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第2話:半歩、後ろの誓い
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舞踏会の翌朝、私は少しだけ早く目が覚めた。
目が覚めた、というより――胸の奥の“熱”が、まだ残っていたのだと思う。
昨夜の光、音楽、拍手、そして、最後に指先を包まれた感覚。
それらが、夢のように薄れていくのが惜しくて、私は布団の中でじっとしていた。
……尊敬する人と踊っただけ。
初めての舞踏会で、緊張をほどいていただいただけ。
私は自分に言い聞かせて、ようやく起き上がった。
*
「お嬢さま、顔が“ふにゃ”っとしています」
アデルが、朝の紅茶を置きながら言った。
「ふにゃ……?」
「昨夜、幸せでしたね?」
私は咳き込みそうになった。
「そ、そんな……舞踏会ですもの。誰だって――」
「誰だって“指先の握られ方”まで覚えません」
「……っ」
私は黙った。
アデルは満足そうに頷いた。
「大丈夫です。お嬢さま、賢いので“尊敬”の箱にしまい込むのが上手ですから」
「アデル」
「褒めてます」
褒め言葉の使い方が間違っている。
そう言いたかったのに、口がうまく動かなかった。
昨夜のあの一瞬。
指先を包まれたとき、私は確かに――“逃げられない”と思った。
怖い、ではない。
嫌、でもない。
ただ、あまりに静かで、あまりに決定的で、心が置いていかれたみたいだった。
「……今日は何か予定が?」
話題を変えるように言うと、アデルは、まるでそれを待っていたみたいに紙を差し出した。
「王宮からです。結界点検の同行依頼。お父上が承諾されています」
「結界点検……?」
手紙の封蝋には、王都の紋章と、結界魔術師団の印。
目が自然と、その下の署名に吸い寄せられる。
――レオンハルト・アルヴェーン。
胸の奥が、昨夜と同じ場所で小さく鳴った。
「お嬢さま、行きます?」
「……行くわ」
自分で言って、自分でも驚いた。
けれど、行かないという選択肢が、最初から存在しない気がした。
私は、まだ知らない。
この“当然”が、どこから来るのかを。
*
王宮の結界管理区画は、思っていたよりも静かだった。
豪奢な廊下から、ひとつ扉をくぐるだけで空気が変わる。
石壁は装飾が少なく、床の模様は実用のために引かれている。
灯りも控えめで、代わりに――薄い光の筋が、空中をゆっくり流れていた。
「星脈の流れだ」
背後で声がした。
私は振り向く前に、胸が先に落ち着いた。
「レオンハルトさま」
彼はいつも通り、淡い色の外套を羽織っている。
どこまでも静かな雰囲気。
なのに、目が合うと、私は一瞬だけ言葉を忘れる。
昨夜と同じ人なのに。
昨夜とは違う場所だからか。
それとも、私の中の“箱”が、まだきしんでいるからか。
「来てくれて助かる」
「私は……何かお役に立てますか?」
「君の魔力は、結界の“揺れ”を感じ取りやすい。点検の補助になる」
仕事の話。
仕事の言葉。
それだけで、胸の熱は少し落ち着く。
「……はい。頑張ります」
「頑張らなくていい。感じたら、言えばいい」
昨夜と同じ。
私の“頑張り”を奪わず、私の“負担”だけ減らす言い方。
私は頷いて、彼の隣に立った。
――隣。
そう、隣だ。
なのに、彼は一歩、後ろへ引く。
半歩。
私が歩き出すと、彼も歩く。
けれど、前には出ない。
道を示さない。
ただ、危ない箇所だけを静かに塞いでいく。
そんな歩き方だった。
*
結界点検は、思っていた以上に“地味”だった。
水晶板に映る光の波形。
壁の紋様に触れて、魔力の引っかかりを確かめる。
扉の隙間に流れる微かな冷気を読み取る。
華やかさはない。
けれど、確実に王都を支えている仕事だ。
「……ここ、少しだけ……」
私は途中で足を止めた。
石壁に触れた指先が、ぴり、とした。
「揺れた?」
レオンハルトさまが、すぐに近づく。
近づくけれど、肩が触れない距離で止まる。
その“止まり方”が、胸にくる。
「はい。すごく小さいけれど、……薄い紙が震えるみたいな」
自分でも妙な例えだと思った。
けれど彼は笑わない。
「いい。正しい。……薄い場所だ」
彼は指輪を外し、紋様に指先を当てた。
空気が静かに張り詰める。
光の筋が、彼の指先に集まっていく。
彼はそれを、力でねじ伏せない。
ただ、整えている。
――“調律”。
私は、見惚れてしまった。
彼の仕事は、強さではなく、丁寧さだ。
王都を守る結界の要所を預かりながら、彼は声を荒げず、誰かを叱らず、何かを誇らない。
彼はいつも、淡々と。
淡々と、誰かを守っている。
「……すごい」
私の口から零れた。
褒め言葉が遅れて出たみたいに、少し恥ずかしい。
でも、言わずにいられなかった。
レオンハルトさまは、光の流れを落ち着かせながら言った。
「君の言葉が、正確だったからだ」
「また、そういう……」
私は思わず笑ってしまう。
彼は、自分の手柄を自分のものにしない。
それが、彼の“品”なのだと思う。
……品。
そう、尊敬できる素敵な男性だから。
私は彼を慕っている。
恋じゃない。
私は、胸の熱がまた上がるのを感じながら、必死にその言葉を繰り返した。
*
点検の帰り道、王宮の中庭を横切った。
冬の空気は澄んでいて、噴水の水面が薄く凍りかけている。
それを見ていると、昨夜の灯りと金糸の光が、遠い夢みたいに思えた。
「寒いか」
彼が言った。
「いえ、大丈夫です」
「嘘だ」
「……少しだけです」
「なら」
彼は外套を脱ぎかけて、止まった。
止まるのが、早すぎた。
まるで、私の心の“許可”を先に確認するみたいに。
「……着るか」
私は、喉の奥がきゅっとなった。
昨夜の“指先”が蘇る。
逃げられない、ではない。
逃げたくない、でもない。
ただ、私はまだ――この人の優しさを受け取る器の形を知らない。
「だ、大丈夫です。歩けば温まりますから」
私は笑顔を作って言った。
彼はそれ以上、押してこない。
押してこないまま、少しだけ歩幅を落とす。
私に合わせて。
私は気づく。
外套を渡すことより、歩幅を合わせることのほうが、彼にとって自然なのだ。
だから彼はいつも、半歩後ろで。
私の世界の速度を守る。
「レオンハルトさま」
「なに」
「……どうして、そんなに……」
言いかけて、私は止めた。
“どうしてそんなに大切にしてくださるのですか”
そう続けたら、何かが増えてしまいそうだった。
彼は私が黙ったことを責めない。
ただ、静かに待つ。
その沈黙が、今は痛い。
優しすぎて、痛い。
私は言葉を変えた。
「どうしてそんなに、上手に待てるんですか」
彼は、少しだけ目を細めた。
「待つのは、上手いほうがいい」
「……どうして?」
彼は答えをすぐに出さなかった。
中庭の冷たい空気の中で、息が白くほどける。
「急いで言う言葉ほど、壊れやすい」
淡々とした声。
けれど、そこには確かに“経験”があった。
私は、胸の奥が少しだけ沈むのを感じた。
彼にも、壊れた言葉があるのだろうか。
そのとき、遠くで誰かが私たちを見ている気配がした。
王宮の廊下の影。
視線が一瞬、刺さる。
私は身を硬くした。
レオンハルトさまが、私より先にそれに気づく。
彼は前に出ない。
前に出ず――ただ、角度を変えた。
私とその視線の間に、自然に立つ。
半歩。
見えない盾みたいに。
「……今の、誰か……」
「気にしなくていい」
「でも」
「君が気にする必要はない。君の世界に入れるかどうかは、君が決める」
私は息を止めた。
彼は、私の“守り方”が、いつもこうなのだ。
守る。
でも、選ばせる。
私は、胸の熱がまた戻ってくるのを感じた。
尊敬の箱が、またきしむ。
――この人は、私のことを、どんなふうに見ているのだろう。
その問いが、初めて“問い”として立ち上がった。
私はまだ答えを出さない。
出せない。
ただ、気づいてしまった。
半歩後ろの誓いは、私のためだけにある。
それが、怖いほどに、嬉しい。
(つづく)
目が覚めた、というより――胸の奥の“熱”が、まだ残っていたのだと思う。
昨夜の光、音楽、拍手、そして、最後に指先を包まれた感覚。
それらが、夢のように薄れていくのが惜しくて、私は布団の中でじっとしていた。
……尊敬する人と踊っただけ。
初めての舞踏会で、緊張をほどいていただいただけ。
私は自分に言い聞かせて、ようやく起き上がった。
*
「お嬢さま、顔が“ふにゃ”っとしています」
アデルが、朝の紅茶を置きながら言った。
「ふにゃ……?」
「昨夜、幸せでしたね?」
私は咳き込みそうになった。
「そ、そんな……舞踏会ですもの。誰だって――」
「誰だって“指先の握られ方”まで覚えません」
「……っ」
私は黙った。
アデルは満足そうに頷いた。
「大丈夫です。お嬢さま、賢いので“尊敬”の箱にしまい込むのが上手ですから」
「アデル」
「褒めてます」
褒め言葉の使い方が間違っている。
そう言いたかったのに、口がうまく動かなかった。
昨夜のあの一瞬。
指先を包まれたとき、私は確かに――“逃げられない”と思った。
怖い、ではない。
嫌、でもない。
ただ、あまりに静かで、あまりに決定的で、心が置いていかれたみたいだった。
「……今日は何か予定が?」
話題を変えるように言うと、アデルは、まるでそれを待っていたみたいに紙を差し出した。
「王宮からです。結界点検の同行依頼。お父上が承諾されています」
「結界点検……?」
手紙の封蝋には、王都の紋章と、結界魔術師団の印。
目が自然と、その下の署名に吸い寄せられる。
――レオンハルト・アルヴェーン。
胸の奥が、昨夜と同じ場所で小さく鳴った。
「お嬢さま、行きます?」
「……行くわ」
自分で言って、自分でも驚いた。
けれど、行かないという選択肢が、最初から存在しない気がした。
私は、まだ知らない。
この“当然”が、どこから来るのかを。
*
王宮の結界管理区画は、思っていたよりも静かだった。
豪奢な廊下から、ひとつ扉をくぐるだけで空気が変わる。
石壁は装飾が少なく、床の模様は実用のために引かれている。
灯りも控えめで、代わりに――薄い光の筋が、空中をゆっくり流れていた。
「星脈の流れだ」
背後で声がした。
私は振り向く前に、胸が先に落ち着いた。
「レオンハルトさま」
彼はいつも通り、淡い色の外套を羽織っている。
どこまでも静かな雰囲気。
なのに、目が合うと、私は一瞬だけ言葉を忘れる。
昨夜と同じ人なのに。
昨夜とは違う場所だからか。
それとも、私の中の“箱”が、まだきしんでいるからか。
「来てくれて助かる」
「私は……何かお役に立てますか?」
「君の魔力は、結界の“揺れ”を感じ取りやすい。点検の補助になる」
仕事の話。
仕事の言葉。
それだけで、胸の熱は少し落ち着く。
「……はい。頑張ります」
「頑張らなくていい。感じたら、言えばいい」
昨夜と同じ。
私の“頑張り”を奪わず、私の“負担”だけ減らす言い方。
私は頷いて、彼の隣に立った。
――隣。
そう、隣だ。
なのに、彼は一歩、後ろへ引く。
半歩。
私が歩き出すと、彼も歩く。
けれど、前には出ない。
道を示さない。
ただ、危ない箇所だけを静かに塞いでいく。
そんな歩き方だった。
*
結界点検は、思っていた以上に“地味”だった。
水晶板に映る光の波形。
壁の紋様に触れて、魔力の引っかかりを確かめる。
扉の隙間に流れる微かな冷気を読み取る。
華やかさはない。
けれど、確実に王都を支えている仕事だ。
「……ここ、少しだけ……」
私は途中で足を止めた。
石壁に触れた指先が、ぴり、とした。
「揺れた?」
レオンハルトさまが、すぐに近づく。
近づくけれど、肩が触れない距離で止まる。
その“止まり方”が、胸にくる。
「はい。すごく小さいけれど、……薄い紙が震えるみたいな」
自分でも妙な例えだと思った。
けれど彼は笑わない。
「いい。正しい。……薄い場所だ」
彼は指輪を外し、紋様に指先を当てた。
空気が静かに張り詰める。
光の筋が、彼の指先に集まっていく。
彼はそれを、力でねじ伏せない。
ただ、整えている。
――“調律”。
私は、見惚れてしまった。
彼の仕事は、強さではなく、丁寧さだ。
王都を守る結界の要所を預かりながら、彼は声を荒げず、誰かを叱らず、何かを誇らない。
彼はいつも、淡々と。
淡々と、誰かを守っている。
「……すごい」
私の口から零れた。
褒め言葉が遅れて出たみたいに、少し恥ずかしい。
でも、言わずにいられなかった。
レオンハルトさまは、光の流れを落ち着かせながら言った。
「君の言葉が、正確だったからだ」
「また、そういう……」
私は思わず笑ってしまう。
彼は、自分の手柄を自分のものにしない。
それが、彼の“品”なのだと思う。
……品。
そう、尊敬できる素敵な男性だから。
私は彼を慕っている。
恋じゃない。
私は、胸の熱がまた上がるのを感じながら、必死にその言葉を繰り返した。
*
点検の帰り道、王宮の中庭を横切った。
冬の空気は澄んでいて、噴水の水面が薄く凍りかけている。
それを見ていると、昨夜の灯りと金糸の光が、遠い夢みたいに思えた。
「寒いか」
彼が言った。
「いえ、大丈夫です」
「嘘だ」
「……少しだけです」
「なら」
彼は外套を脱ぎかけて、止まった。
止まるのが、早すぎた。
まるで、私の心の“許可”を先に確認するみたいに。
「……着るか」
私は、喉の奥がきゅっとなった。
昨夜の“指先”が蘇る。
逃げられない、ではない。
逃げたくない、でもない。
ただ、私はまだ――この人の優しさを受け取る器の形を知らない。
「だ、大丈夫です。歩けば温まりますから」
私は笑顔を作って言った。
彼はそれ以上、押してこない。
押してこないまま、少しだけ歩幅を落とす。
私に合わせて。
私は気づく。
外套を渡すことより、歩幅を合わせることのほうが、彼にとって自然なのだ。
だから彼はいつも、半歩後ろで。
私の世界の速度を守る。
「レオンハルトさま」
「なに」
「……どうして、そんなに……」
言いかけて、私は止めた。
“どうしてそんなに大切にしてくださるのですか”
そう続けたら、何かが増えてしまいそうだった。
彼は私が黙ったことを責めない。
ただ、静かに待つ。
その沈黙が、今は痛い。
優しすぎて、痛い。
私は言葉を変えた。
「どうしてそんなに、上手に待てるんですか」
彼は、少しだけ目を細めた。
「待つのは、上手いほうがいい」
「……どうして?」
彼は答えをすぐに出さなかった。
中庭の冷たい空気の中で、息が白くほどける。
「急いで言う言葉ほど、壊れやすい」
淡々とした声。
けれど、そこには確かに“経験”があった。
私は、胸の奥が少しだけ沈むのを感じた。
彼にも、壊れた言葉があるのだろうか。
そのとき、遠くで誰かが私たちを見ている気配がした。
王宮の廊下の影。
視線が一瞬、刺さる。
私は身を硬くした。
レオンハルトさまが、私より先にそれに気づく。
彼は前に出ない。
前に出ず――ただ、角度を変えた。
私とその視線の間に、自然に立つ。
半歩。
見えない盾みたいに。
「……今の、誰か……」
「気にしなくていい」
「でも」
「君が気にする必要はない。君の世界に入れるかどうかは、君が決める」
私は息を止めた。
彼は、私の“守り方”が、いつもこうなのだ。
守る。
でも、選ばせる。
私は、胸の熱がまた戻ってくるのを感じた。
尊敬の箱が、またきしむ。
――この人は、私のことを、どんなふうに見ているのだろう。
その問いが、初めて“問い”として立ち上がった。
私はまだ答えを出さない。
出せない。
ただ、気づいてしまった。
半歩後ろの誓いは、私のためだけにある。
それが、怖いほどに、嬉しい。
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