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第5話 彼の恐れ、彼女のズレ — 「不釣り合い」がこぼれ落ちる日
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◇俺 — 春灯 佑真
翌日の庁舎ロビーは、寄付箱と迷子札の話題でざわついていた。
S-90配布式(飴→基金)が評判になり、商人ギルドの広報紙には“砂糖は平和”の見出し。功労者として俺が呼ばれ——正しくは“俺たち”が呼ばれ——小さな表彰の場が設けられた。
「春灯調整官、短期の制度設計により市井の混乱を——」
拍手。視界の端で、りらが両手を合わせて小さく拍手している。
胸のどこかが、きゅと縮む。
俺の頭の中で、冷たい声が囁く。
——幸福が、過剰投与だ。功績の半分は、彼女の“可愛い暴発”の連鎖に乗っただけだろう。
俺は微笑を維持し、星形クリップを挟んだ手帳を閉じた。K-07(休憩)まで、あと三時間。星マークの位置が、遠く見える。
式後、俺は仕事のペースを上げた。会議、決裁、回覧。休む前に片付ける。
——気づけば、彼女の合図“袖きゅ”から、一歩、遠ざかっていた。
◇わたし — 夕星 りら
きょうの春灯さんは、速い。歩くのも話すのも、いつもの1.3倍(体感)。
袖きゅするタイミングを探して、左手がうずうずする。
でも、邪魔しちゃいけない。婚約者としてちゃんとしたい。
よし、**S-01:Smile Protocol(笑顔プロトコル)**を実装します。にこ。にこ。にこ(角度、保つ)。
ご機嫌の空気は、暴れちゃだめ。今日は“無糖日”にしよう。飴は我慢、猫も呼ばない、風も、火も、ちょこんしない。
ちゃんとすると決めると、胸のあたりがきゅーっとして、でも、がまん。がまん。
「夕星さん、迷子台の更新、午後の鐘二つまでに」
「はい!(てち)」
走る。走るのは、得意じゃないけど、走る。
——うん? 目の端で、星形クリップが下向きなのが見えた。
K-07、やらないのかな……。
胸の奥が、ぽちゃん。危ない。飴が降る。
無糖日だよ。がまん。
◇俺
回覧の角を曲がった先で、旧書記(例の“見本配布”容疑)が書庫から出てくるのを捉えた。
「お時間、いただけますか」
短いやり取り。旧書記は苦笑し、「善意だった」と繰り返した。
善意は、しばしば面倒だ。だが、明確な悪意ではないなら、制度に吸収すればいい。見本は“幅”を持たせて配る。
俺は淡々と合意点を引き、その場を解散した。
廊下に戻ると、りらが“にこ固定”で立っていた。
「更新、終わりました! 無糖日なので、飴はなしです!」
「無糖日?」
「キャンディ、降りません!」
それは、宣言というより、祈りの声だった。
俺は喉の奥で小さく笑い、うなずいた。
「了解。……ところで、K-07は予定どおり実施だ」
「はい!(にこ角度、固定)」
固定が、少し、痛い笑顔だと気づくのに、一拍、遅れた。
◇わたし
午後の鐘一つ。
にこを保っていると、ほっぺたがつりそうになる。
無糖日だから、飴は降らない。降らせない。
でも、ロビーの一角で、商人さんと配達人さんが、ちょっと声を荒げたのが見えた。
ぽちゃん。だめ。
袖きゅしたい。でも、忙しそう。袖は、わたしのわがままかも。
——代替案。
P-02:Pocket Protocol(ポケット握りしめ)。左手で服のポケットの内側をぎゅ。自分の袖、きゅ。
……だめだ、効かない。袖は、春灯さんの袖じゃないと。
胸の奥で、キャンディの小さな影が転がる。がまん。がまん。
代わりに、息を止める。五秒。
いち、に、さん、よん、ご。
はい、セーフ。
——と思ったら、頭の上でぱしんと何かが弾けた。
ミントが、ひゅん、と一個。
……ミント?
(新種だ……!)
◇俺
視界の上手(うわて)を、緑色の小さな球がひゅんと掠めた。
俺は本能でキャッチする。
「新型か」
「す、すみません! 無糖日に“息止め”したら、なぜか、ミントが」
りらが半泣きで言う。
——そうか、我慢の味はミントか。
俺はミントを見つめ、それから彼女の“固定笑顔”を見た。
角度が、痛い。
俺は、手帳の星形クリップを、上向きに戻した。
「夕星さん、H-10(困ったの申告)を」
「こ、こまっ……」
「俺も言う。H-10。きみの“無糖日”は、俺にはしょっぱい」
「しょっぱい」
「甘いほうが、好きだ。……いや、俺が好きなのは、きみが“がまんしないで”笑う時間だ」
喉が、からからだ。言葉が砂を噛む。
「俺は、時々、怖い。幸せが、自分には不釣り合いだと思う。だから、距離を取って、段取りに逃げる。きょうは、それをした」
言ってしまった。
胸の中の冷たい声が、いったん静かになった。
◇わたし
春灯さんの言葉は、するどいのに、やさしい。
わたしの“にこ”は、固定から、ほどけに変わった。
「わたしも、H-10です。——“ちゃんと”が、こわいです。ちゃんとすると、俯きたくなります。俯くと、地面しか見えなくなって……地面は、石でした。冷たくて、固くて、甘くない」
言葉にしたら、胸の中の石がゴロッと転がった。
「だから、無糖日にしたら、ミントが出ました。……わたし、多分、がまんするとミントが出ます」
「仕様が増えたな」
「仕様(しよう)」
ふたりで、噛んで、笑った。ふわっと、ご機嫌の空気が漏れそうになる。
**いけない。**でも、今日は、無糖日を解除してもいい?
「春灯さん、K-07、していいですか」
「もちろん。今だ」
◇俺
補給室D。
ドア札を掛ける。K-07:Kitchen Pause実施中。
テーブルの上に、今度は“定番+ミント”を並べた。
「M-33に、**M-34:Mint for Mercy(ミントで許容量)**を足す。がまんの後はミントを一粒。味で“我慢”と“優しさ”を切り分ける」
「はい(こくこく)」
俺はネクタイをするりと緩め(T-01)、椅子を半歩寄せ(B-05)、カップに湯を注ぐ。
「H-10の受理を確認。次に、**P-00:Permission to be Warm(あたたかいの、許可)**を宣言する」
「P-00……」
「今日は、あたたかいの、許す。俺も、君も」
言葉に、効力が宿るのを、指先が知っている。
「では、G-05:ぎゅっと5秒——対象は、袖」
袖を差し出すと、りらの指がきゅと乗った。
いち、に、さん、よん、ご。
——不釣り合い、という冷たい声が、少し遠ざかった。
◇わたし
K-07の終わりに、S-00:やわらかさの宣言を。
「今日は、やわらかく終わります」
言い終わったとき、ちょこん火がぴこっと跳ねて、ぽと。
……キャンディが、一粒。
「こ、これは、うれしいの飴です。無糖解除の記念」
「了解。S-90へ——捕獲、寄付箱へ」
春灯さんが微笑む。
胸の奥の“にこ”は、もう固定じゃない。勝手に湧く。
「春灯さん」
「うん」
「“幸せが不釣り合い”って、どうしたら消えるんでしょう」
問いは、星みたいに小さくて、遠い。
春灯さんは考えて、答えを急がなかった。
「消さなくていい。保管する。制度の棚に置く。怖いは消耗品じゃない。備蓄品だ。危ないときに“怖い”を見て、速度を落とす。……俺は、そうしてみたい」
「備蓄品」
「“制度はやさしさの保管庫”だろう」
「はい」
胸の石が、さっきより、軽くなった。
◇俺
K-07を終え、ドア札を外す。
廊下に出ると、猫がにゃと鳴いた。黒と白の二匹。昨日の“夜間回廊”の客人らしい。
「**C-22(屋内)**の巡回か」
「きっと“ぽつん度”の巡回です」
りらが笑って、二匹を撫でる。
その笑いは、ちゃんと、甘い。
——星形クリップを、そっと指で確かめる。上向きだ。
休むは任務。任務は、遂行する。
「夕星さん。今夜、K-07拡張版をやろう。場所は読書室。灯りを落として、H-10を少し長めに」
これ以上は、怖い。けれど、逃げないと決めた。
りらは目を瞬かせて、ゆっくり頷いた。
「はい。——わたし、H-10-長文、準備します。……俯くと地面しか見えなかった、あの話」
胸の奥で、薄い星の音がした。
君への入り口が、静かに、開いた気がした。
「では、業務に戻ろう」
「はい。達成ですか?」
「——楽しいから、達成だ」
言った瞬間、廊下の端で、ミントが一粒ころと転がって、猫が前足で止めた。
可愛いは、相変わらず、強い。
——つづく——
翌日の庁舎ロビーは、寄付箱と迷子札の話題でざわついていた。
S-90配布式(飴→基金)が評判になり、商人ギルドの広報紙には“砂糖は平和”の見出し。功労者として俺が呼ばれ——正しくは“俺たち”が呼ばれ——小さな表彰の場が設けられた。
「春灯調整官、短期の制度設計により市井の混乱を——」
拍手。視界の端で、りらが両手を合わせて小さく拍手している。
胸のどこかが、きゅと縮む。
俺の頭の中で、冷たい声が囁く。
——幸福が、過剰投与だ。功績の半分は、彼女の“可愛い暴発”の連鎖に乗っただけだろう。
俺は微笑を維持し、星形クリップを挟んだ手帳を閉じた。K-07(休憩)まで、あと三時間。星マークの位置が、遠く見える。
式後、俺は仕事のペースを上げた。会議、決裁、回覧。休む前に片付ける。
——気づけば、彼女の合図“袖きゅ”から、一歩、遠ざかっていた。
◇わたし — 夕星 りら
きょうの春灯さんは、速い。歩くのも話すのも、いつもの1.3倍(体感)。
袖きゅするタイミングを探して、左手がうずうずする。
でも、邪魔しちゃいけない。婚約者としてちゃんとしたい。
よし、**S-01:Smile Protocol(笑顔プロトコル)**を実装します。にこ。にこ。にこ(角度、保つ)。
ご機嫌の空気は、暴れちゃだめ。今日は“無糖日”にしよう。飴は我慢、猫も呼ばない、風も、火も、ちょこんしない。
ちゃんとすると決めると、胸のあたりがきゅーっとして、でも、がまん。がまん。
「夕星さん、迷子台の更新、午後の鐘二つまでに」
「はい!(てち)」
走る。走るのは、得意じゃないけど、走る。
——うん? 目の端で、星形クリップが下向きなのが見えた。
K-07、やらないのかな……。
胸の奥が、ぽちゃん。危ない。飴が降る。
無糖日だよ。がまん。
◇俺
回覧の角を曲がった先で、旧書記(例の“見本配布”容疑)が書庫から出てくるのを捉えた。
「お時間、いただけますか」
短いやり取り。旧書記は苦笑し、「善意だった」と繰り返した。
善意は、しばしば面倒だ。だが、明確な悪意ではないなら、制度に吸収すればいい。見本は“幅”を持たせて配る。
俺は淡々と合意点を引き、その場を解散した。
廊下に戻ると、りらが“にこ固定”で立っていた。
「更新、終わりました! 無糖日なので、飴はなしです!」
「無糖日?」
「キャンディ、降りません!」
それは、宣言というより、祈りの声だった。
俺は喉の奥で小さく笑い、うなずいた。
「了解。……ところで、K-07は予定どおり実施だ」
「はい!(にこ角度、固定)」
固定が、少し、痛い笑顔だと気づくのに、一拍、遅れた。
◇わたし
午後の鐘一つ。
にこを保っていると、ほっぺたがつりそうになる。
無糖日だから、飴は降らない。降らせない。
でも、ロビーの一角で、商人さんと配達人さんが、ちょっと声を荒げたのが見えた。
ぽちゃん。だめ。
袖きゅしたい。でも、忙しそう。袖は、わたしのわがままかも。
——代替案。
P-02:Pocket Protocol(ポケット握りしめ)。左手で服のポケットの内側をぎゅ。自分の袖、きゅ。
……だめだ、効かない。袖は、春灯さんの袖じゃないと。
胸の奥で、キャンディの小さな影が転がる。がまん。がまん。
代わりに、息を止める。五秒。
いち、に、さん、よん、ご。
はい、セーフ。
——と思ったら、頭の上でぱしんと何かが弾けた。
ミントが、ひゅん、と一個。
……ミント?
(新種だ……!)
◇俺
視界の上手(うわて)を、緑色の小さな球がひゅんと掠めた。
俺は本能でキャッチする。
「新型か」
「す、すみません! 無糖日に“息止め”したら、なぜか、ミントが」
りらが半泣きで言う。
——そうか、我慢の味はミントか。
俺はミントを見つめ、それから彼女の“固定笑顔”を見た。
角度が、痛い。
俺は、手帳の星形クリップを、上向きに戻した。
「夕星さん、H-10(困ったの申告)を」
「こ、こまっ……」
「俺も言う。H-10。きみの“無糖日”は、俺にはしょっぱい」
「しょっぱい」
「甘いほうが、好きだ。……いや、俺が好きなのは、きみが“がまんしないで”笑う時間だ」
喉が、からからだ。言葉が砂を噛む。
「俺は、時々、怖い。幸せが、自分には不釣り合いだと思う。だから、距離を取って、段取りに逃げる。きょうは、それをした」
言ってしまった。
胸の中の冷たい声が、いったん静かになった。
◇わたし
春灯さんの言葉は、するどいのに、やさしい。
わたしの“にこ”は、固定から、ほどけに変わった。
「わたしも、H-10です。——“ちゃんと”が、こわいです。ちゃんとすると、俯きたくなります。俯くと、地面しか見えなくなって……地面は、石でした。冷たくて、固くて、甘くない」
言葉にしたら、胸の中の石がゴロッと転がった。
「だから、無糖日にしたら、ミントが出ました。……わたし、多分、がまんするとミントが出ます」
「仕様が増えたな」
「仕様(しよう)」
ふたりで、噛んで、笑った。ふわっと、ご機嫌の空気が漏れそうになる。
**いけない。**でも、今日は、無糖日を解除してもいい?
「春灯さん、K-07、していいですか」
「もちろん。今だ」
◇俺
補給室D。
ドア札を掛ける。K-07:Kitchen Pause実施中。
テーブルの上に、今度は“定番+ミント”を並べた。
「M-33に、**M-34:Mint for Mercy(ミントで許容量)**を足す。がまんの後はミントを一粒。味で“我慢”と“優しさ”を切り分ける」
「はい(こくこく)」
俺はネクタイをするりと緩め(T-01)、椅子を半歩寄せ(B-05)、カップに湯を注ぐ。
「H-10の受理を確認。次に、**P-00:Permission to be Warm(あたたかいの、許可)**を宣言する」
「P-00……」
「今日は、あたたかいの、許す。俺も、君も」
言葉に、効力が宿るのを、指先が知っている。
「では、G-05:ぎゅっと5秒——対象は、袖」
袖を差し出すと、りらの指がきゅと乗った。
いち、に、さん、よん、ご。
——不釣り合い、という冷たい声が、少し遠ざかった。
◇わたし
K-07の終わりに、S-00:やわらかさの宣言を。
「今日は、やわらかく終わります」
言い終わったとき、ちょこん火がぴこっと跳ねて、ぽと。
……キャンディが、一粒。
「こ、これは、うれしいの飴です。無糖解除の記念」
「了解。S-90へ——捕獲、寄付箱へ」
春灯さんが微笑む。
胸の奥の“にこ”は、もう固定じゃない。勝手に湧く。
「春灯さん」
「うん」
「“幸せが不釣り合い”って、どうしたら消えるんでしょう」
問いは、星みたいに小さくて、遠い。
春灯さんは考えて、答えを急がなかった。
「消さなくていい。保管する。制度の棚に置く。怖いは消耗品じゃない。備蓄品だ。危ないときに“怖い”を見て、速度を落とす。……俺は、そうしてみたい」
「備蓄品」
「“制度はやさしさの保管庫”だろう」
「はい」
胸の石が、さっきより、軽くなった。
◇俺
K-07を終え、ドア札を外す。
廊下に出ると、猫がにゃと鳴いた。黒と白の二匹。昨日の“夜間回廊”の客人らしい。
「**C-22(屋内)**の巡回か」
「きっと“ぽつん度”の巡回です」
りらが笑って、二匹を撫でる。
その笑いは、ちゃんと、甘い。
——星形クリップを、そっと指で確かめる。上向きだ。
休むは任務。任務は、遂行する。
「夕星さん。今夜、K-07拡張版をやろう。場所は読書室。灯りを落として、H-10を少し長めに」
これ以上は、怖い。けれど、逃げないと決めた。
りらは目を瞬かせて、ゆっくり頷いた。
「はい。——わたし、H-10-長文、準備します。……俯くと地面しか見えなかった、あの話」
胸の奥で、薄い星の音がした。
君への入り口が、静かに、開いた気がした。
「では、業務に戻ろう」
「はい。達成ですか?」
「——楽しいから、達成だ」
言った瞬間、廊下の端で、ミントが一粒ころと転がって、猫が前足で止めた。
可愛いは、相変わらず、強い。
——つづく——
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