7 / 200
病んでる系幽霊お兄さんの希望で初夜っぽいイチャラブセックスします △
しおりを挟む
翌朝イリアは腰が痛い、話しかけるな、と大層不機嫌そうだった。
うつ伏せのままため息を吐いたりしていたのでそんな歳なの?と聞くとコップが飛んできた。
「とりあえず氷枕でも敷いとく?」
「っ、触るなっ…!」
なんとかキャッチできた。
立ち上がって、割と真面目に心配して腰を撫でたけど真っ赤になって手を跳ね除けられる。
怒ってるのかと思ってたけど、コレ照れてるだけな。
表情へ怒りや嫌悪があまりないことに気づくと、その初々しい反応が可愛くてニヤニヤしてしまった。
ぐへへへ、と笑うともうイリアは俺と目を合わせないよう正面を向いてしまったので諦める。
「じゃあ俺食料買ってくるわ、腹は減ってるだろ?
…あ、出発はもう明日の朝でいいよな?」
「僕も行く」
イリアの横でずっとやりとりを無言で見つめていたレインがおもむろに立ち上がる。
目が開いていたので起きていたのは知ってたけど、急に動き出して若干驚いた。
出る前にイリアに何を食べたいか聞くと、お粥とかではなく「肉」と答えられたのでメモに書き加える。
なんか介抱っぽくないけど食欲があるのはいいことか。
納得しながら出発し賑やかな市場へ向かった。
酒場での客引きや調理の要りそうな食材を押し売りされるのをなんとか躱して歩いていたけど、レインはそれらを興味深そうに眺めるだけで特になにか言ってくる事はなかった。
「何か食べたいものでもあんの?」
「レオン」
え?ギャグ?どっちの意味で?
真顔で言われて、色々な疑問が浮かんでだけどとりあえず「何味なんだろうな」と回答してしまった。
肉を焼いたものや、適当なパンとかを買い込んで歩く。
当然のように指を絡めて手を繋いできたレインが俺の腕を途中でぐいと引いた。
「ん?何?」
「100年で村風景がだいぶ変わってるから、自分の家も見てみたくて……ダメかな?」
「いや?別にいいよ」
「ありがとう」
今度は擦り寄ってきて頬にキスをされた。
流石に目立つ、通行人の好機の視線を嫌がっている間にレインはさっさと俺の手を引いて人気のない方へ歩いて行った。
市場を抜け村の外れの雑木林を進み、さらに少しだけ歩いた場所に廃墟ながら立派な屋敷が見えた。
「…ここがレインの家?」
住宅街から離れた場所にひっそりと建つそれは、庭はぼうぼうの草で荒れ放題だったが建物自体にひび割れなど目立った傷はなくまだ綺麗な方だと思う。
「うん、死んでからはほとんど高台に居たから気づいてなかった、…こんな風になってたんだ」
錆びた鉄製の門を開け、蔦が絡まった扉にレインが手をかざすとあっという間に蔦が枯れて戸は勝手に開く。
先に入るよう手招きをされたのでそのまま屋敷に足を踏み入れた。
「けほっ、…ちょっと埃っぽいな」
「ごめんね」
ひとしきり部屋を見てまわって、最後に一番奥の寝室らしき場所に入る。
誰も手入れをしていなかった家は見た目通り各部屋が若干痛んで歩く時ギシギシと軋む音を立てていたが、どこも荒らされたりしている様子はなかった。
…まぁ、100年間暴れてた亡霊の家とか荒らすの怖いし誰も来ないか。
実際、荒らしに来てもレインなら先制攻撃で祟り喰らわせてそうだし。
窓から差し込む光に反射して埃がキラキラ光っている。
それが気になって部屋を見渡すと、今更ながら殺風景だと思った。
ベットと分厚い古い本が並んだでかい本棚、あとは小さな衣装箪笥だろうか、それくらいしか家具がない質素な部屋。
ほかの部屋も似たようなものか、そもそも使われていないかだったので広いのに勿体無いなぁ、と何も貼られていない壁を見ながら考える。
広い割に家具のない部屋で、キョロキョロ落ち着かなくしている俺を他所にレインは真ん中に配置された立派なベットに仰向けになると、俺の名前を呼んだ。
自分の寝ている右隣をポムポムと叩いているのでそこに座る。
柔らかい体が沈む感触と同時に腕を引かれたのでバランスを崩して倒れ、不可抗で隣に寝かされた。
「びっくりした」
「驚いた顔もすごくかっこいいよ?」
100年前のベットってこんな感じなのか、と別に宿と大差ないそれを無駄に感慨深く感じる。
視線を感じて隣をみると、やはりレインは俺の顔を見ていた。
今までみたいな真顔じゃなくて、今回は俺の顔をじっと見た後辛そうに眉を顰めたり深いため息をついて、ベットに顔を埋めて隠したりしている。
「どうしたの?」
「…ちょっと嬉しくて」
枕に顔を埋めたまま、もごもごと話す。
「こんなふうに、自分の家で、寝室で、誰かがそばにいて眠ることに憧れてたから。
こんな風景なんだぁ…」
顔を上げると今度はペタペタと俺の顔に触れ、まるで眩しいものでも見るみたいに目を細めている。
「寝るだけ?」
「えっ?」
そんなに言われるとこう、サービスをしたくなる。
顔を包むように触れているその手を掴んで、身体を抱き寄せ上に覆い被さった。
黒髪を指で梳かし、耳にかけながらもう一度聞く。
「憧れてたのは、ただ眠るだけ?」
意味を理解したらしく、レインは頬を染める。
俺の手に自分の手を重ねて、
「ずっと、憧れてた」
そう言い、愛おしそうに手を自分の方へ寄せるとそっと指先に口付けた。
こっちを見つめている黒い目が綺麗だと思った。
まだ真っ昼間だっていうのに、レインの着ている清潔な白いシャツのボタンに手をかけ、1つ1つ開けていく。
白い肌が露わになって、つんと尖った胸の先端が見えた。
「んっ、んん…ふ」
胸を指で潰しながら、恋人みたいに優しく甘いキスをする。
弾力のあるそこを少しいじるだけで鼻にかかった、くぐもった声でレインは子猫のよう俺の舌先を吸い甘えてきた。
「他にはどんなことに憧れてたの?
どうせしばらく村を出るんだから、家でやりたいことあるならやってから出たら?」
レインはまた俺の顔を輪郭を確かめるように両手の平で包んで頬を染めている。
ひんやりとした肌が心地よかった。
「僕がね、恋人へ……、ご奉仕を、するんです。
…それで、その人はそれを褒めてくれて…」
声に出してから、今から話した通りのことができるとレインは理解したのだろう。
顔を真っ赤にして、興奮に震えてまた深く息を吐いた。
「いいと思う。
…いいと思う、けど、…俺もなんかしたいしなぁ?
あぁ、そうだ!お互いに舐め合いっこしよっか」
名案を思い付いたと言わんばかりに言うと、レインはよくわかっていないのか少し考えるみたいに目をぱちくりさせていた。
それでも、少ししたら躊躇いがちに頷く。
自分は仰向けに寝てじゃあよろしく、とレインへ声をかけた。
レインはどうすればいいのかようやく理解したらしく、恥ずかしそうに戸惑っていたけどついに俺の顔の上に跨り、少しして股間の方でゴソゴソと弄る感触がした。
じゃあ俺も、と頭上のレインのズボンをベルトを外して下げて、陰茎を取り出すとレインのはすでに緩く勃ち上がっていて、味見のように少しだけ舌で舐めただけで全身がピクリと震えた。
「んっ、むっ、んんっ…!?」
俺のを咥えてるからちゃんと声を出せなかったみたいだけど、刺激を加えるたびそこは震えてしょっぱい汁を溢す。
「ちょ、レイン、やりにくい」
「だって、こ、こんな…!」
白い細い太ももで顔をがっちり挟み込まれて動きにくい。
抗議をしながらも頑張って玉を唇で柔らかく喰んでみたり、腰が沈んでからは後孔を舌と指で犯すとレインはわかりやすく悶え震えて刺激に耐えていた。
「ご奉仕したかったんじゃないの?」
意地悪に聞くと、少しだけ息を詰まらせてからレインはゆっくりと動き始める。
「ふぅっ、ふ、んむ…、じゅ、ううぅ、ちゅ」
濡れた熱い粘膜に自身が覆われ、ぬるぬるの舌が竿へまとわりついてくる感触がした。
「気持ちいいよ、ありがとう」
褒められたがってたな、と思い出しお礼を言うと返事は無かったが代わりに喉奥まで深く咥えるような音と感触がした。
必死にレインが頑張っているので俺も負けてられないと指をそこにまた沈める。
少し膨らんだ、身体の裏の部分を見つけてそこをぐりぐりと二本指で押し込んだ。
「ひっ、お゛っ、おぉ…!?」
「わっ」
まだそこまで刺激したつもりもなかったのにすぐにレインは俺のを口に咥えたまま、白濁を勢いよく吐き出した。
あ。やばい、シャツにかかった。
羽織るものとか持って来てないんだけどなぁ、と少し困っていると肩で息を整えながらレインは向き直って俺の方を見ている。
しばらくは熱に浮かされた虚ろな目をしていたけれど、俺の顔と、自分ので汚してしまったシャツを交互に見て一気に顔色が変わった。
俺の胸元へ顔を埋めてごめんなさい、としきりに謝りながらシャツに付着した自分のを舐め取っている。
「ごめんなさい、ごめんなさい…」
「あ、あー…?大丈夫。別に荷物ちょうど持ってたからあれで隠せばいいし、うん大丈夫」
なんか怖かったので極力明るい声でレインを落ち着ける。
「本当…?」
「うん、けど…シワになるし、もう脱ごっか?」
「うん…」
涙目で俺を見つめるレインの、途中まで開けていたシャツのボタンを一番下まで開けて脱がして、ズボンも枕の上へ寝転ばせてひん剥いた。
最後に靴下も脱がせてから自分もズボンだけその辺にほっぽり出すとやけにレインが静かだと気づく。
振り返ると仰向けのままめちゃくちゃ俺を見てた。
「な、なに?」
機嫌は治ったのだろうか。
まだ目尻が少し赤かったが、レインは黙っていれば冷たそうな印象を受けるし、黒い目と髪にはなんとなく迫力を感じる。
その綺麗だけど威圧感のある容姿で見つめられるとよくわからないが蛇に睨まれたカエルのような心境になった。
恐る恐るどうしたのか聞いてみると、レインは枕に顔を沈めて隠し、
「なんでもない」
とだけ言ってきた。
声が嬉しそうに弾んでいて髪の隙間から見える耳まで赤くなっていたので多分悪い感情では無いと思う、…多分。
琴線がわからないが盛り上がってくれてるのだしいいやと前向きに納得して改めてレインの上に覆い被さっていいよね、とだけ聞いてみた。
「…うん…」
レインは仰向けになり、まるで初めての経験をするように正面で俺の顔を見て照れた後、躊躇いがちに頷く。
ちょっとマットレス硬いな、と気になったので横に転がっていた枕を渡そうと手を伸ばすと、
俺の後ろに手を回して抱きつくようにレインは自分の上半身を起こした。
動きにくい、片手でレインを支えつつ身体の下へ枕を置いて、優しく着地させる。
それから足を広げさせてその中央へ座ると自分のをゆっくりとあてがい挿入した。
窮屈な穴に徐々に飲み込まれ、気持ちよくて乱暴に腰を振りたくなるような衝動に襲われるけど少しだけ我慢をする。
全部が収まると収縮する内壁が俺を歓迎してくれるよう包み込んできて、心地よかった。
レインは挿れられただけで、少しだけ辛そうな、けれど甘ったるい吐息混じりの声を出している。
「んっ、あぁ、あっ♡はぁっ、レオン…♡んっ、かっこいい…」
弱々しい声と涙目。
ここだけを見るとレインがひどく弱々しい生き物に見えて加虐心を煽られた。
…実際には呪いだの異空間だの大暴れする悪霊なんだけどな。
腰を引いてから、一気に打ちつける。
体同士がぶつかる音がして、それからすこし後に揺すられるままのレインがぎゅっと目を瞑りながら喘ぎ声を漏らしていた。
「ほら、舌、出して?」
「ん、ふ♡うぅ、んっ」
顔にかかった髪を除けながら赤く色づいた唇を撫でると、細く目を開いてこっちを見る。
濡れた唇へ自分の唇を重ねて、角度を変えながら何度もキスをすると無意識にかレインのナカがきゅうと俺を締め付けた。
弧を描くよう大きく動くのがレインは好きらしく、そうする度に四肢が粟立ち一際大きく声を上げるので面白くなってその動きを繰り返した。
少しだけ骨の浮き出た痩せた横腹へ手を這わせてまた胸の尖りをくすぐる、
前には触れていないのに、眼下でプルプルと揺れているそれは赤く張り詰めていて、白濁の混じった先走りが動くたび揺れてあたりに跳ねるほどだったので辛そうだ。
「はぁ、あっ、レオン、レオンッ♡んっ♡ふぅっ…、こんな…、あ゛っ♡だめっ、幸せすぎてっ、ひっ…うぅっ、やめて、許してっ、あ゛っ、許さないでっ♡」
泣きながら俺に両手でしがみついてくるどころか、さらに足まで俺の腰に巻きつけてくるものだからちょっと動くのに苦労する。
「すき、だいすき、レオン、すきっ♡ぃ、あっ」
レインは無意識なのだろうか、喘ぎの合間に何度も俺の名前や愛を伝えてくる。
真っ直ぐな愛の告白をされて、応えるつもりはなくてもそれっぽい返事くらいはした方が雰囲気が出るかな、と熱に浮かされた頭でぼんやりと考えた。
「レイン」
額にキスをして名前を呼ぶ。
目があった時、レインは一瞬固まって、ひどく驚いた顔をしていた。
それからすぐに顔中真っ赤になると、何か言いたそうに数回だけ口をぱくぱくと動かして、
「ひっ、あっ♡あぁっ…!」
それから悲鳴のような声を出して精を吐いた。
急なことと締め付けにびっくりして、俺も思わず出しそうになったけど一応出先なのを思い出して慌てて引き抜いてレインの腹に精を吐く。
二人分の精液で白く汚れている脂肪のまるでなさそうな薄い腹を見た後、疲れたので大きく息を吐いてからレインの横に倒れ込んだ。
レインはビクビク身体を震わせて余韻を楽しんでいたけど、俺が姿勢を変えて仰向けになると当然のように下半身の方に行き、自分の体液やらで汚れたそれを舌でぺろぺろと舐め取って掃除をした、
ちょっともどかしい、控えめな感覚が気持ちよくて大人しくしてたらひとしきり舐めて満足したらしくまた隣に戻ってきて俺の方を無言で見つめてる。
「あー…肉買ってたしさっさと戻らないと」
腕を伸ばして大の字になり、そういえば日陰に避難させておいた紙袋を思い出す。
「うん、はぁ…、そっか、こんな風な気持ちなんだね、誰かが、隣で寝てるって」
レインが腕の上に頭を乗せて腕枕を楽しもうとしていたので腕の位置を変えて隣に顔が並ぶよう調整した。
あったかい食材も買ったけどちょっと冷めてるだろうなぁ、
抱き寄せて腕の中で大人しくしてるレインの黒髪を梳きながら考えていたら、腹がかなり空いてきた。
そういえば(それを買いに行ったので当然だが)朝から何も食べてない。
起き上がって、帰ってさっさと食事にありつきたくて服を着ていたけどレインはいつまでも素っ裸でベットの上で座って、俺をじっと見ていた。
「早く行かない?腹減ったし」
「うん」
さっきからそれしか言わないな、と思いつつ、いつまでもレインが動こうとしないので焦れて腹の飛沫を拭いてシャツを持って来て袖を通させた。
されるがままに服を着せられて、レインは何が楽しいのかニコニコと笑っていた。
====
「おかえり、遅かったな」
それから宿に戻ると、イリアは機嫌も体調もだいぶ回復したのかいつのまにか外出していたらしくちょうど戻ってきたところだったらしい、
見覚えのあるモチを買ってきていて、
「名産品らしくてな。一緒に食べるか?」
と何も知らない顔で差し出してきた。
顔を二人で見合わせてから、俺がそれ味微妙だよ、と正直に教えるとショックを受けていたのでレインと二人で少し笑って、
それからイリアは試しにモチをかじって、「本当だ」なんて言うから今度は三人で笑ってしまった。
うつ伏せのままため息を吐いたりしていたのでそんな歳なの?と聞くとコップが飛んできた。
「とりあえず氷枕でも敷いとく?」
「っ、触るなっ…!」
なんとかキャッチできた。
立ち上がって、割と真面目に心配して腰を撫でたけど真っ赤になって手を跳ね除けられる。
怒ってるのかと思ってたけど、コレ照れてるだけな。
表情へ怒りや嫌悪があまりないことに気づくと、その初々しい反応が可愛くてニヤニヤしてしまった。
ぐへへへ、と笑うともうイリアは俺と目を合わせないよう正面を向いてしまったので諦める。
「じゃあ俺食料買ってくるわ、腹は減ってるだろ?
…あ、出発はもう明日の朝でいいよな?」
「僕も行く」
イリアの横でずっとやりとりを無言で見つめていたレインがおもむろに立ち上がる。
目が開いていたので起きていたのは知ってたけど、急に動き出して若干驚いた。
出る前にイリアに何を食べたいか聞くと、お粥とかではなく「肉」と答えられたのでメモに書き加える。
なんか介抱っぽくないけど食欲があるのはいいことか。
納得しながら出発し賑やかな市場へ向かった。
酒場での客引きや調理の要りそうな食材を押し売りされるのをなんとか躱して歩いていたけど、レインはそれらを興味深そうに眺めるだけで特になにか言ってくる事はなかった。
「何か食べたいものでもあんの?」
「レオン」
え?ギャグ?どっちの意味で?
真顔で言われて、色々な疑問が浮かんでだけどとりあえず「何味なんだろうな」と回答してしまった。
肉を焼いたものや、適当なパンとかを買い込んで歩く。
当然のように指を絡めて手を繋いできたレインが俺の腕を途中でぐいと引いた。
「ん?何?」
「100年で村風景がだいぶ変わってるから、自分の家も見てみたくて……ダメかな?」
「いや?別にいいよ」
「ありがとう」
今度は擦り寄ってきて頬にキスをされた。
流石に目立つ、通行人の好機の視線を嫌がっている間にレインはさっさと俺の手を引いて人気のない方へ歩いて行った。
市場を抜け村の外れの雑木林を進み、さらに少しだけ歩いた場所に廃墟ながら立派な屋敷が見えた。
「…ここがレインの家?」
住宅街から離れた場所にひっそりと建つそれは、庭はぼうぼうの草で荒れ放題だったが建物自体にひび割れなど目立った傷はなくまだ綺麗な方だと思う。
「うん、死んでからはほとんど高台に居たから気づいてなかった、…こんな風になってたんだ」
錆びた鉄製の門を開け、蔦が絡まった扉にレインが手をかざすとあっという間に蔦が枯れて戸は勝手に開く。
先に入るよう手招きをされたのでそのまま屋敷に足を踏み入れた。
「けほっ、…ちょっと埃っぽいな」
「ごめんね」
ひとしきり部屋を見てまわって、最後に一番奥の寝室らしき場所に入る。
誰も手入れをしていなかった家は見た目通り各部屋が若干痛んで歩く時ギシギシと軋む音を立てていたが、どこも荒らされたりしている様子はなかった。
…まぁ、100年間暴れてた亡霊の家とか荒らすの怖いし誰も来ないか。
実際、荒らしに来てもレインなら先制攻撃で祟り喰らわせてそうだし。
窓から差し込む光に反射して埃がキラキラ光っている。
それが気になって部屋を見渡すと、今更ながら殺風景だと思った。
ベットと分厚い古い本が並んだでかい本棚、あとは小さな衣装箪笥だろうか、それくらいしか家具がない質素な部屋。
ほかの部屋も似たようなものか、そもそも使われていないかだったので広いのに勿体無いなぁ、と何も貼られていない壁を見ながら考える。
広い割に家具のない部屋で、キョロキョロ落ち着かなくしている俺を他所にレインは真ん中に配置された立派なベットに仰向けになると、俺の名前を呼んだ。
自分の寝ている右隣をポムポムと叩いているのでそこに座る。
柔らかい体が沈む感触と同時に腕を引かれたのでバランスを崩して倒れ、不可抗で隣に寝かされた。
「びっくりした」
「驚いた顔もすごくかっこいいよ?」
100年前のベットってこんな感じなのか、と別に宿と大差ないそれを無駄に感慨深く感じる。
視線を感じて隣をみると、やはりレインは俺の顔を見ていた。
今までみたいな真顔じゃなくて、今回は俺の顔をじっと見た後辛そうに眉を顰めたり深いため息をついて、ベットに顔を埋めて隠したりしている。
「どうしたの?」
「…ちょっと嬉しくて」
枕に顔を埋めたまま、もごもごと話す。
「こんなふうに、自分の家で、寝室で、誰かがそばにいて眠ることに憧れてたから。
こんな風景なんだぁ…」
顔を上げると今度はペタペタと俺の顔に触れ、まるで眩しいものでも見るみたいに目を細めている。
「寝るだけ?」
「えっ?」
そんなに言われるとこう、サービスをしたくなる。
顔を包むように触れているその手を掴んで、身体を抱き寄せ上に覆い被さった。
黒髪を指で梳かし、耳にかけながらもう一度聞く。
「憧れてたのは、ただ眠るだけ?」
意味を理解したらしく、レインは頬を染める。
俺の手に自分の手を重ねて、
「ずっと、憧れてた」
そう言い、愛おしそうに手を自分の方へ寄せるとそっと指先に口付けた。
こっちを見つめている黒い目が綺麗だと思った。
まだ真っ昼間だっていうのに、レインの着ている清潔な白いシャツのボタンに手をかけ、1つ1つ開けていく。
白い肌が露わになって、つんと尖った胸の先端が見えた。
「んっ、んん…ふ」
胸を指で潰しながら、恋人みたいに優しく甘いキスをする。
弾力のあるそこを少しいじるだけで鼻にかかった、くぐもった声でレインは子猫のよう俺の舌先を吸い甘えてきた。
「他にはどんなことに憧れてたの?
どうせしばらく村を出るんだから、家でやりたいことあるならやってから出たら?」
レインはまた俺の顔を輪郭を確かめるように両手の平で包んで頬を染めている。
ひんやりとした肌が心地よかった。
「僕がね、恋人へ……、ご奉仕を、するんです。
…それで、その人はそれを褒めてくれて…」
声に出してから、今から話した通りのことができるとレインは理解したのだろう。
顔を真っ赤にして、興奮に震えてまた深く息を吐いた。
「いいと思う。
…いいと思う、けど、…俺もなんかしたいしなぁ?
あぁ、そうだ!お互いに舐め合いっこしよっか」
名案を思い付いたと言わんばかりに言うと、レインはよくわかっていないのか少し考えるみたいに目をぱちくりさせていた。
それでも、少ししたら躊躇いがちに頷く。
自分は仰向けに寝てじゃあよろしく、とレインへ声をかけた。
レインはどうすればいいのかようやく理解したらしく、恥ずかしそうに戸惑っていたけどついに俺の顔の上に跨り、少しして股間の方でゴソゴソと弄る感触がした。
じゃあ俺も、と頭上のレインのズボンをベルトを外して下げて、陰茎を取り出すとレインのはすでに緩く勃ち上がっていて、味見のように少しだけ舌で舐めただけで全身がピクリと震えた。
「んっ、むっ、んんっ…!?」
俺のを咥えてるからちゃんと声を出せなかったみたいだけど、刺激を加えるたびそこは震えてしょっぱい汁を溢す。
「ちょ、レイン、やりにくい」
「だって、こ、こんな…!」
白い細い太ももで顔をがっちり挟み込まれて動きにくい。
抗議をしながらも頑張って玉を唇で柔らかく喰んでみたり、腰が沈んでからは後孔を舌と指で犯すとレインはわかりやすく悶え震えて刺激に耐えていた。
「ご奉仕したかったんじゃないの?」
意地悪に聞くと、少しだけ息を詰まらせてからレインはゆっくりと動き始める。
「ふぅっ、ふ、んむ…、じゅ、ううぅ、ちゅ」
濡れた熱い粘膜に自身が覆われ、ぬるぬるの舌が竿へまとわりついてくる感触がした。
「気持ちいいよ、ありがとう」
褒められたがってたな、と思い出しお礼を言うと返事は無かったが代わりに喉奥まで深く咥えるような音と感触がした。
必死にレインが頑張っているので俺も負けてられないと指をそこにまた沈める。
少し膨らんだ、身体の裏の部分を見つけてそこをぐりぐりと二本指で押し込んだ。
「ひっ、お゛っ、おぉ…!?」
「わっ」
まだそこまで刺激したつもりもなかったのにすぐにレインは俺のを口に咥えたまま、白濁を勢いよく吐き出した。
あ。やばい、シャツにかかった。
羽織るものとか持って来てないんだけどなぁ、と少し困っていると肩で息を整えながらレインは向き直って俺の方を見ている。
しばらくは熱に浮かされた虚ろな目をしていたけれど、俺の顔と、自分ので汚してしまったシャツを交互に見て一気に顔色が変わった。
俺の胸元へ顔を埋めてごめんなさい、としきりに謝りながらシャツに付着した自分のを舐め取っている。
「ごめんなさい、ごめんなさい…」
「あ、あー…?大丈夫。別に荷物ちょうど持ってたからあれで隠せばいいし、うん大丈夫」
なんか怖かったので極力明るい声でレインを落ち着ける。
「本当…?」
「うん、けど…シワになるし、もう脱ごっか?」
「うん…」
涙目で俺を見つめるレインの、途中まで開けていたシャツのボタンを一番下まで開けて脱がして、ズボンも枕の上へ寝転ばせてひん剥いた。
最後に靴下も脱がせてから自分もズボンだけその辺にほっぽり出すとやけにレインが静かだと気づく。
振り返ると仰向けのままめちゃくちゃ俺を見てた。
「な、なに?」
機嫌は治ったのだろうか。
まだ目尻が少し赤かったが、レインは黙っていれば冷たそうな印象を受けるし、黒い目と髪にはなんとなく迫力を感じる。
その綺麗だけど威圧感のある容姿で見つめられるとよくわからないが蛇に睨まれたカエルのような心境になった。
恐る恐るどうしたのか聞いてみると、レインは枕に顔を沈めて隠し、
「なんでもない」
とだけ言ってきた。
声が嬉しそうに弾んでいて髪の隙間から見える耳まで赤くなっていたので多分悪い感情では無いと思う、…多分。
琴線がわからないが盛り上がってくれてるのだしいいやと前向きに納得して改めてレインの上に覆い被さっていいよね、とだけ聞いてみた。
「…うん…」
レインは仰向けになり、まるで初めての経験をするように正面で俺の顔を見て照れた後、躊躇いがちに頷く。
ちょっとマットレス硬いな、と気になったので横に転がっていた枕を渡そうと手を伸ばすと、
俺の後ろに手を回して抱きつくようにレインは自分の上半身を起こした。
動きにくい、片手でレインを支えつつ身体の下へ枕を置いて、優しく着地させる。
それから足を広げさせてその中央へ座ると自分のをゆっくりとあてがい挿入した。
窮屈な穴に徐々に飲み込まれ、気持ちよくて乱暴に腰を振りたくなるような衝動に襲われるけど少しだけ我慢をする。
全部が収まると収縮する内壁が俺を歓迎してくれるよう包み込んできて、心地よかった。
レインは挿れられただけで、少しだけ辛そうな、けれど甘ったるい吐息混じりの声を出している。
「んっ、あぁ、あっ♡はぁっ、レオン…♡んっ、かっこいい…」
弱々しい声と涙目。
ここだけを見るとレインがひどく弱々しい生き物に見えて加虐心を煽られた。
…実際には呪いだの異空間だの大暴れする悪霊なんだけどな。
腰を引いてから、一気に打ちつける。
体同士がぶつかる音がして、それからすこし後に揺すられるままのレインがぎゅっと目を瞑りながら喘ぎ声を漏らしていた。
「ほら、舌、出して?」
「ん、ふ♡うぅ、んっ」
顔にかかった髪を除けながら赤く色づいた唇を撫でると、細く目を開いてこっちを見る。
濡れた唇へ自分の唇を重ねて、角度を変えながら何度もキスをすると無意識にかレインのナカがきゅうと俺を締め付けた。
弧を描くよう大きく動くのがレインは好きらしく、そうする度に四肢が粟立ち一際大きく声を上げるので面白くなってその動きを繰り返した。
少しだけ骨の浮き出た痩せた横腹へ手を這わせてまた胸の尖りをくすぐる、
前には触れていないのに、眼下でプルプルと揺れているそれは赤く張り詰めていて、白濁の混じった先走りが動くたび揺れてあたりに跳ねるほどだったので辛そうだ。
「はぁ、あっ、レオン、レオンッ♡んっ♡ふぅっ…、こんな…、あ゛っ♡だめっ、幸せすぎてっ、ひっ…うぅっ、やめて、許してっ、あ゛っ、許さないでっ♡」
泣きながら俺に両手でしがみついてくるどころか、さらに足まで俺の腰に巻きつけてくるものだからちょっと動くのに苦労する。
「すき、だいすき、レオン、すきっ♡ぃ、あっ」
レインは無意識なのだろうか、喘ぎの合間に何度も俺の名前や愛を伝えてくる。
真っ直ぐな愛の告白をされて、応えるつもりはなくてもそれっぽい返事くらいはした方が雰囲気が出るかな、と熱に浮かされた頭でぼんやりと考えた。
「レイン」
額にキスをして名前を呼ぶ。
目があった時、レインは一瞬固まって、ひどく驚いた顔をしていた。
それからすぐに顔中真っ赤になると、何か言いたそうに数回だけ口をぱくぱくと動かして、
「ひっ、あっ♡あぁっ…!」
それから悲鳴のような声を出して精を吐いた。
急なことと締め付けにびっくりして、俺も思わず出しそうになったけど一応出先なのを思い出して慌てて引き抜いてレインの腹に精を吐く。
二人分の精液で白く汚れている脂肪のまるでなさそうな薄い腹を見た後、疲れたので大きく息を吐いてからレインの横に倒れ込んだ。
レインはビクビク身体を震わせて余韻を楽しんでいたけど、俺が姿勢を変えて仰向けになると当然のように下半身の方に行き、自分の体液やらで汚れたそれを舌でぺろぺろと舐め取って掃除をした、
ちょっともどかしい、控えめな感覚が気持ちよくて大人しくしてたらひとしきり舐めて満足したらしくまた隣に戻ってきて俺の方を無言で見つめてる。
「あー…肉買ってたしさっさと戻らないと」
腕を伸ばして大の字になり、そういえば日陰に避難させておいた紙袋を思い出す。
「うん、はぁ…、そっか、こんな風な気持ちなんだね、誰かが、隣で寝てるって」
レインが腕の上に頭を乗せて腕枕を楽しもうとしていたので腕の位置を変えて隣に顔が並ぶよう調整した。
あったかい食材も買ったけどちょっと冷めてるだろうなぁ、
抱き寄せて腕の中で大人しくしてるレインの黒髪を梳きながら考えていたら、腹がかなり空いてきた。
そういえば(それを買いに行ったので当然だが)朝から何も食べてない。
起き上がって、帰ってさっさと食事にありつきたくて服を着ていたけどレインはいつまでも素っ裸でベットの上で座って、俺をじっと見ていた。
「早く行かない?腹減ったし」
「うん」
さっきからそれしか言わないな、と思いつつ、いつまでもレインが動こうとしないので焦れて腹の飛沫を拭いてシャツを持って来て袖を通させた。
されるがままに服を着せられて、レインは何が楽しいのかニコニコと笑っていた。
====
「おかえり、遅かったな」
それから宿に戻ると、イリアは機嫌も体調もだいぶ回復したのかいつのまにか外出していたらしくちょうど戻ってきたところだったらしい、
見覚えのあるモチを買ってきていて、
「名産品らしくてな。一緒に食べるか?」
と何も知らない顔で差し出してきた。
顔を二人で見合わせてから、俺がそれ味微妙だよ、と正直に教えるとショックを受けていたのでレインと二人で少し笑って、
それからイリアは試しにモチをかじって、「本当だ」なんて言うから今度は三人で笑ってしまった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
561
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる