72 / 176
第72話 ちみっこと学園祭 その7
しおりを挟む
アニマル喫茶がカオス状態になってしまったので、アタシ達はそっと離れることにした。
ちなみにコスプレは解除している。王女殿下はそろそろお帰りの時間みたいで名残惜しそうに帰って行った。殿下とシルベスターはそれぞれ黙って出て来てしまったんで、いったん執事喫茶とお化け屋敷に戻るとのこと。
そして愚弟はさすがに反省しただろうから、この辺りで勘弁してやることにする。ただし釘を刺すことは忘れない。
「いい事、あんたはこのまま帰りなさい。もう面倒事はご免だからね。それと今日の事は父様と母様に報告するから。たっぷりお灸を据えて貰いなさい」
「そ、そんなぁ...姉ちゃん、勘弁してよ~」
「だから姉上と呼べったら!」
嫌がる愚弟を外に放り出してから、改めて学園祭を楽しむことにした。考えてみればまだほとんど回ってない。
「あ、居た居たっ! ミナ~!」
「あれ? アリシアにシャロン様? お店の方はいいの?」
「私達の当番は終わりましたから、ミナさんをお誘いしようとアニマル喫茶に行ったんですの。そしたら何やらお取り込み中のようで、ミナさんも居ないし、お探ししていたところなんですのよ?」
「何かあったの?」
「実はかくかくしかじかで...」
アタシが事の顛末を説明すると、
「え~! そんなに面白いことが起こってたの~? 見たかった~!」
「全くですわ~! 呼んで下されば良かったのに~!」
いや、あんたら呼んだらますますカオスになってただろうから、敢えて呼ばなかったんだよ。
「まあまあ、それよりも学園祭を楽しみましょうよ。お二人はどこか見に行きたい所とかあります?」
「体育館でファッションショーやってるみたいだよ? 行ってみない?」
「良いですわね。参りましょうか」
「それってコスプレじゃないよね...」
コスプレはもう勘弁!
「服飾部の主宰だから普通にドレスじゃない?」
「そっか。じゃあ行こうか」
◇◇◇
「わぁ~♪ あのドレス可愛い~♪」
ファッションショーの舞台は前世のパリコレみたいな感じだった。その上会場中に音楽も流れていて結構本格的なショーになっている。
モデルになっている娘はみんなスタイルが良くてキレイな娘ばかりだ。華やかな雰囲気に、学園祭の催し物の一つであるということを忘れてしまいそう。
アタシ達が見惚れていると、服飾部のスタッフらしき女の人が話し掛けて来た。
「あの~ もし良かったらモデルやってみません?」
「えっ? 私達?」
「はい~ そちらのお二方、とってもキレイでスタイルも抜群だからきっと映えますよ~ 如何でしょうか?」
うん、分かってた...アタシじゃないってことは...ん? なんだって? 子供服のモデルならピッタリだって? やかましいわっ! ぶっコロスぞ! はぁはぁ...いかんいかん、取り乱した。
「二人とも、行って来なよ。私ここで見てるからさ」
「そ、そう? じゃあちょっとだけ」
「行って来ますわね。ミナさん、ちょっと失礼しますわ」
羨ましくなんかないんだからね!
ちなみにコスプレは解除している。王女殿下はそろそろお帰りの時間みたいで名残惜しそうに帰って行った。殿下とシルベスターはそれぞれ黙って出て来てしまったんで、いったん執事喫茶とお化け屋敷に戻るとのこと。
そして愚弟はさすがに反省しただろうから、この辺りで勘弁してやることにする。ただし釘を刺すことは忘れない。
「いい事、あんたはこのまま帰りなさい。もう面倒事はご免だからね。それと今日の事は父様と母様に報告するから。たっぷりお灸を据えて貰いなさい」
「そ、そんなぁ...姉ちゃん、勘弁してよ~」
「だから姉上と呼べったら!」
嫌がる愚弟を外に放り出してから、改めて学園祭を楽しむことにした。考えてみればまだほとんど回ってない。
「あ、居た居たっ! ミナ~!」
「あれ? アリシアにシャロン様? お店の方はいいの?」
「私達の当番は終わりましたから、ミナさんをお誘いしようとアニマル喫茶に行ったんですの。そしたら何やらお取り込み中のようで、ミナさんも居ないし、お探ししていたところなんですのよ?」
「何かあったの?」
「実はかくかくしかじかで...」
アタシが事の顛末を説明すると、
「え~! そんなに面白いことが起こってたの~? 見たかった~!」
「全くですわ~! 呼んで下されば良かったのに~!」
いや、あんたら呼んだらますますカオスになってただろうから、敢えて呼ばなかったんだよ。
「まあまあ、それよりも学園祭を楽しみましょうよ。お二人はどこか見に行きたい所とかあります?」
「体育館でファッションショーやってるみたいだよ? 行ってみない?」
「良いですわね。参りましょうか」
「それってコスプレじゃないよね...」
コスプレはもう勘弁!
「服飾部の主宰だから普通にドレスじゃない?」
「そっか。じゃあ行こうか」
◇◇◇
「わぁ~♪ あのドレス可愛い~♪」
ファッションショーの舞台は前世のパリコレみたいな感じだった。その上会場中に音楽も流れていて結構本格的なショーになっている。
モデルになっている娘はみんなスタイルが良くてキレイな娘ばかりだ。華やかな雰囲気に、学園祭の催し物の一つであるということを忘れてしまいそう。
アタシ達が見惚れていると、服飾部のスタッフらしき女の人が話し掛けて来た。
「あの~ もし良かったらモデルやってみません?」
「えっ? 私達?」
「はい~ そちらのお二方、とってもキレイでスタイルも抜群だからきっと映えますよ~ 如何でしょうか?」
うん、分かってた...アタシじゃないってことは...ん? なんだって? 子供服のモデルならピッタリだって? やかましいわっ! ぶっコロスぞ! はぁはぁ...いかんいかん、取り乱した。
「二人とも、行って来なよ。私ここで見てるからさ」
「そ、そう? じゃあちょっとだけ」
「行って来ますわね。ミナさん、ちょっと失礼しますわ」
羨ましくなんかないんだからね!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,094
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる