ようこそ、追放村へ!~冤罪で婚約破棄され国外追放された4人の令嬢達

真理亜

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「フウカ...あなた、ここから脱出できた者は誰も居ないって知ってて言ってる?」

 シイナが呆れたような口調でそう言った。

「えぇっ!? そうなの!?」

 どうやらフウカは知らなかったようだ。

「当たり前だろ? だからアタシ達はここに落とされたんだから」

「わたくし達は追放されたんですのよ? お忘れで?」

 カレンとミレイも冷めたような口調でそう言った。

「い、いや、それはそうなんだろうけどさ...ボクはどっかに抜け道とかがあってさ、そこからコッソリ抜け出せるんじゃないのかなって軽く考えていたよ...」

「んな訳ねぇだろ...お前どこまで楽観主義なんだよ...」

「それじゃあ犯した罪を償うことになりませんでしょう? まぁもっとも、わたくし達の場合は全て冤罪のようですけどね...」

「そ、そんなぁ...」

 ようやく現状を理解したのか、フウカがその場に崩れ落ちた。

「さてと、アホは放っておいて...これから先どうするよ...」

 仕切り直すようにカレンが言った。

「まずは村の探索を行いましょう。もっとも村って言っても、家が一軒も建って無いんだけどね...」

 シイナが周りを見渡してガッカリしたような表情を浮かべた。

「賛成ですわ。参りましょう。ほら、フウカさんも。参りますわよ?」

 ミレイが崩れ落ちているフウカに声を掛ける。だがフウカはなにやらブツブツと呟いてると思ったら、やおら立ち上がってこう言った。

「そうだよ! 魔法だよ!」

「はぁっ!?」

「いきなりなに喚いてんの? コイツ?」

「今度はなんなんですの...」

 3人が呆れているが、フウカはどこ吹く風と言った感じで、

「魔法でこの崖を登ればいいじゃんか!」

 そう高らかに告げたのだった。

「無理ですわよ...」

 ミレイが即答した。

「な、なんでぇ!? ミレイって凄い魔法使うなんでしょ!? パァーって登ってビューンっと降り立ったり出来るんじゃないの!?」

「この崖どれだけ深いと思ってるんですの? 空でも飛べない限り無理に決まってますでしょ?」

「魔法で空飛べないの?」

「そんな魔法があったら逆に教えて欲しいくらいですわよ。ちなみにフウカさん、あなたは魔法が使えるのかしら?」

「いやボクは全く...」

「ハァッ...」

 ミレイは疲れたようにため息を一つ吐いた。

「フウカさん、魔法は万能じゃないんですのよ? 良く覚えておいて下さいな」

「うぅ...わ、分かったよ...」

 フウカは項垂れてしまった。

「さぁ、話も纏まったことだし、この村の探索に向かいましょうか」

 シイナが全員を見回してそう言った。


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