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憧憬
【今回の内容】
バッドエンド
モブ?受け
ある学生の話。
「委員長、また勉強してんの?」
「あぁ、……委員長じゃない、■■■だ、いい加減名前を覚えろ」
「ごめんって」
隣に座るのは、同級生の不良。
前まで仲良さそうにしていた先輩が消え、それからは図書室でこうして一人で放課後勉強している。
「なぁー」
「…なんだ」
「この問題、解がこれになるんだけど正解合わなくてさぁ、
4段目まであってるのになんで急に全く違う式出てくんの?」
「あぁ、それは…」
不良は最初こそ授業への参加もまばらだったせいで成績が悪かったが、
予習と復習、不明点を答えるまで人の眼鏡を指紋でベタベタにしてまで視界に入り聞くので嫌々説明して行った結果、
中の上くらいの成績を取れるくらいには学力が向上していった。
「委員長の教え方わかりやすい」
「教えられなくても自力で答えを探せるようになれ、参考書は目の前にいくらでもあるだろ」
「たしかに」
…次の日、
不良はお礼に、と購買部で買ったクッキーを僕に渡し、数冊の参考書を開いて自分で答えを探そうと話しかけてこなくなった。
ノートを見る、僕が教えればすぐに解決するだろう文法の些細なミスをしていた。
待っていてもずっと不良は聞いてこなくて、つい焦ったくてそれを指摘するとお礼を言って笑っていた。
「委員長はなんでも知ってるな、成績ずっと一位だっけ?」
「凡人とは頭の出来が違うんだ」
「それに、ずっと勉強頑張ってるしな。
尊敬する…けど、俺邪魔ならごめんな?」
少し驚いた。
たしかに自分の地頭は良いとは思うし、同じ勉強量でもクラスの奴らと学習できる量が違う。
けれどそれを天才という単語だけで思考停止するのではなく僕の努力も肯定できるような知能や、自身を邪魔だと自覚できる神経が目の前の彼にあると思っていなかった。
「やっぱ将来は地元で実家継ぐの?そんだけ賢かったら色々出来そう」
「…そのつもりで家も僕をここに入れたしな」
「絵は?なんか玄関にでかい上手いの飾られてなかったっけ」
「ただの趣味だよ」
「ふーん。あの絵、綺麗だよな。
白いのにいろんな色あってびっくりした、よくわかってないけど俺は好き」
「…どうも」
なんとなく自分の内面を褒められたような気がしてむず痒くてもう少し話していたかったけどもう彼は勉強に集中しているらしく話を終えた様子だった。
それからも毎日彼は図書室に来て、いつからか教室でも声をかけてくるようになった。
最初こそ不良の彼はクラス内で警戒されていたけど、社交的な性格と華やかな外見で一ヶ月もしないうちに悪い噂は消え教室の中心人物になっている。
いつも誰かが隣にいたけれど、たまに僕を見つけると親しげに話しかけてきて笑うので普段「暗い」「勉強しか能がない」と僕を嘲るような奴までこっちを物珍しそうに見てくるのは正直気分が良かった。
「なんでレオンは一人部屋なんだ?」
「先輩が全員追い出しちゃって」
「…そんなことあるのか?」
明日は休日だ。
夜、こっそりと教材や夜食を持ってレオンの部屋に行く。
自分のルームメイトは里帰りでいなかったり、口裏を合わせるのに協力してもらった。
勉強会という建前で、少しだけしてみたかった悪事。
よその寮生の部屋に行くどころか就寝時間の外出自体が禁止事項だ。
それでもレオンの部屋に今同居人が誰もいない珍しい状況で、本人が暇だ寂しいと教室で騒いでいたのを聞いてめざとくこの話を持ちかけてしまった。
「あー、卒業したら実家かぁ、脱走しようかな」
「…僕だって絵でも描いて過ごしたいが、もうすぐ成人なんだ、仕方がないだろう」
「いや、俺は争うよ?旅でもしてギリギリまで遊び呆けようかな」
「…はは、本当にしてそうだな」
案の定、僕自身が浮かれてしまってろくに勉強なんてできなかった。
取り止めのない話をして、彼と話している時はいつも将来や勉強と、重苦しいものを忘れることができて楽しい。
ずっとこんな風に過ごせたらいいのに、そう思うと近い終わりに無性に息が苦しくなる。
「委員長?」
「…あっ、なんだ、ごめん」
「いや?眠そうだったから。もう寝る?」
「そうだな…」
こっちを覗き込んでくる彼の瞳が凄く綺麗で、絶対にしてはいけないことだったのに僕はレオンの顔を支えて唇を重ねていた。
大きな青い瞳が揺れている、驚いているんだろうか。
唇を離しても彼はこっちをじっと見ていた。
「…寝る、ってそっちの意味じゃなかったんだけど…委員長は違う意味だと思った?」
すぐに彼は笑って僕を抱き寄せると額にキスをした。
「…いや、ちが…っ」
「じゃあどう言う意味?俺馬鹿でわからないからさ、教えてよ委員長」
彼が笑って僕を許すから。
そう言うことに興味がないわけじゃなくて、そんなことをしたいと思えるほど興味を抱ける相手が、
頑張って手を伸ばしたいと思える相手が見つけられなかっただけだったんだ。
だから、こんな風に肯定されてしまったら止まれなかった。
もう一度レオンにキスをする。
彼は慣れた様子で僕に「口を開けて」と小声で指示し、言われた通りにすると柔らかい舌が絡んできた。
どうしていいのかわからなかったけど、もっと舌を絡めて、と言われるがままに舌を絡め彼の唇に触れるのはとても心地よかった。
「初めて?」
「……」
「じゃあ優しくしないとな」
かけていた眼鏡を取られサイドチェストへ置かれる。
視界が少しぼやけ、レオンの表情が少し見えづらくなった。
レオンはこう言う行為をしたことがある様子で引き出しから小瓶を取り出し、それを手に絡めると粘着質な液体で僕の陰茎を濡らしてくちゅくちゅと扱いてくる。
自分以外の人間に初めて触られ、予想の出来ない動きに腰が引けたけど大丈夫と諭されキスをされると心地よくていつのまにか彼がしやすいように足を開いてしまっていた。
「んっ…、ふ、うぅ…」
「委員長、俺のも触って」
寝ている横に座られ、彼が下着を下ろすと勃っているものが視界に入った。
…少なくとも、彼もこの状況に興奮を多少は覚えてくれているのだろう。
自分がこう言う行為の、レオンにとっての選択肢の一部として存在できていることが嬉しかった。
他人のものを握り、普段自分でしているように手を動かす。
レオンが少しだけ喘いで、それからまた僕の前と、それから後ろの穴を弄りはじめた。
…彼にとって、僕は何番目の性行をした相手なんだろう。
一番はじめになれなかったことが無性に悔しくて手を早めに動かしたら痛いと苦笑され、もう少し優しくするように言われて顔が熱くなった。
「んっ、くっ…う、んん…」
後孔へ指を入れられ、それが何度も出て行ってはまた入る独特の感触に背中が粟立つ。
「大丈夫?痛くない?」
「あ、あ…、けれど、すこし変な、感じが…」
「どんな感じ?」
「……っ、わからない、くすぐったい…?」
「ふふ、そう。痛かったらまた教えてね」
後ろはともかく、粘液のついた滑りのいい手が竿や睾丸をくすぐったり這いずるのは心地よくて、このまま続けていたらいつか射精してしまうだろうな、と徐々に追い詰められていくのがわかる。
この行為がどこまで続くのかが分からず、されるがままになっているとレオンは僕に後ろ向かせ腰を上げさせた。
後ろから腿や陰茎をレオンのもので突かれ擦られ、
ぬるぬるとした性器がたまに後孔に入ってしまいそうなほどくっつき、けれどまたずれて色々な箇所へ当たる感触がもどかしかった。
「ふっ、んっ、うぅっ」
レオンの腰が尻に当たり、ぱつぱつと肉を打つ音が聞こえてくる。
本当に性行をしているような錯覚を覚え、今自分の性器を擦っているレオンの陰茎を体内へ挿入してほしいと無意識に期待してしまっていた。
「ねえ委員長、だめ、かな?」
また後孔に充てがわれる、先端だけを挿入しては抜くのを繰り返されて、
レオンも同じ気持ちだとわかり少し痛みを感じるその先の感覚をより知りたいと思う。
「…す、好きにしたらいい……」
そんな風にしか言えなくて、けれど今の自分の精一杯の肯定だった、
レオンもそれをわかっているのかクスクス笑って「かわいい」と僕の胸をくすぐり、それからゆっくり腰を進めた。
「うっ…く、あっ…」
「大丈夫?」
最初こそ押し広げられ鋭い痛みがしたが、先端が入ってしまえば後は勢いで全部を飲み込めた。
体内に熱い脈打つものがある異物感で不安になるが、同時に初めて自分は今性行をしているという自覚や、レオンの少し低い掠れた声に興奮していた。
こう言う時はどんな風にしていればいいんだろう、
喘いだほうがいいんだろうか、なにかした方がいいんだろうか。
色々考えてみたが分からず、レオンが動き始めると内臓を引きずられるような感覚がして、
けれどそれが痛みや嫌悪だけでなく、特に浅い部分でチクチクと生じる痛痒い快感になって気がつけば突かれるまま短く、自分から聞いたこともないような変な声で喘いでしまっていた。
「あっ、あっ、ああっ、あっ」
「委員長、もう少し足開いて」
頼まれて、もっと彼はこうした方が動きやすいだろうと考え足を大きく開いて尻を突き出した体制をとる。
亀頭に指を絡められ、頸をキスや舌で舐められながら竿を扱かれると気持ちよくてつい体内のものを締め付けてしまった。
さっきまでは未知の異物感が大きく息苦しかったけれど、
こうやって色々な箇所をくすぐったく刺激されながらナカでかき回すようにゆっくり突かれると、徐々に自分の体が見たこともない反応を見せ性器からとぷとぷ先走りが溢れるようになってしまった。
僕の出した体液で滑りが良くなった陰茎をレオンは優しく自分の腰の動きに合わせて擦り、敏感な先端や裏筋を撫でながらまた角度を変えて肉壁を擦る。
尿意に似た、けれど明らかに違う、より刺激の強い感覚が陰嚢から竿を巡って登ってくるのがわかった。
「レオ、ン…!一度、やめ、出る…!」
「出しちゃおうよ」
本当にこの場で出しても問題のないものが出るのか自信がなくて、静止を頼んだがレオンは気にした素振りもなく人の耳を噛んでいた。
あっさり先端までその感覚は上り詰めてそのまま爆ぜてしまい、顔にかかったものが精液だと理解する。
長い、勢いのある射精を終えた頃にはレオンも落ち着いたようで体内から性器を引き抜き手早くタオルで僕の身体の汚れを拭っていた。
「シャワー、今浴びたら音でバレそうだしごめんね?」
温かい濡れタオルで僕の身体を拭いて、足した湯でタオルを洗い同じく自分も拭き終えると僕の身なりを整え何事もなかったかのようにベットに入る。
けれど、僕を抱き寄せて腕の中で「どうだった?」と聞いてくる笑顔が今まで見たことがないような緩んだ無邪気なもので「一回じゃよくわからない」と思わず返事をしてしまったがこんな関係が永遠に続けばいいのにとまた思ってしまうには十分すぎる眩しさだった。
それから数日後、僕とレオンは教員と、それぞれの両親が集まる部屋に呼ばれあの日起きた内容の事実確認をされている。
教師や僕の親の主張では僕は不良のレオンに脅され、成績を落とすようないじめをあの日を含めた連日呼び出されて受けていることになっていた。
…馬鹿馬鹿しかった。
僕が成績を落としていたのは事実だが、それは勉強よりもレオンと話すことに集中したり彼のことを考え疎かになっていたからで、彼に過失は一切無い。
それにいじめや暴行なんてもちろん受けていた記憶も心当たりも無い。
彼らはそこに情事のニュアンスは無く、暴力や折檻の類を受けていた、と心配しているようだったがむしろレオンが近づけないよう離れた席に座らされていることがとても不快だ。
先にレオンに、何か弁明の余地はあるか、と教員が聞いている。
僕はレオンが否定したら、それに乗っかって彼の主張を裏付けるように話すつもりだった。
彼らが思っているような関係では無い、僕たちは恋人同士であるとでも言うのも抵抗は無かったし、それで彼らが想いごと否定するならどこかに一緒に逃げて旅をし、彼の傍らで気ままに絵を描くような生活も悪く無いんじゃないかと想像していた。
…貧しくても、隣でレオンと永く笑えるならそれは幸せだと思う。
「すべて、皆さんがおっしゃる通りです。…本当に、申し訳ございませんでした」
だから、レオンのその返事がすぐには理解できなかった。
レオンは教員の話した内容を仔細に掘り下げるよう、ありもしない僕への加害を語る。
違う真実が出来上がっていく中、僕が否定するよりも先にレオンが自分の父親に泣きながら頬を叩かれ吹き飛んでいた。
僕が何を言っても錯乱している、脅されている可哀想な被害者として片付けられ最後にレオンは僕へ二度と近づかない、という条件のもと地面に頭をつけて土下座までして謝罪した。
…今思えば正直に内容を語ろうが大筋は変わらなかっただろうし、僕自身が同意の上行っていた行為なら僕まで不純交友を咎められどちらかが学校に居れないような状況になっていたと思う。
思い描いた逃避行だって世間知らずの子供二人で上手くいくようなものの訳がない、それをわかっていただけレオンの方が僕より利口だろう。
…だからあれは彼なりに僕を庇った結果で、それでも、判っていても僕らの関係をレオン自身に無かったことにされ、隣にいた時間全てを不幸な時間にされてしまった事がたまらなく悲しかった。
この件については関係者のみに情報は留められ、翌日以降も普通にレオンは教室に来ていたし今まで通り笑っていた。
違うのは二度と僕のところへわからない問題がある、と座りに来なくなったことだけ。
それを教室の誰も気にしていなかった、元々僕は成績のいいだけのつまらない無口な人間だったから。
あの日からずっと図書室で、実家と絶縁じみたやりとりの末この学校の教員になってまでレオンを待ち続けている。
いつか謝罪は仕方なくした間違いだったんだと、今ならもっと上手く出来るから一緒に行こうと言ってもらえる日を信じて。
バッドエンド
モブ?受け
ある学生の話。
「委員長、また勉強してんの?」
「あぁ、……委員長じゃない、■■■だ、いい加減名前を覚えろ」
「ごめんって」
隣に座るのは、同級生の不良。
前まで仲良さそうにしていた先輩が消え、それからは図書室でこうして一人で放課後勉強している。
「なぁー」
「…なんだ」
「この問題、解がこれになるんだけど正解合わなくてさぁ、
4段目まであってるのになんで急に全く違う式出てくんの?」
「あぁ、それは…」
不良は最初こそ授業への参加もまばらだったせいで成績が悪かったが、
予習と復習、不明点を答えるまで人の眼鏡を指紋でベタベタにしてまで視界に入り聞くので嫌々説明して行った結果、
中の上くらいの成績を取れるくらいには学力が向上していった。
「委員長の教え方わかりやすい」
「教えられなくても自力で答えを探せるようになれ、参考書は目の前にいくらでもあるだろ」
「たしかに」
…次の日、
不良はお礼に、と購買部で買ったクッキーを僕に渡し、数冊の参考書を開いて自分で答えを探そうと話しかけてこなくなった。
ノートを見る、僕が教えればすぐに解決するだろう文法の些細なミスをしていた。
待っていてもずっと不良は聞いてこなくて、つい焦ったくてそれを指摘するとお礼を言って笑っていた。
「委員長はなんでも知ってるな、成績ずっと一位だっけ?」
「凡人とは頭の出来が違うんだ」
「それに、ずっと勉強頑張ってるしな。
尊敬する…けど、俺邪魔ならごめんな?」
少し驚いた。
たしかに自分の地頭は良いとは思うし、同じ勉強量でもクラスの奴らと学習できる量が違う。
けれどそれを天才という単語だけで思考停止するのではなく僕の努力も肯定できるような知能や、自身を邪魔だと自覚できる神経が目の前の彼にあると思っていなかった。
「やっぱ将来は地元で実家継ぐの?そんだけ賢かったら色々出来そう」
「…そのつもりで家も僕をここに入れたしな」
「絵は?なんか玄関にでかい上手いの飾られてなかったっけ」
「ただの趣味だよ」
「ふーん。あの絵、綺麗だよな。
白いのにいろんな色あってびっくりした、よくわかってないけど俺は好き」
「…どうも」
なんとなく自分の内面を褒められたような気がしてむず痒くてもう少し話していたかったけどもう彼は勉強に集中しているらしく話を終えた様子だった。
それからも毎日彼は図書室に来て、いつからか教室でも声をかけてくるようになった。
最初こそ不良の彼はクラス内で警戒されていたけど、社交的な性格と華やかな外見で一ヶ月もしないうちに悪い噂は消え教室の中心人物になっている。
いつも誰かが隣にいたけれど、たまに僕を見つけると親しげに話しかけてきて笑うので普段「暗い」「勉強しか能がない」と僕を嘲るような奴までこっちを物珍しそうに見てくるのは正直気分が良かった。
「なんでレオンは一人部屋なんだ?」
「先輩が全員追い出しちゃって」
「…そんなことあるのか?」
明日は休日だ。
夜、こっそりと教材や夜食を持ってレオンの部屋に行く。
自分のルームメイトは里帰りでいなかったり、口裏を合わせるのに協力してもらった。
勉強会という建前で、少しだけしてみたかった悪事。
よその寮生の部屋に行くどころか就寝時間の外出自体が禁止事項だ。
それでもレオンの部屋に今同居人が誰もいない珍しい状況で、本人が暇だ寂しいと教室で騒いでいたのを聞いてめざとくこの話を持ちかけてしまった。
「あー、卒業したら実家かぁ、脱走しようかな」
「…僕だって絵でも描いて過ごしたいが、もうすぐ成人なんだ、仕方がないだろう」
「いや、俺は争うよ?旅でもしてギリギリまで遊び呆けようかな」
「…はは、本当にしてそうだな」
案の定、僕自身が浮かれてしまってろくに勉強なんてできなかった。
取り止めのない話をして、彼と話している時はいつも将来や勉強と、重苦しいものを忘れることができて楽しい。
ずっとこんな風に過ごせたらいいのに、そう思うと近い終わりに無性に息が苦しくなる。
「委員長?」
「…あっ、なんだ、ごめん」
「いや?眠そうだったから。もう寝る?」
「そうだな…」
こっちを覗き込んでくる彼の瞳が凄く綺麗で、絶対にしてはいけないことだったのに僕はレオンの顔を支えて唇を重ねていた。
大きな青い瞳が揺れている、驚いているんだろうか。
唇を離しても彼はこっちをじっと見ていた。
「…寝る、ってそっちの意味じゃなかったんだけど…委員長は違う意味だと思った?」
すぐに彼は笑って僕を抱き寄せると額にキスをした。
「…いや、ちが…っ」
「じゃあどう言う意味?俺馬鹿でわからないからさ、教えてよ委員長」
彼が笑って僕を許すから。
そう言うことに興味がないわけじゃなくて、そんなことをしたいと思えるほど興味を抱ける相手が、
頑張って手を伸ばしたいと思える相手が見つけられなかっただけだったんだ。
だから、こんな風に肯定されてしまったら止まれなかった。
もう一度レオンにキスをする。
彼は慣れた様子で僕に「口を開けて」と小声で指示し、言われた通りにすると柔らかい舌が絡んできた。
どうしていいのかわからなかったけど、もっと舌を絡めて、と言われるがままに舌を絡め彼の唇に触れるのはとても心地よかった。
「初めて?」
「……」
「じゃあ優しくしないとな」
かけていた眼鏡を取られサイドチェストへ置かれる。
視界が少しぼやけ、レオンの表情が少し見えづらくなった。
レオンはこう言う行為をしたことがある様子で引き出しから小瓶を取り出し、それを手に絡めると粘着質な液体で僕の陰茎を濡らしてくちゅくちゅと扱いてくる。
自分以外の人間に初めて触られ、予想の出来ない動きに腰が引けたけど大丈夫と諭されキスをされると心地よくていつのまにか彼がしやすいように足を開いてしまっていた。
「んっ…、ふ、うぅ…」
「委員長、俺のも触って」
寝ている横に座られ、彼が下着を下ろすと勃っているものが視界に入った。
…少なくとも、彼もこの状況に興奮を多少は覚えてくれているのだろう。
自分がこう言う行為の、レオンにとっての選択肢の一部として存在できていることが嬉しかった。
他人のものを握り、普段自分でしているように手を動かす。
レオンが少しだけ喘いで、それからまた僕の前と、それから後ろの穴を弄りはじめた。
…彼にとって、僕は何番目の性行をした相手なんだろう。
一番はじめになれなかったことが無性に悔しくて手を早めに動かしたら痛いと苦笑され、もう少し優しくするように言われて顔が熱くなった。
「んっ、くっ…う、んん…」
後孔へ指を入れられ、それが何度も出て行ってはまた入る独特の感触に背中が粟立つ。
「大丈夫?痛くない?」
「あ、あ…、けれど、すこし変な、感じが…」
「どんな感じ?」
「……っ、わからない、くすぐったい…?」
「ふふ、そう。痛かったらまた教えてね」
後ろはともかく、粘液のついた滑りのいい手が竿や睾丸をくすぐったり這いずるのは心地よくて、このまま続けていたらいつか射精してしまうだろうな、と徐々に追い詰められていくのがわかる。
この行為がどこまで続くのかが分からず、されるがままになっているとレオンは僕に後ろ向かせ腰を上げさせた。
後ろから腿や陰茎をレオンのもので突かれ擦られ、
ぬるぬるとした性器がたまに後孔に入ってしまいそうなほどくっつき、けれどまたずれて色々な箇所へ当たる感触がもどかしかった。
「ふっ、んっ、うぅっ」
レオンの腰が尻に当たり、ぱつぱつと肉を打つ音が聞こえてくる。
本当に性行をしているような錯覚を覚え、今自分の性器を擦っているレオンの陰茎を体内へ挿入してほしいと無意識に期待してしまっていた。
「ねえ委員長、だめ、かな?」
また後孔に充てがわれる、先端だけを挿入しては抜くのを繰り返されて、
レオンも同じ気持ちだとわかり少し痛みを感じるその先の感覚をより知りたいと思う。
「…す、好きにしたらいい……」
そんな風にしか言えなくて、けれど今の自分の精一杯の肯定だった、
レオンもそれをわかっているのかクスクス笑って「かわいい」と僕の胸をくすぐり、それからゆっくり腰を進めた。
「うっ…く、あっ…」
「大丈夫?」
最初こそ押し広げられ鋭い痛みがしたが、先端が入ってしまえば後は勢いで全部を飲み込めた。
体内に熱い脈打つものがある異物感で不安になるが、同時に初めて自分は今性行をしているという自覚や、レオンの少し低い掠れた声に興奮していた。
こう言う時はどんな風にしていればいいんだろう、
喘いだほうがいいんだろうか、なにかした方がいいんだろうか。
色々考えてみたが分からず、レオンが動き始めると内臓を引きずられるような感覚がして、
けれどそれが痛みや嫌悪だけでなく、特に浅い部分でチクチクと生じる痛痒い快感になって気がつけば突かれるまま短く、自分から聞いたこともないような変な声で喘いでしまっていた。
「あっ、あっ、ああっ、あっ」
「委員長、もう少し足開いて」
頼まれて、もっと彼はこうした方が動きやすいだろうと考え足を大きく開いて尻を突き出した体制をとる。
亀頭に指を絡められ、頸をキスや舌で舐められながら竿を扱かれると気持ちよくてつい体内のものを締め付けてしまった。
さっきまでは未知の異物感が大きく息苦しかったけれど、
こうやって色々な箇所をくすぐったく刺激されながらナカでかき回すようにゆっくり突かれると、徐々に自分の体が見たこともない反応を見せ性器からとぷとぷ先走りが溢れるようになってしまった。
僕の出した体液で滑りが良くなった陰茎をレオンは優しく自分の腰の動きに合わせて擦り、敏感な先端や裏筋を撫でながらまた角度を変えて肉壁を擦る。
尿意に似た、けれど明らかに違う、より刺激の強い感覚が陰嚢から竿を巡って登ってくるのがわかった。
「レオ、ン…!一度、やめ、出る…!」
「出しちゃおうよ」
本当にこの場で出しても問題のないものが出るのか自信がなくて、静止を頼んだがレオンは気にした素振りもなく人の耳を噛んでいた。
あっさり先端までその感覚は上り詰めてそのまま爆ぜてしまい、顔にかかったものが精液だと理解する。
長い、勢いのある射精を終えた頃にはレオンも落ち着いたようで体内から性器を引き抜き手早くタオルで僕の身体の汚れを拭っていた。
「シャワー、今浴びたら音でバレそうだしごめんね?」
温かい濡れタオルで僕の身体を拭いて、足した湯でタオルを洗い同じく自分も拭き終えると僕の身なりを整え何事もなかったかのようにベットに入る。
けれど、僕を抱き寄せて腕の中で「どうだった?」と聞いてくる笑顔が今まで見たことがないような緩んだ無邪気なもので「一回じゃよくわからない」と思わず返事をしてしまったがこんな関係が永遠に続けばいいのにとまた思ってしまうには十分すぎる眩しさだった。
それから数日後、僕とレオンは教員と、それぞれの両親が集まる部屋に呼ばれあの日起きた内容の事実確認をされている。
教師や僕の親の主張では僕は不良のレオンに脅され、成績を落とすようないじめをあの日を含めた連日呼び出されて受けていることになっていた。
…馬鹿馬鹿しかった。
僕が成績を落としていたのは事実だが、それは勉強よりもレオンと話すことに集中したり彼のことを考え疎かになっていたからで、彼に過失は一切無い。
それにいじめや暴行なんてもちろん受けていた記憶も心当たりも無い。
彼らはそこに情事のニュアンスは無く、暴力や折檻の類を受けていた、と心配しているようだったがむしろレオンが近づけないよう離れた席に座らされていることがとても不快だ。
先にレオンに、何か弁明の余地はあるか、と教員が聞いている。
僕はレオンが否定したら、それに乗っかって彼の主張を裏付けるように話すつもりだった。
彼らが思っているような関係では無い、僕たちは恋人同士であるとでも言うのも抵抗は無かったし、それで彼らが想いごと否定するならどこかに一緒に逃げて旅をし、彼の傍らで気ままに絵を描くような生活も悪く無いんじゃないかと想像していた。
…貧しくても、隣でレオンと永く笑えるならそれは幸せだと思う。
「すべて、皆さんがおっしゃる通りです。…本当に、申し訳ございませんでした」
だから、レオンのその返事がすぐには理解できなかった。
レオンは教員の話した内容を仔細に掘り下げるよう、ありもしない僕への加害を語る。
違う真実が出来上がっていく中、僕が否定するよりも先にレオンが自分の父親に泣きながら頬を叩かれ吹き飛んでいた。
僕が何を言っても錯乱している、脅されている可哀想な被害者として片付けられ最後にレオンは僕へ二度と近づかない、という条件のもと地面に頭をつけて土下座までして謝罪した。
…今思えば正直に内容を語ろうが大筋は変わらなかっただろうし、僕自身が同意の上行っていた行為なら僕まで不純交友を咎められどちらかが学校に居れないような状況になっていたと思う。
思い描いた逃避行だって世間知らずの子供二人で上手くいくようなものの訳がない、それをわかっていただけレオンの方が僕より利口だろう。
…だからあれは彼なりに僕を庇った結果で、それでも、判っていても僕らの関係をレオン自身に無かったことにされ、隣にいた時間全てを不幸な時間にされてしまった事がたまらなく悲しかった。
この件については関係者のみに情報は留められ、翌日以降も普通にレオンは教室に来ていたし今まで通り笑っていた。
違うのは二度と僕のところへわからない問題がある、と座りに来なくなったことだけ。
それを教室の誰も気にしていなかった、元々僕は成績のいいだけのつまらない無口な人間だったから。
あの日からずっと図書室で、実家と絶縁じみたやりとりの末この学校の教員になってまでレオンを待ち続けている。
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