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しおりを挟む「かわいい子だったぞ。ちょっと年上っぽかったけどな。仲良さげに腕組んで歩いてた」
陽太郎が聞いてない情報まで流し込んでくる。
年上かぁ。
……えっちだなぁ。
俺の脳内で津島が裸になって女にのしかかる映像が流れていく。
均整の取れた身体に汗が張り付いて、彫刻家も真っ青な肩甲骨が動く。
白い肌に玉に浮かんだ汗が合わさって、玉のような汗になって滑り落ちていく。
女の足の間に身体を入れた津島がその身体に似合った大きさのもので女を悦ばせている。
実際に見たことはないが、服の上からもその場所が分かる程度に立派なものを持っていることは知っている。
女をよがらせる堂に入った腰の振り方はこなれていて、こんなところにも才能が垣間見えるものなのかと自分の想像ながら笑ってしまう。
津島は今まで何人抱いたんだろう。
少し強面だけども、顔はいいから女のほうから言い寄ってくるはずだ。
おっぱいのでかいおねーさんに誘惑されて、舌打ちしながら了承した津島がネオン街に消えていく――
やけに解像度の高い想像に、嫌な気持ちで胸が塞がれたような心地がする。
喉につかえて呑み込めないそれは真っ黒なタールのようにどろどろねばねばとしていて形が定まらない。
澄也は鬱々としてきた。
「彼女のこと今度津島に聞いてみようかな」
陽気な声でそう言っていつも通り、女の子に興味津々といった様子で言葉を返せば陽太郎は「ほどほどにな」などと言って苦笑いする。
澄也は、陽太郎との会話を打ち切った。
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