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第44話 ちみっこと魔法訓練 その4
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結局、アタシはみんなに謝罪した。
メンバー分けの時の本音を正直に白状した。アタシの浅慮のせいで危うくみんなを危険に晒す所だったので、チキンなハートが耐えられなかったからだ。
「はぁ、そういうことでしたのね...でもまぁ、皆さん無事だった訳ですし、謝罪は必要ありませんわよ。そもそも二手に分かれることを提案したのは私ですものね」
「シャロン様~!」
うぅ、ありがとう~! 普段の変態っぷりはどこへやら。こういう時はやっぱり高位貴族の懐の広さを感じるなぁ。
「それでこの後、どうすんの?」
「そりゃあすぐに男性班と合流するべきですわよ。ミナさんもそれで良いですわね?」
「Yes,Ma'am!」
もうどっちがリーダーだか分からないよ...まぁでも、自業自得なんでね。なんも言えねぇ!
「あの...またスライムが集まっているみたいなんですが...」
マリーの指摘にハッと周りを見渡せば...何時の間にやらまたスライムに囲まれそうになっていた。
「に、逃げよう!」
キリが無い。ここは三十六計逃げるに如かず! 幸い、回り込まれることはなかった。
◇◇◇
男性班と別れた場所に戻って来た。向こうはまだ戻って来てないようだ。
「まだみたいですね。苦戦してるんでしょうか?」
「魔法で攻撃するなら、スライムを相手にして苦戦することはさすがに無いと思いますが、ちょっと気にはなりますわね」
「ねぇ、なんか地面が揺れてない?」
アリシアに言われて初めて気付いた。
ズン ズン ズン ズン...
確かに規則正しく地面が揺れている。なんだろう? と訝しんでいると、
「おいっ! お前ら、早く逃げろっ!」
焦ったような殿下の声が響く。
「殿下、一体なにが...」
そこでアタシは言葉を詰まらせた。殿下の格好がほとんど裸同然だったからだ。パンツ一丁と言っても良い。その後に続くエリオットも、殿下程じゃないが露出が高くなっている。ほとんど無傷なのはシルベスターくらいだ。
「最初は良かったんだ! スライムは魔法で簡単に倒せた! そしたらヤツら、一ヶ所に集まり始めたんだ! なんだ? と思ったら、いきなり結合して大きくなりやがった! そこからは魔法が一切効かなくなったんだ! 仕方無く物理攻撃に切り替えたらこの通り!」
殿下は自分を指差して叫んだ。
「近付くと服が溶かされるんだ!」
「服だけじゃない。攻撃した武器まで溶かされるんだ」
エリオットが捕捉する。
「なるほど、だから殿下とエリオットがストリップ状態でシルベスターだけが無傷なんですね?」
「ストリップって...まぁ、そういうこと。ボクの得物は弓矢だから」
シルベスター、こんな状況でストリップって言葉に反応して赤くなるのヤメロ。
「状況は分かりました。私達が戦ったスライムと真逆の耐性を持ったスライムなんですね」
「真逆ってどういうことだ?」
「私達の時は物理攻撃が無効でした。だからシャロン様の魔法で吹き飛ばして貰ったんですが、どうやらピンチに陥ると結合して大きくなり、その上耐性まで変化するみたいですね」
「そういうことか! でもどうする? 近付くことも出来ないぞ?」
「ご安心を。私のゴーレムで攻撃します。殿下達は私達が戦っていたスライムを殲滅して下さい。まだ残ってるんで私達逃げて来たんです」
「分かった! あっ! デカブツが来たぞ! 油断するな!」
現れたのはスライムの集合体。デカい...まるで特大の気球を膨らませたみたいだ。ズンッズンッと地面を揺らしながらゆっくりと近付いて来る。
「近付くと溶かされるから注意しろ!」
と叫んだ時、殿下の最後の砦だったパンツがハラリと。
「「「「 キャアッ~♪ 」」」」
悲鳴を上げながらも、顔を覆った指の隙間からしっかりと直視したのは淑女の嗜みってヤツだ。おふぅ、殿下ったら中々に良いモノをお持ちで♪
「ひょわぁぁぁっ!」
「で、殿下、隠れて下さい!」
「で、殿下、取り敢えずこれを巻いて下さい!」
奇声を上げる殿下を庇うエリオット、大き目のタオルを手渡すシルベスター、いやぁ、臣下の鑑だねぇ。
「す、済まない...」
「アル、一先ずあなたは下がってなさいな」
「はい...」
シャロン様に諭されてシュンとなる殿下。なんだか将来の姿を見ているような気がするのは気のせいではないだろう。と、それよりもスライムに集中しないと!
「出でよっ! ゴーレム軍団っ!」
アタシは連日の訓練のお陰で20体までのゴーレムを生み出せるようになっていた。軍団と言っても過言ではないだろう。
「殲滅せよっ!」
ゴーレムがスライムに襲いかかる。溶かされてもまたすぐに生み出す。段々とスライムが小さく萎んで来たように見える。
「こっちは大丈夫! シルベスターとエリオットは私達が戦っていたスライム退治をお願い! シャロン様、案内をお願いします! アリシアとマリーは殿下を守って! 殿下は...隠して」
「「「「「 応っ! 」」」」」 「応...」
一人だけ声が小さいが、今はそっとしといてあげよう...
◇◇◇
「フウッ、やっと片付いたみたいだね」
今、アタシの目の前には、完全に萎んだスライムの後に残された、スライムの核らしきモノがある。
「これがスライムの核なのかな?」
「なんかキレイ...宝石みたいだね? 壊すの勿体無いような...」
アリシアが言う通り、真っ赤に光るそれは大きなルビーのようだった。
「う~ん、壊す前にみんなにも一度見てもらおうか?」
アタシはその核? を背中に背負ったデイバッグに一旦しまって、
「じゃあ、シャロン様達の様子を見てくるよ。アリシアとマリーは引き続き殿下をお願い」
今、殿下はマリーから借りたエプロンを身に付けている。男の裸エプロンって誰得だよっ!?
シャロン様達の所へ行くと、こっちはもう終わったみたいだ。
「結局、スライムは結合しなかったんですか?」
「えぇ、最初に私達が粗方片付けたからかしらね。結合する前に殲滅出来たみたいよ」
「良かったです。それでこれを見て貰いたいんですが」
アタシはディバッグから例の核モドキを取り出そうとしたが、なんか変だ。妙に軽い。さっき入れた時は結構重かったのに。まさかっ! ディバッグの底に穴が開いていた。
「ウソッ!? 途中で落としちゃった!?」
慌てて振り向いたアタシの後ろから妙な音が。
「「「 ブッホォォォッ! 」」」
何事!? 三人とも鼻血吹き出してんだけど!?
「み、ミナ、お尻の所が...」
シルベスターに言われて後ろを見てみる。そういやなんだかスースーするような!?
「ミギャャャァッ!」
服が溶けてお尻が丸出しになってるぅぅぅっ! 見られた! 見られた! また見られた~! もうお嫁に行けない~! ってか、もうアタシはお嫁に行かない~!
メンバー分けの時の本音を正直に白状した。アタシの浅慮のせいで危うくみんなを危険に晒す所だったので、チキンなハートが耐えられなかったからだ。
「はぁ、そういうことでしたのね...でもまぁ、皆さん無事だった訳ですし、謝罪は必要ありませんわよ。そもそも二手に分かれることを提案したのは私ですものね」
「シャロン様~!」
うぅ、ありがとう~! 普段の変態っぷりはどこへやら。こういう時はやっぱり高位貴族の懐の広さを感じるなぁ。
「それでこの後、どうすんの?」
「そりゃあすぐに男性班と合流するべきですわよ。ミナさんもそれで良いですわね?」
「Yes,Ma'am!」
もうどっちがリーダーだか分からないよ...まぁでも、自業自得なんでね。なんも言えねぇ!
「あの...またスライムが集まっているみたいなんですが...」
マリーの指摘にハッと周りを見渡せば...何時の間にやらまたスライムに囲まれそうになっていた。
「に、逃げよう!」
キリが無い。ここは三十六計逃げるに如かず! 幸い、回り込まれることはなかった。
◇◇◇
男性班と別れた場所に戻って来た。向こうはまだ戻って来てないようだ。
「まだみたいですね。苦戦してるんでしょうか?」
「魔法で攻撃するなら、スライムを相手にして苦戦することはさすがに無いと思いますが、ちょっと気にはなりますわね」
「ねぇ、なんか地面が揺れてない?」
アリシアに言われて初めて気付いた。
ズン ズン ズン ズン...
確かに規則正しく地面が揺れている。なんだろう? と訝しんでいると、
「おいっ! お前ら、早く逃げろっ!」
焦ったような殿下の声が響く。
「殿下、一体なにが...」
そこでアタシは言葉を詰まらせた。殿下の格好がほとんど裸同然だったからだ。パンツ一丁と言っても良い。その後に続くエリオットも、殿下程じゃないが露出が高くなっている。ほとんど無傷なのはシルベスターくらいだ。
「最初は良かったんだ! スライムは魔法で簡単に倒せた! そしたらヤツら、一ヶ所に集まり始めたんだ! なんだ? と思ったら、いきなり結合して大きくなりやがった! そこからは魔法が一切効かなくなったんだ! 仕方無く物理攻撃に切り替えたらこの通り!」
殿下は自分を指差して叫んだ。
「近付くと服が溶かされるんだ!」
「服だけじゃない。攻撃した武器まで溶かされるんだ」
エリオットが捕捉する。
「なるほど、だから殿下とエリオットがストリップ状態でシルベスターだけが無傷なんですね?」
「ストリップって...まぁ、そういうこと。ボクの得物は弓矢だから」
シルベスター、こんな状況でストリップって言葉に反応して赤くなるのヤメロ。
「状況は分かりました。私達が戦ったスライムと真逆の耐性を持ったスライムなんですね」
「真逆ってどういうことだ?」
「私達の時は物理攻撃が無効でした。だからシャロン様の魔法で吹き飛ばして貰ったんですが、どうやらピンチに陥ると結合して大きくなり、その上耐性まで変化するみたいですね」
「そういうことか! でもどうする? 近付くことも出来ないぞ?」
「ご安心を。私のゴーレムで攻撃します。殿下達は私達が戦っていたスライムを殲滅して下さい。まだ残ってるんで私達逃げて来たんです」
「分かった! あっ! デカブツが来たぞ! 油断するな!」
現れたのはスライムの集合体。デカい...まるで特大の気球を膨らませたみたいだ。ズンッズンッと地面を揺らしながらゆっくりと近付いて来る。
「近付くと溶かされるから注意しろ!」
と叫んだ時、殿下の最後の砦だったパンツがハラリと。
「「「「 キャアッ~♪ 」」」」
悲鳴を上げながらも、顔を覆った指の隙間からしっかりと直視したのは淑女の嗜みってヤツだ。おふぅ、殿下ったら中々に良いモノをお持ちで♪
「ひょわぁぁぁっ!」
「で、殿下、隠れて下さい!」
「で、殿下、取り敢えずこれを巻いて下さい!」
奇声を上げる殿下を庇うエリオット、大き目のタオルを手渡すシルベスター、いやぁ、臣下の鑑だねぇ。
「す、済まない...」
「アル、一先ずあなたは下がってなさいな」
「はい...」
シャロン様に諭されてシュンとなる殿下。なんだか将来の姿を見ているような気がするのは気のせいではないだろう。と、それよりもスライムに集中しないと!
「出でよっ! ゴーレム軍団っ!」
アタシは連日の訓練のお陰で20体までのゴーレムを生み出せるようになっていた。軍団と言っても過言ではないだろう。
「殲滅せよっ!」
ゴーレムがスライムに襲いかかる。溶かされてもまたすぐに生み出す。段々とスライムが小さく萎んで来たように見える。
「こっちは大丈夫! シルベスターとエリオットは私達が戦っていたスライム退治をお願い! シャロン様、案内をお願いします! アリシアとマリーは殿下を守って! 殿下は...隠して」
「「「「「 応っ! 」」」」」 「応...」
一人だけ声が小さいが、今はそっとしといてあげよう...
◇◇◇
「フウッ、やっと片付いたみたいだね」
今、アタシの目の前には、完全に萎んだスライムの後に残された、スライムの核らしきモノがある。
「これがスライムの核なのかな?」
「なんかキレイ...宝石みたいだね? 壊すの勿体無いような...」
アリシアが言う通り、真っ赤に光るそれは大きなルビーのようだった。
「う~ん、壊す前にみんなにも一度見てもらおうか?」
アタシはその核? を背中に背負ったデイバッグに一旦しまって、
「じゃあ、シャロン様達の様子を見てくるよ。アリシアとマリーは引き続き殿下をお願い」
今、殿下はマリーから借りたエプロンを身に付けている。男の裸エプロンって誰得だよっ!?
シャロン様達の所へ行くと、こっちはもう終わったみたいだ。
「結局、スライムは結合しなかったんですか?」
「えぇ、最初に私達が粗方片付けたからかしらね。結合する前に殲滅出来たみたいよ」
「良かったです。それでこれを見て貰いたいんですが」
アタシはディバッグから例の核モドキを取り出そうとしたが、なんか変だ。妙に軽い。さっき入れた時は結構重かったのに。まさかっ! ディバッグの底に穴が開いていた。
「ウソッ!? 途中で落としちゃった!?」
慌てて振り向いたアタシの後ろから妙な音が。
「「「 ブッホォォォッ! 」」」
何事!? 三人とも鼻血吹き出してんだけど!?
「み、ミナ、お尻の所が...」
シルベスターに言われて後ろを見てみる。そういやなんだかスースーするような!?
「ミギャャャァッ!」
服が溶けてお尻が丸出しになってるぅぅぅっ! 見られた! 見られた! また見られた~! もうお嫁に行けない~! ってか、もうアタシはお嫁に行かない~!
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