『借景の婚約者 ― 学院長代理の計算違い』

星乃和花

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番外編 学院長代理、借景を選ぶ理由

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― 第1・2話の裏側/セドリック視点 ―


 寄付総額、前年度比三割減。

 数字だけ見れば単純な話だ。
 原因を洗い出し、対策を立て、実行する。それは、これまで山ほどやってきた仕事と何も変わらない。

 ……はずだった。

「“独身の学院長代理は不安だ”とは、よく言ってくれたものですね」

 誰にともなく、私は小さくつぶやいた。

 机の上に広げた資料には、いくつものメモが書き込まれている。
 寄付者の構成比、最近の世論の傾向、他学院との差別化要素。
 その中に、やわらかい字で挟まれた一文。

『家庭を持つ覚悟のある人物に託したい』

 要約すると――“そろそろ結婚しろ”。

 数字の行間に、そう書いてあるようにしか見えない。

 結婚そのものを否定するつもりはない。
 ただ、“誰でもいいから早く”と言われると、逆に難しくなるだけだ。

(仮でもいい。けれど、粗末な仮では意味がない)

 寄付者の不安を和らげるための“婚約者”。
 それは、単なる飾りではいけない。
 学院の顔として、私と並び立つ存在だ。

 さて――その役を誰に頼むか。

 頭の中で候補者の条件を並べながら、私は資料を閉じた。

 有力貴族の令嬢。家柄も問題ない。
 だが、彼女は「別の相手と婚約交渉中」との情報がある。

 外交官の娘。社交の場には向いている。
 ただし、学院とのしがらみが薄く、“お飾り”と受け取られかねない。

 ……どれも、決め手に欠ける。

(学院を“大切”だと言える者。できれば、そういう人間に並んでもらいたいのですが)

 それは贅沢な願いかもしれない。
 けれど、妥協した顔ぶれで場を取り繕っても、長くは持たないことを、私はよく知っている。

「とりあえず、今日は実習棟の様子でも見て回りましょうか」

 決断を急ぎすぎてもろくなる。
 少し頭を冷やす必要がある。

 私はメモを片付け、上着の裾を整えてから、学院長室を出た。

     ◇

 職員用廊下に出ると、まだ朝の光が眩しい。

 磨き上げられた床に、自分の靴音が静かに響く。

「わっ⁉」

 甲高い声とともに、書類と布が宙を舞った。

 前方の角から飛び出してきた影が、つるりと滑ったのが見えた。
 昨夜ワックスをかけたばかりの床。その情報が、妙に鮮明によみがえる。

 考えるより先に、身体が動いていた。

「っと」

 腰と肩を支える。
 驚いた拍子に、彼女の頭が私の胸にぶつかったのがわかった。

 軽い。思ったより、ずっと。

 腕に伝わるその重みと細さに、変な力が入らないよう気をつけながら、私は静かに声をかける。

「……フェンネル嬢?」

「あ、あのっ、アーデン先生……!」

 栗色の髪をゆるく結った少女。
 家政学科二年生、奨学生。――リラ・フェンネル。

 名簿で何度か見かけた名前だ。
 成績優秀、生活態度良好。家政学科の教官の推薦文も、ずいぶん熱がこもっていた。

 ただ、それだけだ。

 ……はずだったのだが。

「す、すみません! 床のワックスがけ、昨日したてで、つるつるで……!」

「いえ。怪我はありませんか?」

 形式どおりの確認をすると、彼女はぶんぶんと首を振った。

「だ、大丈夫です! 書類も……あ、だめです、全然大丈夫じゃなかったです……!」

 床に散らばった紙を見て、あたふたと慌てている。

 視線の端に、書類のタイトルが映った。

(奨学金支給申請書……)

 よりによって、それをばらまいたのか。

「あ、あのっ、並べ直します、すぐ――」

「私も手伝いましょう」

「えっ、いえ、そんな! 学院長代理さまに、床をはわせるわけには……!」

「“はわせる”とは、ずいぶんな表現ですね」

 くすりと笑いながら、私はしゃがみ込んだ。
 ワックスの光沢が、今日に限って恨めしい。

 彼女も向かい側にしゃがみ、書類をかき集めはじめた。

 そのとき――

「……寄付、減ってるんですよね」

 ぽろりとこぼれた一言に、思わず手が止まる。

「す、すみません! 今のナシで――」

「いいえ。……どこまで、見ましたか?」

「えっと、『今年度寄付総額 前年度比三割減』っていうところまで、です」

 正直な子だ。

 濁したり、笑って誤魔化したりしてもよいものを。
 額面どおりの数字まで口にしてしまう。

(……なるほど)

 私は小さく息を吐いた。

「フェンネル嬢は、家政学科の奨学生でしたね」

「は、はい。学費のほとんどを奨学金に頼っているので……寄付が減ったら、その、困るなあと思って……」

 困る、と彼女は言った。

 自分のことばかりでなく、資料の束を抱える腕に、ぎゅっと力がこもるのが見えた。

「私、もっと役に立てたら良いんですけど……。お掃除とか、何か手伝えることがあれば……!」

 申し訳なさと、焦りと、それでも前を向こうとする意志。
 そういうものが、ごちゃまぜになって、真っ直ぐな目でこちらを見上げてくる。

(役に立ちたい、か)

 その言葉は、私にとっても耳の痛いものだった。

 数字と計画で学院を“守れている”と信じていたが――
 奨学生の彼女から見れば、守られる側であると同時に、自身が何もできない存在に見えるのかもしれない。

 ……いや、違うな。

 “何かをしたい”と、彼女は言ったのだ。

 自分の立場を知りながら、それでもなお。

 私は書類を整えながら、何気ないふりをして問いかける。

「役に立ちたいと?」

「当たり前です! だって、この学院に来られたのは、たくさんの人のおかげなので。
 借りている場所だからこそ、ちゃんと綺麗にして、長持ちさせたいというか……」

 そこまでは、よくある話だ。
 奨学生ならば、誰もが似たような意識を持つ。

 だが、次の一言が、私の中の何かを拾い上げた。

「……えっと、その、借景みたいな……?」

「借景?」

「はい。お庭の借景って、よそ様の景色をお借りして、自分の庭をきれいに見せるっていう考え方なんですけど。
 この学院も、私にとっては“お借りしている景色”みたいなもので……。
 でも、ただの借景じゃなくて、ちゃんと私も、ここにいる色になれたらいいなって……」

 言いながら、彼女は自分で恥ずかしくなったらしく、耳まで赤くしていた。

 ……借景。

 “よそ様の景色をお借りして、自分の庭をきれいに見せる”。

 それは、今まさに私がしようとしていたことに、奇妙な形で重なった。

(婚約者を立てる――学院の見え方を整える、“借景”)

 数字上の説明ではなく、心の納得のための言葉。
 私はその表現を、まだ持っていなかった。

 目の前の彼女は、自然に口にしてみせた。

(……フェンネル・リラ)

 家政学科二年。奨学生。
 将来は、どこかの家に入って、家庭を支える仕事に就くのだろう――と、漠然と思っていた。

 だが今は違って見える。

 この学院全体を、“借りている景色”だと言える学生。
 そのこと自体が、私たちの掲げる理念――“身分に関わらず、学ぶ者を迎える庭”の証明になる。

 奨学生であることは、むしろ都合がいい。
 寄付者には反発もあるだろうが、それを説得してこそ意味がある。

(……役に立ちたい、借景でいたい、か)

 彼女の言葉一つ一つが、頭の中のパズルの欠片にはまっていく。

 私は書類を整えながら、自分でも驚くほど静かな声で言った。

「フェンネル嬢」

「は、はい……」

「君は今、とても助け舟を出した自覚がありませんね」

 彼女は首をかしげた。
 本当に、自覚はないのだろう。

 それでいい。
 意図していないからこそ、価値がある。

「私は、今すぐにでも欲しい“借景”があるのです」

「えっと……お庭のですか?」

「いいえ。――婚約者です」

 言葉にしてしまえば、それはあまりにも直裁で、我ながら乱暴だと思った。

     ◇

「私でよければ、精一杯、綺麗に整えてお返しします。
 “借景の婚約者”として、学院のために、できることを全部したいです」

 “整えてお返しします”。

 借りたものを、傷つけずに、少しでも良い状態で返そうとする者の言葉だ。

 私は、その言い方が、ひどく気に入った。

(――やれやれ。これは困りましたね)

 内心で苦笑しながら、外側はいつも通りの顔を保つ。

「……承知しました。では、契約成立ですね、フェンネル嬢」

 差し出した手を、彼女はおそるおそる握り返してきた。

 小さな手だった。
 だが、その指先には、料理や掃除で鍛えられた、細かな傷と温もりがあった。

 “借景の婚約者”。

 その言葉は、本来は一時しのぎの策にすぎない。

 ……なのに、握り返されたその瞬間、私は薄々気づいていた。

(きっと私は、ここから先の計画どおりには、動けなくなる)

 それでも、「はい」と言ったのは――愚かか、正直か。その両方だろう。

     ◇

 放課後の学院長室。

 紅茶の香りが満ちる中で、私は契約書の草案を読み上げていた。

『第一条 両者は、本契約が学院の安定運営および寄付者への印象改善を目的とした“仮の婚約”であることを理解し、相手の将来の自由な選択を妨げないこと』

 仮であると明記することで、彼女の将来の可能性を奪わない。
 同時に、私自身も、彼女の人生を“もらい過ぎない”枠を設ける。

『第二条 仮婚約期間中、フェンネル嬢を不当に扱う者からは、アーデンが公的立場をもって保護すること』

 これは完全に私の我儘だ。

『第三条 卒業後、フェンネル嬢が希望する場合、仮婚約を円満に解消できるよう配慮すること』

 ここまで読んだところで、彼女がそっと手を挙げた。

「あの……なんか、私のほうが守られてませんか?」

 その言い方に、思わず笑いそうになった。

 自分が得をしていることを、素直に不思議がる者は少ない。
 多くは、そこに乗じようとする。

「そう見えますか?」

「はい。もっと、“先生に迷惑をかけないようにします”とか、“勝手な真似はしません”とか、そういうのを入れておいたほうがいいんじゃ……」

「それは暗黙の前提として、それで十分でしょう」

「でも、どうにも納得がいかないので……」

 彼女はペンを手に取り、契約書の端に小さく書き足した。

『第〇条 過度に迷惑をかけないよう、全力で気をつけること(リラ)』

 ――括弧付き。自分の名前入り。

 私は、しばらく言葉を失った。

 条文としては、稚拙もいいところだ。
 しかし、“契約”の本質は、互いの気持ちをすり合わせることにある。

 形式よりも、その一文に込められた彼女の遠慮と誠実さのほうが、大事だと思えた。

「では、こちらも追加しておきましょうか」

 ペンを取り、その下に書き足す。

『第〇条の二 上記に反し、私が君に“迷惑をかけている”と判断した場合、速やかに謝罪し、改善に努めること(セドリック)』

 これで、帳尻は合う。

 彼女は目を丸くして、それからふっと笑った。

 その笑顔を見て、私は静かに確信した。

(――やはり、この人選は正しい)

 たとえ寄付者の一部に反発されようとも。
 それを説得する価値がある。

 この学院が守っているのは、こういう学生なのだと、胸を張って示せる。

 ……そう、思っていたのだが。

「借景って、よそ様の景色を借りて自分の庭を整えるものですけど」

 彼女が、紅茶のカップを両手で包みながら言った。

「先生の隣にいる間だけは、私も“先生の庭”の一部として、恥ずかしくないようにしたいなって」

 その一言で、私の中の“計算”は、少しだけ揺れた。

 学院の庭。寄付者の庭。学生たちの庭。
 それらを整えるための“借景”としての婚約者――。

 そこに、“私の庭”という言葉が加わる。

 まるで、自分の中に作ってはいけない花壇に、勝手に種を蒔かれたような気分だった。

(……困りましたね)

 私は紅茶の香りで誤魔化しながら、表面上はいつも通りの声で答える。

「その言葉は、この契約の“最重要条項”として、私のほうで覚えておきましょう」

 正式な書面には書かない。
 だが、忘れることも、もうできない。

「ではこれより、フェンネル嬢を、王立レーヴァンス学院・学院長代理セドリック・アーデンの“借景の婚約者”として任命します」

 儀式めいた口調で告げると、彼女は慌てて頭を下げた。

「よ、よろしくお願いします、セドリック様!」

 名前を呼ばれて、思わず喉の奥が熱くなる。

 学院長代理として、名前を呼ばれることには慣れている。
 だが、“婚約者”として呼ばれるのは、また別の話だ。

(……慣れが必要なのは、君だけではないのですがね)

 心の中だけでそう呟き、私は笑みを飲み込んだ。

     ◇

 あの日の保健室で、彼女は尋ねた。

「これって、やっぱり……婚約者だから、なんですか?」

 倒れかけた彼女を抱きとめ、お姫さまだっこで運び、ジャケットを枕代わりに敷いたこと。

 それを、“婚約者だから”と片付けてしまうのは、たしかに簡単だ。

 だが、本当は少し違う。

 ――契約相手だから。
 ――学院を共に守る、と口にしてくれた人だから。

 そして何より――

(あの廊下で、君が“借景”という言葉をくれたからだ)

 そう言いかけて、私は飲み込んだ。

 今言えば、それはきっと、計画を早めてしまう。
 まだ、数字も、寄付も、何も安定していない。

 だから私は、代わりにこう答えた。

「その話は、また今度、君が起きているときに、落ち着いてしましょう」

 彼女は少し不満そうにしながらも、「今度」という言葉に安心したように笑った。

 ――それでいい。

 私の計画は、たしかに狂い始めている。
 だが、狂い方くらいは、自分で選びたい。

(そのうち話しましょう)

 君を選んだ理由。
 数字にも、契約書にも書けない、“借景”のはじまりを。

 学院長代理としてではなく、ただのセドリックとして。

 いつか、寄付の数字ではなく、君の笑顔を一番の指標にできる日が来たら――そのときこそ。

 その“今度”を、私は少しだけ楽しみにしている。
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