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2章 ご対面
7.一発死刑の重罪人
しおりを挟むシャワーを浴びた後、夕飯を外で済ませようとハラリを連れてファミレスへ来た。
モデルの仕事をしているハラリは一応体調管理には気を付けているらしい。それでも肉が好物らしく誘惑に負けて食べてしまったらその後は思い切り絞るトレーニングをしてるとか。だから一通りのメニューがあるファミレスを選んだんだ。
そして食事をしながらハラリの詳しい話を聞いた。次元とか異世界とか宇宙人とか、怪しさ満点だけどハラリの人柄が良いのもあって楽しく聞いていられた。
この時俺は、ハラリが嘘を付いていたとしても「そうなんだ」って面白おかしく聞いていればいいと思っていたんだ。
「でもな、別の次元を行き来出来るって言っても簡単には出来ない。一般人の俺はある条件が揃って無いと飛べないんだ。それに好きな所へ行ける訳じゃない。毎回ランダムだ。そのせいで俺はこの旅を始めてから一度も元の世界に帰れた事はないんだ」
「えっ!それってヤバいんじゃないか?」
「ヤバいのかもな。でも戻れないもんは仕方ねぇ。今んとこちゃんと生きてるし、戻れるまで旅を続けようと思ってるよ」
「俺と会った時死にかけてたよな?」
「ああ、あれはここの星の奴らが冷たいからだ。あと別の次元を跨ぐ時に大量のカロリーを消費すんだけど、それが痛かったな。今回はまともに蓄えずにやっちまったからここへ来た時立つ事さえ出来なかった」
「命懸けかよ!」
「まぁな!だから次にやる時は目一杯肉食うわ♪」
明るく笑いながら話してるけど、もしハラリの言う事が本当ならとても危険な行為なんじゃないか?
そもそも俺が生きているこの世界にはあり得ない話だし、まぁ話を完全には信じてないけどハラリの行動や言動に矛盾してる所が今の所は無いからな。
「ところで、カロリーを蓄えるのはいいけど、お金は持ってんのか?ここの世界とハラリの世界って通貨は共通なの?」
「たまに訳の分からない通貨に当たるけど、大抵は一緒だぞ。若干違うとこはあるけど、次元が違うってだけで時間は同じスピードで流れてるからな。俺は別に過去や未来を行き来してる訳じゃない。現に言葉も不自由なく使えてるしな」
「なるほど!でもランダムなんだろ?この星のほとんどは海とかだけど、危ない所に行っちゃう事はないの?」
「海とかは無い。必ず人がいる場所へ行くようになってるよ。それは俺がそうなるようにイメージしてるからだ」
「イメージしただけで好きな所に行けるなんて凄いな」
「結構難しいんだぜ?だから誰でも出来る訳じゃない。さっきも言った通り大量のカロリーを消費するから、病弱な奴や子供、年寄りなんかには負荷が掛かり過ぎて無理。そんで、頭の弱い奴にも無理だな。イメージする時に他の事考えたりしたらとんでもねぇとこに飛んだり、飛ぶどころかそのままジエンドって事もあり得るらしいからな」
「怖っ!俺絶対やりたくない!」
「やらなくていいって。ただ俺が自分で望んでやってるだけだから。ちなみにこんな事やるのなんてマジで頭狂った奴とかぐらいだぜ?だって他の次元に行き来するのは一発で死刑レベルの重罪だからな」
「ん!?罪になるのか!?」
「おう。俺もこのやり方はモデル仲間に教えてもらったんだけど、思えばそいつの事ろくに知らねぇんだわ。もしかしたらそいつも別の次元から来てた宇宙人だったのかもな~」
どこまでも明るく楽しそうに話すハラリ。
死刑とか重罪とかってそんな笑って話せる事だったっけ?
俺が知る限りではそんな法律は無かったと思うけど、もし本当だったなら俺の身の回りにも知らないだけで他にもハラリのような次元を越える旅をしてる重罪人がいるのかもな。
それも自分にかなりのリスクを負ってまで、全く別の世界に飛び込むなんて恐ろしく思う。だけど、少しだけ羨ましくも思えた。
だって、ハラリがあまりにも楽しそうに話すから。
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