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第1章 神童
両親のまさかの!?
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夕方になり、青井英明が田崎家に遊びに来た。
また、その5分ほど前に、あけみの両親、紺野拓也と好子もチョコレートの匂いにつられてやってきていた。
「うご~ん!(母さん、ここの家から良い匂いするりょ!)」
「あなた、それより仕事を探さないと…。」
「ご~ん(まさか二人揃って会社首になるなんてりょ…。)」
青井英明は友達の田崎千代子の家の前をうろうろしている変な夫婦が気になって、なかなか家に近づくことが出来なかった。
仕方なし携帯電話から千代子の家に電話をかけてみる。プルルルルルル!プルルルルルル!ガチャ!
「もしもし。」
「はいもしもし。」
「いやしかし最近いたずら電話が多くてねぇ!困っているんですよ!」
「そうなんですか。」
「まぁ僕もその悪戯電話するうちの一人なんですけどね!」
「まぁ偶然!実は私もそうなんですよ!」
「お前もかい!」
「青井君ね!」
「…あのさぁ、この合言葉みたいなの絶対言わないと駄目なの?」
「え~、面白くない?」
「そう言う問題じゃなくて、面倒臭いじゃんか!」
「そう?でも、うちのお兄ちゃんやお母さんの合言葉なんてもっと長いよ?」
「それはちょっと聞いてみたい気がするけど!でも最初ビックリしたよ!電話番号のメモ書きに合言葉なんて載っているんだから!」
「ふふ、変わった家族でしょ?ところで今、何処からかけているの?」
「それなんだけど、今君の家の前からかけているんだ。けど、玄関のところに変な夫婦がいて、怪しそうだから電話したんだ。警察呼んだ方がいいかな?」
「うそ!?ちょっと確かめてみるね!じゃあ一度電話切るから。」
「気を付けてね!」
そして、千代子は電話を切ると、マサシとあけみを呼んで、玄関に向かった。三人は用心深く玄関のドア穴から様子をうかがった。
「ほんまや!怪しいのおるで!」
とマサシは眉間にシワを寄せて、眉毛と眉毛をひっつけた。
そして今度は
「千代子にも見せて!」
と千代子がそう言って、マサシと代わり、千代子が覗き込む。
「ほんと!でも夫婦みたいだから悪い人じゃないかもよ?」
千代子がそう言うと、あけみが怒って、
「何を言っているのよ!お金に困って夫婦で悪いことする例なんていくらでもあるんだから!すぐに警察を呼んだ方がいいわ!」
そう言って今度はあけみがドア穴を覗き込む。
「…あの、警察はちょっと待って。(…なんでこんな所にうちの親がいるのよ!)」
あけみはすっかり呆れてしまい、その場に膝をついた。
「どうしたんや!?」
「いい!ほっといて!」
そして、仕方なしにあけみはドアを開けて両親に文句を言いに行ったのだった…。
「なんでこんな所にいるのよ!?」
するとあけみの父拓也は。
「んご?(母さん、何故かここの家から出てきた子がうちの娘に見えるんりょ~?)」
と首をかしげている。そして母好子は、
「あらほんと!うちの娘そっくり~!」
と喜んでいる。
あけみは怒って、
「あんた達の娘よ!!」
と怒鳴ったのだった。
「なんや?あけみのおっちゃんとおばちゃんやったんかぁ。あけみ、親にそんな怒鳴ったりしたらあかんで。」
「へぇ~!あけみ姉ちゃんのお父さんとお母さん格好いいだね!あっ、私英明君心配していると思うから呼んでくるね!」
そして、マサシはみんなを家の中に招き入れて、チョコレートの試食会を賑やかにすることになったのである。
「もう!ほんとはそれ私とマサシの分なんだからね!」
あけみは恥を掻いてしまった上に、自分のチョコレートまで取られてしまった両親に対して、文句を言ってみたが、二人とも一考に聞く耳を持つ様子がない。
そして、あけみが「マサシ」と言った所だけに反応して、父親の拓也が
「うご~ん!(ありょ?君があけみの好きなマサシ君だったりょ?)」
とマサシに聞く。
「お父さん!」
「あけみ、おっちゃんはなんて言うてるんや?」
「なんでもないわよ!」
あけみは余計なことを聞いてくるマサシに蹴りを入れて、余計な事を言った父親に裏拳を入れたいと思った。
しばらくして、青井英明と、田崎千代子が、台所に用意されていたチョコレートを持って、マサシ達のいるリビングにやってきた。
「おまたせ!」
「待ったで~!ほな青井君とあけみのおっちゃんおばちゃん食べてみて!」
マサシがそう言うと、英明は椅子に座って、
「ありがとうございます!じゃあいただきます!」
と言った。
あけみの母、好子はそれに続いて、
「じゃあ、お言葉に甘えて、お口に甘い物をいただくことにしますわ。」
と言って、上品にチョコレートを口に運び、
「失礼します。どうぞいらっしゃいませ!うぃ~ん。」
と言い、口の中にチョコレートを放り込んだ。好子は続けて、
「ほびは、ひまりま~す!(扉しまりま~す!)バリボリバリボリ!お茶もいただきますわ。熱いのでお気をつけます!」
と言いながら、お茶目に食べた。
「いちいち変な食べ方をしなくてもいいのよ!」
母親の可笑しなお菓子の食べ方に腹を立てて、あけみが怒る。すると、好子はさらに
「あらやだ~あなた~娘におこられちゃった!」
と甘えてみせた。そう、好子はつい、たっぷりと甘さを味わいたくなったのだ。
紺野拓也は相変わらずウゴ~ン!と奇声をあげて、
「いやりょ~まさか仕事首になってこんな処でチョコレート食べることになるなんてりょ!」
と言った。あけみがその言葉の重大さに気づくのは、これから半日経ってのことだった…。
また、その5分ほど前に、あけみの両親、紺野拓也と好子もチョコレートの匂いにつられてやってきていた。
「うご~ん!(母さん、ここの家から良い匂いするりょ!)」
「あなた、それより仕事を探さないと…。」
「ご~ん(まさか二人揃って会社首になるなんてりょ…。)」
青井英明は友達の田崎千代子の家の前をうろうろしている変な夫婦が気になって、なかなか家に近づくことが出来なかった。
仕方なし携帯電話から千代子の家に電話をかけてみる。プルルルルルル!プルルルルルル!ガチャ!
「もしもし。」
「はいもしもし。」
「いやしかし最近いたずら電話が多くてねぇ!困っているんですよ!」
「そうなんですか。」
「まぁ僕もその悪戯電話するうちの一人なんですけどね!」
「まぁ偶然!実は私もそうなんですよ!」
「お前もかい!」
「青井君ね!」
「…あのさぁ、この合言葉みたいなの絶対言わないと駄目なの?」
「え~、面白くない?」
「そう言う問題じゃなくて、面倒臭いじゃんか!」
「そう?でも、うちのお兄ちゃんやお母さんの合言葉なんてもっと長いよ?」
「それはちょっと聞いてみたい気がするけど!でも最初ビックリしたよ!電話番号のメモ書きに合言葉なんて載っているんだから!」
「ふふ、変わった家族でしょ?ところで今、何処からかけているの?」
「それなんだけど、今君の家の前からかけているんだ。けど、玄関のところに変な夫婦がいて、怪しそうだから電話したんだ。警察呼んだ方がいいかな?」
「うそ!?ちょっと確かめてみるね!じゃあ一度電話切るから。」
「気を付けてね!」
そして、千代子は電話を切ると、マサシとあけみを呼んで、玄関に向かった。三人は用心深く玄関のドア穴から様子をうかがった。
「ほんまや!怪しいのおるで!」
とマサシは眉間にシワを寄せて、眉毛と眉毛をひっつけた。
そして今度は
「千代子にも見せて!」
と千代子がそう言って、マサシと代わり、千代子が覗き込む。
「ほんと!でも夫婦みたいだから悪い人じゃないかもよ?」
千代子がそう言うと、あけみが怒って、
「何を言っているのよ!お金に困って夫婦で悪いことする例なんていくらでもあるんだから!すぐに警察を呼んだ方がいいわ!」
そう言って今度はあけみがドア穴を覗き込む。
「…あの、警察はちょっと待って。(…なんでこんな所にうちの親がいるのよ!)」
あけみはすっかり呆れてしまい、その場に膝をついた。
「どうしたんや!?」
「いい!ほっといて!」
そして、仕方なしにあけみはドアを開けて両親に文句を言いに行ったのだった…。
「なんでこんな所にいるのよ!?」
するとあけみの父拓也は。
「んご?(母さん、何故かここの家から出てきた子がうちの娘に見えるんりょ~?)」
と首をかしげている。そして母好子は、
「あらほんと!うちの娘そっくり~!」
と喜んでいる。
あけみは怒って、
「あんた達の娘よ!!」
と怒鳴ったのだった。
「なんや?あけみのおっちゃんとおばちゃんやったんかぁ。あけみ、親にそんな怒鳴ったりしたらあかんで。」
「へぇ~!あけみ姉ちゃんのお父さんとお母さん格好いいだね!あっ、私英明君心配していると思うから呼んでくるね!」
そして、マサシはみんなを家の中に招き入れて、チョコレートの試食会を賑やかにすることになったのである。
「もう!ほんとはそれ私とマサシの分なんだからね!」
あけみは恥を掻いてしまった上に、自分のチョコレートまで取られてしまった両親に対して、文句を言ってみたが、二人とも一考に聞く耳を持つ様子がない。
そして、あけみが「マサシ」と言った所だけに反応して、父親の拓也が
「うご~ん!(ありょ?君があけみの好きなマサシ君だったりょ?)」
とマサシに聞く。
「お父さん!」
「あけみ、おっちゃんはなんて言うてるんや?」
「なんでもないわよ!」
あけみは余計なことを聞いてくるマサシに蹴りを入れて、余計な事を言った父親に裏拳を入れたいと思った。
しばらくして、青井英明と、田崎千代子が、台所に用意されていたチョコレートを持って、マサシ達のいるリビングにやってきた。
「おまたせ!」
「待ったで~!ほな青井君とあけみのおっちゃんおばちゃん食べてみて!」
マサシがそう言うと、英明は椅子に座って、
「ありがとうございます!じゃあいただきます!」
と言った。
あけみの母、好子はそれに続いて、
「じゃあ、お言葉に甘えて、お口に甘い物をいただくことにしますわ。」
と言って、上品にチョコレートを口に運び、
「失礼します。どうぞいらっしゃいませ!うぃ~ん。」
と言い、口の中にチョコレートを放り込んだ。好子は続けて、
「ほびは、ひまりま~す!(扉しまりま~す!)バリボリバリボリ!お茶もいただきますわ。熱いのでお気をつけます!」
と言いながら、お茶目に食べた。
「いちいち変な食べ方をしなくてもいいのよ!」
母親の可笑しなお菓子の食べ方に腹を立てて、あけみが怒る。すると、好子はさらに
「あらやだ~あなた~娘におこられちゃった!」
と甘えてみせた。そう、好子はつい、たっぷりと甘さを味わいたくなったのだ。
紺野拓也は相変わらずウゴ~ン!と奇声をあげて、
「いやりょ~まさか仕事首になってこんな処でチョコレート食べることになるなんてりょ!」
と言った。あけみがその言葉の重大さに気づくのは、これから半日経ってのことだった…。
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