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いろちがい
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「あかいなー」
「……なにが?」
「あかい、おはな。きれいね」
そう言って、彼女はふわりと笑った。
――ああ。
その笑顔を見た瞬間、俺の中で何かのスイッチが入ったような気がした。
それから俺は、彼女にせがまれるまま花の名前を教えたり、絵本を読んで聞かせたりした。
最初は警戒していた彼女も、徐々に心を開いてくれたのか、そのうち自ら話しかけてくれるようになった。
「ねえ、あなたのおなまえはなんていうの?」
「……えっと……」
さすがに本名を名乗るわけにはいかないし……。どうしようか? すると彼女が首を傾げて聞いてきた。
「ないの?」
「いや、あるよ!……俺の名前は……」
咄嵯に出た言葉だったけど、何故かそれが自分の本当の名前のように感じた。
「俺の名前は、悠太っていうんだ」
「ゆうた?ゆうちゃんってよんでもいい?」
「いいよ。じゃあ、君の名前は何て言うのかな?」
「わたしのおなまえは……ゆづき!」
これが彼女との最初の出会いだ。
その後、彼女の両親から連絡があり、すぐに引き取りたいと言われた。
正直名残惜しかったけど、俺は素直に従うことにした。
別れ際に、彼女が泣きながら言った言葉を今でも覚えている。
「またあそぼうね!ぜったいだよ!!」
「うん。約束する」
「やくそくだよ!!ゆびきりげんまん!」
そして、俺たちは指切りをした。赤と緑。違った色の指先で。
「……なにが?」
「あかい、おはな。きれいね」
そう言って、彼女はふわりと笑った。
――ああ。
その笑顔を見た瞬間、俺の中で何かのスイッチが入ったような気がした。
それから俺は、彼女にせがまれるまま花の名前を教えたり、絵本を読んで聞かせたりした。
最初は警戒していた彼女も、徐々に心を開いてくれたのか、そのうち自ら話しかけてくれるようになった。
「ねえ、あなたのおなまえはなんていうの?」
「……えっと……」
さすがに本名を名乗るわけにはいかないし……。どうしようか? すると彼女が首を傾げて聞いてきた。
「ないの?」
「いや、あるよ!……俺の名前は……」
咄嵯に出た言葉だったけど、何故かそれが自分の本当の名前のように感じた。
「俺の名前は、悠太っていうんだ」
「ゆうた?ゆうちゃんってよんでもいい?」
「いいよ。じゃあ、君の名前は何て言うのかな?」
「わたしのおなまえは……ゆづき!」
これが彼女との最初の出会いだ。
その後、彼女の両親から連絡があり、すぐに引き取りたいと言われた。
正直名残惜しかったけど、俺は素直に従うことにした。
別れ際に、彼女が泣きながら言った言葉を今でも覚えている。
「またあそぼうね!ぜったいだよ!!」
「うん。約束する」
「やくそくだよ!!ゆびきりげんまん!」
そして、俺たちは指切りをした。赤と緑。違った色の指先で。
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