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旅立ち、出会い ○
俺の名前はレオンハルト。
みんなからはレーヴェや他、呼びづらいのであだ名で呼ばれている善良な一般市民だ。
世界の端の方にあるしみったれた農村に住んでいて、
今朝は村長に呼ばれているのでこうして痛む腹を押さえて家に向かっている。
そこそこ広い村の中を横断しやっと家に着いて、落ち着けると椅子に腰掛けたのに真正面に座った村長は茶が出る前にデカいため息をついた後、
「出て行け」
とだけ言ってきた。
「…あ?アンタが呼んだんじゃん村長」
「…村から、出て行け」
「なんで」
ティーカップを俺の席に置きに来た使用人が、村長に阻止された。
そのまま下がれと言われて帰っていく、呼び出しといてこの扱いはなんなんだ。
「53」
「なに」
「53、この数字が何かわかるか」
「……、あー…村長のねんれ」
「確認できる限りでオマエが手を出してきたことが原因でトラブルの抗議に来た男女の数だよバカヤロウ」
村での諍いや困りごとは大体村長に、いろんなやつを伝って連絡が行く。
だから村民の人となりやトラブルは村長が一番詳しく知ってはいるんだけど、
「…えっ、53人も性事情を村長にバラしたの?」
「もうほんとやだ…、もっと、水害とか農作物の品質とか有意義なことでワシ悩みたい…」
突然村長はメソメソ泣き出してしまった。
なんて言葉をかけようか悩んでいると、ヤギみたいに震えながら俺を指差してくる。
「お前、何故腹を押さえている?」
「えっ?…あ、あー…。
昨日酔っ払ってナンパしたみたいなんだけど、朝起きたら記憶もないし初めて見た顔だったから『誰?』って聞いたら刺されて……、まぁ回復薬でどうにかなったけど…」
「そういうところぉおお…」
もっと村長が泣き出した。
「ごめんって、……でもほら、こんな俺でもやって来れたのは村長のおかげだし…これからも側で見守って欲しいなって」
「クズ男構文んん…!」
村長は泣き止まない。
疲れてんのかな、もう帰っていいかな。
眠いし飽きてきたし。
そっと立ち上がろうとすると村長は急に動きを止めた。
「はぁあー、もうだめ、お前に悩まされるのもだけどこのままだとお前もまた刺される。誰か死人が出る。
今のエピソードで決心したわ」
くわっと目を見開いて立ち上がる、ださくて古い木の鎧を俺に投げ渡してきた。
「これは?」
「餞別だ。
お前、魔法確か使えるな?」
「催淫と催眠魔法なら…」
「親戚にサキュバスかなんかいる?」
もう一度深いため息をついてから、仕切り直すように村長は話しだした。
「…もう魔族と人が争いをやめて5000年。
今ではお互いに友好的にやっているが、未だに野生化した魔獣は減らず政の際には腹の探り合いだって少なくは無い。
当時からの伝統、勇者を生み出したこの村から10年に一度使者をやって、和平の条約を再度結びに行っているのは知っているな?」
「はぁ」
「…それも一昨年終わったところだし、しばらく向こうに人をやる予定もないんじゃが、まぁ向こうのほうは寒い雪国だ。
ちょっと最果てまで歩いて行って頭でも冷やしてこい」
「…あ?和平の話は?」
「それにこじつけてなんか言おうと思ったけど、いい感じの口実思いつかなくて…」
「村長だろ、もっと上手いこと喋れ」
鎧が重たいのでそっと床に置いて呆れると、村長の握っていた杖で力強く脛をスイングされた。
「痛った!?」
「うっさい!!とにかく、向こうの国の名産の『魔族と人間和平記念カード』を行った証拠に買ってこい!!!
現地の限定シリアル入りのやつをな!それを見せるまでは二度と村の土を踏めると思うな!!!」
「えぇー…この鎧だけで?出すもん出してよ」
「この辺物価安いし街に出たらお前は貯金下せるだろ、このロクデナシ!
今時魔物なんか多分辺境行かないと人襲ってこないわバーカ!
ワシの代で飛躍的に向上したこの辺の治安なめんなよボケが!」
ヒートアップした村長はなにかを喚きながら、みるみる村の入り口まで俺を押し出していく。
途中通行人がそのやりとりを見て虫でも見るみたいな目で俺たちを遠巻きに見つめてたけど、
後一歩で村を出るというところで急に大人しくなった村長に七色の液体の入った薬瓶を渡された。
「…これは?」
「安全な上物の痛み止めと回復、それから精神の向上も図れる薬だ、依存性も特にない。
無害じゃぞ、腹の手負のままではいくらなんでも辛かろうて。飲め。
…ワシもお前が憎くて言ってるわけじゃない、そこだけはわかっておくれ。」
「村長…」
ごめん、やたら安全安全と強調し言われてる、出どころのよくわからない薬は怖い、飲みたくない。
いらないと確固とした抗議をしたけど、さっきまであれだけ俺を村から追い出そうとしてたくせに、今度は薬を飲むまで逃してくれない様子で村長がニコニコと俺を見続けている。
埒があかなくて、渋々液体を一気飲みした。
「じゃあレーヴェ、行っておいで」
「…おう…」
腐った魚と雑草、あと泥を混ぜたような食感と味のする半固形になったそれを必死で飲み込みながら村を背にすると、
いつに間にかさっきの通行人や見知った顔の奴らが俺を見送りに来ていた。
「怪我すんなよー!」
「さっさと帰ってきてね!」
「お土産は甘いもので!」
なんだかんだみんな俺を見送ってくれる、…もしかして結構人数が俺が追い出されるの知ってた?
誰か止めてくれる人はいなかったんだろうか。
そんなことを思い、人間不信にながらも俺は青々とした森を抜け、とりあえず隣村を目指すことにした。
====
「わぁ☆綺麗なちょうちょう~☆」
あれから30分、俺はキマってめちゃくちゃハイになっていた。
(※合法的なものです)
空は青く、風が気持ちいい。
どこを歩いているのかわからないが、地面も柔らかくて綺麗な音がしてる。
上機嫌で半分踊りながらふらふらしていると、後ろからなんか声が聞こえてきた。
「おい、お前。
この先は山賊の……おい!」
肩を掴まれ、振り向かされる。
遠心力がすごい。
一気に世界ごと回転するような圧を脳に受け、頭痛で逆流するものをなんの抵抗もなく口から吐き出した。
「えれれれれれれれれ」
「うわっ!?」
悲鳴が聞こえるけどもうわからない。
なんかめちゃくちゃ気持ち悪いし死にそう、もう寝るか。
まるで意識がその発想を待っていたかのように、俺はぷつりと気絶していた。
====
「……ん…」
どこか、薄暗いところにいる。
周囲は静かで床が硬い、どこか安い宿でもとったっけ。
記憶の糸を手繰り寄せるのが面倒で、とりあえず枕元にあったコップをつかんで水を一気に飲み干す。
冷えたそれが喉に染み、目が冴えて暗闇の中でもう一度周囲を見渡した。
「…おぉ?」
「ああ…、起きたのか、この馬鹿」
目の前に男が座っていた。
濃い青の綺麗な髪と、逞しい焼けた肌の色がなんともえっちだ。
…なんでこんな事になったんだっけ?
ついさっきまでの記憶が全部飛んでてあんまり思い出せないけど、いつものことだしきっと飲みすぎたんだろう、別にいいや。
なんかムラムラしてるし俺は話しかけてきた、多分どっかで引っ掛けたそいつへにじり寄ると垂れた髪を耳にかけ、そのまま耳の際を舌でなぞった。
「…は?」
男はびくりと身体を震わせ、うわずった声を上げる。
耳弱いのかな。
野生的な見た目からはあまり想像のつかない可愛いリアクションに気を良くし、そのまま耳たぶを食んでわざとぴちゃぴちゃと音を立てた。
耳の中でするいやらしい音で、男へこれから何をされるのかを想像させてやる。
最初こそそいつは俺を引き剥がそうと抵抗していたけど俺を押すその手に指を絡めれば力は弱まり、
何か抗議しようと開いた唇をなぞって舌先を指で突くと噛まれたけど無視して啄むようキスをしたら結局大人しくなった。
そのまま首筋を舐めながら男の下半身に手をやる。
すでに中心は緩く硬さを持っていたので、男の顔を見ながらそこを優しく撫でて刺激し、
「溜まってんの?…せっかくの機会だと思うけど…嫌?やめる?」
と、男に選択肢を与えた。
流石にまだ恥でもあるらしく、男は俺を静止しようとするけどまた唇を塞いで押し倒し、そのままズボンを脱がせると身体をずらして半立ちのものの先端を舌先でくすぐった。
「…おまえ、頭やっぱりおかしいだろ」
「はぁ…、雰囲気ないなぁ
そういうのより、今はもうちょっと可愛い声聞きたいんだけど?」
竿を擦って、何度も亀頭にキスするよう啄んでいるとそこはついに硬く立ち上がる。
ご立派なそれを男に見えるよう、ゆっくりと口全体で頬張ってから顔を上下に動かすと男は絶句したように口を開閉して、でも腰は少し揺れていた。
「ぢゅぶ、ちゅ、ん、ぢゅっ」
唾液をたっぷりを含ませて、喉も使って立派になったそれを可愛がる。
男は何かに耐えるよう拳を握っているが、目を逸らせないのかずっと俺の動きを見つめていた。
本当にご無沙汰なのかな。
すぐに濃いドロドロとしたものが口の中で唾液と混ざり始めたので、
俺は一度それをたっぷり勿体ぶってから口から離し、もう一度男に聞いてみた。
「で、やめたいんだっけ?」
「…っ」
目の前で太いそれは脈まで浮き出て主張してて、
途中で意地悪くやめて聞かれるものだから苛立った様子で男は俺を睨みつけている。
…今まさに出ていくものを製造している、重く垂れ下がる袋を優しく揉みながら男に追い討ちをかけた。
「じゃあさ、『続けてください』なんて言わなくて良いから、名前教えてよ。
今日はそれだけで一人で出来ないような、すごいことしてあげるから」
「なに、を…」
「だからアンタの名前、教えてよ。
せっかくの縁だし、教えてくれたら口で責任持って全部出させてあげる。
したくない?溜まってんの全部、この口に出すやつ」
幹を指でなぞり、鈴口をちゅ、と音を立てて吸う。
男はその仕草にごくり、と息を飲み込んでいた。
「…それとも、名前も言いたくないくらい俺のこと無理?」
男は起き上がって、俺の顔をじっと上から見ている。
手持ち無沙汰だったので片手で腹筋を撫でてみた。
ハリがあって気持ち良くて、つつくと少し隆起するのが面白くて少し笑ってしまう。
時間で萎えないよう、また竿の刺激を再開する。
けれどわざと緩慢な動きでしかしなくて、男は焦れたようについに何かを呟いた。
「……リ……」
「んー?」
「イリア、……俺の、名前…」
弱々しく、絞り出すように言う男が可愛くてかなり興奮した。
「ありがとう、イリア」
笑いかけてから一気に喉の奥まで咥えて、舌でぬるぬるとそれを刺激すると男はまもなく息を押し殺して、
身体をこわばらせてから全部を喉の奥に激しく射精した。
長い射精の後、喉に残る塊みたいなそれを飲み干してから、残った精子もやさしく吸い出す。
それをイリアは信じられないという風に見てたけど、
熱に浮かされたままのちょっと情けない顔に正直俺もムラっときてしまった。
「気持ちよかった?」
隣に座る、男は目を逸らして何も言ってくれない。
くっついて自分の勃ったあれを、イリアの手を引っ張って触らせる。
イリアは困ったような顔で俺を見て、けどこれははっきりとした拒絶をしなかった。
「ちょっとだけ手伝って欲しいなって」
やっぱりイリアは何も言わなくて、肯定と受け取って大きな手に自分の手を重ねて陰茎を刺激してると、急にイリアの手が動いた。
「…っ、ん、っ」
こっちを見ないけど、一応協力してくれてる。
ぎこちない手つきだったけどそれがむしろ新鮮で、さっさと精出すとイリアはどこからか汚れた俺の手を拭くのにタオルをくれた。
「はぁ…、疲れたな?」
タオルを返すとそれをイリアは遠方へ投げる、部屋、結構綺麗だけどそのままでいいのかな。
一瞬気になって、けどすぐにどうでも良くなって俺はイリアを押して寝かせて、隣に寝転んだ。
露骨に警戒されたけど、そのまま何も俺がしないので疲れてたらしいイリアも体の力を抜いていく。
「名前」
「ん?」
「お前の名前は」
…あぁ、俺、名前名乗ってなかったっけ。
そんなことしてるから刺されるんだよなぁ、と、そういえば痛みの引いている右腹部を思い出しながら名乗った。
「レオンハルト、なんかみんなレーヴェとかレオ坊とか呼ぶけど坊はやめてな、そういう歳じゃないから」
「レーヴェ」
名前を呼ばれて、返事の代わりに唇へキスすると、イリアは少し口を開いて俺を歓迎してくれた。
舌を絡ませて湿ったキスを何回か楽しんだ後、俺がまた眠くなってきてあくびをするとイリアは少しだけ何か考えた後俺に腕を差し出して、おやすみ、と言ってきた。
「…おやすみ」
意味を理解してイリア腕の上に頭を置く、イリアはそのまま目を閉じたので、俺もつられてここで寝る事にした。
====
「お頭ぁ、いつまで寝てるんスか?
なんかバカにゲロぶちまけられて殺すってキレてたらしいけど…拗ねて寝たっていい事ないス、よ…、……は?」
数時間後、何故か山賊の寝ぐらのど真ん中、その頭領の腕枕ですやすや眠っていた俺が目覚めて、
顔が青を通り越して土色になるほどクソビビったのはまた別のお話。
みんなからはレーヴェや他、呼びづらいのであだ名で呼ばれている善良な一般市民だ。
世界の端の方にあるしみったれた農村に住んでいて、
今朝は村長に呼ばれているのでこうして痛む腹を押さえて家に向かっている。
そこそこ広い村の中を横断しやっと家に着いて、落ち着けると椅子に腰掛けたのに真正面に座った村長は茶が出る前にデカいため息をついた後、
「出て行け」
とだけ言ってきた。
「…あ?アンタが呼んだんじゃん村長」
「…村から、出て行け」
「なんで」
ティーカップを俺の席に置きに来た使用人が、村長に阻止された。
そのまま下がれと言われて帰っていく、呼び出しといてこの扱いはなんなんだ。
「53」
「なに」
「53、この数字が何かわかるか」
「……、あー…村長のねんれ」
「確認できる限りでオマエが手を出してきたことが原因でトラブルの抗議に来た男女の数だよバカヤロウ」
村での諍いや困りごとは大体村長に、いろんなやつを伝って連絡が行く。
だから村民の人となりやトラブルは村長が一番詳しく知ってはいるんだけど、
「…えっ、53人も性事情を村長にバラしたの?」
「もうほんとやだ…、もっと、水害とか農作物の品質とか有意義なことでワシ悩みたい…」
突然村長はメソメソ泣き出してしまった。
なんて言葉をかけようか悩んでいると、ヤギみたいに震えながら俺を指差してくる。
「お前、何故腹を押さえている?」
「えっ?…あ、あー…。
昨日酔っ払ってナンパしたみたいなんだけど、朝起きたら記憶もないし初めて見た顔だったから『誰?』って聞いたら刺されて……、まぁ回復薬でどうにかなったけど…」
「そういうところぉおお…」
もっと村長が泣き出した。
「ごめんって、……でもほら、こんな俺でもやって来れたのは村長のおかげだし…これからも側で見守って欲しいなって」
「クズ男構文んん…!」
村長は泣き止まない。
疲れてんのかな、もう帰っていいかな。
眠いし飽きてきたし。
そっと立ち上がろうとすると村長は急に動きを止めた。
「はぁあー、もうだめ、お前に悩まされるのもだけどこのままだとお前もまた刺される。誰か死人が出る。
今のエピソードで決心したわ」
くわっと目を見開いて立ち上がる、ださくて古い木の鎧を俺に投げ渡してきた。
「これは?」
「餞別だ。
お前、魔法確か使えるな?」
「催淫と催眠魔法なら…」
「親戚にサキュバスかなんかいる?」
もう一度深いため息をついてから、仕切り直すように村長は話しだした。
「…もう魔族と人が争いをやめて5000年。
今ではお互いに友好的にやっているが、未だに野生化した魔獣は減らず政の際には腹の探り合いだって少なくは無い。
当時からの伝統、勇者を生み出したこの村から10年に一度使者をやって、和平の条約を再度結びに行っているのは知っているな?」
「はぁ」
「…それも一昨年終わったところだし、しばらく向こうに人をやる予定もないんじゃが、まぁ向こうのほうは寒い雪国だ。
ちょっと最果てまで歩いて行って頭でも冷やしてこい」
「…あ?和平の話は?」
「それにこじつけてなんか言おうと思ったけど、いい感じの口実思いつかなくて…」
「村長だろ、もっと上手いこと喋れ」
鎧が重たいのでそっと床に置いて呆れると、村長の握っていた杖で力強く脛をスイングされた。
「痛った!?」
「うっさい!!とにかく、向こうの国の名産の『魔族と人間和平記念カード』を行った証拠に買ってこい!!!
現地の限定シリアル入りのやつをな!それを見せるまでは二度と村の土を踏めると思うな!!!」
「えぇー…この鎧だけで?出すもん出してよ」
「この辺物価安いし街に出たらお前は貯金下せるだろ、このロクデナシ!
今時魔物なんか多分辺境行かないと人襲ってこないわバーカ!
ワシの代で飛躍的に向上したこの辺の治安なめんなよボケが!」
ヒートアップした村長はなにかを喚きながら、みるみる村の入り口まで俺を押し出していく。
途中通行人がそのやりとりを見て虫でも見るみたいな目で俺たちを遠巻きに見つめてたけど、
後一歩で村を出るというところで急に大人しくなった村長に七色の液体の入った薬瓶を渡された。
「…これは?」
「安全な上物の痛み止めと回復、それから精神の向上も図れる薬だ、依存性も特にない。
無害じゃぞ、腹の手負のままではいくらなんでも辛かろうて。飲め。
…ワシもお前が憎くて言ってるわけじゃない、そこだけはわかっておくれ。」
「村長…」
ごめん、やたら安全安全と強調し言われてる、出どころのよくわからない薬は怖い、飲みたくない。
いらないと確固とした抗議をしたけど、さっきまであれだけ俺を村から追い出そうとしてたくせに、今度は薬を飲むまで逃してくれない様子で村長がニコニコと俺を見続けている。
埒があかなくて、渋々液体を一気飲みした。
「じゃあレーヴェ、行っておいで」
「…おう…」
腐った魚と雑草、あと泥を混ぜたような食感と味のする半固形になったそれを必死で飲み込みながら村を背にすると、
いつに間にかさっきの通行人や見知った顔の奴らが俺を見送りに来ていた。
「怪我すんなよー!」
「さっさと帰ってきてね!」
「お土産は甘いもので!」
なんだかんだみんな俺を見送ってくれる、…もしかして結構人数が俺が追い出されるの知ってた?
誰か止めてくれる人はいなかったんだろうか。
そんなことを思い、人間不信にながらも俺は青々とした森を抜け、とりあえず隣村を目指すことにした。
====
「わぁ☆綺麗なちょうちょう~☆」
あれから30分、俺はキマってめちゃくちゃハイになっていた。
(※合法的なものです)
空は青く、風が気持ちいい。
どこを歩いているのかわからないが、地面も柔らかくて綺麗な音がしてる。
上機嫌で半分踊りながらふらふらしていると、後ろからなんか声が聞こえてきた。
「おい、お前。
この先は山賊の……おい!」
肩を掴まれ、振り向かされる。
遠心力がすごい。
一気に世界ごと回転するような圧を脳に受け、頭痛で逆流するものをなんの抵抗もなく口から吐き出した。
「えれれれれれれれれ」
「うわっ!?」
悲鳴が聞こえるけどもうわからない。
なんかめちゃくちゃ気持ち悪いし死にそう、もう寝るか。
まるで意識がその発想を待っていたかのように、俺はぷつりと気絶していた。
====
「……ん…」
どこか、薄暗いところにいる。
周囲は静かで床が硬い、どこか安い宿でもとったっけ。
記憶の糸を手繰り寄せるのが面倒で、とりあえず枕元にあったコップをつかんで水を一気に飲み干す。
冷えたそれが喉に染み、目が冴えて暗闇の中でもう一度周囲を見渡した。
「…おぉ?」
「ああ…、起きたのか、この馬鹿」
目の前に男が座っていた。
濃い青の綺麗な髪と、逞しい焼けた肌の色がなんともえっちだ。
…なんでこんな事になったんだっけ?
ついさっきまでの記憶が全部飛んでてあんまり思い出せないけど、いつものことだしきっと飲みすぎたんだろう、別にいいや。
なんかムラムラしてるし俺は話しかけてきた、多分どっかで引っ掛けたそいつへにじり寄ると垂れた髪を耳にかけ、そのまま耳の際を舌でなぞった。
「…は?」
男はびくりと身体を震わせ、うわずった声を上げる。
耳弱いのかな。
野生的な見た目からはあまり想像のつかない可愛いリアクションに気を良くし、そのまま耳たぶを食んでわざとぴちゃぴちゃと音を立てた。
耳の中でするいやらしい音で、男へこれから何をされるのかを想像させてやる。
最初こそそいつは俺を引き剥がそうと抵抗していたけど俺を押すその手に指を絡めれば力は弱まり、
何か抗議しようと開いた唇をなぞって舌先を指で突くと噛まれたけど無視して啄むようキスをしたら結局大人しくなった。
そのまま首筋を舐めながら男の下半身に手をやる。
すでに中心は緩く硬さを持っていたので、男の顔を見ながらそこを優しく撫でて刺激し、
「溜まってんの?…せっかくの機会だと思うけど…嫌?やめる?」
と、男に選択肢を与えた。
流石にまだ恥でもあるらしく、男は俺を静止しようとするけどまた唇を塞いで押し倒し、そのままズボンを脱がせると身体をずらして半立ちのものの先端を舌先でくすぐった。
「…おまえ、頭やっぱりおかしいだろ」
「はぁ…、雰囲気ないなぁ
そういうのより、今はもうちょっと可愛い声聞きたいんだけど?」
竿を擦って、何度も亀頭にキスするよう啄んでいるとそこはついに硬く立ち上がる。
ご立派なそれを男に見えるよう、ゆっくりと口全体で頬張ってから顔を上下に動かすと男は絶句したように口を開閉して、でも腰は少し揺れていた。
「ぢゅぶ、ちゅ、ん、ぢゅっ」
唾液をたっぷりを含ませて、喉も使って立派になったそれを可愛がる。
男は何かに耐えるよう拳を握っているが、目を逸らせないのかずっと俺の動きを見つめていた。
本当にご無沙汰なのかな。
すぐに濃いドロドロとしたものが口の中で唾液と混ざり始めたので、
俺は一度それをたっぷり勿体ぶってから口から離し、もう一度男に聞いてみた。
「で、やめたいんだっけ?」
「…っ」
目の前で太いそれは脈まで浮き出て主張してて、
途中で意地悪くやめて聞かれるものだから苛立った様子で男は俺を睨みつけている。
…今まさに出ていくものを製造している、重く垂れ下がる袋を優しく揉みながら男に追い討ちをかけた。
「じゃあさ、『続けてください』なんて言わなくて良いから、名前教えてよ。
今日はそれだけで一人で出来ないような、すごいことしてあげるから」
「なに、を…」
「だからアンタの名前、教えてよ。
せっかくの縁だし、教えてくれたら口で責任持って全部出させてあげる。
したくない?溜まってんの全部、この口に出すやつ」
幹を指でなぞり、鈴口をちゅ、と音を立てて吸う。
男はその仕草にごくり、と息を飲み込んでいた。
「…それとも、名前も言いたくないくらい俺のこと無理?」
男は起き上がって、俺の顔をじっと上から見ている。
手持ち無沙汰だったので片手で腹筋を撫でてみた。
ハリがあって気持ち良くて、つつくと少し隆起するのが面白くて少し笑ってしまう。
時間で萎えないよう、また竿の刺激を再開する。
けれどわざと緩慢な動きでしかしなくて、男は焦れたようについに何かを呟いた。
「……リ……」
「んー?」
「イリア、……俺の、名前…」
弱々しく、絞り出すように言う男が可愛くてかなり興奮した。
「ありがとう、イリア」
笑いかけてから一気に喉の奥まで咥えて、舌でぬるぬるとそれを刺激すると男はまもなく息を押し殺して、
身体をこわばらせてから全部を喉の奥に激しく射精した。
長い射精の後、喉に残る塊みたいなそれを飲み干してから、残った精子もやさしく吸い出す。
それをイリアは信じられないという風に見てたけど、
熱に浮かされたままのちょっと情けない顔に正直俺もムラっときてしまった。
「気持ちよかった?」
隣に座る、男は目を逸らして何も言ってくれない。
くっついて自分の勃ったあれを、イリアの手を引っ張って触らせる。
イリアは困ったような顔で俺を見て、けどこれははっきりとした拒絶をしなかった。
「ちょっとだけ手伝って欲しいなって」
やっぱりイリアは何も言わなくて、肯定と受け取って大きな手に自分の手を重ねて陰茎を刺激してると、急にイリアの手が動いた。
「…っ、ん、っ」
こっちを見ないけど、一応協力してくれてる。
ぎこちない手つきだったけどそれがむしろ新鮮で、さっさと精出すとイリアはどこからか汚れた俺の手を拭くのにタオルをくれた。
「はぁ…、疲れたな?」
タオルを返すとそれをイリアは遠方へ投げる、部屋、結構綺麗だけどそのままでいいのかな。
一瞬気になって、けどすぐにどうでも良くなって俺はイリアを押して寝かせて、隣に寝転んだ。
露骨に警戒されたけど、そのまま何も俺がしないので疲れてたらしいイリアも体の力を抜いていく。
「名前」
「ん?」
「お前の名前は」
…あぁ、俺、名前名乗ってなかったっけ。
そんなことしてるから刺されるんだよなぁ、と、そういえば痛みの引いている右腹部を思い出しながら名乗った。
「レオンハルト、なんかみんなレーヴェとかレオ坊とか呼ぶけど坊はやめてな、そういう歳じゃないから」
「レーヴェ」
名前を呼ばれて、返事の代わりに唇へキスすると、イリアは少し口を開いて俺を歓迎してくれた。
舌を絡ませて湿ったキスを何回か楽しんだ後、俺がまた眠くなってきてあくびをするとイリアは少しだけ何か考えた後俺に腕を差し出して、おやすみ、と言ってきた。
「…おやすみ」
意味を理解してイリア腕の上に頭を置く、イリアはそのまま目を閉じたので、俺もつられてここで寝る事にした。
====
「お頭ぁ、いつまで寝てるんスか?
なんかバカにゲロぶちまけられて殺すってキレてたらしいけど…拗ねて寝たっていい事ないス、よ…、……は?」
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