青き血潮の果て【完結】

染西 乱

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イエロームーブ

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私の奏上のおかげか、勇者が死にかけると言う異常事態に気がついたからかはわからないが、国からの手厚い支援がついたらしい勇者の魔王討伐にかかるパーティーの募集は今度こそうまくいっているらしい。
お金に負けて参加する者も、栄誉によるものか一度誘われ断ったはずの魔王討伐へ参加する者も増えてきたと言う。
しかし私の場合はいくら金を積まれようが栄誉があろうが、戦うことはない。
もし戦いの最中に私の血が青いことが仮初の仲間達に知られてしまったらどうなるのか想像するのは容易だ。
悪魔だ魔族だと言われてすぐに討伐対象にされるに決まっている。逃げ落ちのびても賞金が課せられ、指名手配班となりいまの生活からはかけ離れたひどいありさまになることな手に取るように想像できた。
私だけの話で済めばいいがらことはそんなに簡単に行かないだろう。
私の父母も捕まるだろうし、弟も捕まってなにをされるものだかわからない。
私のことなど父も母も弟も知りはしないが、周りがどうみるかはわからないのだ。

私が他と違うことに気づいてから、私は誰も信用できなくなってしまっている。


瀕死状態のマックスを見てしまった手前なにも手助けをしないことに対して罪悪感が湧いてしまい、私はマックスを頼って初期メンバーになっていたら子供達に治癒魔法を教えることにした。男女合わせて四人の生徒を持つことになったが、適性を確認してみると四人中三人が治癒魔法を使える見込みがあった。これは相当な確率だ。勇者の元に治癒者が集まるようにという天の采配なのかもしれない。
一人だけ魔法適性の出ない子がおり、その子は元々剣士になりたかったと言うので、私の弟に任せてみることにした。
ひとに教わるだけでなく、ひとに教えることであのふにゃふにゃした芯のない弟が少しでも大人に近づければいいという兄心といえる。
……決して教える人間を見つけるのが面倒だと感じて押し付けたわけではない。

勇者マックスは、時折私を訪ねて来るようになっていた。もちろんそれは私が面倒を見ている子供たちの様子がどんなものか、どのぐらいの力量なのかを知るためという理由があった。

なぜがマックスは怪我をしたままでいることがあり、私はそれを見つけてはギョッとし、治癒をかけてやった。

なぜマックスを治癒しないのか、同行している者たちに聞いてみると、マックスは体内に残っている魔力量がわかるらしく治癒者の魔力が少なくなってくると自分よりも他のメンバーへの治癒をそれとなく誘導するらしい。
そうして、他のものを治癒し終わり、さてようやくマックスの番だと治癒させようとすると魔力が足りなくなっている。
申し訳ないと平謝りすると、本人は「仕方がないこのぐらいならすぐに治るよ」「今私の面倒を見ている子供たちは治癒を学んでいるところだから、戻ってから治癒の練習でもさせるよ」などと言うのだそうだ。

子供達はまだまだ実践につけるような力はない。
せいぜいがさかむけを治療だとか、紙で切った指の傷を治すだとか……いや、まだそれさえも出来ていないか。

当然マックスがそんな大きな傷を治癒しろと子供達に迫ることはない。

マックスのそう言った行動は私を呆れさせたが、不思議と嫌いにはなれない。

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