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第47話 初めてのお留守番
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一方その頃、アリィは買って来た本を夢中で読んでいた。
それはこの世界における人族や魔物のことが詳しく書かれている、謂わば図鑑のようなモノだった。
「ふみゅ.. zzz」
ふと隣を見ると、リオが絵本を読みながら舟を漕いでいた。アリィは苦笑しながら、
「リオちゃん、寝ていいですよ? 私が起きて待ってますから」
「やだ! リオも待って...zzz」
ユウ達が戻るまで待ってると言って聞かなかったリオは、結局睡魔には勝てず熟睡してしまった。アリィはリオを起こさないよう注意しながらソファーに寝かせて毛布を掛けてあげた。
読書に戻ろうとしたアリィの耳に、誰かの話し声が聞こえたのはその時だった。
「な、なんだこりゃあ!? なんだってこんな所に家が建ってやがんだ!?」
「しかもこんな家、見たことねぇぞ!?」
「新手のダンジョンかなんかなのか!?」
声は外から聞こえて来る。アリィはそっと窓から覗いてみた。松明が何個かユラユラと揺れているのが見える。どうやら人間が何人か外に居るようだ。
「どどどどうしよう...」
アリィはパニックになった。
「良く分かんねぇけど、お宝の匂いがプンプンしやがるぜぃ!」
「よっしゃあ! 早速中に入ってみようぜぃ!」
マズい! 中に入られたら守る手段が無い! リオを起こして...いや、その前に買って来た弓矢を装備して...あぁ、でも私、一度も矢を放ったことが無い! どうしようどうしよう!
パニックに陥ったアリィは、出掛ける前にユウが家全体をバリヤで囲ってくれたことをすっかり忘れていた。
「な、なんだこれ!? 中に入れねぇぞ!?」
「誰か裏に回れ! お前らは左、お前らは右だ! どこかに隙があるはずだ! 探せ!」
「だ、ダメだ! 裏も入れねぇ!」
「右もだ!」「左も!」
「クソッ! どうなってやがる!? お宝を目の前にして、指を咥えて見てろってか!?」
「ふざけんなよっ! クソッたれ!」
そんな声が外から聞こえて来て、安心したのかアリィはへなへなとその場に踞ってしまった。だが安心したのも束の間、そろそろユウとラキが戻って来る時間ではないのか?
ドラゴンに乗っているであろうユウの姿を見られるのはマズいのでは? だが、せめて外の連中が諦めて引き上げるまで帰って来ないように伝えたくても連絡手段が無い。
「あぁもう! なんでこの世界、携帯電話が無いのよ!」
無い物ねだりしてもしょうがないのは分かっているが、つい愚痴りたくなったアリィであった。
◇◇◇
その頃、ユウとラキはまさに帰宅途中であった。
「うん? ユウよ、家の周りに誰かおるぞ?」
ユウが目を剥いた。
「なに!? こんな所に一体誰が!?」
「良く見えんが...こんな時間にうろちょろしている輩といえば恐らく盗賊じゃろうな」
「そうか...念のため、家の周りをバリヤで囲っておいて良かった...」
ユウはホッと息を吐く。
「そのバリヤとやらは、お主が離れても消えることは無いのか?」
「あぁ、実証済みだ。その連中が中に入ることは出来無いが、中に居るアリィとリオはさぞかし怖い思いをしてることだろう...」
「だったら、あやつらも怖がらせてやろうぞ」
そう言ってラキはおもいっきり息を吸い込んだ。そして...
「グオォォォォッーーーーー!!!!!」
「うわぁ! ドラゴンだぁ!」「ば、化け物っ!」「に、逃げろ~!」
盗賊どもは蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
それはこの世界における人族や魔物のことが詳しく書かれている、謂わば図鑑のようなモノだった。
「ふみゅ.. zzz」
ふと隣を見ると、リオが絵本を読みながら舟を漕いでいた。アリィは苦笑しながら、
「リオちゃん、寝ていいですよ? 私が起きて待ってますから」
「やだ! リオも待って...zzz」
ユウ達が戻るまで待ってると言って聞かなかったリオは、結局睡魔には勝てず熟睡してしまった。アリィはリオを起こさないよう注意しながらソファーに寝かせて毛布を掛けてあげた。
読書に戻ろうとしたアリィの耳に、誰かの話し声が聞こえたのはその時だった。
「な、なんだこりゃあ!? なんだってこんな所に家が建ってやがんだ!?」
「しかもこんな家、見たことねぇぞ!?」
「新手のダンジョンかなんかなのか!?」
声は外から聞こえて来る。アリィはそっと窓から覗いてみた。松明が何個かユラユラと揺れているのが見える。どうやら人間が何人か外に居るようだ。
「どどどどうしよう...」
アリィはパニックになった。
「良く分かんねぇけど、お宝の匂いがプンプンしやがるぜぃ!」
「よっしゃあ! 早速中に入ってみようぜぃ!」
マズい! 中に入られたら守る手段が無い! リオを起こして...いや、その前に買って来た弓矢を装備して...あぁ、でも私、一度も矢を放ったことが無い! どうしようどうしよう!
パニックに陥ったアリィは、出掛ける前にユウが家全体をバリヤで囲ってくれたことをすっかり忘れていた。
「な、なんだこれ!? 中に入れねぇぞ!?」
「誰か裏に回れ! お前らは左、お前らは右だ! どこかに隙があるはずだ! 探せ!」
「だ、ダメだ! 裏も入れねぇ!」
「右もだ!」「左も!」
「クソッ! どうなってやがる!? お宝を目の前にして、指を咥えて見てろってか!?」
「ふざけんなよっ! クソッたれ!」
そんな声が外から聞こえて来て、安心したのかアリィはへなへなとその場に踞ってしまった。だが安心したのも束の間、そろそろユウとラキが戻って来る時間ではないのか?
ドラゴンに乗っているであろうユウの姿を見られるのはマズいのでは? だが、せめて外の連中が諦めて引き上げるまで帰って来ないように伝えたくても連絡手段が無い。
「あぁもう! なんでこの世界、携帯電話が無いのよ!」
無い物ねだりしてもしょうがないのは分かっているが、つい愚痴りたくなったアリィであった。
◇◇◇
その頃、ユウとラキはまさに帰宅途中であった。
「うん? ユウよ、家の周りに誰かおるぞ?」
ユウが目を剥いた。
「なに!? こんな所に一体誰が!?」
「良く見えんが...こんな時間にうろちょろしている輩といえば恐らく盗賊じゃろうな」
「そうか...念のため、家の周りをバリヤで囲っておいて良かった...」
ユウはホッと息を吐く。
「そのバリヤとやらは、お主が離れても消えることは無いのか?」
「あぁ、実証済みだ。その連中が中に入ることは出来無いが、中に居るアリィとリオはさぞかし怖い思いをしてることだろう...」
「だったら、あやつらも怖がらせてやろうぞ」
そう言ってラキはおもいっきり息を吸い込んだ。そして...
「グオォォォォッーーーーー!!!!!」
「うわぁ! ドラゴンだぁ!」「ば、化け物っ!」「に、逃げろ~!」
盗賊どもは蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
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