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第31話・白龍とのSMプレイ2

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綺麗だから許してやるが、言ってることはお前のような雑魚と同じLVまで能力を落としてやる。死なないようにしてやったんだから、這いつくばってでも遊び相手になれってことだろ。
ただ、収穫としては手加減なんてスキルがあるのか。
指導するうえでは重宝するスキルだな。

「そして、ここからがポイントね。龍は生態系の頂点とも言われている存在、だから私に指導を受けるのは最高の修行になると思うけど?」

まあ、確かに言ってることは分かるけども、果たして龍と修行なんて可能なのか?

「あと1つ、人間はスキルについてまるで知らないでしょ?それも教えてあ・げ・る」

ぐ、なんか話すとバカっぽいんだよな。
顔立ちと艶のある雰囲気があるから魅力的に見えてしまうが、多分バカだ。
これが、喋らなければ美人なのに的なやつか。
だけど、魅力的に見える。困ったものだ。
指導を受けるのは過酷すぎて死ぬ思いをするのが目にみえるが、スキルについては絶対に教えてもらいたい。強くなれるかもしれない。

「よろしくお願いします」

「私の事は師匠と呼びなさい」

「し、師匠ですか・・・なにか理由があるのですか?」

「人間が師匠って言葉を使っていて、私も師匠になりたかったのよ」

やっぱりバカだろう。

「じゃあ、まずは私の光弾を相殺してもらうわ」

光弾は光魔法だろうけど、相殺?

「それも知らないのね、まず風魔法は他の魔法に比べて圧倒的に有利な点があるの。それは、魔法の発動が異常に早い。他の魔法は上位魔法になるほど発動に時間がかかるようになるけど風魔法は発動に時間はいらないわ。そこを生かして攻撃なさい」

そうなのか、他の魔法使いをほぼ見たことないから普通だと思っていた。だが、発動が早いなら対人戦は圧倒的に有利になれる。

「そして、風魔法のもう一つの利点は防御に使えるということよ。風魔法は土、火、水、雷、闇、光魔法を相殺したり防いだりできるの。ようは、速度のある攻撃と防御を兼ね備えたのが風魔法ね。人間達は風魔法が戦闘魔法ではなく支援や偵察魔法とか言ってるけど、見当違いよ」

風魔法で他の魔法を相殺できるのは知らなかった。それができるなら・・・ん?!
まさか、ウインドカッターとかで相殺できるんじゃないか?今まで、ウインドシールドでしか防御してこなかったが、ウインドカッターが相殺魔法になるなら俺はもっと強くなれる!
さすが龍だ、俺も固定観念にとらわれていたのかもな。
龍という存在は、この世界の本質を見抜いているのかもしれない

「じゃあいくわよ。光弾を今から連射で打ち続けるから魔法で相殺し続けなさい。

アテンの周囲に光が無数に浮かび上がる。
アテンの手が俺へ向けられると光が1つ、また1つと飛んでくる。

爆風の杖が風を纏いだす。
「ダブルウインドカッター!」

魔法に向けて、魔法を放ったことがなかったが無事2つの光弾を相殺した。
だが、まだまだ飛んでくる。

「ダブルウインドブレイド!」

「ダブルウインドカッター!」

「ダブルサドゥンウインド!」

「ダブルウインドカッター!」

あっ、と思った時には、光弾1発の相殺を失敗し俺の体に被弾する。

「ぐっ!」

その後からずっと光弾が飛んでくる。
言葉がでないほどの衝撃だ、何十発という光弾を浴び動くことさえままならず倒れる。

「ふふ、HP1ね。ヒール」

するっと立ち上がれた、さすが龍だ。
なにもなかったのように体が回復している。

「じゃあ、次いくわよ」

アテンの周囲に無数の光弾が浮かび上がる。
くっ!休憩なしで死の一歩手前を続けるのか。

俺は何十回も瀕死になり倒れ、ヒールで完全回復をさせられてを繰り返す修行に気が狂いなりそうにながらも風魔法で相殺し続けた。

「ダブルウインドカッター」

ようやく、初めて用意された光弾を相殺しきった。

「よくがんばったわね」

「ああ、体力はアテンのヒールのおかげでなんともないが、精神的にきつい修行だった」

「でしょうね、ただこの修行によってあなたには魔法が手に入っているはずよ」

俺はまだLVが上がっていないため魔法は取得できていないはずだ。

「ああ、違うのよ。LVアップしたら手に入る魔法リストにあるはずだから取得するか検討してみなさい」

「ありがとうございます」

「そこは、ありがとうございます!師匠!でしょ?」

「ありがとうございます!師匠!」

まあ、やりとり一つで色々教えてもらえるなら嬉しい限りだがどういうことだ?魔法を相殺し続けたら手に入る魔法があるのか?ということは、新魔法の取得は条件クリアで発生するものなのか?

「今日はここまでね。もう夜だし、気が向いたら弟子の顔を見に来るわ」

「はい、ありがとうございました。師匠」

「またね」

手を振ってアテンは西に向かって去っていく。

「俺も帰ろう・・・今日は死ぬほど疲れた」

知能のあるモンスターは裏と表の世界を把握しているらしい。
これ、俺の存在が知られると結構危なくないか?
と色々考えながら宿で寝る。



----17日目表世界----
チュンチュン。

はあ、昨日の修行が堪えたな。
疲れが抜けてないように思える。
狩りもしていなからドロップ品もないし、エンリルへ帰ろう。
宿を出ると、左腕を抱えられる。

「ゼロ、会いに来てあげたわ」
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