灰色の人生は異世界(MMORPG仕様)への転移で、虹色の人生に

ぎたー

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第92話・マリさんと食事に行こうと1

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マリさんは冒険者協会の受付嬢として、いつから働きだしたんだろうな。

現実の俺は仕事を好きでやっていた訳ではなく、お金のために嫌々やってた。
だが、受付嬢のマリさんは生き生きとして仕事をしているように見える。純粋にそういう人達を尊敬するし憧れもする、俺もあんな風になりたいと。
まあ、大抵の人間は表と裏があるから本当に生き生きしているかは微妙だが・・・
なんて思いながらマリさんを眺めていると、仕事を終えて私服姿で出てくる。

髪はしっかりとセットされて、服は少しだけ可愛く装飾された派手すぎないワンピースだ。普通の私服なんだろうけど、十分LVが高いな。そして整った顔立ち、完璧すぎる。

「ゼロさん・・・あんまり見られると恥ずかしいです」

マリさんは、顔を赤くしつつ俯く。
な、なんだ、マリさんって積極的でグイグイくるタイプかと思ったけど、めちゃくちゃく女の子じゃないか!?

「す、すみません、見とれてしまいまして」

マリさんは照れて、縮こまる。
本当にどうなっているんだ、俺の知っているマリさんじゃない。
別人か?

ゼロは相当に失礼な事を考えながらも、照れているマリと冒険者協会から出ていく。

「マリさん、今日は協会長に教えていただいたフレンチのお店に行こうかと」

「そ、そうですか。楽しみです」

この人誰!?
緊張しすぎだし!こんなの俺も緊張するって!



「ねえ、あれ本当にマリさん?全然雰囲気違うんだけど」

「マリさんがおかしいです!なんであんなに女の子になっているんですか!」

「可愛らしいですわね」

冒険者協会の外でレイナ、ルリ、アシュレイは物陰に潜みながら、ゼロ達を監視していた。

「なんで二人とも、初対面のカップル感がでてるのよ!」

「わたくし、もう止めるべきだと思います!ゼロさんは、あういう清純な女性が好きだと思います!」

レイナはゼロとマリの雰囲気が初々しいカップルみたいにみえて、ルリにはお似合いのカップルに見えて仕方がなかった。アシュレイは、これは面白いと思ってレイナとルリを宥める。

「お二方とも今止めに入ったら、また別の機会にってなるかもしれませんわ」

レイナとルリは二人を止めずに恋へ発展されても困る。だけど次の機会にされて監視も出来ず、上手くいかれても困る。
二人はうぐぐぐぐ、と唸り声を上げるしかなかった。


アシュレイはレイナとルリの表情を見ながら、面白がっていた。
レイナさんは、好きとは言わないけど態度で好きよとアピールしている。
ルリさんは大好きです!というのを全面に出しつつも、上品な雰囲気を残すことでゼロの気を惹く作戦をとっている。
私もゼロの事は好きですからお二人のような事を思わなくもないですが、王女という立場が優先です。
お父様よりゼロとの関係を深めよとの王命があり、王政からしても必ずゼロと婚姻を結ぶのは確実なわけですから、私はこの状況を楽しみましょう。
お父様、私は今、人生で一番楽しいかもしれませんわ!と、アシュレイは喜んでいた。


マリとゼロは高級フレンチの店へ歩いて向かう。
もちろんヘイストなんて無粋なものをかけずに。

「ゼロさんは、なんで冒険者になりたいと思ったのですか?」

少しだけ脚色しつつ真実を語ってみるか。

「俺は過去に冒険者だったことがあるのですよ。冒険者の時は毎日が楽しくてしょうがなかった、LVを上げて、狩りをしてドロップアイテムを手にいれて、クエストをして、対人戦で悔しがって、ギルドメンバーと笑い合う。全てが最高でした。ですが、ある出来事から冒険者を辞めました」

マリは、すごく真剣な表情でゼロの話を聞いている。

「冒険者をやめた後はどうでもいい仕事に就いて、上司に言われたとおり望まれるように働いていました。そこに信念や情熱、楽しさや喜びなどは一切ありません。ただひたすらに退屈だなと仕事をする俺は、どうようしもない人間だなと。ただ生きているだけじゃないか、こんな状態で生きている必要があるのだろうかと思っていました。そんなとき大好きな仕事をして輝いている友人に声をかけてもらいました」

俺はマリさんを見て話す。

「そうですね、ちょうど受付嬢のマリさんのような感じです。その友人からもう一度冒険者になってみないかと言われたのです。俺ももう一度好きなことをやって輝きたい、その一心で冒険者になりたいと思ったのです。長々とすみません」

俺は頭を下げる。

「・・・いえ、ゼロさんの事が分かってよかったです。でも色々と納得がいきました、ゼロさんは私が見てきた冒険者の方達とは全然違いますから。それは過去に冒険者をしていたからこそなんですね」

マリさんは、俺の話から色々と納得いただけたようだ。
現実の俺自身の話をこの世界で誰にも話したことがなかったからな、変な気持ちだ。
そんな事を思っていると、マリさんの目が光ったような気がした。

「ゼロさん、ところで過去に冒険者をしていたという事ですが、どこで冒険者をしていたのですが?お話しから察するに、ギルドや対人戦も行っていたと。そんな低LVで対人戦なんてできるのでしょうか?いえ、できません。ゼロさんが冒険者協会に来た時には右も左も分からない状態だったのは覚えています。低LVだったのも間違いないのでしょう。狩りをしてドロップ品やクエストまでこなしていたと。さあ、ゼロさんとうとう真実を話す時がきましたよ!初めて自分の事を語ってくれて、とても嬉しかったです。ですから今日こそは逃がしませんよ!」

マリさんは俺の両肩を両手で掴み、ズイっと顔を寄せてくる。

しまったーーーーーーーーー!
この頃、俺の秘密への詮索がなくなっていたから心を許してしまっていた、油断した・・・
それに今日の奥ゆかしいマリさんになら俺の事を知ってほしいなぁ、なんて思ったことが間違いだった!
そのせいでマリさんの病気が発症、マシンガントークも炸裂です。
両肩も掴まれてます、顔も近い!
タ、タスケテー。
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