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第1話 婚約発表と最初の計画崩壊
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◇俺 — 春灯佑真
王都庁舎の前庭に、春の薄い光が敷かれていた。記者が並び、鐘楼が正午を打つ。
きょうは、庁舎と商工会の橋渡し役である俺が、公的広報を兼ねた婚約を発表する日だ。相手は魔法士見習い、夕星りら。政略、といえば味気ないが、市井に安心を示すには象徴が要る。俺は象徴を務めることに慣れている。
つまり、計画通りに進めばいい。
式次第、記者応答、握手、撮影──その後の“初回親睦デート”は、俺の完璧な段取りに従う。人の流れはこう、光はこう、言葉はこう。手帳には、彼女が笑うであろうタイミングすら赤で書き込んである。
司会が俺たちの名を呼び上げる。隣で、彼女は小さく息を整えた。
◇わたし — 夕星りら
深呼吸。ふわっと、胸の奥がほどける。
だめ、いまは静かに。ご機嫌の空気は、勝手に出てしまうことがある。とくに、うれしい時。うれしいと、風になる。
俯かない。俯くと、地面しか見えなくなるのは知ってるから。顔を上げる練習、してきたもん。
「本日は——」司会の声に合わせて、わたしは微笑みを作る。大丈夫、きょうは大丈夫、きょうは……
……ふわ。
◇俺
風が、起きた。穏やかなはずの前庭の空気が、ひと呼吸で春一番に化ける。
列にならんだ式次第の紙束が、見事な鳥の群れに変わって空へ。記者の帽子、花壇のリボン、俺の完璧な段取りまで、風は公平にさらってゆく。
「落ち着いて」俺は即座に指示を出した。スタッフを左右に振り、流れを作る。風は渦で、渦には出口がいる。出口を示せば、おとなしくなる。
彼女は胸の前で両手をそろえ、必死に息を整えていた。目が合う。すまなそうな、でも、少しだけたのしそうな目だ。
◇わたし
ごめんなさい。あの、うれしくて、風が、つい。
でも、みんなの髪がふわっとして、ちょっときれい。……いや、そういう問題じゃない。
逃げていく紙を追いかけて、ひらり、ひらり。足もとで、何かが石畳に当たって止まった。封筒。庁舎印。角がすり切れてる。
拾い上げたら、中身が少しはみ出して、数字が目に入った。予定価格、同一筆跡、妙に揃った見積り……これ、たぶん——
◇俺
「それを」
彼女の手元へ視線が吸い寄せられた。庁舎印に紛れて、見たことのない管理番号。嫌な勘が、仕事人間の背骨を叩く。
風の出口を定めつつ、俺は近づいた。彼女は小さく頷いて封筒を差し出す。人混みの陰で紙片をすばやく確かめる。
談合を疑われても仕方のない数字の並び。
——計画通り、か。笑わせる。計画は、現実が持ち込む予告状の読み解きだ。
「段取りを変える。記者対応は三十分後に再開、広報には“軽微な手直し”と伝えてくれ」
スタッフが走る。俺は彼女に囁いた。
「悪くない突風だった」
「えっ、悪く……ない?」
「君の風のおかげで、見えたものがある」
◇わたし
わたしの、せい。
胸がきゅっとなる。
でも——いま、彼の目は怒っていなかった。怒る時の、冷たい光じゃない。仕事の光。誰かを守る時の光。
「……あの、せめて、空気は、やさしくしておきます」
手のひらのまんなかに、そっと意識を落とす。ご機嫌の空気。やわらかく、やわらかく。
こわくない。春灯さん(と呼ぶように言われた)が隣にいるから。
◇俺
風はおさまり、庭に温度が戻る。記者のざわめきも、いつもの音階だ。
「このあと、予定を一つ追加しよう」
「追加?」
「現場視察だ。商工会の倉庫街。猫がよく出るところだ」
「猫!」彼女の目が星になった。
うん、猫。いいだろう。市井を見るには、猫が一番正直だ。
式は小さな混乱を残したものの、致命傷なく着地した。握手の写真に、彼女の髪が一房だけ踊っているのが写った。俺の手帳の“想定笑顔”とは違う笑い方だ。予定より、すこし遠くまで届く笑い。
◇わたし
馬車の窓から、王都の瓦が流れる。
「さっきの封筒、よくないもの?」
「おそらくね。だが、確かめるのは現場だ」
「現場」
「数字は嘘をつく。地面は嘘をつかない」
彼の言い方は、硬いけどやさしい。
地面。俯いたら地面しか見えなかった、あの頃の地面。
違う。いまは顔を上げる。上げる練習、したんだ。窓の外の空は、思っていたより広い。
「……あの、さっきは、本当にごめんなさい」
「謝るのは好きじゃない」
「え?」
「謝る前に、対策を一つ。次、風が出たら、俺の袖をつまんで合図をくれ。出口を作る」
「袖」
「そう、袖。合図の名は“業務外手当”」
「名前、かわいい」
「君の魔法の運用名だ。手当が出る。飴でいいか?」
「キャンディ!」
思わず身を乗り出す。
——いけない。“キャンディ”を強く想うと、空から本当に降ってしまうことがあるのだ。
◇俺
彼女の瞳が、ふいに遠い場所を映した。
「りら」
「……はい」
「大丈夫だ。降ってきても、拾えば寄付になる」
「え」
「仕組みにすれば、事故は福祉だ」
自分で言って、少し笑った。誰に向けてでもない笑いが、馬車の中にひろがる。
彼女の魔法は未熟で、俺の計画は過密だ。その二つを並べれば、穴だらけのはずなのに、なぜか風が通る。
計画通りにならないが、楽しい——危険な言葉が、舌の上で転がった。
◇わたし
「春灯さんは、こわくないんですか」
「何が」
「こういう……わたし」
俯かない。ゆっくり顔を上げる。
「俯いたら、地面しか見えなかったから。だから、上を見たいんです。ちゃんとしたいのに、よく転びます。転ぶ前に、ふわふわクッションが出たらいいのに」
「出るだろう」
「え?」
「君が孤独で泣きそうになったら、星が出る。俺は知っている」
どうして知ってるの?と言いかけてやめた。たぶん、彼は“知る”ことの専門家だ。
馬車が止まり、倉庫街の匂いが押し寄せる。猫の気配。
「行こう、夕星さん。計画外のデートだ」
「はい。……たのしいから、達成ですね」
彼が少しだけ、息を飲む音がした。
それから、やわらかく笑った。
——つづく——
王都庁舎の前庭に、春の薄い光が敷かれていた。記者が並び、鐘楼が正午を打つ。
きょうは、庁舎と商工会の橋渡し役である俺が、公的広報を兼ねた婚約を発表する日だ。相手は魔法士見習い、夕星りら。政略、といえば味気ないが、市井に安心を示すには象徴が要る。俺は象徴を務めることに慣れている。
つまり、計画通りに進めばいい。
式次第、記者応答、握手、撮影──その後の“初回親睦デート”は、俺の完璧な段取りに従う。人の流れはこう、光はこう、言葉はこう。手帳には、彼女が笑うであろうタイミングすら赤で書き込んである。
司会が俺たちの名を呼び上げる。隣で、彼女は小さく息を整えた。
◇わたし — 夕星りら
深呼吸。ふわっと、胸の奥がほどける。
だめ、いまは静かに。ご機嫌の空気は、勝手に出てしまうことがある。とくに、うれしい時。うれしいと、風になる。
俯かない。俯くと、地面しか見えなくなるのは知ってるから。顔を上げる練習、してきたもん。
「本日は——」司会の声に合わせて、わたしは微笑みを作る。大丈夫、きょうは大丈夫、きょうは……
……ふわ。
◇俺
風が、起きた。穏やかなはずの前庭の空気が、ひと呼吸で春一番に化ける。
列にならんだ式次第の紙束が、見事な鳥の群れに変わって空へ。記者の帽子、花壇のリボン、俺の完璧な段取りまで、風は公平にさらってゆく。
「落ち着いて」俺は即座に指示を出した。スタッフを左右に振り、流れを作る。風は渦で、渦には出口がいる。出口を示せば、おとなしくなる。
彼女は胸の前で両手をそろえ、必死に息を整えていた。目が合う。すまなそうな、でも、少しだけたのしそうな目だ。
◇わたし
ごめんなさい。あの、うれしくて、風が、つい。
でも、みんなの髪がふわっとして、ちょっときれい。……いや、そういう問題じゃない。
逃げていく紙を追いかけて、ひらり、ひらり。足もとで、何かが石畳に当たって止まった。封筒。庁舎印。角がすり切れてる。
拾い上げたら、中身が少しはみ出して、数字が目に入った。予定価格、同一筆跡、妙に揃った見積り……これ、たぶん——
◇俺
「それを」
彼女の手元へ視線が吸い寄せられた。庁舎印に紛れて、見たことのない管理番号。嫌な勘が、仕事人間の背骨を叩く。
風の出口を定めつつ、俺は近づいた。彼女は小さく頷いて封筒を差し出す。人混みの陰で紙片をすばやく確かめる。
談合を疑われても仕方のない数字の並び。
——計画通り、か。笑わせる。計画は、現実が持ち込む予告状の読み解きだ。
「段取りを変える。記者対応は三十分後に再開、広報には“軽微な手直し”と伝えてくれ」
スタッフが走る。俺は彼女に囁いた。
「悪くない突風だった」
「えっ、悪く……ない?」
「君の風のおかげで、見えたものがある」
◇わたし
わたしの、せい。
胸がきゅっとなる。
でも——いま、彼の目は怒っていなかった。怒る時の、冷たい光じゃない。仕事の光。誰かを守る時の光。
「……あの、せめて、空気は、やさしくしておきます」
手のひらのまんなかに、そっと意識を落とす。ご機嫌の空気。やわらかく、やわらかく。
こわくない。春灯さん(と呼ぶように言われた)が隣にいるから。
◇俺
風はおさまり、庭に温度が戻る。記者のざわめきも、いつもの音階だ。
「このあと、予定を一つ追加しよう」
「追加?」
「現場視察だ。商工会の倉庫街。猫がよく出るところだ」
「猫!」彼女の目が星になった。
うん、猫。いいだろう。市井を見るには、猫が一番正直だ。
式は小さな混乱を残したものの、致命傷なく着地した。握手の写真に、彼女の髪が一房だけ踊っているのが写った。俺の手帳の“想定笑顔”とは違う笑い方だ。予定より、すこし遠くまで届く笑い。
◇わたし
馬車の窓から、王都の瓦が流れる。
「さっきの封筒、よくないもの?」
「おそらくね。だが、確かめるのは現場だ」
「現場」
「数字は嘘をつく。地面は嘘をつかない」
彼の言い方は、硬いけどやさしい。
地面。俯いたら地面しか見えなかった、あの頃の地面。
違う。いまは顔を上げる。上げる練習、したんだ。窓の外の空は、思っていたより広い。
「……あの、さっきは、本当にごめんなさい」
「謝るのは好きじゃない」
「え?」
「謝る前に、対策を一つ。次、風が出たら、俺の袖をつまんで合図をくれ。出口を作る」
「袖」
「そう、袖。合図の名は“業務外手当”」
「名前、かわいい」
「君の魔法の運用名だ。手当が出る。飴でいいか?」
「キャンディ!」
思わず身を乗り出す。
——いけない。“キャンディ”を強く想うと、空から本当に降ってしまうことがあるのだ。
◇俺
彼女の瞳が、ふいに遠い場所を映した。
「りら」
「……はい」
「大丈夫だ。降ってきても、拾えば寄付になる」
「え」
「仕組みにすれば、事故は福祉だ」
自分で言って、少し笑った。誰に向けてでもない笑いが、馬車の中にひろがる。
彼女の魔法は未熟で、俺の計画は過密だ。その二つを並べれば、穴だらけのはずなのに、なぜか風が通る。
計画通りにならないが、楽しい——危険な言葉が、舌の上で転がった。
◇わたし
「春灯さんは、こわくないんですか」
「何が」
「こういう……わたし」
俯かない。ゆっくり顔を上げる。
「俯いたら、地面しか見えなかったから。だから、上を見たいんです。ちゃんとしたいのに、よく転びます。転ぶ前に、ふわふわクッションが出たらいいのに」
「出るだろう」
「え?」
「君が孤独で泣きそうになったら、星が出る。俺は知っている」
どうして知ってるの?と言いかけてやめた。たぶん、彼は“知る”ことの専門家だ。
馬車が止まり、倉庫街の匂いが押し寄せる。猫の気配。
「行こう、夕星さん。計画外のデートだ」
「はい。……たのしいから、達成ですね」
彼が少しだけ、息を飲む音がした。
それから、やわらかく笑った。
——つづく——
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