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68.【破滅の道連れ】
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そして、アイルがゼオリスとすれ違っている時間にも、物事は別の方向でも進んでいた。
気に入らない。
誰もいない教室で、会えばゼリオスの事ばかり聞いてくるヴィナスにデーリクは腹を立てていた。
「くそ!」
酷くぼんやりして頭も働かないからフォルクロアに対しての現状の目眩ましにでもなると言ったブラントル伯爵令息は、訓練場で実際に揉め事を起こして騎士団に拘束された。
いつ頃解放されるかは同じ騎士団にいる令息の兄でも分からないと言う。
以前から令息が自分とヴィナスが繋がりがある事をフォルクロア家には悟られるかも知れないと警戒していたのは知っていた。
フォルクロア家は精霊の家系。人の知らない事を知り、人の及ばない力を使うと、尊敬されながらも畏怖される家系であった。成り立ちからしても下手な貴族家より王家との繋がりは強い。
デーリクにはフォルクロア家の後継だと知ったアイルがゼオリスと親しくしている事も腹立たしかった。
何でも不都合な事ばかりが重なって、上手くいかない。
こんなにも好きなのに、ヴィナスは身分ばかり見ている!
今頃第2王子達と戯れているかと思うと、デーリクの中の怒りは収まる筈もなかった。
「フォルクロア家には迂闊に近付くなよ」
揉め事を起こす直前にブラントル伯爵令息はそうデーリクに忠告した。
両親からも絶対に失礼のないようにと注意されている。
「くそ!」
机を叩きつけた。
貴族家ですらないのに公爵家も礼を尽くす特別な家でもあるフォルクロア家。
フォルクロア家の親戚となっているサウザン侯爵家は、飽くまで現侯爵とアイルが血縁関係であると言う話であった。
つまり侯爵の弟の血筋でしかないミイノス子爵家とは無関係で、運良くデーリクがサウザン侯爵家の後継に収まる事が出来てもフォルクロア家とは縁が切れてしまう。
ゼオリスだけがどうして!
欲しい物を全て持っているゼオリスが憎くて仕方なかった。
上手くいかない。どうやっても手が届かない。
何も持っていないからどんなに愛しても、ヴィナスは振り向かない。
もう一度机に手を叩きつけた。
おもむろに立ち上がったデーリクは手にした手紙を持っていたナイフでバラバラに切り裂き、計画を変更する事にした。
アイルと別れたゼオリスを馬車止めで待っていたのは、同じ授業を取っている割と親しくしている生徒であった。
「よう。今日はフォルクロアのと一緒じゃないんだ」
「そんなに一緒の用事ばかりはないぞ」
時々アイルとセットと思われている事を言われるのは、1人が好きなゼオリスにとって心外に思う部分もあった。
ただ何かにつけてフォルクロアの名前と威光は便利ではあるのでゼオリスも普段からアイルと一緒にいる事で恩恵を受けており、セットの印象を周囲が持っても仕方ない事かも知れない。
とは言え、遅くまで待っていたのはそんな話をするためではではないだろう。
「で、どうしたんだ?」
「実はさ、授業中に従者が変な手紙を受け取っていたんだ」
ゼオリスの友人は、封筒にも入れられていない便せんを二つ折りにしただけの簡易すぎる手紙を差し出した。
どうやら友人の話によると従者も不審とは思いつつも、上の身分をちらつかされては逆らえず受け取るしかなかったらしい。よくある手口と言えばよくある手口だ。
「ほとんどチラシに近い状態だから、捨てるつもりでうっかり内容が見えてしまったんだよね」
迂闊というか、見させるために封筒にも入れなかったのだろう。
取り敢えずゼオリスは手紙を開いた。
『第2王子は第5ダンジョンに捕らえられている。忠誠心の高い者は助けに向かうように』
「自分で行けよ」
思わず手紙の主にゼオリスは突っ込んだ。
特に忠誠心の高い者と限定しているところが嫌らしい。
「全くだよね。大体第2王子ってまだダルディス伯爵家で監禁されてるんだろ? 騎士団にいるうちの親戚も愚痴をこぼしていたよ」
貴族家は嫡男以外は職位を継げず、騎士になった親戚の話はよく聞く
見た目的にもダルディス伯爵家の包囲は続いており、第2王子が解放されている可能性など考えているのは極少数であろう。
友人に合わせて笑ったものの、ゼオリスはアイルがやたら気に掛けていたヴィナスと第2王子の接触の話を思い出して、内心冷や汗が流れていた。
「これは放置でいいよね?」
第2王子は監禁されたまま。
そう思っても、流石に王子の名前を出されては貴族としては考えてしまう。しかして、こんな手紙か何なのか分からない紙一枚では、親に相談するのも馬鹿馬鹿しい気がする。
色々な迷いと困惑がゼオリスには分かるし、もう少し身分の高い家の友人に助言を求めたい気持ちも分かる。
しばしゼオリスは考えて、
「……手紙は無視しよう」
確認しようと言いかけた言葉を直前で変えた。
「差出人の名前もないしね」
「ああ、質の悪い悪戯だろう」
頷き合って別れると、友人が向かった先には数人の生徒が待っていて、彼らも一度ゼオリスに向かって一礼すると去って行った。
複数の人間が受け取ったなんて聞いてないぞ。
何かあったときにゼオリスに責任を負わせるつもりだったとは言い切れないが、彼らには似たようなものだろう。貴族としては何とも抜け目のない行動だ。
油断したゼオリスの失敗ではあるが、これもまた恩に変えていけば良い事なので落ち込んではいなかった。
もう一度手紙らしき紙を見て、ゼオリスは従者に証拠になるだろうからきちんと保管するようにと指示した。
ゼオリスの耳元から精霊が飛んで行く。
『聞いてくれて良かったわ』
精霊の囁きはゼオリスの判断を変えた。
もしもゼオリスの最初の判断であったなら……。
『これで死なないわ』
アイルの親しい人間であったから、近未来予知をした精霊はゼオリスの思考を変えたのだ。
アイルと親しくすると言うゼオリスの行動は精霊にも影響している事を、アイルさえもまだ知らない。
気に入らない。
誰もいない教室で、会えばゼリオスの事ばかり聞いてくるヴィナスにデーリクは腹を立てていた。
「くそ!」
酷くぼんやりして頭も働かないからフォルクロアに対しての現状の目眩ましにでもなると言ったブラントル伯爵令息は、訓練場で実際に揉め事を起こして騎士団に拘束された。
いつ頃解放されるかは同じ騎士団にいる令息の兄でも分からないと言う。
以前から令息が自分とヴィナスが繋がりがある事をフォルクロア家には悟られるかも知れないと警戒していたのは知っていた。
フォルクロア家は精霊の家系。人の知らない事を知り、人の及ばない力を使うと、尊敬されながらも畏怖される家系であった。成り立ちからしても下手な貴族家より王家との繋がりは強い。
デーリクにはフォルクロア家の後継だと知ったアイルがゼオリスと親しくしている事も腹立たしかった。
何でも不都合な事ばかりが重なって、上手くいかない。
こんなにも好きなのに、ヴィナスは身分ばかり見ている!
今頃第2王子達と戯れているかと思うと、デーリクの中の怒りは収まる筈もなかった。
「フォルクロア家には迂闊に近付くなよ」
揉め事を起こす直前にブラントル伯爵令息はそうデーリクに忠告した。
両親からも絶対に失礼のないようにと注意されている。
「くそ!」
机を叩きつけた。
貴族家ですらないのに公爵家も礼を尽くす特別な家でもあるフォルクロア家。
フォルクロア家の親戚となっているサウザン侯爵家は、飽くまで現侯爵とアイルが血縁関係であると言う話であった。
つまり侯爵の弟の血筋でしかないミイノス子爵家とは無関係で、運良くデーリクがサウザン侯爵家の後継に収まる事が出来てもフォルクロア家とは縁が切れてしまう。
ゼオリスだけがどうして!
欲しい物を全て持っているゼオリスが憎くて仕方なかった。
上手くいかない。どうやっても手が届かない。
何も持っていないからどんなに愛しても、ヴィナスは振り向かない。
もう一度机に手を叩きつけた。
おもむろに立ち上がったデーリクは手にした手紙を持っていたナイフでバラバラに切り裂き、計画を変更する事にした。
アイルと別れたゼオリスを馬車止めで待っていたのは、同じ授業を取っている割と親しくしている生徒であった。
「よう。今日はフォルクロアのと一緒じゃないんだ」
「そんなに一緒の用事ばかりはないぞ」
時々アイルとセットと思われている事を言われるのは、1人が好きなゼオリスにとって心外に思う部分もあった。
ただ何かにつけてフォルクロアの名前と威光は便利ではあるのでゼオリスも普段からアイルと一緒にいる事で恩恵を受けており、セットの印象を周囲が持っても仕方ない事かも知れない。
とは言え、遅くまで待っていたのはそんな話をするためではではないだろう。
「で、どうしたんだ?」
「実はさ、授業中に従者が変な手紙を受け取っていたんだ」
ゼオリスの友人は、封筒にも入れられていない便せんを二つ折りにしただけの簡易すぎる手紙を差し出した。
どうやら友人の話によると従者も不審とは思いつつも、上の身分をちらつかされては逆らえず受け取るしかなかったらしい。よくある手口と言えばよくある手口だ。
「ほとんどチラシに近い状態だから、捨てるつもりでうっかり内容が見えてしまったんだよね」
迂闊というか、見させるために封筒にも入れなかったのだろう。
取り敢えずゼオリスは手紙を開いた。
『第2王子は第5ダンジョンに捕らえられている。忠誠心の高い者は助けに向かうように』
「自分で行けよ」
思わず手紙の主にゼオリスは突っ込んだ。
特に忠誠心の高い者と限定しているところが嫌らしい。
「全くだよね。大体第2王子ってまだダルディス伯爵家で監禁されてるんだろ? 騎士団にいるうちの親戚も愚痴をこぼしていたよ」
貴族家は嫡男以外は職位を継げず、騎士になった親戚の話はよく聞く
見た目的にもダルディス伯爵家の包囲は続いており、第2王子が解放されている可能性など考えているのは極少数であろう。
友人に合わせて笑ったものの、ゼオリスはアイルがやたら気に掛けていたヴィナスと第2王子の接触の話を思い出して、内心冷や汗が流れていた。
「これは放置でいいよね?」
第2王子は監禁されたまま。
そう思っても、流石に王子の名前を出されては貴族としては考えてしまう。しかして、こんな手紙か何なのか分からない紙一枚では、親に相談するのも馬鹿馬鹿しい気がする。
色々な迷いと困惑がゼオリスには分かるし、もう少し身分の高い家の友人に助言を求めたい気持ちも分かる。
しばしゼオリスは考えて、
「……手紙は無視しよう」
確認しようと言いかけた言葉を直前で変えた。
「差出人の名前もないしね」
「ああ、質の悪い悪戯だろう」
頷き合って別れると、友人が向かった先には数人の生徒が待っていて、彼らも一度ゼオリスに向かって一礼すると去って行った。
複数の人間が受け取ったなんて聞いてないぞ。
何かあったときにゼオリスに責任を負わせるつもりだったとは言い切れないが、彼らには似たようなものだろう。貴族としては何とも抜け目のない行動だ。
油断したゼオリスの失敗ではあるが、これもまた恩に変えていけば良い事なので落ち込んではいなかった。
もう一度手紙らしき紙を見て、ゼオリスは従者に証拠になるだろうからきちんと保管するようにと指示した。
ゼオリスの耳元から精霊が飛んで行く。
『聞いてくれて良かったわ』
精霊の囁きはゼオリスの判断を変えた。
もしもゼオリスの最初の判断であったなら……。
『これで死なないわ』
アイルの親しい人間であったから、近未来予知をした精霊はゼオリスの思考を変えたのだ。
アイルと親しくすると言うゼオリスの行動は精霊にも影響している事を、アイルさえもまだ知らない。
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