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第147話 第三者視点 ミナ救出作戦 その3

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 ミナを含む全員が呆気に取られている間に、

「ハアッ!」

 アリシアはミナの拘束を外した。

「ミナ! 遅くなってゴメン!」

「ううん、助けに来てくれてありがと! アリシア、この腕輪も外して貰える?」

「オッケー!」

 パキッパキッ!

 アリシアの握力で魔封じの腕輪が粉々に砕けた。

「ありがとう! よおし、この腐れエルフども! これで形勢逆転だ! 覚悟しろ!」

「な、なにを~! 皆の者、何をしておるか! さっさと捕らえよ!」

 ミナが雄叫びを上げ、それに対して長老がエルフどもを鼓舞する。何事が起こったのか理解できず、固まっていたエルフどもがやっと動き出そうとした時だった。

「キュイ~!」

 一際甲高く鳴いたナギがマリーの腕の中から飛び出し、いつもの水竜の大きさに戻ってエルフどもを威嚇した。

「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」

 エルフどもが挙って腰を引いた。

「ナギ! 力が戻ったんだね!」

 ミナが嬉しそうに言葉を掛ける。

「キュイキュイ~♪」

 ナギも嬉しそうに答えた。そしてマリーを優しく咥え、ミナとアリシアの元にそっと運んだ。すかさずアリシアがマリーの拘束を外す。

「ミナお嬢様~! よくぞご無事で!」

 マリーが泣きながらミナを抱き締める。 

「心配掛けてゴメンね、マリー」

 ミナ優しく抱き返す。その間、ナギは威嚇を続け、アリシアも警戒し続け、メルは...一匹だけ泰然としていた。

 エルフどもはナギの大きさと迫力にビビりまくり、誰一人として動けないし口も開けない。

「落ち着いた?」

 そろそろいいかなとアリシアが声を掛ける。

「あぁ、アリシア。ゴメン、もう大丈夫」

 ミナがマリーの抱擁を外して答える。

「で!? これって一体どういう状況!?」

「この腐れエルフども! アタシを生贄にして邪竜を復活させようとしやがったんだよ!」

 ミナは怒りのせいか口調が荒っぽくなっている。

「ほほぅ...ミナを生贄にねぇ...ふっざけんなぁ! 良い度胸だなぁ! てめえらぁ! 明日の朝日を拝めると思うなよぉ!」

 ナギを上回る怒りの奔流がアリシアから迸り、エルフどもはまたもや肝を冷す。

「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」

「ナギぃ! 遠慮は要らねぇ! この邪悪な村を消滅させちまえぃ!」

 ついにミナが物騒な命令を発した。

「待て待て! ちょっと落ち着け!」

「えっ!? 精霊王様!? 力が戻ったんですか!?」

 見るとミナの頭の上に、いつも通り白い光の球がプカプカ浮いていた。

「ウム、その辺りの説明もしたいから、エルフどもに対する制裁はしばし待て」

 納得行かないながらも、まだ怒りが収まらないながらも、ミナは渋々頷いた。
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