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第3話 灯りの罠(沈黙を許可する夜)
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夜の屋敷は、静かすぎて——ときどき怖い。
誰かが歩けば音が響き、誰かがいなければ気配が消える。
その差がはっきりしすぎていて、まるで屋敷自体が「ひとり」を強調してくるみたいだった。
ミレアは廊下の端で、ひとつだけ灯る書斎の光を見た。
(今日も……戻ってる)
当主レオニスは、ひとりで抱える癖がある。
昼は紅茶で引き戻せても、夜はまた、深いところへ沈んでいく。
ひとりで考える時間が必要な人はいる。
でも“ひとりしか選べない人”は、危ない。
ミレアはそれを、何度も見てきた。
だから、今日も囲う。
ただし、押しつけない。
優しさは、追い詰めない距離で。
灯りは、眩しすぎない温度で。
——それが、彼女の作戦だ。
◆
書斎の扉を、軽くノックする。
「当主さま。失礼いたします」
「……うん。入って」
扉を開けると、まず目に入ったのは机の上の書類の山——と、当主の姿勢だった。
レオニスは椅子に座っているのに、どこか“立ったまま寝ている”みたいな空気を纏っている。
背筋は真っ直ぐ。
でも、瞼は重い。
真面目な人ほど、自分の限界を無視する。
ミレアは紅茶のトレイを持ったまま、机の横へ進んだ。
「お茶をお持ちいたしました」
「……ありがとう。ミレアさん」
そして当主は、少しだけ視線を上げる。
昨日から変わったところがある。
彼は“見る”ようになった。
目はまだ眠そうなのに、視線だけはミレアを追う。
追うくせに、すぐに逸らす。
(……受け取るのに慣れてない人、二日目)
ミレアはカップを置く位置を、やはり“ちょうどいい”ところへ。
そこはすでに、この部屋の中の“帰る場所”になり始めていた。
当主がひと口飲む。
ふっと息を吐く。
「……この時間に飲むと、落ち着くね」
「はい。夜は、空気が冷えますので」
ミレアはそう言いながら、視線を部屋の隅へ滑らせた。
書斎の照明は強い。
仕事をするための灯りだ。
でも、その灯りは“休むための灯り”ではない。
目を覚まさせる光は、心を疲れさせる。
ミレアは静かに、決める。
(灯り、変える)
それは小さな支配だ。
でも、必要な支配。
「当主さま。少し、灯りを落としてもよろしいでしょうか」
「……仕事、できなくならない?」
「大丈夫です。こちらを残しますので」
ミレアは壁際のランプに手を伸ばし、天井の照明をひとつ落とした。
ふわり、と部屋の空気が変わる。
暗くなったわけではない。
ただ、鋭さが消えた。
代わりに残ったのは、温度のある光。
誰かの気配が残る光。
当主が、目を細めた。
「……静かだ」
「はい。静かです」
ミレアは椅子を一つ引き、当主の斜め後ろに座った。
近すぎない。
遠すぎない。
“仕事の邪魔をしない距離”という名目で、ちゃんと同じ部屋にいる。
当主がペンを動かす。
紙が擦れる。
ページがめくられる。
ミレアは、その音を“生活音”として部屋に溶かした。
(孤独に必要なのは、完璧な会話じゃない。
——誰かの気配よ)
当主がまたひと口、紅茶を飲む。
そして、小さく呟いた。
「……ミレアさんって、しゃべらないね」
ミレアは瞬きをした。
「しゃべる必要がある時は、しゃべります」
「……必要ない時は?」
「沈黙を許します」
当主のペンが止まった。
少しだけ、こちらを振り返る。
「……沈黙って、許すものなの?」
「はい。許されると、安心する方もいらっしゃるので」
当主は、ほんの少しだけ口元を緩めた。
そしてまた、机に向き直る。
「……安心」
その単語が、彼の口から出ることが、すでに珍しい。
ミレアは、胸の内で静かに頷いた。
(この人、安心を知らないわけじゃない。
——思い出せないだけ)
◆
しばらく、言葉のない時間が続く。
当主が書類に目を通し、ペンでサインをし、封筒に封をする。
ミレアは本を開いて、ページをめくる。
同じ部屋。
同じ灯り。
会話はなくても、そこには“ふたり”がいる。
それだけで、この屋敷の冷たさが少しだけ溶けていく。
当主が、小さく息を吐いた。
「……ねえ、ミレアさん」
「はい」
「僕、今まで……こういう時間、なかったかも」
ぽやぽやの声だった。
でも言っていることは、少しだけ刺さる。
彼は今まで、誰かと同じ空間にいても、“一緒にいる”ことをしてこなかった。
ミレアは、本を閉じないまま答えた。
「では、これから作りましょう」
「……作れる?」
「はい。作れます」
当主が笑った。
今度は、ちゃんと笑った。
眠そうな顔の中に、子どもみたいな嬉しさが浮かぶ。
「……ミレアさん、強いね」
「当主さまよりは」
「……え」
「当主さまは、優しすぎますので」
当主が息を止めた気配がした。
優しすぎる、と言われる人は、だいたいそれを褒め言葉として受け取れない。
“自分が弱いからだ”と変換してしまう。
だからミレアは、すぐに続けた。
「優しい方は、ひとりで抱える癖がつきやすいです。
それは悪いことではありません。……ただ」
「ただ?」
当主が、少しだけこちらを見る。
目が。
眠そうなのに、ちゃんとこちらを見ている。
ミレアは、息を吸って、柔らかい声で落とした。
「……囲われることも、覚えてください」
当主の視線が止まった。
その一瞬、部屋の空気が静まり返る。
灯りがゆれる。
湯気がほどける。
当主はぽやぽやした顔のまま、すごく小さな声で言った。
「……君に?」
ミレアは、笑ってしまいそうになった。
(出た。もう、囲い込みに自分を混ぜ始めてる)
彼は“受け取る練習”をしている。
でもそれは同時に、“欲しがる練習”でもある。
ミレアは平静を保って答えた。
「はい。私に」
当主の指先が、机の上でわずかに揺れた。
それは、甘やかされ慣れていない人が、甘やかされそうになった時の反応。
戸惑い。
嬉しさ。
怖さ。
全部が混ざる。
◆
夜更け。
当主はついにペンを置いた。
「……終わった」
その声が、少しだけ誇らしげだったのが可笑しい。
「お疲れさまでございます」
ミレアは立ち上がり、毛布を手に取った。
この流れは、もう“当たり前”になりつつある。
当主が何も言わないまま背中を少しだけ預けるのも、
ミレアがふわっと囲うのも。
毛布を掛ける。
その瞬間——
当主の手が、またミレアの袖をつまんだ。
昨夜と同じ。
でも今日は、動きが確信犯に近い。
「……ミレアさん」
「はい」
当主はぽやぽやのまま、こちらを見上げた。
眠そうな瞳の奥に、ほんの少しだけ鋭さがある。
まるで、要点だけは逃さない人の目。
「……君がここにいると、安心する」
ミレアの胸が、小さく鳴った。
今までの当主なら、言わなかった。
言えなかった。
言う必要がないふりをしていた。
ミレアは、いつもの無害な顔で答えた。
「それなら、良かったです」
当主が、袖をつまんだまま、呟く。
「……良くないかも」
「……え?」
ミレアが問い返すと、当主はふっと視線を逸らした。
ぽやぽやの顔に戻る。
「……いや。何でもない」
——けれど、手は離さない。
ミレアは思った。
(この人、ぽやぽやしてるのに……刺すところ刺してくる)
決める時だけ、鋭い。
嘘を見抜く。
要点を外さない。
そして今。
“安心が増えること”を、どこかで危険だと思っている。
それはつまり。
安心を、欲しがり始めたということだ。
ミレアは笑って、そっと袖を引いた。
引いたけれど、抜けない程度に。
「当主さま。今日はもう、お休みくださいませ」
「……うん」
当主は頷いた。
そして、ぽつりと落とす。
「……灯り、好き」
ミレアは、心の中で静かに息を吐いた。
(灯りの罠、成功)
話さなくていい夜。
静かで、あたたかい光。
それが、当主の心を少しずつ“帰らせる”。
そしてきっと——
帰れる場所が増えた人は、いつか。
そこを失うことを怖がって、決める。
ミレアは、当主の袖をつまむ指先を見つめながら、そっと思った。
(……決める時が来たら、この人は、怖い)
けれどその怖さは、きっと——優しさの形でもある。
灯りの中で、ミレアはそれを静かに受け取った。
誰かが歩けば音が響き、誰かがいなければ気配が消える。
その差がはっきりしすぎていて、まるで屋敷自体が「ひとり」を強調してくるみたいだった。
ミレアは廊下の端で、ひとつだけ灯る書斎の光を見た。
(今日も……戻ってる)
当主レオニスは、ひとりで抱える癖がある。
昼は紅茶で引き戻せても、夜はまた、深いところへ沈んでいく。
ひとりで考える時間が必要な人はいる。
でも“ひとりしか選べない人”は、危ない。
ミレアはそれを、何度も見てきた。
だから、今日も囲う。
ただし、押しつけない。
優しさは、追い詰めない距離で。
灯りは、眩しすぎない温度で。
——それが、彼女の作戦だ。
◆
書斎の扉を、軽くノックする。
「当主さま。失礼いたします」
「……うん。入って」
扉を開けると、まず目に入ったのは机の上の書類の山——と、当主の姿勢だった。
レオニスは椅子に座っているのに、どこか“立ったまま寝ている”みたいな空気を纏っている。
背筋は真っ直ぐ。
でも、瞼は重い。
真面目な人ほど、自分の限界を無視する。
ミレアは紅茶のトレイを持ったまま、机の横へ進んだ。
「お茶をお持ちいたしました」
「……ありがとう。ミレアさん」
そして当主は、少しだけ視線を上げる。
昨日から変わったところがある。
彼は“見る”ようになった。
目はまだ眠そうなのに、視線だけはミレアを追う。
追うくせに、すぐに逸らす。
(……受け取るのに慣れてない人、二日目)
ミレアはカップを置く位置を、やはり“ちょうどいい”ところへ。
そこはすでに、この部屋の中の“帰る場所”になり始めていた。
当主がひと口飲む。
ふっと息を吐く。
「……この時間に飲むと、落ち着くね」
「はい。夜は、空気が冷えますので」
ミレアはそう言いながら、視線を部屋の隅へ滑らせた。
書斎の照明は強い。
仕事をするための灯りだ。
でも、その灯りは“休むための灯り”ではない。
目を覚まさせる光は、心を疲れさせる。
ミレアは静かに、決める。
(灯り、変える)
それは小さな支配だ。
でも、必要な支配。
「当主さま。少し、灯りを落としてもよろしいでしょうか」
「……仕事、できなくならない?」
「大丈夫です。こちらを残しますので」
ミレアは壁際のランプに手を伸ばし、天井の照明をひとつ落とした。
ふわり、と部屋の空気が変わる。
暗くなったわけではない。
ただ、鋭さが消えた。
代わりに残ったのは、温度のある光。
誰かの気配が残る光。
当主が、目を細めた。
「……静かだ」
「はい。静かです」
ミレアは椅子を一つ引き、当主の斜め後ろに座った。
近すぎない。
遠すぎない。
“仕事の邪魔をしない距離”という名目で、ちゃんと同じ部屋にいる。
当主がペンを動かす。
紙が擦れる。
ページがめくられる。
ミレアは、その音を“生活音”として部屋に溶かした。
(孤独に必要なのは、完璧な会話じゃない。
——誰かの気配よ)
当主がまたひと口、紅茶を飲む。
そして、小さく呟いた。
「……ミレアさんって、しゃべらないね」
ミレアは瞬きをした。
「しゃべる必要がある時は、しゃべります」
「……必要ない時は?」
「沈黙を許します」
当主のペンが止まった。
少しだけ、こちらを振り返る。
「……沈黙って、許すものなの?」
「はい。許されると、安心する方もいらっしゃるので」
当主は、ほんの少しだけ口元を緩めた。
そしてまた、机に向き直る。
「……安心」
その単語が、彼の口から出ることが、すでに珍しい。
ミレアは、胸の内で静かに頷いた。
(この人、安心を知らないわけじゃない。
——思い出せないだけ)
◆
しばらく、言葉のない時間が続く。
当主が書類に目を通し、ペンでサインをし、封筒に封をする。
ミレアは本を開いて、ページをめくる。
同じ部屋。
同じ灯り。
会話はなくても、そこには“ふたり”がいる。
それだけで、この屋敷の冷たさが少しだけ溶けていく。
当主が、小さく息を吐いた。
「……ねえ、ミレアさん」
「はい」
「僕、今まで……こういう時間、なかったかも」
ぽやぽやの声だった。
でも言っていることは、少しだけ刺さる。
彼は今まで、誰かと同じ空間にいても、“一緒にいる”ことをしてこなかった。
ミレアは、本を閉じないまま答えた。
「では、これから作りましょう」
「……作れる?」
「はい。作れます」
当主が笑った。
今度は、ちゃんと笑った。
眠そうな顔の中に、子どもみたいな嬉しさが浮かぶ。
「……ミレアさん、強いね」
「当主さまよりは」
「……え」
「当主さまは、優しすぎますので」
当主が息を止めた気配がした。
優しすぎる、と言われる人は、だいたいそれを褒め言葉として受け取れない。
“自分が弱いからだ”と変換してしまう。
だからミレアは、すぐに続けた。
「優しい方は、ひとりで抱える癖がつきやすいです。
それは悪いことではありません。……ただ」
「ただ?」
当主が、少しだけこちらを見る。
目が。
眠そうなのに、ちゃんとこちらを見ている。
ミレアは、息を吸って、柔らかい声で落とした。
「……囲われることも、覚えてください」
当主の視線が止まった。
その一瞬、部屋の空気が静まり返る。
灯りがゆれる。
湯気がほどける。
当主はぽやぽやした顔のまま、すごく小さな声で言った。
「……君に?」
ミレアは、笑ってしまいそうになった。
(出た。もう、囲い込みに自分を混ぜ始めてる)
彼は“受け取る練習”をしている。
でもそれは同時に、“欲しがる練習”でもある。
ミレアは平静を保って答えた。
「はい。私に」
当主の指先が、机の上でわずかに揺れた。
それは、甘やかされ慣れていない人が、甘やかされそうになった時の反応。
戸惑い。
嬉しさ。
怖さ。
全部が混ざる。
◆
夜更け。
当主はついにペンを置いた。
「……終わった」
その声が、少しだけ誇らしげだったのが可笑しい。
「お疲れさまでございます」
ミレアは立ち上がり、毛布を手に取った。
この流れは、もう“当たり前”になりつつある。
当主が何も言わないまま背中を少しだけ預けるのも、
ミレアがふわっと囲うのも。
毛布を掛ける。
その瞬間——
当主の手が、またミレアの袖をつまんだ。
昨夜と同じ。
でも今日は、動きが確信犯に近い。
「……ミレアさん」
「はい」
当主はぽやぽやのまま、こちらを見上げた。
眠そうな瞳の奥に、ほんの少しだけ鋭さがある。
まるで、要点だけは逃さない人の目。
「……君がここにいると、安心する」
ミレアの胸が、小さく鳴った。
今までの当主なら、言わなかった。
言えなかった。
言う必要がないふりをしていた。
ミレアは、いつもの無害な顔で答えた。
「それなら、良かったです」
当主が、袖をつまんだまま、呟く。
「……良くないかも」
「……え?」
ミレアが問い返すと、当主はふっと視線を逸らした。
ぽやぽやの顔に戻る。
「……いや。何でもない」
——けれど、手は離さない。
ミレアは思った。
(この人、ぽやぽやしてるのに……刺すところ刺してくる)
決める時だけ、鋭い。
嘘を見抜く。
要点を外さない。
そして今。
“安心が増えること”を、どこかで危険だと思っている。
それはつまり。
安心を、欲しがり始めたということだ。
ミレアは笑って、そっと袖を引いた。
引いたけれど、抜けない程度に。
「当主さま。今日はもう、お休みくださいませ」
「……うん」
当主は頷いた。
そして、ぽつりと落とす。
「……灯り、好き」
ミレアは、心の中で静かに息を吐いた。
(灯りの罠、成功)
話さなくていい夜。
静かで、あたたかい光。
それが、当主の心を少しずつ“帰らせる”。
そしてきっと——
帰れる場所が増えた人は、いつか。
そこを失うことを怖がって、決める。
ミレアは、当主の袖をつまむ指先を見つめながら、そっと思った。
(……決める時が来たら、この人は、怖い)
けれどその怖さは、きっと——優しさの形でもある。
灯りの中で、ミレアはそれを静かに受け取った。
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