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6.妻の実家に乗り込む旦那さま
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「レティシア!どこだ!どこにいるんだ!出てきてくれないかっ!」
「閣下!勝手に中に入ってもらっては困ります!」
旦那さまはズカズカと屋敷の中に入り、私を探し回っているようだ。
「閣下!いくら妻の実家とはいえ、不法侵入ですよ!責任持って娘は明日そちらに返しますので!」
旦那さまはお父様を無視して、階段を駆け上がったようだ。
ドアの前にいる護衛に気付かれてしまった。
チッ、せっかく配備した護衛が返って仇になった。
ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ
「レティシア、そこにいるんだろ?!開けてくれないか!」
ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ
「ヴァルキラ閣下!やめてください!閣下の力でそんなに叩いたらドアが壊れてしまいます!」
「す、すまない。"ヴァルキラ閣下"なんて他人行儀な呼び方はやめてくれ!俺たちは夫婦じゃないか!いつもみたいに"旦那さま"と呼んでくれ!」
「‥‥‥‥」
「レティシア‥‥。俺は君の気に触ることをしてしまったのだろうか?とにかく一緒に帰ろう」
「‥‥‥‥」
「せめて顔を見せてくれないか?」
「酷い顔をしてるので、見せられません!」
「泣いてるのか?!俺はレティシアにそんなに辛い思いをさせたのか?!教えてくれ!」
「明日必ずヴァルキラ家に帰りますので、その時に話します」
「今じゃダメなのか?!」
「他の人には聞かれたくないんです」
「そんなに深刻な話なのか?俺は一体君に何をしたんだろうか‥‥?」
「兎に角、明日必ず帰ることをお約束しますので、今日のところはお帰りいただけないでしょうか?」
「わかった。待ってるから。‥‥おやすみ、レティシア」
「気をつけてお帰りください、‥‥旦那さま」
旦那さまの足音が小さくなっていく。ナンナがドアをちょこっと開ける。
「侯爵様、ふらふらしてますよ。よっぽどショックを受けてらっしゃるんじゃないですか?」
「外に出られましたよ。本当にふらふらですね。
あ、気付かれたのかな?こちらを見上げましたよ」
シャッ
カーテンを閉める。
「見なくていいんですか?何度も振り返って見上げてますよ」
「馬に乗りました。あんなにふらふらで落馬しないのでしょうか?」
ナンナが実況してくれる。
胸がチクっとする。なんでだろう。
「それにしても、お嬢様どうされたんですか?」
「夫婦の問題よ。話したくない」
「そうですか‥‥。もう詮索しません。私は弁えた侍女ですから!」
「ふふふ」
「明日に備えてゆっくりお休みなさいませ。何かありましたら、ベルを鳴らしてください。それでは失礼します」
「今日は色々とありがとうね、ナンナ」
「いえいえ」
部屋に1人になった。
明日は、言いたいこと上手く話せるだろうか。
「閣下!勝手に中に入ってもらっては困ります!」
旦那さまはズカズカと屋敷の中に入り、私を探し回っているようだ。
「閣下!いくら妻の実家とはいえ、不法侵入ですよ!責任持って娘は明日そちらに返しますので!」
旦那さまはお父様を無視して、階段を駆け上がったようだ。
ドアの前にいる護衛に気付かれてしまった。
チッ、せっかく配備した護衛が返って仇になった。
ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ
「レティシア、そこにいるんだろ?!開けてくれないか!」
ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ
「ヴァルキラ閣下!やめてください!閣下の力でそんなに叩いたらドアが壊れてしまいます!」
「す、すまない。"ヴァルキラ閣下"なんて他人行儀な呼び方はやめてくれ!俺たちは夫婦じゃないか!いつもみたいに"旦那さま"と呼んでくれ!」
「‥‥‥‥」
「レティシア‥‥。俺は君の気に触ることをしてしまったのだろうか?とにかく一緒に帰ろう」
「‥‥‥‥」
「せめて顔を見せてくれないか?」
「酷い顔をしてるので、見せられません!」
「泣いてるのか?!俺はレティシアにそんなに辛い思いをさせたのか?!教えてくれ!」
「明日必ずヴァルキラ家に帰りますので、その時に話します」
「今じゃダメなのか?!」
「他の人には聞かれたくないんです」
「そんなに深刻な話なのか?俺は一体君に何をしたんだろうか‥‥?」
「兎に角、明日必ず帰ることをお約束しますので、今日のところはお帰りいただけないでしょうか?」
「わかった。待ってるから。‥‥おやすみ、レティシア」
「気をつけてお帰りください、‥‥旦那さま」
旦那さまの足音が小さくなっていく。ナンナがドアをちょこっと開ける。
「侯爵様、ふらふらしてますよ。よっぽどショックを受けてらっしゃるんじゃないですか?」
「外に出られましたよ。本当にふらふらですね。
あ、気付かれたのかな?こちらを見上げましたよ」
シャッ
カーテンを閉める。
「見なくていいんですか?何度も振り返って見上げてますよ」
「馬に乗りました。あんなにふらふらで落馬しないのでしょうか?」
ナンナが実況してくれる。
胸がチクっとする。なんでだろう。
「それにしても、お嬢様どうされたんですか?」
「夫婦の問題よ。話したくない」
「そうですか‥‥。もう詮索しません。私は弁えた侍女ですから!」
「ふふふ」
「明日に備えてゆっくりお休みなさいませ。何かありましたら、ベルを鳴らしてください。それでは失礼します」
「今日は色々とありがとうね、ナンナ」
「いえいえ」
部屋に1人になった。
明日は、言いたいこと上手く話せるだろうか。
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