5 / 8
第5話 彼の恐れ、彼女のズレ — 「不釣り合い」がこぼれ落ちる日
しおりを挟む
◇俺 — 春灯 佑真
翌日の庁舎ロビーは、寄付箱と迷子札の話題でざわついていた。
S-90配布式(飴→基金)が評判になり、商人ギルドの広報紙には“砂糖は平和”の見出し。功労者として俺が呼ばれ——正しくは“俺たち”が呼ばれ——小さな表彰の場が設けられた。
「春灯調整官、短期の制度設計により市井の混乱を——」
拍手。視界の端で、りらが両手を合わせて小さく拍手している。
胸のどこかが、きゅと縮む。
俺の頭の中で、冷たい声が囁く。
——幸福が、過剰投与だ。功績の半分は、彼女の“可愛い暴発”の連鎖に乗っただけだろう。
俺は微笑を維持し、星形クリップを挟んだ手帳を閉じた。K-07(休憩)まで、あと三時間。星マークの位置が、遠く見える。
式後、俺は仕事のペースを上げた。会議、決裁、回覧。休む前に片付ける。
——気づけば、彼女の合図“袖きゅ”から、一歩、遠ざかっていた。
◇わたし — 夕星 りら
きょうの春灯さんは、速い。歩くのも話すのも、いつもの1.3倍(体感)。
袖きゅするタイミングを探して、左手がうずうずする。
でも、邪魔しちゃいけない。婚約者としてちゃんとしたい。
よし、**S-01:Smile Protocol(笑顔プロトコル)**を実装します。にこ。にこ。にこ(角度、保つ)。
ご機嫌の空気は、暴れちゃだめ。今日は“無糖日”にしよう。飴は我慢、猫も呼ばない、風も、火も、ちょこんしない。
ちゃんとすると決めると、胸のあたりがきゅーっとして、でも、がまん。がまん。
「夕星さん、迷子台の更新、午後の鐘二つまでに」
「はい!(てち)」
走る。走るのは、得意じゃないけど、走る。
——うん? 目の端で、星形クリップが下向きなのが見えた。
K-07、やらないのかな……。
胸の奥が、ぽちゃん。危ない。飴が降る。
無糖日だよ。がまん。
◇俺
回覧の角を曲がった先で、旧書記(例の“見本配布”容疑)が書庫から出てくるのを捉えた。
「お時間、いただけますか」
短いやり取り。旧書記は苦笑し、「善意だった」と繰り返した。
善意は、しばしば面倒だ。だが、明確な悪意ではないなら、制度に吸収すればいい。見本は“幅”を持たせて配る。
俺は淡々と合意点を引き、その場を解散した。
廊下に戻ると、りらが“にこ固定”で立っていた。
「更新、終わりました! 無糖日なので、飴はなしです!」
「無糖日?」
「キャンディ、降りません!」
それは、宣言というより、祈りの声だった。
俺は喉の奥で小さく笑い、うなずいた。
「了解。……ところで、K-07は予定どおり実施だ」
「はい!(にこ角度、固定)」
固定が、少し、痛い笑顔だと気づくのに、一拍、遅れた。
◇わたし
午後の鐘一つ。
にこを保っていると、ほっぺたがつりそうになる。
無糖日だから、飴は降らない。降らせない。
でも、ロビーの一角で、商人さんと配達人さんが、ちょっと声を荒げたのが見えた。
ぽちゃん。だめ。
袖きゅしたい。でも、忙しそう。袖は、わたしのわがままかも。
——代替案。
P-02:Pocket Protocol(ポケット握りしめ)。左手で服のポケットの内側をぎゅ。自分の袖、きゅ。
……だめだ、効かない。袖は、春灯さんの袖じゃないと。
胸の奥で、キャンディの小さな影が転がる。がまん。がまん。
代わりに、息を止める。五秒。
いち、に、さん、よん、ご。
はい、セーフ。
——と思ったら、頭の上でぱしんと何かが弾けた。
ミントが、ひゅん、と一個。
……ミント?
(新種だ……!)
◇俺
視界の上手(うわて)を、緑色の小さな球がひゅんと掠めた。
俺は本能でキャッチする。
「新型か」
「す、すみません! 無糖日に“息止め”したら、なぜか、ミントが」
りらが半泣きで言う。
——そうか、我慢の味はミントか。
俺はミントを見つめ、それから彼女の“固定笑顔”を見た。
角度が、痛い。
俺は、手帳の星形クリップを、上向きに戻した。
「夕星さん、H-10(困ったの申告)を」
「こ、こまっ……」
「俺も言う。H-10。きみの“無糖日”は、俺にはしょっぱい」
「しょっぱい」
「甘いほうが、好きだ。……いや、俺が好きなのは、きみが“がまんしないで”笑う時間だ」
喉が、からからだ。言葉が砂を噛む。
「俺は、時々、怖い。幸せが、自分には不釣り合いだと思う。だから、距離を取って、段取りに逃げる。きょうは、それをした」
言ってしまった。
胸の中の冷たい声が、いったん静かになった。
◇わたし
春灯さんの言葉は、するどいのに、やさしい。
わたしの“にこ”は、固定から、ほどけに変わった。
「わたしも、H-10です。——“ちゃんと”が、こわいです。ちゃんとすると、俯きたくなります。俯くと、地面しか見えなくなって……地面は、石でした。冷たくて、固くて、甘くない」
言葉にしたら、胸の中の石がゴロッと転がった。
「だから、無糖日にしたら、ミントが出ました。……わたし、多分、がまんするとミントが出ます」
「仕様が増えたな」
「仕様(しよう)」
ふたりで、噛んで、笑った。ふわっと、ご機嫌の空気が漏れそうになる。
**いけない。**でも、今日は、無糖日を解除してもいい?
「春灯さん、K-07、していいですか」
「もちろん。今だ」
◇俺
補給室D。
ドア札を掛ける。K-07:Kitchen Pause実施中。
テーブルの上に、今度は“定番+ミント”を並べた。
「M-33に、**M-34:Mint for Mercy(ミントで許容量)**を足す。がまんの後はミントを一粒。味で“我慢”と“優しさ”を切り分ける」
「はい(こくこく)」
俺はネクタイをするりと緩め(T-01)、椅子を半歩寄せ(B-05)、カップに湯を注ぐ。
「H-10の受理を確認。次に、**P-00:Permission to be Warm(あたたかいの、許可)**を宣言する」
「P-00……」
「今日は、あたたかいの、許す。俺も、君も」
言葉に、効力が宿るのを、指先が知っている。
「では、G-05:ぎゅっと5秒——対象は、袖」
袖を差し出すと、りらの指がきゅと乗った。
いち、に、さん、よん、ご。
——不釣り合い、という冷たい声が、少し遠ざかった。
◇わたし
K-07の終わりに、S-00:やわらかさの宣言を。
「今日は、やわらかく終わります」
言い終わったとき、ちょこん火がぴこっと跳ねて、ぽと。
……キャンディが、一粒。
「こ、これは、うれしいの飴です。無糖解除の記念」
「了解。S-90へ——捕獲、寄付箱へ」
春灯さんが微笑む。
胸の奥の“にこ”は、もう固定じゃない。勝手に湧く。
「春灯さん」
「うん」
「“幸せが不釣り合い”って、どうしたら消えるんでしょう」
問いは、星みたいに小さくて、遠い。
春灯さんは考えて、答えを急がなかった。
「消さなくていい。保管する。制度の棚に置く。怖いは消耗品じゃない。備蓄品だ。危ないときに“怖い”を見て、速度を落とす。……俺は、そうしてみたい」
「備蓄品」
「“制度はやさしさの保管庫”だろう」
「はい」
胸の石が、さっきより、軽くなった。
◇俺
K-07を終え、ドア札を外す。
廊下に出ると、猫がにゃと鳴いた。黒と白の二匹。昨日の“夜間回廊”の客人らしい。
「**C-22(屋内)**の巡回か」
「きっと“ぽつん度”の巡回です」
りらが笑って、二匹を撫でる。
その笑いは、ちゃんと、甘い。
——星形クリップを、そっと指で確かめる。上向きだ。
休むは任務。任務は、遂行する。
「夕星さん。今夜、K-07拡張版をやろう。場所は読書室。灯りを落として、H-10を少し長めに」
これ以上は、怖い。けれど、逃げないと決めた。
りらは目を瞬かせて、ゆっくり頷いた。
「はい。——わたし、H-10-長文、準備します。……俯くと地面しか見えなかった、あの話」
胸の奥で、薄い星の音がした。
君への入り口が、静かに、開いた気がした。
「では、業務に戻ろう」
「はい。達成ですか?」
「——楽しいから、達成だ」
言った瞬間、廊下の端で、ミントが一粒ころと転がって、猫が前足で止めた。
可愛いは、相変わらず、強い。
——つづく——
翌日の庁舎ロビーは、寄付箱と迷子札の話題でざわついていた。
S-90配布式(飴→基金)が評判になり、商人ギルドの広報紙には“砂糖は平和”の見出し。功労者として俺が呼ばれ——正しくは“俺たち”が呼ばれ——小さな表彰の場が設けられた。
「春灯調整官、短期の制度設計により市井の混乱を——」
拍手。視界の端で、りらが両手を合わせて小さく拍手している。
胸のどこかが、きゅと縮む。
俺の頭の中で、冷たい声が囁く。
——幸福が、過剰投与だ。功績の半分は、彼女の“可愛い暴発”の連鎖に乗っただけだろう。
俺は微笑を維持し、星形クリップを挟んだ手帳を閉じた。K-07(休憩)まで、あと三時間。星マークの位置が、遠く見える。
式後、俺は仕事のペースを上げた。会議、決裁、回覧。休む前に片付ける。
——気づけば、彼女の合図“袖きゅ”から、一歩、遠ざかっていた。
◇わたし — 夕星 りら
きょうの春灯さんは、速い。歩くのも話すのも、いつもの1.3倍(体感)。
袖きゅするタイミングを探して、左手がうずうずする。
でも、邪魔しちゃいけない。婚約者としてちゃんとしたい。
よし、**S-01:Smile Protocol(笑顔プロトコル)**を実装します。にこ。にこ。にこ(角度、保つ)。
ご機嫌の空気は、暴れちゃだめ。今日は“無糖日”にしよう。飴は我慢、猫も呼ばない、風も、火も、ちょこんしない。
ちゃんとすると決めると、胸のあたりがきゅーっとして、でも、がまん。がまん。
「夕星さん、迷子台の更新、午後の鐘二つまでに」
「はい!(てち)」
走る。走るのは、得意じゃないけど、走る。
——うん? 目の端で、星形クリップが下向きなのが見えた。
K-07、やらないのかな……。
胸の奥が、ぽちゃん。危ない。飴が降る。
無糖日だよ。がまん。
◇俺
回覧の角を曲がった先で、旧書記(例の“見本配布”容疑)が書庫から出てくるのを捉えた。
「お時間、いただけますか」
短いやり取り。旧書記は苦笑し、「善意だった」と繰り返した。
善意は、しばしば面倒だ。だが、明確な悪意ではないなら、制度に吸収すればいい。見本は“幅”を持たせて配る。
俺は淡々と合意点を引き、その場を解散した。
廊下に戻ると、りらが“にこ固定”で立っていた。
「更新、終わりました! 無糖日なので、飴はなしです!」
「無糖日?」
「キャンディ、降りません!」
それは、宣言というより、祈りの声だった。
俺は喉の奥で小さく笑い、うなずいた。
「了解。……ところで、K-07は予定どおり実施だ」
「はい!(にこ角度、固定)」
固定が、少し、痛い笑顔だと気づくのに、一拍、遅れた。
◇わたし
午後の鐘一つ。
にこを保っていると、ほっぺたがつりそうになる。
無糖日だから、飴は降らない。降らせない。
でも、ロビーの一角で、商人さんと配達人さんが、ちょっと声を荒げたのが見えた。
ぽちゃん。だめ。
袖きゅしたい。でも、忙しそう。袖は、わたしのわがままかも。
——代替案。
P-02:Pocket Protocol(ポケット握りしめ)。左手で服のポケットの内側をぎゅ。自分の袖、きゅ。
……だめだ、効かない。袖は、春灯さんの袖じゃないと。
胸の奥で、キャンディの小さな影が転がる。がまん。がまん。
代わりに、息を止める。五秒。
いち、に、さん、よん、ご。
はい、セーフ。
——と思ったら、頭の上でぱしんと何かが弾けた。
ミントが、ひゅん、と一個。
……ミント?
(新種だ……!)
◇俺
視界の上手(うわて)を、緑色の小さな球がひゅんと掠めた。
俺は本能でキャッチする。
「新型か」
「す、すみません! 無糖日に“息止め”したら、なぜか、ミントが」
りらが半泣きで言う。
——そうか、我慢の味はミントか。
俺はミントを見つめ、それから彼女の“固定笑顔”を見た。
角度が、痛い。
俺は、手帳の星形クリップを、上向きに戻した。
「夕星さん、H-10(困ったの申告)を」
「こ、こまっ……」
「俺も言う。H-10。きみの“無糖日”は、俺にはしょっぱい」
「しょっぱい」
「甘いほうが、好きだ。……いや、俺が好きなのは、きみが“がまんしないで”笑う時間だ」
喉が、からからだ。言葉が砂を噛む。
「俺は、時々、怖い。幸せが、自分には不釣り合いだと思う。だから、距離を取って、段取りに逃げる。きょうは、それをした」
言ってしまった。
胸の中の冷たい声が、いったん静かになった。
◇わたし
春灯さんの言葉は、するどいのに、やさしい。
わたしの“にこ”は、固定から、ほどけに変わった。
「わたしも、H-10です。——“ちゃんと”が、こわいです。ちゃんとすると、俯きたくなります。俯くと、地面しか見えなくなって……地面は、石でした。冷たくて、固くて、甘くない」
言葉にしたら、胸の中の石がゴロッと転がった。
「だから、無糖日にしたら、ミントが出ました。……わたし、多分、がまんするとミントが出ます」
「仕様が増えたな」
「仕様(しよう)」
ふたりで、噛んで、笑った。ふわっと、ご機嫌の空気が漏れそうになる。
**いけない。**でも、今日は、無糖日を解除してもいい?
「春灯さん、K-07、していいですか」
「もちろん。今だ」
◇俺
補給室D。
ドア札を掛ける。K-07:Kitchen Pause実施中。
テーブルの上に、今度は“定番+ミント”を並べた。
「M-33に、**M-34:Mint for Mercy(ミントで許容量)**を足す。がまんの後はミントを一粒。味で“我慢”と“優しさ”を切り分ける」
「はい(こくこく)」
俺はネクタイをするりと緩め(T-01)、椅子を半歩寄せ(B-05)、カップに湯を注ぐ。
「H-10の受理を確認。次に、**P-00:Permission to be Warm(あたたかいの、許可)**を宣言する」
「P-00……」
「今日は、あたたかいの、許す。俺も、君も」
言葉に、効力が宿るのを、指先が知っている。
「では、G-05:ぎゅっと5秒——対象は、袖」
袖を差し出すと、りらの指がきゅと乗った。
いち、に、さん、よん、ご。
——不釣り合い、という冷たい声が、少し遠ざかった。
◇わたし
K-07の終わりに、S-00:やわらかさの宣言を。
「今日は、やわらかく終わります」
言い終わったとき、ちょこん火がぴこっと跳ねて、ぽと。
……キャンディが、一粒。
「こ、これは、うれしいの飴です。無糖解除の記念」
「了解。S-90へ——捕獲、寄付箱へ」
春灯さんが微笑む。
胸の奥の“にこ”は、もう固定じゃない。勝手に湧く。
「春灯さん」
「うん」
「“幸せが不釣り合い”って、どうしたら消えるんでしょう」
問いは、星みたいに小さくて、遠い。
春灯さんは考えて、答えを急がなかった。
「消さなくていい。保管する。制度の棚に置く。怖いは消耗品じゃない。備蓄品だ。危ないときに“怖い”を見て、速度を落とす。……俺は、そうしてみたい」
「備蓄品」
「“制度はやさしさの保管庫”だろう」
「はい」
胸の石が、さっきより、軽くなった。
◇俺
K-07を終え、ドア札を外す。
廊下に出ると、猫がにゃと鳴いた。黒と白の二匹。昨日の“夜間回廊”の客人らしい。
「**C-22(屋内)**の巡回か」
「きっと“ぽつん度”の巡回です」
りらが笑って、二匹を撫でる。
その笑いは、ちゃんと、甘い。
——星形クリップを、そっと指で確かめる。上向きだ。
休むは任務。任務は、遂行する。
「夕星さん。今夜、K-07拡張版をやろう。場所は読書室。灯りを落として、H-10を少し長めに」
これ以上は、怖い。けれど、逃げないと決めた。
りらは目を瞬かせて、ゆっくり頷いた。
「はい。——わたし、H-10-長文、準備します。……俯くと地面しか見えなかった、あの話」
胸の奥で、薄い星の音がした。
君への入り口が、静かに、開いた気がした。
「では、業務に戻ろう」
「はい。達成ですか?」
「——楽しいから、達成だ」
言った瞬間、廊下の端で、ミントが一粒ころと転がって、猫が前足で止めた。
可愛いは、相変わらず、強い。
——つづく——
0
あなたにおすすめの小説
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
悪役令嬢を断罪したくせに、今さら溺愛とか都合が良すぎますわ!
nacat
恋愛
侯爵令嬢リディアは、無実の罪で婚約者の王太子に断罪された。
冷笑を浮かべ、すべてを捨てて国外へ去った彼女が、数年後、驚くべき姿で帰ってくる。
誰もが羨む天才魔導師として──。
今さら後悔する王太子、ざまぁを噛みしめる貴族令嬢たち。
そして、リディアをひそかに守ってきた公爵の青年が、ようやく想いを告げる時が来た。
これは、不当な断罪を受けた少女が、自分の誇りと愛を取り戻す溺愛系ロマンス。
すべての「裏切られた少女」たちに捧ぐ、痛快で甘く切ない逆転劇。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件
水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
以後、
寝室は強制統合
常時抱っこ移動
一秒ごとに更新される溺愛
妻を傷つける者には容赦なし宣言
甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。
さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――?
自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。
溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ
好きすぎます!※殿下ではなく、殿下の騎獣が
和島逆
恋愛
「ずっと……お慕い申し上げておりました」
エヴェリーナは伯爵令嬢でありながら、飛空騎士団の騎獣世話係を目指す。たとえ思いが叶わずとも、大好きな相手の側にいるために。
けれど騎士団長であり王弟でもあるジェラルドは、自他ともに認める女嫌い。エヴェリーナの告白を冷たく切り捨てる。
「エヴェリーナ嬢。あいにくだが」
「心よりお慕いしております。大好きなのです。殿下の騎獣──……ライオネル様のことが!」
──エヴェリーナのお目当ては、ジェラルドではなく獅子の騎獣ライオネルだったのだ。
余命僅かな大富豪を看取って、円満に未亡人になるはずでした
ぜんだ 夕里
恋愛
傾きかけた家を救うため、私が結んだのはあまりにも不謹慎な契約――余命いくばくもない大富豪の辺境伯様と結婚し、彼の最期を穏やかに看取ることで莫大な遺産を相続する、というものだった。
しかし、人の死を利用して富を得るなど不正義!
そう考えた私が立てたのは、前代未聞の計画。
「そうだ、遺産が残らないくらい贅沢の限りを尽くしてもらえば、すべて丸く収まるじゃない!」
『お前のような女、婚約破棄だ!』と言われた瞬間、背景に【GAME OVER】の文字が見えたので、遠慮なく王子の顔面に拳を叩き込みました
唯崎りいち
恋愛
乙女ゲームに転生した私。正ヒーローの王子に婚約破棄を告げられ【GAME OVER】…と思いきや、演出だった!? UIを操り、王子をゴミ箱に叩き込み、逆ハーレムと建国シミュレーションを始める異世界転生ギャグ短編。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる