王妃候補に選ばれましたが、全く興味の無い私は野次馬に徹しようと思います

真理亜

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「ど、どうしよう...」

 ファリスは、目の前で閉められたライラの部屋のドアの前で頭を抱えていた。

 あの後、急いで後を追い掛けたのだが、ライラは聞く耳持たずと言った体で振り向きもせずに自室のドアの向こうに消えた。

「こ、このままじゃ殿下との約束を果たせない...」

 ファリスはヨロヨロと力無くその場を離れ、ミハエルの執務室を目指して歩き始めた。

「取り敢えず、殿下には報告と言うか相談をしないと...」

 遠慮がちにミハエルの執務室のドアをノックするファリスだが、中からはなんの応答もなかった。訝しく思いながらもう一度ノックしようした時、

「はい、なにかご用でしょうか?」

 ドアが開いてミハエルの秘書官が顔を出した。

「あ、あの...ミハエル殿下にお会いしたいんですが...」

「お約束はございますか?」

「い、いえ...すいません...ありません...」

 ファリスは小さく縮こまりながら申し訳無さそうに呟いた。

「殿下はただいま閣議に出られております」

「あ、そうなんですね...」

 例の隣国との関係が拗れそうだと言う件に関してなのだろう。ファリスは納得して軽く頷いた。

「伝言がございましたら承りますが?」

「そうですね...じゃあお願いします...時間が空いた時で構いませんので、ファリスが会いたがっているとお伝え下さいませ...」

「畏まりました」


◇◇◇


 その日の夜遅く、ファリスがそろそろベッドに横になろうとした時だった。ファリスの部屋のドアがノックされた。

「はい、どちら様?」

 夜更けと言うこともあり、ちょっと警戒しながらファリスはドア越しに誰何した。

「こんな遅い時間に申し訳ございません。ミハエル殿下がお会いになられるそうです」

 ミハエルの秘書官の声だった。ファリスはホッとしてドアを開ける。

「ご連絡ありがとうございます。場所はミハエル殿下の執務室ですか?」

「いえ、談話室でございます。ご案内致します」

「分かりました。お願いします」

 遅い時間と言うことを考慮したのだろう。ミハエルの心遣いにファリスは感心した。


◇◇◇


 ファリスが談話室に着いた時、既にミハエルは先に来て席に着いていた。

「ミハエル殿下、お忙しいところ申し訳ございません」

 開口一番、まずファリスは頭を下げた。

「あぁ、別に構わない。それで? なにかあったのか?」

 ミハエルはかなり疲れていたのだが、それを顔に出さずに応対した。

「はい...その....私の個人面談に関してなのですが...」

「うん」

「ライラさんから同席はしないと言われてしまいまして...」

「...そうか...」

 ややあってミハエルは重々しく頷いた。
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