【完結】君が教えてくれたモノ

pino

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2章 ご対面

10.俺が守る!

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 部屋に帰るとハラリの姿が見当たらなかった。布団は敷きっぱなしで、靴が無かったから出掛けたんだと思う。
 鍵渡してないけど、帰ってくるのかな?ここオートロックだから出る分には問題無いけど、入る時は鍵がないと面倒なんだよな。

 とりあえず買って来たスイーツを冷蔵庫に入れて、シャワーを浴びてしばらく待つ事にした。
 なんだかんだもう2時になるのかぁ。先に寝ててもいいけど、もしハラリが帰って来たら入れないだろうしなぁ。

 そんな事を考えながらソファでスマホをいじってると、インターフォンが鳴った。
 ハラリだ!と思って急いでモニターで確認すると、笑顔のハラリが映っていた。だけど、どこか違和感がある。ん?ハラリの左の頬が腫れてる?


「おかえりー!今開ける~」


 終始ハラリはいつものようにニコニコしていた。
 そして間もなくしてハラリが部屋の前まで到着したからドアを開けてあげると、いきなり倒れ込んで来た。
 ええ!?どうした!?てかハラリってばやけに泥だらけじゃないか?汗も凄いし、なんか息も荒い?


「ただいま……」

「どうしたんだ!?」


 絶対に普通じゃない状態のハラリの肩を掴んで顔を見ようとすると、綺麗な横顔は赤く腫れて微かに血が滲んでいた。
 と、とにかく中に入れて手当てしなきゃ!救急箱どこだっけ!?てかうちに手当てするような物あったっけ!?絆創膏ぐらいしかないぞ!

 ハラリは大分弱っていて、力無く俺にもたれていたからしっかり体を支えてリビングのソファまで運んだ。
 この時思ったけど、ハラリは思っていたよりも細かった。身長は俺より全然あるけど、線が細い感じ。

 ソファに座らせてあげると、ハラリは背もたれにドカッ倒れるように身を任せながらニッと笑って謝って来た。


「悪ぃな。ちと喧嘩して来た」

「喧嘩って、誰と!?」


 こうして離れて見ると、ハラリはかなり傷だらけだった。着ていた柄シャツはところどころ破け、血も薄っすらと滲んでいた。
 良くここまで辿り着けたなって言うぐらいぐったりしている。そして、何でこんな状態なのに笑顔でいられるのか不思議だった。


「あー、簡単に言うと俺がいるべき次元の奴?どうやら追いつかれたらしい」

「そう言えばハラリって犯罪者なんだっけ。追いつかれたって、警察とかに?」

「警察っちゃ警察なんだけど、ちと特殊な奴でよ。普通の警察とは違って特殊な訓練を受けて育った奴らでさ、俺みてぇな次元越えをする奴らを取り締まってる超エリート達だよ」

「その人達にやられたのか?酷い……」

「いんや。相手は一人だ。奴らは絶対にピンで動いてる。理由は他の次元の住人に見つからない為だ。ルールとして他の次元で生きる人間とは関わっちゃダメってのがあるらしい。話しても目を合わせてもダメ。存在を認識されたらアウトだ」

「でも、ハラリは俺と話してるし目を合わせてるじゃん!俺はもうハラリを知ってるぞ!」

「ハハ!ちげぇねぇ。元々俺はこの次元で生まれた個体じゃねぇ。そんなのがいきなり混じってみ?何がきっかけで奏多の人生が歪んで拗れるか分からねぇな。だから絶対に関わっちゃダメなんだ。でも俺はそんなの無視するぜ。だってよ、人間ってどの次元に行っても面白いじゃん?」


 「ハハハ」と大きな声で笑って楽しそうに話すハラリ。そんな事思いもしなかったけど、ハラリの言う通り、今まで存在しなかったハラリが現れていろいろやっちゃうと拗れるって言うのは分かる気がする。
 でも、そんなのは些細な歪みなんじゃないか?
 ただ今この瞬間にハラリと出会って過ごしてる。それだけじゃん。それの何が拗れるって言うんだ?


「ハラリ!俺はハラリの言う事に賛成だ!俺も人間は好きだよ。話し掛けたら返って来るとすげぇ嬉しいし、安心するよな」

「ん。やっぱり奏多はいいな♪それと安心しろ。奴らは絶対にルールを破らないから次に現れるとしても俺が一人になった時だけだ。だから奏多が危なくなるとかはねぇからよ」

「そんなの気にしてねぇよ!てか俺がハラリを守ってやる♪だからハラリは安心して休んでよ。着替え持って来るな」

「奏多……サンキュー♪」


 俺の前には現れないって事はハラリを一人にしなければいいんだな!
 そんなの簡単じゃん♪ずーっと俺が付いてればいいって事だろ?この家にいれば問題無いし、出掛ける時もハラリに付いて来てもらえばいい。

 とりあえず今はハラリの傷と疲れを回復させなきゃだな。
 俺が着替えを待ってハラリの元へ戻ると、既に気持ち良さそうに寝ていた。

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