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17話
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エリオットの中に宿った「奇跡の命」は、日を追うごとにその魔力を強めていった。
それは二人の絆の象徴であると同時に、あまりにも純粋で巨大な魔力の灯火。
その光は、外界を遮断していたはずの魔塔の結界を突き抜け、世界の深淵に眠る「古のモノ」を呼び覚ましてしまった。
「……エリオット、顔色が優れないな。少し横になるか?」
ヴィクトールは片時もエリオットの側を離れず、慈しむようにその背を撫でる。
だが、その紅い瞳には、隠しきれない焦燥が浮かんでいた。
塔を取り囲む大気が、不自然に歪み始めている。
「大丈夫です、ヴィクトール様。ただ、この子が……何かに怯えているような気がして……」
エリオットが自身の腹部に手を添えた、その時だった。
ドォォォォォンッ!!
大地を揺らすような轟音と共に、魔塔全体が激しく震動した。
空は突如として血のような赤に染まり、雲の合間から巨大な「闇の門」が開く。
「……まさか、千年も前に封じられたはずの『終焉の獣』か」
ヴィクトールの声が低く、険しく響いた。
かつて世界を滅ぼしかけ、当時の大魔導師たちが命と引き換えに封印した災厄。
その封印を解いたのは、エリオットの中に宿る、あまりにも眩い「生の魔力」だった。
「ヴィクトール様、あれは……!」
門から這い出してきたのは、実体を持たない影の塊のような巨大な獣。
それは、エリオットの中に眠る魔力を食らい尽くそうと、飢えた咆哮を上げる。
「案ずるな、エリオット。お前も、この子も、指一本触れさせはしない」
ヴィクトールが立ち上がり、漆黒のローブを翻した。
その背中は、かつてエリオットを雨の中から救い出した時よりも、ずっと大きく、頼もしく見える。
だが、敵は個人の魔力で抗えるような存在ではなかった。
影の触手が結界を侵食し、塔の石壁を次々と砕いていく。
ヴィクトールの魔力でさえ、その闇に飲み込まれ、霧散させられてしまう。
「ぐっ……おのれ、私の魔力を喰らうか……!」
「ヴィクトール様!」
エリオットは、戦う主の姿を見て、胸を締め付けられるような思いに駆られた。
自分がこの子を宿したせいで、彼はまた孤独な戦いに身を投じ、傷つこうとしている。
(……いいえ、僕はもう、守られるだけの『小鳥』じゃない)
エリオットは震える足を叱咤し、ヴィクトールの隣に立った。
首元の銀の首輪が、主の危機に反応して、かつてないほど激しく明滅する。
「エリオット、下がれと言ったはずだ!」
「いいえ! 共に戦わせてください。僕の中には、あなたの魔力が……僕たちの愛の証がある。これを使えば、きっと……!」
エリオットの手が、ヴィクトールの手に重なる。
その瞬間、二人の魔力が、闇を切り裂く一条の閃光となって弾けた。
最強の魔導師と、彼に命を捧げた騎士。
二人の真の価値が試される、最後の戦いが幕を開けた。
それは二人の絆の象徴であると同時に、あまりにも純粋で巨大な魔力の灯火。
その光は、外界を遮断していたはずの魔塔の結界を突き抜け、世界の深淵に眠る「古のモノ」を呼び覚ましてしまった。
「……エリオット、顔色が優れないな。少し横になるか?」
ヴィクトールは片時もエリオットの側を離れず、慈しむようにその背を撫でる。
だが、その紅い瞳には、隠しきれない焦燥が浮かんでいた。
塔を取り囲む大気が、不自然に歪み始めている。
「大丈夫です、ヴィクトール様。ただ、この子が……何かに怯えているような気がして……」
エリオットが自身の腹部に手を添えた、その時だった。
ドォォォォォンッ!!
大地を揺らすような轟音と共に、魔塔全体が激しく震動した。
空は突如として血のような赤に染まり、雲の合間から巨大な「闇の門」が開く。
「……まさか、千年も前に封じられたはずの『終焉の獣』か」
ヴィクトールの声が低く、険しく響いた。
かつて世界を滅ぼしかけ、当時の大魔導師たちが命と引き換えに封印した災厄。
その封印を解いたのは、エリオットの中に宿る、あまりにも眩い「生の魔力」だった。
「ヴィクトール様、あれは……!」
門から這い出してきたのは、実体を持たない影の塊のような巨大な獣。
それは、エリオットの中に眠る魔力を食らい尽くそうと、飢えた咆哮を上げる。
「案ずるな、エリオット。お前も、この子も、指一本触れさせはしない」
ヴィクトールが立ち上がり、漆黒のローブを翻した。
その背中は、かつてエリオットを雨の中から救い出した時よりも、ずっと大きく、頼もしく見える。
だが、敵は個人の魔力で抗えるような存在ではなかった。
影の触手が結界を侵食し、塔の石壁を次々と砕いていく。
ヴィクトールの魔力でさえ、その闇に飲み込まれ、霧散させられてしまう。
「ぐっ……おのれ、私の魔力を喰らうか……!」
「ヴィクトール様!」
エリオットは、戦う主の姿を見て、胸を締め付けられるような思いに駆られた。
自分がこの子を宿したせいで、彼はまた孤独な戦いに身を投じ、傷つこうとしている。
(……いいえ、僕はもう、守られるだけの『小鳥』じゃない)
エリオットは震える足を叱咤し、ヴィクトールの隣に立った。
首元の銀の首輪が、主の危機に反応して、かつてないほど激しく明滅する。
「エリオット、下がれと言ったはずだ!」
「いいえ! 共に戦わせてください。僕の中には、あなたの魔力が……僕たちの愛の証がある。これを使えば、きっと……!」
エリオットの手が、ヴィクトールの手に重なる。
その瞬間、二人の魔力が、闇を切り裂く一条の閃光となって弾けた。
最強の魔導師と、彼に命を捧げた騎士。
二人の真の価値が試される、最後の戦いが幕を開けた。
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