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22:お外デビュー
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2歳になって1ヶ月が経ちました。コーラルです。
話す言葉も増えて意思の疎通も取りやすくなっています。
まだまだカタコトですけどね。
そんな私もとうとうお外デビューです!
遅くないですか!? これがこの世界の通常なんですか!?
とは言わないでおいてあげます。心の中で思ってるだけですしげふんげふん。
アンナが抱っこして庭に連れて行ってくれます。
「本日はお天気がよろしいですね。お嬢様」
にこにこと微笑みながら庭に着くと降ろしてくれました。
部屋の外に出るのは3度めなのです。
前2回は全部お母様の命日でお墓に行くときですね。
朝早くから行くので寝ている時に全部支度が終わって気付けば馬車なんです。
だから実際に家を見るのは初めてでした。
「きゃ~」
アンナの見える範囲で私は遊びます。
この屋敷は家と言いますか。使用人4人で管理するには大きすぎる広さです。
家は家なのですが、私が想像するような前世の実家である4LDKなんて目じゃないほど広いです。
部屋もいくつあるんですかね。
今いるところは中庭でして、本館と別館があるようです。
本館と母屋なのかなあ。
私は本館っぽい建物の3階に部屋があります。
この世界、魔法とかあるのになんていうか屋敷の見た目が中世寄り。
もっと発達していてもいいと思うんですけどね。
そういえば部屋もその様式の気配がありますよね。
私だけかも知れませんが、結構中世の建物って怖いんですよ。
キラキラしてて肖像画が置かれてて、天井は高いし何か描かれているし。
夜中とか天井を見上げて天使と目が会えば悲鳴上げる自信あります。
私の部屋がそうではなくてよかったと本当に思いますよ。
私の部屋は中世の建築様式の中でもロココ調寄りなんですよね。
天井はレースのような模様が縁にあるだけです。
ロココ調って確かベルサイユ宮殿からパリに戻ってきた貴族達がパリの邸宅を新しく立て直すのではなく、内装のみを新しい様式にしようという風潮から生まれたものだとか。
だから外見はそれほど差はなくて内装に特化しているのでしょう。
先程通った本館の玄関ホールの天井にはしっかり絵が描かれていました。夜通れない。
「どうかしましたか、お嬢様」
建物を見上げていると、アンナが近くまできて聞いてきます。
日差しが遮る時間なのか、建物が丁度いい塩梅で日陰を作っています。
「おそーじねぇ、たいへん?」
2歳児がそんなことを気にするのがおかしいとは思うのですが、ついつい気になっちゃうのですよね。
だって、私の世界では使用人が4人しかいませんもの。
あとはお兄様。
お兄様がお掃除なんてまさかしているとは思えませんし。
明らか使用人4人でなんとかなる広さじゃないですよ。
前世の実家を比較したら何倍の広さなんでしょう。
私の質問にアンナは面白そうに笑います。
「大丈夫ですよ。お嬢様。お掃除は使用人が他に沢山おりますので」
そういえばお嬢様は私達しかお会いしてないですものね。
そうアンナは微笑みます。
貧乏くさいとか思われて無くてよかったです。
あと、使用人の方は他に沢山いるんですね。
そりゃあ当たり前か。
こんな広さの屋敷を持っているんですもの。管理には相応の人数が必要なはず。
では、先程から中庭に面した廊下の窓からちらちらと見えるのは人影ですかね。
まだ2歳になったばかりで視力はそこまで良くないのでわかりません。
確か6歳くらいで1.0になるんでしたっけ。
早く6歳になりたいものです。
「ふぅ~ん」
何故私は4人の使用人しか会ったことがないのでしょう。
しかもラインナップは侍女、侍女長、庭師、料理長と後半が異色だと思うのですがこれはいかに。
「今屋敷には女主人がおりませんので、侍女長であり家政婦長でもあるマサ様がその役割を行っているのですよ。そのうちお嬢様がお役目を引き継ぐと思います。そうなると使用人全員覚えるでしょうし」
「う~?」
私が首を傾げれば、まだお嬢様には早かったですねとアンナが微笑む。
明らかに面倒そう。って思ったのですが分からないフリして正解でした。
流石に言ってることが分かる2歳児は怖い。
女主人ってなんですか。
貴族のお嬢様ってもっと優雅なものだと思っていました。
一日お茶を飲んで読書して。
たまに裁縫して。
そうじゃなさそうな気配です。
話す言葉も増えて意思の疎通も取りやすくなっています。
まだまだカタコトですけどね。
そんな私もとうとうお外デビューです!
遅くないですか!? これがこの世界の通常なんですか!?
とは言わないでおいてあげます。心の中で思ってるだけですしげふんげふん。
アンナが抱っこして庭に連れて行ってくれます。
「本日はお天気がよろしいですね。お嬢様」
にこにこと微笑みながら庭に着くと降ろしてくれました。
部屋の外に出るのは3度めなのです。
前2回は全部お母様の命日でお墓に行くときですね。
朝早くから行くので寝ている時に全部支度が終わって気付けば馬車なんです。
だから実際に家を見るのは初めてでした。
「きゃ~」
アンナの見える範囲で私は遊びます。
この屋敷は家と言いますか。使用人4人で管理するには大きすぎる広さです。
家は家なのですが、私が想像するような前世の実家である4LDKなんて目じゃないほど広いです。
部屋もいくつあるんですかね。
今いるところは中庭でして、本館と別館があるようです。
本館と母屋なのかなあ。
私は本館っぽい建物の3階に部屋があります。
この世界、魔法とかあるのになんていうか屋敷の見た目が中世寄り。
もっと発達していてもいいと思うんですけどね。
そういえば部屋もその様式の気配がありますよね。
私だけかも知れませんが、結構中世の建物って怖いんですよ。
キラキラしてて肖像画が置かれてて、天井は高いし何か描かれているし。
夜中とか天井を見上げて天使と目が会えば悲鳴上げる自信あります。
私の部屋がそうではなくてよかったと本当に思いますよ。
私の部屋は中世の建築様式の中でもロココ調寄りなんですよね。
天井はレースのような模様が縁にあるだけです。
ロココ調って確かベルサイユ宮殿からパリに戻ってきた貴族達がパリの邸宅を新しく立て直すのではなく、内装のみを新しい様式にしようという風潮から生まれたものだとか。
だから外見はそれほど差はなくて内装に特化しているのでしょう。
先程通った本館の玄関ホールの天井にはしっかり絵が描かれていました。夜通れない。
「どうかしましたか、お嬢様」
建物を見上げていると、アンナが近くまできて聞いてきます。
日差しが遮る時間なのか、建物が丁度いい塩梅で日陰を作っています。
「おそーじねぇ、たいへん?」
2歳児がそんなことを気にするのがおかしいとは思うのですが、ついつい気になっちゃうのですよね。
だって、私の世界では使用人が4人しかいませんもの。
あとはお兄様。
お兄様がお掃除なんてまさかしているとは思えませんし。
明らか使用人4人でなんとかなる広さじゃないですよ。
前世の実家を比較したら何倍の広さなんでしょう。
私の質問にアンナは面白そうに笑います。
「大丈夫ですよ。お嬢様。お掃除は使用人が他に沢山おりますので」
そういえばお嬢様は私達しかお会いしてないですものね。
そうアンナは微笑みます。
貧乏くさいとか思われて無くてよかったです。
あと、使用人の方は他に沢山いるんですね。
そりゃあ当たり前か。
こんな広さの屋敷を持っているんですもの。管理には相応の人数が必要なはず。
では、先程から中庭に面した廊下の窓からちらちらと見えるのは人影ですかね。
まだ2歳になったばかりで視力はそこまで良くないのでわかりません。
確か6歳くらいで1.0になるんでしたっけ。
早く6歳になりたいものです。
「ふぅ~ん」
何故私は4人の使用人しか会ったことがないのでしょう。
しかもラインナップは侍女、侍女長、庭師、料理長と後半が異色だと思うのですがこれはいかに。
「今屋敷には女主人がおりませんので、侍女長であり家政婦長でもあるマサ様がその役割を行っているのですよ。そのうちお嬢様がお役目を引き継ぐと思います。そうなると使用人全員覚えるでしょうし」
「う~?」
私が首を傾げれば、まだお嬢様には早かったですねとアンナが微笑む。
明らかに面倒そう。って思ったのですが分からないフリして正解でした。
流石に言ってることが分かる2歳児は怖い。
女主人ってなんですか。
貴族のお嬢様ってもっと優雅なものだと思っていました。
一日お茶を飲んで読書して。
たまに裁縫して。
そうじゃなさそうな気配です。
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