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そこの喧嘩強そうな人ー!
しおりを挟むくそーマジで話長えんだよ担任のやろー。随分時間掛かったけど、早川帰っちゃったかなぁ?
早川がいるであろう玄関に向かってる途中で何か言い合ってる声が聞こえてきた。そこにはこの高校には似合わない銀色の髪をした不良と、そいつを数人で取り囲んで何か話していた。
喧嘩かと思って少し見てると、数人の内の一人が銀髪に殴り掛かろうとした。が、それを華麗に交わす銀髪。ふーん、あいつ良い動きしてんじゃん。
これ以上は見てても意味ねぇからさっさと帰ろうとした時、叫び声がした。
「うわぁ!痛い!」
「なっなんだよいきなりっ」
振り向くと、なんと銀髪が床に倒れ込んでいて、周りはオロオロとしたいた。え、喧嘩慣れしてねぇのにたまたま当たっちゃって焦ってるとか?
にしても銀髪がやられるとか意外だったな。
「そこの喧嘩強そうな人ー!助けてー!」
「……はぁ!?」
銀髪は俺の方を向いて叫んでた。すると周りにいた奴らが一気に俺を見る。
いやいや、さっき担任に説教されたばっかよ?こんなとこで喧嘩なんかできっかよ!
「お前っ!勝手に倒れて勝手に仲間呼んでんじゃねーよ!」
「ひぃ!怖いよー!」
また殴られそうになってたからすかさず銀髪の前に出て振り下ろされた拳を掴んで止める。やっぱり素人だな。これぐらいなら余裕だ。
「おい、コイツ一年A組の……」
「まじかよ、行こうぜ!」
何かコソコソ話してたと思ったらゾロゾロとどこかへ行ってしまった。
あ?もう終わりかよ。
「いや~本当に強いね!今のカッコよかったよ~!」
「どーも。んじゃ帰るわ」
「ちょっと待ってよ。君秋山貴哉だろ?」
「だったら何?」
「間近で見るのは初めてだぁ♪俺一条紘夢!よろしくな~」
「何で俺の名前知ってんだよ」
「何でって有名人だからだよ。さっきの奴らも知ってたみたいだしね~」
あの言い方と逃げ方だと悪い意味での有名人かもな。まぁどうでもいい。さっさと行かなきゃ早川に怒られる。
歩き出すと銀髪も付いて来た。
「この後暇?貴ちゃん♪」
「気安く呼ぶんじゃねぇよ!何だ貴ちゃんて!」
「可愛いだろ?俺の事は紘たんでいいよ♪」
「誰が呼ぶか!」
「噂通りだねぇ。ねぇ暇ならお茶でもしながら話そうよ」
「忙しいからダメだ」
銀髪はどんなに冷たく言ってもしつこく付いて来る。そうこうしている内に玄関に着いてしまった。
おー、いたいた早川。怒ってねぇといいけど。
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