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2章 ご対面
9.会いに来たのに!
しおりを挟む夜日付が変わるか変わらないかって頃、昼間寝過ぎた俺は眠くなるまで動画を見て過ごしていた。ハラリは寝室のベッドの横に敷いてあげた布団で寝ている。
うーん、なんか小腹空いたなぁ。甘い物食べたいかも?
俺はふと思い付いてコンビニへ買い物に行こうと思った。一応ハラリが寝てるか確認してからいざ出発。一番近いコンビニならマンションの近くにあるけど、敢えて少し歩いた所のコンビニを目指す。
その理由は飯野さんがいるから~♪今日もシフト入ってるって言ってたからこの時間ならいる筈だ。
俺はワクワクしながらバイト先のコンビニへ向かった。
コンビニに到着すると、早速深夜帯の一人がゴミ袋を抱えて外に出て来ていた。引き継ぎで何度か話した事がある人で、20歳のフリーターの男だ。高須さんって言って、綺麗で優しくて話しやすい人~♪
「高須さーん♪お疲れっす~♪」
「あれー、奏多じゃん。こんな時間に夜遊びー?大学生やってんな~」
「夜遊びなんかしてませんって~。家で動画見てたんですけど、甘い物食べたくなっちゃって♪スイーツ残ってますかー?」
「あー、どうだろ?今日あんま残って無かったかもー。さっき飯野くんが廃棄と分けてたけど」
「そんじゃ飯野さんに聞いてみます♪」
そうそう、スイーツもだけど、飯野さんに挨拶しなくちゃな♪
高須さんとの会話もそこそこに、店の中に入る。客はいないようで、レジには飯野さんが一人でいた。俺に気付いたけど、すぐに目を逸らした。
うわ、仕事モード入ってんじゃん!
「飯野さん会いに来ましたー♪」
「いらっしゃいませー」
「何ですかその他人行儀な挨拶はー?」
「うるさい。仕事の邪魔するなら帰れ」
「もー相変わらずだなぁ~。でも知ってるもーん♪飯野さんは本当は優しくて照れ屋なんですよね~♪」
俺は知っている!こんなに冷たくても実は優しくてデレも持ち合わせている事を!
俺が飯野さんに絡んでると、外から戻って来た高須さんが入って来た。
「凄いね奏多。飯野くんと仲良くなるなんて♪」
「でしょー?もー苦労しましたよぉ~。でも飯野さんって可愛いとこもあって~」
「おい。迷惑だからさっさと帰れ」
俺が機嫌良く話してると鋭い切れ長の目で睨んで来た。怒ってるなー。でもなぁ、ハラリみたいに笑ったとこ見たいんだよなぁ。
「奏多!スイーツ買いに来たんだろ!?飯野くんスイーツ残ってた?」
「あった。シュークリームとプリン。あと大福が何個か」
「じゃあシュークリームにしようかなー?」
高須さんに言われてもう一つの目的を思い出してスイーツが置いてある棚に向かう。あ、ハラリにも買って行こうかな。でもモデルやってるらしいし甘いのとかは食べないかな?でもカロリー摂取しなきゃいけない時もあるんだから食べない事はないよな?
俺はハラリの分もとシュークリームとプリンをひとつずつ持ってレジへ行く。
飯野さんが対応してくれたけど、相変わらずの無愛想っぷりにちょっとガッカリだった。やっぱり仕事中はデレを見せてはくれないか。
「これ、お前一人で食うのか?」
「え?知り合いの分ですけど?」
「ふーん」
「あれれ?飯野くんから話し掛けてるの珍しい~。本当に仲良くなったんだね」
むむ?飯野さんから話し掛けるのって珍しい事なのか!なんかちょっと嬉しい~♪
「別に、仕事は出来ないのに一丁前に食うんだなって思っただけ」
「とか言って普段俺にもこんな話さないじゃん?確か昨日初めて一緒に入ったんだよな?朝仲良く帰って行ったっての本当だったんだ~」
「はい♪俺と飯野さんって仲良しですよー♪朝ごはんも一緒に食べたし、今度飯野さんちにも遊びに行くんです♪」
「そんなに仲良いの!?」
「あれはお詫びの気持ちだ!遊びに来るなんて約束もしてないだろ!」
「えー、言ったじゃないですか!次は遊びに行くって!そしたらああって答えてくれたじゃないですか!」
「分かった分かった~。二人が仲良いのはよーく分かったから騒がないの~」
絶対いいって言ってたもんね!
高須さんに宥められたけど、飯野さんは顔をふいっとして奥へ消えて行った。
あーもう!何で普通に話してくれないかなぁ!?朝の飯野さんの方が絶対良いのに!
俺は悶々としたままマンションへ帰った。
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