました。ベーコンエッグも上手く出来たと思ってますよ?」
「そうだな。火の通りが絶妙だな。これが毎日食べられるのか。俺は幸せ者だな」
ベーコンエッグをバケットの上に乗せて、咀嚼しながら俺は幸せな気持ちになっていた。
「ごちそうさま。とても満足が出来たよ」
「はい。お粗末さまでした。ベルフォードのお口にあって私も安心しました」
そして、ツキお手製の朝食を食べ終わった俺は食後のミルクを飲みながら彼女に話を切り出した。
「とりあえず。今日の国王への謁見にはツキも着いてきてもらいたい」
「ふふふ。ダメと言われても着いていく予定でしたよ?」
「ははは。そうか。あと、問題にはなりたくないからせっかくだけど刀の姿でお願いしたい」
「……仕方ありませんね。ベルフォードがそう言うのでしたら」
ツキは渋々と言った感じで了承をしてくれた。
そんな彼女をさらに不機嫌にさせることをこれから言わなければならないと思うと……気が重いな。
俺は一つ息を吐いた後に、彼女に向かって話をする。
「なぁ、ツキ。リーファのことは知ってるよな?」
「はい。知ってますよ。ベルフォードのパーティメンバーで私よりも付き合いの長い女狐です」
め、女狐って……
少しだけ嫌な汗が背中に流れるのを感じながら、俺は話を続ける。
「彼女からも結婚の打診を受けているんだ。そして、俺はそれを了承しようと思っている」
「……………………」
ツキは俺のその言葉を黙って聞いていた。
ち、沈黙が怖い。
「リーファと結婚したからと言って、ツキを蔑ろにするつもりは微塵もない。お前がこうして人の身体を得て俺の前に現れてくれたことをすごく嬉しく思ってるのも確かだ」
「………………………………」
「そ、その……リーファとも結婚することを了承してくれないか?」
リーファ『とも』という言葉を使ったのは意図的だ。
ツキが俺と『結婚』したいと思っているのを拒絶する訳では無い。というのを示すための言葉だからだ。
そして、俺の言葉を聞いたツキは長い沈黙の後、俺に話をしてくれた。
「…………はぁ。わかりました。あの女狐との結婚を認めますよ」
「ほ、本当か!!??」
俺は思わず椅子から立ち上がって彼女に聞いてしまった。
「まぁ、彼女がベルフォードに対して、親愛以上の感情を持ってるのは見てきましたからね。私の次に!!くらいは貴方を愛してると思ってますよ」
「ははは……」
椅子に座った俺はツキの言葉を聞いて少しだけ笑った。
刀の姿の時から俺たちのことを見てたんだな。
「ただし、条件があります」
「じょ……条件ですか」
まぁどんな条件なのだろうか。あまり無理難題は止めて欲しいとは思うけど、出来ることなら叶えてあげたいと思っている。
「ベルフォードの『初めて』は全部私が貰います」
「…………なるほど」
愛刀とそういう行為が出来るのか?と言うのはさておき。
彼女から向けられる愛の重さに少しだけ驚きを覚えるが、それ以上に嬉しいとは思ってしまう。
これまでの人生で、ここまで深い愛を向けられたことは無かったからな。
「ははは。わかったよ。なんの経験も無い男だけど、俺の初めては全てツキに捧げるよ」
「ふふふ。ありがとうございます。それなら私はリーファとの結婚を了承出来ますよ。所詮は『二番目の女』と思えますから」
に、二番目の女って……
まぁ、こうして愛刀からの許可も貰えたし。前途は多難かもしれないけど何とかなる道筋が立ったな。
「それじゃあ自室で着替えてくる。身支度を整えたら城に向かおうか」
「はい。それでは私は食器の片付けをしてきます」
「ありがとう、ツキ。じゃあまた後で」
そして、俺は自室に向かい。ツキは台所へと向かった。
「…………か、刀とそういうことが出来るのか?本当に伝説級武器ってのはわからないことだらけだな」
自室に戻って身支度を整えながら、愛刀から提示された条件にかなりの戦慄を覚えてしまった。
お、俺の初めては刀かぁ……
本当に、人生ってのは何があるのかわからないものだよ……
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