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第54話・最強を目指すためのギルド1

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「相変わらず、ゼロのヘイストは早いわね」

「まあ、俺が持つ魔法で自慢の魔法です」

高速で下々のダンジョンまで辿り着く。
インターホンは、初めて下々のダンジョンにきたルリさんに押してもらう。

ピンポーン。

「はーい、どなたですかー?」

・・・

「え?
これはどのようにお答えすればよろしいのですか?」

ルリさんから当然のように疑問視されるので、答える。

「好きなようにお答えください」

「冒険者3名で狩りにきたのですが」

「冒険者様でしたか。
そうですね、今日は特別に入る事を許可しましょう」

ガチャ。

「ゼロさん、このダンジョンは喋るのですね」

「ダンジョンが喋っているかどうかも定かではないのですが、変ではありますよね」

「変ね」

3人で笑いあいながら、下々のダンジョンに入る。
まず最初にしないといけないのが、食い逃げ犯が狩られていない部屋を探すこと。
それも、この3人なら2部屋は確保したいところだ。
2部屋が隣接して空いている場所を探す。

「ゼロさん!ありましたよ。
狩られていない2部屋!」

「ルリさん、さすがです!今日はLV上げが捗りますね」

「私もがんばるわ」

3人で意気込む。
食い逃げ犯を魔法の射程に入れたら速攻で攻撃する。

「ダブルキラーウインド!ディレイスペル解放!キラーウインドtwo!」

4つの爆風の斬撃が食い逃げ犯を、有無を言わさずに斬り倒す。

「ゼロさん。
これで終わりですか?」

ルリさんは、これが狩りになっているのですか?
と視線で訴えてくる。

「そうです。
これが今日の狩りです。
すぐに次の部屋に行きますよ。
本来は、部屋が広いので別部屋に移動するのが大変ですが、今はヘイストがあるのですぐに移動できます」

ヘイストの効果により、高速で別部屋に移動し食い逃げ犯と対峙する。

「ディレイスペル解放!キラーウインドfour!」

4つの爆風の斬撃が食い逃げ犯を斬り刻み倒れる。

「ルリさん、今日はこの繰り返しです。
食い逃げ犯は湧きに少し時間がかかるので、その間にクールタイムの回復をします。
もし俺の攻撃で1確にならない場合は、ルリさんが狩ってください」

「分かりました!がんばります!
集中!速射!」

「まあ、ゼロとルリさんが攻撃したら私の出番はなさそうよね」

「そうなるかな。
今日は走るのが狩りと思っておいて。
ドロップ品も、タイミングを見て拾いにいこう」

「了解」「分かりました!」

ルリさんもレイナも、素直で努力家なところがある美人二人組だ。
元気よく、楽しく狩りをしないとな!

その後も2部屋ごとにいる食い逃げ犯が湧いた瞬間に、ほぼ1確ぐらいのスピードで倒し続ける。
狩り効率はMAXの状態だ。
以前、2部屋をソロで狩りしていた時は、部屋が広いので別部屋に移動するのにヘロヘロになってしまい、疲れ果てて動けなかった時間もあったが、今日はがんばれそうだ。
沸き待ちしている間の休息が重要だ。

結果!ルリさんは3LV上がって20LV!レイナは2LV上がったそうだ。
この世界ではLVを聞くのは失礼に当たるため、レイナにはなんLVになったかは聞いてないが、30LV手前ぐらいだろう。
ルリさんは無事、ギルド作成時の副マスターになれる20LVだ。

「ゼロさん、まさかパワーレベリングがここまですごいものだとは思いませんでした」

「いえ、普通はここまで早くLVは上げられないと思います。
正直、このダンジョンはパワーレベリング用の狩場としか思えない構図です。
そして、2部屋狩りをすれば最高効率なのですが、ちゃんと狩り効率を落とすために部屋を広くして移動時間を多くしてあるのも上手い狩場だなと。
ただ、俺はヘイストが使えるので最高効率のパワーレベリングが完成していたというわけです」

「すごいです!ゼロさん!」

ルリさんが、手を握って尊敬の眼差しを送ってくる。

「ありがとうございます。そういっていただけると嬉しいです」

ルリさんの純粋で尊敬を込めた眼差しが可愛くてしょうがない。

「ゼロ、ルリさんが可愛いからってヘラヘラしないの」

「はい・・・」

レイナは、じーっと見つめてくる。
レイナ、俺は決してヘラヘラしていない!
と心の中で言い訳する。

下々のダンジョンを出ると、夕焼けから夜になりつつある。
走って、エンリルの冒険者協会へ帰る。

先にレイナと、ルリさんの精算が終わる。
俺も、精算のためにカウンターのマリさんの元へ伺う。

「ゼロさん、今日もお疲れ様でした」

「精算をお願いします」

「はい」

マリさんに営業スマイルをもらう。
営業スマイルでも、美人の人がすれば可愛いよな!
世の中の男性が思うはずだ。

さーっと冷たく暗い冷気が立ちこんだ気がする。
俺、ルリさんとレイナに顔見せてないんだが!
精算をお願いします。の後は喋ってないんだが!

「悪魔の心臓202個と骨64本で金貨21枚と銀貨4枚と銅貨8枚になりますが、サティさんとダンさんへの支払い金貨3枚となりますので、お渡しは金貨18枚と銀貨4枚と銅貨8枚になります」

「ありがとうございます。
マリさん、ギルドを作成したいのですができますか?」
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