絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

文字の大きさ
47 / 130

第47話 初めてのお留守番

しおりを挟む
 一方その頃、アリィは買って来た本を夢中で読んでいた。

 それはこの世界における人族や魔物のことが詳しく書かれている、謂わば図鑑のようなモノだった。

「ふみゅ.. zzz」

 ふと隣を見ると、リオが絵本を読みながら舟を漕いでいた。アリィは苦笑しながら、

「リオちゃん、寝ていいですよ? 私が起きて待ってますから」

「やだ! リオも待って...zzz」

 ユウ達が戻るまで待ってると言って聞かなかったリオは、結局睡魔には勝てず熟睡してしまった。アリィはリオを起こさないよう注意しながらソファーに寝かせて毛布を掛けてあげた。
 
 読書に戻ろうとしたアリィの耳に、誰かの話し声が聞こえたのはその時だった。

「な、なんだこりゃあ!? なんだってこんな所に家が建ってやがんだ!?」

「しかもこんな家、見たことねぇぞ!?」

「新手のダンジョンかなんかなのか!?」

 声は外から聞こえて来る。アリィはそっと窓から覗いてみた。松明が何個かユラユラと揺れているのが見える。どうやら人間が何人か外に居るようだ。

「どどどどうしよう...」

 アリィはパニックになった。

「良く分かんねぇけど、お宝の匂いがプンプンしやがるぜぃ!」

「よっしゃあ! 早速中に入ってみようぜぃ!」

 マズい! 中に入られたら守る手段が無い! リオを起こして...いや、その前に買って来た弓矢を装備して...あぁ、でも私、一度も矢を放ったことが無い! どうしようどうしよう!

 パニックに陥ったアリィは、出掛ける前にユウが家全体をバリヤで囲ってくれたことをすっかり忘れていた。

「な、なんだこれ!? 中に入れねぇぞ!?」

「誰か裏に回れ! お前らは左、お前らは右だ! どこかに隙があるはずだ! 探せ!」

「だ、ダメだ! 裏も入れねぇ!」

「右もだ!」「左も!」

「クソッ! どうなってやがる!? お宝を目の前にして、指を咥えて見てろってか!?」
 
「ふざけんなよっ! クソッたれ!」

 そんな声が外から聞こえて来て、安心したのかアリィはへなへなとその場に踞ってしまった。だが安心したのも束の間、そろそろユウとラキが戻って来る時間ではないのか?

 ドラゴンに乗っているであろうユウの姿を見られるのはマズいのでは? だが、せめて外の連中が諦めて引き上げるまで帰って来ないように伝えたくても連絡手段が無い。

「あぁもう! なんでこの世界、携帯電話が無いのよ!」

 無い物ねだりしてもしょうがないのは分かっているが、つい愚痴りたくなったアリィであった。  


◇◇◇


 その頃、ユウとラキはまさに帰宅途中であった。

「うん? ユウよ、家の周りに誰かおるぞ?」

 ユウが目を剥いた。

「なに!? こんな所に一体誰が!?」

「良く見えんが...こんな時間にうろちょろしている輩といえば恐らく盗賊じゃろうな」

「そうか...念のため、家の周りをバリヤで囲っておいて良かった...」

 ユウはホッと息を吐く。

「そのバリヤとやらは、お主が離れても消えることは無いのか?」

「あぁ、実証済みだ。その連中が中に入ることは出来無いが、中に居るアリィとリオはさぞかし怖い思いをしてることだろう...」

「だったら、あやつらも怖がらせてやろうぞ」

 そう言ってラキはおもいっきり息を吸い込んだ。そして...

「グオォォォォッーーーーー!!!!!」 
 
「うわぁ! ドラゴンだぁ!」「ば、化け物っ!」「に、逃げろ~!」

 盗賊どもは蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

処理中です...