45 / 51
第十二話 エピローグ:日向の誓い(甘々)
しおりを挟む
(イリス視点)
朝。
研究室の隣——日向の控え室に、星刺繍の厚紙を広げた。
表題は、生活に使える誓約書。金色の細ペンで項目を書き込む。
第一条(朝) 毎朝、紅茶二杯。互いの“今日の角度”を確認し、可愛い自己申告欄を更新すること。
第二条(昼) “Rの操作”は一日一回以上、十秒。
第三条(合図) 星🟊一個で“愛は続行中”。言葉は無理な日も尊いこと。
第四条(雨) 傘の内側では“雨座”。耳元の一滴はやさしい指で払うこと。
第五条(衝突) 声を荒げず“静かな衝突・三行”で。可愛い絆創膏の使用を惜しまないこと。
第六条(憧れ) 憧れ確認を週一回。まねできなくても「手伝って」と言うこと。
第七条(夜) おやすみ三行は①~③のうち最低一つ。星だけでも合格。
第八条(最大値) “最大値”は自分で自分に許す。相手は見守りと記録を担当する。
終条 可愛いですねは急所。急所管理はやさしく。
仕上げに、星のワックスを溶かし、小さな封蝋を落とす。
淡い光の中、扉が開いた。
「調印に来ました」
ローラン様。前髪は“ひだまり角度”。星のピンが小さく光る。
「可愛いですね」
「署名前の急所は強い」
笑い合いながら、彼は椅子を引き、ペンを取った。
“ローラン・エヴァンス”の隣に、いちばん丁寧な字でサインを描く。
わたしも続けて“イリス・ラベンダ”。
二つの名前の間に、金糸の星を一つ、そっと押した。
「条文、運用できそう?」
「できます。生活に使えるから」
彼の指が、わたしの指先に触れて——Rの操作。十秒。
呼吸の温度が、書面では測れない分だけ、ふたりに宿る。
朝。
研究室の隣——日向の控え室に、星刺繍の厚紙を広げた。
表題は、生活に使える誓約書。金色の細ペンで項目を書き込む。
第一条(朝) 毎朝、紅茶二杯。互いの“今日の角度”を確認し、可愛い自己申告欄を更新すること。
第二条(昼) “Rの操作”は一日一回以上、十秒。
第三条(合図) 星🟊一個で“愛は続行中”。言葉は無理な日も尊いこと。
第四条(雨) 傘の内側では“雨座”。耳元の一滴はやさしい指で払うこと。
第五条(衝突) 声を荒げず“静かな衝突・三行”で。可愛い絆創膏の使用を惜しまないこと。
第六条(憧れ) 憧れ確認を週一回。まねできなくても「手伝って」と言うこと。
第七条(夜) おやすみ三行は①~③のうち最低一つ。星だけでも合格。
第八条(最大値) “最大値”は自分で自分に許す。相手は見守りと記録を担当する。
終条 可愛いですねは急所。急所管理はやさしく。
仕上げに、星のワックスを溶かし、小さな封蝋を落とす。
淡い光の中、扉が開いた。
「調印に来ました」
ローラン様。前髪は“ひだまり角度”。星のピンが小さく光る。
「可愛いですね」
「署名前の急所は強い」
笑い合いながら、彼は椅子を引き、ペンを取った。
“ローラン・エヴァンス”の隣に、いちばん丁寧な字でサインを描く。
わたしも続けて“イリス・ラベンダ”。
二つの名前の間に、金糸の星を一つ、そっと押した。
「条文、運用できそう?」
「できます。生活に使えるから」
彼の指が、わたしの指先に触れて——Rの操作。十秒。
呼吸の温度が、書面では測れない分だけ、ふたりに宿る。
0
あなたにおすすめの小説
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?
由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。
皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。
ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。
「誰が、お前を愛していないと言った」
守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。
これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。
魔法務省の過労令嬢と残業嫌いな冷徹監査官の契約からはじまる溺愛改革
YY
恋愛
土日は5話投稿(7:00、8:00、12:00、19:00、20:00)。
平日は2話投稿(7:00、19:00)。
全100話、既に予約投稿設定済みなので、エタる事はありません。
「君はもう用済みだ」
過労の果てに婚約者から価値ゼロの烙印を押され、全てを失った令嬢アリア。
倒れた彼女を拾ったのは、「氷の悪魔」と恐れられる冷徹な監査官カインだった。
「君は興味深いサンプルだ。本日より、君の幸福度を24時間管理する」
追放先で始まったのは、人生初の定時退勤、栄養管理された(まずい)食事、そして「休むことは権利だ」と教え込まれる奇妙な日々。
冷徹なはずの彼の管理は、次第に不器用で過保護な「溺愛」へと変わっていく。
やがてアリアの血に眠る「失われた癒やしの力」と、この国を蝕む「システムの真実」が明らかになり、二人の個人的な関係は、国を揺るがす巨大な陰謀との戦いへと発展していく――!
絶望の淵から始まる、じれ甘ハッピーエンド!
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件
水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
以後、
寝室は強制統合
常時抱っこ移動
一秒ごとに更新される溺愛
妻を傷つける者には容赦なし宣言
甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。
さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――?
自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。
溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ
淫紋付きランジェリーパーティーへようこそ~麗人辺境伯、婿殿の逆襲の罠にハメられる
柿崎まつる
恋愛
ローテ辺境伯領から最重要機密を盗んだ男が潜んだ先は、ある紳士社交倶楽部の夜会会場。女辺境伯とその夫は夜会に潜入するが、なんとそこはランジェリーパーティーだった!
※辺境伯は女です ムーンライトノベルズに掲載済みです。
【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる