灰色の人生は異世界(MMORPG仕様)への転移で、虹色の人生に

ぎたー

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第32話・白龍とアーチャーの掛け合い1

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アテンが俺の左腕に胸を当てて微笑んでいた。

ッ!!!
その腕を全力で振りほどく。

「きゃっ」

「師匠!お願いします!帰ってください!」

ゼロは、ジャンピング土下座を決行する。

「ちょっとちょっと~。こんな美女の胸を押し付けられて、土下座しながら帰ってください、はさすがにないでしょ?」

「本当に帰ってください!俺はこの世界が好きなのです。師匠に修行をつけてもらえるのは大変ありがたいのですが、師匠が強すぎて狩りや対人戦に支障がでると思うのです!」

「私、ゼロが喜んでくれると思ったのに・・・」

アテンはひっくひっくと手で顔を覆い、泣き出す。
周りの人が、美人を泣かした暴漢を見る目をしてくる。
俺は声を大にして言いたい!
こいつは!ドラゴンだ!!!

「師匠、とりあえず泣くのはやめてください。お願いします・・・」

「私、一緒についていってもいい?」

つぶらな瞳で見つめてくる。
美人なのは分かる、だとしてもドラゴンだ。

「一緒にきてもいいですが、狩りしている時は手を出さない邪魔をしない、を守っていただければいいですよ」

「分かったわ。その条件飲むわ」

「はい・・・」

アテンは涙を拭って笑顔になる。
俺の計画では白龍のアテンを仲間にしようと思った。だが、このドラゴンは規格外に強すぎる。
仲間にしたら最強ギルドになるのは間違いない。間違いないのだが、ドラゴンだけで全員倒して勝利!なんてのはギルドバトルではない。ただの虐殺だ。俺の世界が壊れてしまう!

そして、アテンよ・・・
ドラゴンのくせに、俺をボコボコにしたくせに、俺より圧倒的に強いくせに、泣くな!
というか周りの人間共!この世界観でアテンの服装がTシャツに短パンっていうスタイルにおかしいと思わないのか、あきらかに異常者だろ・・・


「ゼロはどこへ行くの?」

「とりあえず、首都エンリルへ帰ろうかなと」

「走っていくの?」

「そうなるかな。昨日は戦争があったからエアの町にいただけで、エンリルが拠点なんだ」

やはりついてくるそうで、一緒にエンリルへ向けて歩き出す。

「師匠は普段、どこでなにをしているんだ?」

「そうねー、散歩したり、住処で寝たり、食事するしかないのよね」

「龍がどこかの地域を守護しているとか、そういう役割的なものはないの?」

「うーん、そういう龍もいるけどね。私は、自由よ」

アテンは暇らしい。
あきらかにニートだ・・・
ドラゴンは最強の生物だしニートも許されるよな。

「ゼロは?」

「俺は、狩りをして、寝て、食事を繰り返す毎日かな」

「私と一緒ね」

いや!全く違う!
この世界の狩りは仕事だ!決して散歩じゃない!

「あ、師匠は人に龍だとバレたりしますか?強さが滲みでるとか」

「そういうのは隠しておくから大丈夫よ。スキルがあるから」

あらためて思うが、この世界では重要なスキルを持っているだけで人生を変えれるな。
ただ、看破スキル持ちとかがアテンに使用してドラゴンと分かったら、目ん玉飛び出るだろうな。
龍が首都にいた時点でパニックが起こりそうだ。
とはいえ、アテンの事を考えても仕方ない。宿に行って、昨日ルリさんのLV上げできなかった件を謝りに行こう。

宿に着くとルリのお父さんであり、クエスト依頼者でもあるギンさんがカウンターにいた。
俺はすぐに頭を下げる。

「ギンさん、ルリさんのLV上げができず本当に申し訳ございませんでした」

「ゼロさん、気になさらないでください。ルリから話を聞いてますよ。
イーリス王国のために戦ってくれたんですよね?それは誇っていいことです。クエストもこのまま続けてもらえますか?」

「是非!ルリさんはまだまだ成長しますし、立派な冒険者になれますので」

よかったぁ、ギンさんがいい人で。
もし、クエストを破棄されて追い出されていたら、ルリさんとの繋がりが消えてしまうかもしれない。そのことに結構ビビっていた。

「ルリをお願いします。で、後ろの綺麗なお方は?」

「はい、私はアテンといいます。ゼロとは、昨日お互いに全てを曝け出した深い仲です」

・・・

俺はアテンを全力で睨む。
おい!!!アテン!いや、バカドラゴン!
どんな言い回しだ!ふざけるのも大概にしろよ!
ギンさんが・・・

「ゼロさん、どういう間柄で?」

勘違いするだろ!

「いえ、アテンの言い回しが悪いだけです。昨日知り合って、少しお話しした事を大袈裟に言ってるだけです。彼女と俺はなにもありません!」

「では、なぜここへ?」

ぐっ!無理だ。
アテンが来た理由の説明が思いつかない。
なんといっても角が立つ、どうすれば・・・

「ゼロさん!無事でしたか?」

ルリさんが奥から出てくる。

「ルリさん!無事に帰ってきました。LV上げができず、昨日はすみませんでした」

「いえ、イーリス王国のために戦ってくれた人を責めるなんてことしませんよ。お父さん、今からゼロさんと狩りへ行ってきてもいいですか?」

「ああ、いっておいで」

「あ、忘れ物を部屋に取りに行ってくるんで、ちょっと待っててください」

俺は部屋へと戻り、保管箱に入った精算品を回収。
出かける前にギンさんへ告げる。
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