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部分的動員
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不穏な噂が流れていた。戦争の噂だ。戦争が起こりそうだというだけではなく、兵隊以外も動員されるという噂だ。
誰もかれもというわけではなく、部分的な、という話だがそれはなんの慰めにもならない。ただでさえ人手不足なのに、余計なことをしてくれる。
「ああ……」
と、思わずため息をついた。
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
「そうですか? 疲れているようですけど」
「大丈夫だよ」
言ってから気づいた。
「……すまない。君に心配をかけてしまったね」
「いえ」
首を振った後で、
「私はいつもあなたを心配していますよ」
と付け加えた。
「ありがとう」
と応じてから、少し考える。
「君の言う通りかもしれない。確かに少し疲れたようだ。今日はもう休ませてもらうことにするよ」
「はい」
うなずいた彼女に微笑んで見せて部屋に戻った。
寝台の上に倒れこむように横になる。目をつぶると、すぐに眠気がやってきた。
眠りの中で、夢を見たような気がする。あまり覚えていないが、良い夢ではなかったと思う。
目が覚めた時、嫌な汗をかいていた。
着替える前に水差しの水を飲み干した。
窓の外を見る。太陽の位置は高い。昼前だろう。時間を確認して、それから服を着替えた。
外に出ると日射しの強さに一瞬目眩を覚える。
歩きながら昨夜のことを思い出す。彼女の言葉通りに、自分は疲れているらしい。だからあんな夢を見てしまうのだ。
彼女には悪いけれど、今日の夜も一人で眠ることにしよう。そう決めた。
だが、夜になっても彼女は戻って来なかった。
代わりにあったのは一通の手紙。
彼女宛ての動員令だった。
誰もかれもというわけではなく、部分的な、という話だがそれはなんの慰めにもならない。ただでさえ人手不足なのに、余計なことをしてくれる。
「ああ……」
と、思わずため息をついた。
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
「そうですか? 疲れているようですけど」
「大丈夫だよ」
言ってから気づいた。
「……すまない。君に心配をかけてしまったね」
「いえ」
首を振った後で、
「私はいつもあなたを心配していますよ」
と付け加えた。
「ありがとう」
と応じてから、少し考える。
「君の言う通りかもしれない。確かに少し疲れたようだ。今日はもう休ませてもらうことにするよ」
「はい」
うなずいた彼女に微笑んで見せて部屋に戻った。
寝台の上に倒れこむように横になる。目をつぶると、すぐに眠気がやってきた。
眠りの中で、夢を見たような気がする。あまり覚えていないが、良い夢ではなかったと思う。
目が覚めた時、嫌な汗をかいていた。
着替える前に水差しの水を飲み干した。
窓の外を見る。太陽の位置は高い。昼前だろう。時間を確認して、それから服を着替えた。
外に出ると日射しの強さに一瞬目眩を覚える。
歩きながら昨夜のことを思い出す。彼女の言葉通りに、自分は疲れているらしい。だからあんな夢を見てしまうのだ。
彼女には悪いけれど、今日の夜も一人で眠ることにしよう。そう決めた。
だが、夜になっても彼女は戻って来なかった。
代わりにあったのは一通の手紙。
彼女宛ての動員令だった。
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