6 / 21
第五話 反響の兆し
しおりを挟む
昼の鐘は鳴っていないのに、石畳の影が少し濃かった。
粉屋の娘を“縁”へ導いた翌日、私は記録帳を伏せたところで、王宮の小姓が駆け込んできた。白い息、汗で貼りつく前髪。封蝋は軽い。公文ではなく、個の印。
日中の“反響”が強い。
可能なら鐘楼ではなく、こちらで。
——ルクス
私は旅支度用の小箱を握りしめる。
醒香草と薄荷花、乾いた林檎の皮、布、余韻鈴。昼のための茶は、夜よりも明るく、しかし急かさない温度で——祖母の癖まで指が覚えている。
王宮の回廊は、静かな水色だった。
光の落ちる大理石は海の明るさに似て、歩くたび音のない波紋が広がる気がする。案内された待機室の扉を開けると、彼は窓の前に立っていた。黒衣の襟もとだけが固く、視線はどこにも留まっていない。耳の奥で何かを聞いている人の目。
「——硝子が割れる音がする」
私を見ると、彼はすぐに言った。「誰も立っていない廊(ろう)で、壁の影が一歩分ずれる。視界の端で水が揺れる。……忘れたふりをすると、増える」
「忘れません」
私は小箱を卓に置き、器を配す。「忘れませんが、急ぎません。今はここにいることを、まず身体に伝えましょう」
湯を落とす。香りが喉を通る高さで薄く立ち上がる。
余韻鈴は彼の呼吸の位置に吊るし、布は私の膝で広げた。彼は黙って椅子に坐り、片手を膝の上に置く。指先が、ほんの少しだけ震える。昼の震えは、夜よりも細い。細さは、見落とす危うさと、戻りやすさの両方を連れてくる。
「音は、鳴っていますか」
私は訊く。
「……今は、ひびの音が遠い。代わりに、波が近い」
「では、言葉を置きます」
私は目を閉じ、ゆっくりと言う。「ここは回廊。床は乾いている。窓は閉じている。手すりは肘の高さ。——座面の縁は、今、あなたの太腿の下にある」
言葉に触れられると、身体は自分の位置を思い出す。
彼の喉がひとつ上下し、肩が半段だけ落ちる。私は杯を差し出し、彼が香りを喉へ通すのを待つ。薄荷の冷たさが先に、柑の明るさがすぐあとに。昼の“反響”には、明るいほうが効く。
「布を」
彼が視線で告げる。私は布の端を彼の指へ——布ごしに——渡した。温度だけが通うように。名前は通さないように。
「今、何が見えますか」
「ひび——だったものが、線になった」
彼はゆっくりと言葉を選ぶ。「割れる寸前ではなく、面取りされた線だ。……歩ける」
「歩けます」
彼は額に短く手を当て、深い息を吐く。
黒衣の内側で、鼓動が速さをやわらげる気配。私は砂時計を起こし、砂の落ちる速さを目で追う。ここで過ごす十五分が、彼の昼の“縁”になる。
扉が軽く叩かれ、銀髪の老臣が影を落とした。
「殿下、枢密院がお待ちです。婚約の内示につき、それから——」老臣は一瞬だけ言葉を切り、私の手元と余韻鈴を見た。「“夜のご職務”の活用の件」
彼の頬の筋が、無意識に固くなる。
黒衣の完璧さが、戻りかける。私は席を立ち、老臣へ会釈した。
「数分、お待ち願えますか。反響の作法の途中です。公務のためにも、ここを粗末にできません」
老臣は意外そうに瞬き、黙って頷いた。扉が閉まる。
私は彼に向き直る。「政はあとで。今は、“反響”だけ」
彼はわずかに笑った。「三度目だな、その言葉」
「気に入っています」
砂が半分を過ぎた頃、彼は自分の掌を見下ろし、小さく呟いた。
「私は、昼に助けられることに、まだ慣れていない」
「慣れなくても大丈夫です」
私は答える。「慣れは、鈍さに似ることがあります。——今日できたことを、誠実として記す。それで十分です」
記録帳を差し出すと、彼は羽根ペンを取り、自分の字で三行だけ書いた。
日中の反響:硝子のひび、波の錯視。
合図:香・鈴・布・言葉。
よくできたこと:怖いまま、座っていた。
「座っていた」
彼は小さく笑う。「情けないようでいて、今の私には難しいことだった」
「よくできました」
言った瞬間、回廊の向こうで、小さく硝子の音がした。
彼の視線が跳ねる。私は即座に言葉を重ねる。「——ここは乾いています。音は向こう。こちらは静か。手すり、あります。息、できます」
余韻鈴の糸が彼の呼吸に合わせてほんの少し揺れ、やがて収まる。
砂が落ちきった。私は砂時計を伏せ、湯を注ぎ足す。彼は杯を両手で包み、香りを喉へ通した。額の影がやわらぐ。
「枢密院は、何を望んでいますか」
私は尋ねる。
「“夢の巡回”だ」
彼は短く言う。「眠りに迷う市井を、王族の力で起こせ、と。……兵装の言葉を使わない兵装だ」
「倫理と、誓いが必要です」
私は即答する。「誰の“夜”にも、所有の刃を持ち込まないために。帰る場所の作法を先に——」
「置こう」
彼は遮らず、重ねるように言った。「私的な婚約の話より先に、王族としての誓いを。夢は所有物ではない、と」
彼の瞳が、遠くではなく、今に合焦する。
紀要ではなく、眼前の紙に。私は頷き、余白に小さな鐘の印を描く。
ノクターンの誓い(草案)
夢は所有物ではない。
帰還の手伝いは、当人の自由と尊厳に従う。
合図の三つ(音・香・体温)を備え、改変をしない。
介入後、現実で反響を受け止める。
——この誓いを破る命令には、従わない。
「従わない」
彼は低く繰り返し、紙の端を指で押さえた。
「この言葉を、私に言わせるために生まれたのかもしれない、と時々、思う」
「言ってください」
私は笑う。「私も、そのために鐘を鳴らしてきたのかもしれないので」
扉の向こうで、老臣の咳払い。
私は布をたたみ、余韻鈴を外す。彼は立ち上がり、黒衣の襟を整え——そして、完全には閉じないように、第一の釦をひとつ外した。その小さな“余白”が、今日の収穫だった。
「エレナ」
呼ばれて振り向くと、彼は真っ直ぐに言った。
「帰る場所を、昼にも置いておいてくれ」
「はい。昼にも、夜にも」
私は会釈し、部屋を出た。
回廊の硝子は鳴らず、床は乾いている。庭の噴水が糸のように立ち、陽が傾く。王宮の門を出ると、港から上がる風が粉の匂いを運んだ。ふいに、通りの角で女二人が同じ方向へ一斉に顔を向け、同じ言葉を発するのが聞こえる。
「また、同じ夢を見たの」
私は立ち止まり、耳を澄ます。
同じ夜を、別々の家で。互いに話していないのに、同じ場面、同じ川底……。鳥肌が腕を走る。夢疫(むえき)——祖母の記録に、滅多に現れない字。悲しみが連鎖し、眠りが感染する。
鐘楼へ戻ると、私はすぐに記録帳を開いた。
“昼の反響、王宮にて。——硝子の音、波の錯視。合図有効。誓いの草案、起草。市井に小さな同夢の兆し。早期に境を整える必要。”
書き終える頃、窓の外で鳥が羽音を立てた。夕刻の合図。
火床に湯をかけ、今夜のための香を作る。
醒香草は少し減らし、薄荷花は半分、林檎の皮を多めに。人に寄り添う甘さがいる夜だ。布をたたみ、余韻鈴の糸を指先で撫でる。鳴らない鈴は、音のかわりに決意を握っている。
卓上に置いた紙片が、風で少しめくれた。
消息を確かめるように指で押さえると、裏に短い追伸がある。王宮を発ってすぐに、使いが戻ってきたのだろう。彼の字で、わずかな揺れを含みながら。
婚約の内示は進むらしい。
だが、誓いの文を先に読ませる。
それができるなら、私は夜へ降りても、上へ戻れる。
——ルクス
私は息をひとつ整え、鐘の綱に手をかける。
鳴らす前の余白に、昼の約束をそっと置く。夜の合図は、朝と同じ道を通る。音と、香と、体温。——それから、言葉。
「——鳴らします」
暁ではないのに、胸の中で三打目が響いた。
反響は、怖れの形で来る。けれど、それは誠実を置く場所の形でもある。
私はその場所へ、今夜も小さな灯を置きに行く。
誰かの“縁”の手前まで。
そして、帰る方向を、ひとつずつ指すために。
粉屋の娘を“縁”へ導いた翌日、私は記録帳を伏せたところで、王宮の小姓が駆け込んできた。白い息、汗で貼りつく前髪。封蝋は軽い。公文ではなく、個の印。
日中の“反響”が強い。
可能なら鐘楼ではなく、こちらで。
——ルクス
私は旅支度用の小箱を握りしめる。
醒香草と薄荷花、乾いた林檎の皮、布、余韻鈴。昼のための茶は、夜よりも明るく、しかし急かさない温度で——祖母の癖まで指が覚えている。
王宮の回廊は、静かな水色だった。
光の落ちる大理石は海の明るさに似て、歩くたび音のない波紋が広がる気がする。案内された待機室の扉を開けると、彼は窓の前に立っていた。黒衣の襟もとだけが固く、視線はどこにも留まっていない。耳の奥で何かを聞いている人の目。
「——硝子が割れる音がする」
私を見ると、彼はすぐに言った。「誰も立っていない廊(ろう)で、壁の影が一歩分ずれる。視界の端で水が揺れる。……忘れたふりをすると、増える」
「忘れません」
私は小箱を卓に置き、器を配す。「忘れませんが、急ぎません。今はここにいることを、まず身体に伝えましょう」
湯を落とす。香りが喉を通る高さで薄く立ち上がる。
余韻鈴は彼の呼吸の位置に吊るし、布は私の膝で広げた。彼は黙って椅子に坐り、片手を膝の上に置く。指先が、ほんの少しだけ震える。昼の震えは、夜よりも細い。細さは、見落とす危うさと、戻りやすさの両方を連れてくる。
「音は、鳴っていますか」
私は訊く。
「……今は、ひびの音が遠い。代わりに、波が近い」
「では、言葉を置きます」
私は目を閉じ、ゆっくりと言う。「ここは回廊。床は乾いている。窓は閉じている。手すりは肘の高さ。——座面の縁は、今、あなたの太腿の下にある」
言葉に触れられると、身体は自分の位置を思い出す。
彼の喉がひとつ上下し、肩が半段だけ落ちる。私は杯を差し出し、彼が香りを喉へ通すのを待つ。薄荷の冷たさが先に、柑の明るさがすぐあとに。昼の“反響”には、明るいほうが効く。
「布を」
彼が視線で告げる。私は布の端を彼の指へ——布ごしに——渡した。温度だけが通うように。名前は通さないように。
「今、何が見えますか」
「ひび——だったものが、線になった」
彼はゆっくりと言葉を選ぶ。「割れる寸前ではなく、面取りされた線だ。……歩ける」
「歩けます」
彼は額に短く手を当て、深い息を吐く。
黒衣の内側で、鼓動が速さをやわらげる気配。私は砂時計を起こし、砂の落ちる速さを目で追う。ここで過ごす十五分が、彼の昼の“縁”になる。
扉が軽く叩かれ、銀髪の老臣が影を落とした。
「殿下、枢密院がお待ちです。婚約の内示につき、それから——」老臣は一瞬だけ言葉を切り、私の手元と余韻鈴を見た。「“夜のご職務”の活用の件」
彼の頬の筋が、無意識に固くなる。
黒衣の完璧さが、戻りかける。私は席を立ち、老臣へ会釈した。
「数分、お待ち願えますか。反響の作法の途中です。公務のためにも、ここを粗末にできません」
老臣は意外そうに瞬き、黙って頷いた。扉が閉まる。
私は彼に向き直る。「政はあとで。今は、“反響”だけ」
彼はわずかに笑った。「三度目だな、その言葉」
「気に入っています」
砂が半分を過ぎた頃、彼は自分の掌を見下ろし、小さく呟いた。
「私は、昼に助けられることに、まだ慣れていない」
「慣れなくても大丈夫です」
私は答える。「慣れは、鈍さに似ることがあります。——今日できたことを、誠実として記す。それで十分です」
記録帳を差し出すと、彼は羽根ペンを取り、自分の字で三行だけ書いた。
日中の反響:硝子のひび、波の錯視。
合図:香・鈴・布・言葉。
よくできたこと:怖いまま、座っていた。
「座っていた」
彼は小さく笑う。「情けないようでいて、今の私には難しいことだった」
「よくできました」
言った瞬間、回廊の向こうで、小さく硝子の音がした。
彼の視線が跳ねる。私は即座に言葉を重ねる。「——ここは乾いています。音は向こう。こちらは静か。手すり、あります。息、できます」
余韻鈴の糸が彼の呼吸に合わせてほんの少し揺れ、やがて収まる。
砂が落ちきった。私は砂時計を伏せ、湯を注ぎ足す。彼は杯を両手で包み、香りを喉へ通した。額の影がやわらぐ。
「枢密院は、何を望んでいますか」
私は尋ねる。
「“夢の巡回”だ」
彼は短く言う。「眠りに迷う市井を、王族の力で起こせ、と。……兵装の言葉を使わない兵装だ」
「倫理と、誓いが必要です」
私は即答する。「誰の“夜”にも、所有の刃を持ち込まないために。帰る場所の作法を先に——」
「置こう」
彼は遮らず、重ねるように言った。「私的な婚約の話より先に、王族としての誓いを。夢は所有物ではない、と」
彼の瞳が、遠くではなく、今に合焦する。
紀要ではなく、眼前の紙に。私は頷き、余白に小さな鐘の印を描く。
ノクターンの誓い(草案)
夢は所有物ではない。
帰還の手伝いは、当人の自由と尊厳に従う。
合図の三つ(音・香・体温)を備え、改変をしない。
介入後、現実で反響を受け止める。
——この誓いを破る命令には、従わない。
「従わない」
彼は低く繰り返し、紙の端を指で押さえた。
「この言葉を、私に言わせるために生まれたのかもしれない、と時々、思う」
「言ってください」
私は笑う。「私も、そのために鐘を鳴らしてきたのかもしれないので」
扉の向こうで、老臣の咳払い。
私は布をたたみ、余韻鈴を外す。彼は立ち上がり、黒衣の襟を整え——そして、完全には閉じないように、第一の釦をひとつ外した。その小さな“余白”が、今日の収穫だった。
「エレナ」
呼ばれて振り向くと、彼は真っ直ぐに言った。
「帰る場所を、昼にも置いておいてくれ」
「はい。昼にも、夜にも」
私は会釈し、部屋を出た。
回廊の硝子は鳴らず、床は乾いている。庭の噴水が糸のように立ち、陽が傾く。王宮の門を出ると、港から上がる風が粉の匂いを運んだ。ふいに、通りの角で女二人が同じ方向へ一斉に顔を向け、同じ言葉を発するのが聞こえる。
「また、同じ夢を見たの」
私は立ち止まり、耳を澄ます。
同じ夜を、別々の家で。互いに話していないのに、同じ場面、同じ川底……。鳥肌が腕を走る。夢疫(むえき)——祖母の記録に、滅多に現れない字。悲しみが連鎖し、眠りが感染する。
鐘楼へ戻ると、私はすぐに記録帳を開いた。
“昼の反響、王宮にて。——硝子の音、波の錯視。合図有効。誓いの草案、起草。市井に小さな同夢の兆し。早期に境を整える必要。”
書き終える頃、窓の外で鳥が羽音を立てた。夕刻の合図。
火床に湯をかけ、今夜のための香を作る。
醒香草は少し減らし、薄荷花は半分、林檎の皮を多めに。人に寄り添う甘さがいる夜だ。布をたたみ、余韻鈴の糸を指先で撫でる。鳴らない鈴は、音のかわりに決意を握っている。
卓上に置いた紙片が、風で少しめくれた。
消息を確かめるように指で押さえると、裏に短い追伸がある。王宮を発ってすぐに、使いが戻ってきたのだろう。彼の字で、わずかな揺れを含みながら。
婚約の内示は進むらしい。
だが、誓いの文を先に読ませる。
それができるなら、私は夜へ降りても、上へ戻れる。
——ルクス
私は息をひとつ整え、鐘の綱に手をかける。
鳴らす前の余白に、昼の約束をそっと置く。夜の合図は、朝と同じ道を通る。音と、香と、体温。——それから、言葉。
「——鳴らします」
暁ではないのに、胸の中で三打目が響いた。
反響は、怖れの形で来る。けれど、それは誠実を置く場所の形でもある。
私はその場所へ、今夜も小さな灯を置きに行く。
誰かの“縁”の手前まで。
そして、帰る方向を、ひとつずつ指すために。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
皇帝陛下の寵愛は、身に余りすぎて重すぎる
若松だんご
恋愛
――喜べ、エナ! お前にも縁談が来たぞ!
数年前の戦で父を、病で母を亡くしたエナ。
跡継ぎである幼い弟と二人、後見人(と言う名の乗っ取り)の叔父によりずっと塔に幽閉されていたエナ。
両親の不在、後見人の暴虐。弟を守らねばと、一生懸命だったあまりに、婚期を逃していたエナに、叔父が(お金目当ての)縁談を持ちかけてくるけれど。
――すまないが、その縁談は無効にさせてもらう!
エナを救ってくれたのは、幼馴染のリアハルト皇子……ではなく、今は皇帝となったリアハルト陛下。
彼は先帝の第一皇子だったけれど、父帝とその愛妾により、都から放逐され、エナの父のもとに身を寄せ、エナとともに育った人物。
――結婚の約束、しただろう?
昔と違って、堂々と王者らしい風格を備えたリアハルト。驚くエナに妻になってくれと結婚を申し込むけれど。
(わたし、いつの間に、結婚の約束なんてしてたのっ!?)
記憶がない。記憶にない。
姉弟のように育ったけど。彼との別れに彼の無事を願ってハンカチを渡したけれど! それだけしかしてない!
都会の洗練された娘でもない。ずっと幽閉されてきた身。
若くもない、リアハルトより三つも年上。婚期を逃した身。
後ろ盾となる両親もいない。幼い弟を守らなきゃいけない身。
(そんなわたしが? リアハルト陛下の妻? 皇后?)
ずっとエナを慕っていたというリアハルト。弟の後見人にもなってくれるというリアハルト。
エナの父は、彼が即位するため起こした戦争で亡くなっている。
だから。
この求婚は、その罪滅ぼし? 昔世話になった者への恩返し?
弟の後見になってくれるのはうれしいけれど。なんの取り柄もないわたしに求婚する理由はなに?
ずっと好きだった彼女を手に入れたかったリアハルトと、彼の熱愛に、ありがたいけれど戸惑いしかないエナの物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる