ようこそ、追放村へ!~冤罪で婚約破棄され国外追放された4人の令嬢達

真理亜

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「どうしようか? まずは自己紹介から行っとく?」

 少し落ち着いてからシイナが3人の令嬢達に話し掛けた。3人とも一様に腰を抑えながらではあるが頷いた。

「じゃあまずは私からね。名前はシイナ。イースト王国出身のただのシイナよ。勘当される前は公爵令嬢で王太子の婚約者だったんだけどね...」

 そこでシイナはいったん言葉を切って、顔を曇らせてから続けた。

「王太子がね、とある男爵令嬢に入れ上げちゃって...私は何度も注意したんだけど聞き入れてくれなくて...その内に私が嫉妬に狂って男爵令嬢を虐めたなんて噂になっちゃったのよね...もちろん私はそんなことしてないよ? 婚約者の務めとしてしっかりと諌めだだけ。それが気に入らなかったんでしょうね...濡れ衣を着せられて断罪されて今ここに居るってな訳よ...」

 シイナは最後、自嘲気味に纏めて話を終えた。場がシーンと静まり返ってしまった。

 その沈黙を破ったのは、ウエスト王国側から滑り降りて来た令嬢だった。

「なんて言ったらいいのか...凄いデジャヴを感じるんだけど...アタシの名はカレン。ウエスト王国出身のただのカレンだ。これでも元は伯爵令嬢だったんだけどね...」

 そこでいったんカレンは言葉を切って、顔を曇らせてから続けた。

「アタシの家は武家でね。アタシも子供の時から女だてらに剣の腕を磨いていた。そんなアタシにも婚約者が居た。騎士団長の息子でね。公爵子息だった。性別は違えど同じ剣の道を歩む同士。アタシ達は切磋琢磨しながら良い関係を築いていた...はずだった...あの男爵令嬢が現れるまでは...」

 カレンは遠い目をした。

「婚約者に纏わり付くようになった男爵令嬢が不快でね。何度も注意したんだが...その後はさっきシイナが言ったのと全く同じ道を歩んでここに至るって訳だよ...」

 カレンの話が終わった後、また場が沈黙に包まれた。次に口を開いたのは、サウス王国側から滑り降りて来た令嬢だった。

「類は友を呼ぶと言いますか...わたくしはミレイと申します。サウス王国出身のただのミレイですわ。元は侯爵令嬢でしたが...」

 そこでいったんミレイは言葉を切って、顔を曇らせてから続けた。

「わたくしの家は魔法に長けた家でした。父は国から魔道騎士団長の位を頂いていた程です。わたくしも幼い頃から魔法の修行を重ね、若手ではNo.1という評価を頂いていた程でした。そんなわたくしを王家が見初めて、第2王子との婚約が結ばれることになりました。政略目的ではありましたが、わたくし達は良好な関係を続けておりました。先程カレンさんがおっしゃったように、あの男爵令嬢が現れるまでは...」

 ミレイは沈痛な表情を浮かべて涙ぐんでしまった。

「そこまででいいよ...結末はアタシ達と同じなんだろ?」

 カレンが優しくそう言うとミレイは静かに頷いた。

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