5 / 9
旦那親戚の持ち家
人は眠れないと突拍子もないことを思いつくのだ
しおりを挟む
今まで声が聞こえたり読経が聞こえたりしていた。それに対して何も対策していなかったかというと、現実何もしていなかった。
子供を育てるので精一杯ということもあったが、「体験しているのは私一人であること」というのが何もしていなかった主な理由だと思う。もちろん夫にも一応「こんなことがあってね・・・」とさらりと話をしてはいた。夫は困惑しながら「へ~」と返すだけだった。
引っ越しをしたいという気持ちを訴えた事もあった。読経にしろ巨大ゴキブリにしろ、何かがこの家に憑いているのは私の目には明らかだった。家でなければもっとタチが悪いことに何かがこの土地に憑いているのかもしれない。
しかし私ではなく家や土地に憑いているのだったら、対策は至って簡単だ。この家から離れれば現象からは解放される。簡単で単純なことだ。しかし話は簡単にも単純にも進まなかった。
一応、夫の名誉のためにも言っておくが夫は全く何もしなかったわけではない。まぁ真摯に向き合ってきたと言えるほど寄り添ってくれたわけではない。それでも私の訴えを聞き、私が悶々とする中、夫が神社に相談しにいったようでお祓いをしてきたと言った。
「えっ?旦那くんが?」
「うん」
「体験して困ってる私じゃなくて?」
「えっ・・・うん・・・」
「なんかちょっと意味わかんないんだけど、あれ?」
夫もちょっとあれっ?という顔をしたが、気を取り直して言った。
「で、これ貰ってきた」
見ると大きな護符と破魔矢を手に持っている。神社はその辺りでは大きく由緒ある神社だ。なんかちょっと腑に落ちないところはあるが、私は夫にお礼を言いそれらを家の高いところに飾った。
それで特に何か変わったかというと、特に何も変わらなかった。良くも悪くも何もない。神社の御利益が無いというわけではなかったと思う。まだまだ神様からしたら「ワイが動くほどの事ではない」と判断されたのかもしれない。もしくは変わらなかったと思っているのは私だけで、神様としては既に破魔矢とお札の価格5千円分のお仕事をしてくれてたのかもしれない。
そしてそんな護符と破魔矢に見守られている我が家は、超巨大Gが現れてからじわじわと賑やかになっていった。
もちろん我が家は元から賑やかである。なにせ夜中にドラを叩く音と読経の声が聞こえるくらいなのだ。これを賑やかと言わずになんと言おう。
子育てと家事と寝不足で失神するように寝ていたある日、夢を見た。
私の寝ている真下の床下の地面が見える。土がモコモコ動き出した。不安な気持ちで見つめる私。モコモコ動いている土の中から手が出てきた。もがきながら、なんとか地面から出てこようとしている人がいる。肩が見えてくる。顔があるであろう場所を出てきた手が引っ掻いて土を払い除けようとしている。もう一方の手が地面から出てくる。両の手で顔の上にかぶさる土をどんどん払い除ける。
自分が寝ている部屋の床下の下の地面から一生懸命に出ようともがいている。私はそれを上から見ている。やばい、もうすぐ出てきてしまう。横向きに寝た姿勢のままハッと目を覚ました。
「こんにちは!」
元気のいい男の人の声が床下から耳に飛び込んできた。横向きに寝ている私の下の方になっている耳に。咄嗟に私は返した。
「『こんにちは』じゃないよ!今何時だと思ってんだよ!」
バッと時計を見ると午前2時だった。
「夜中の2時だよ!こんばんはだよ!」
声の主もおかしければ、返す私もおかしいのである。
とはいえ驚きで心臓バクバク脈打っていた。声の主にツッコミ入れたものの夢を思い出して遅まきながら鳥肌が立った。
大丈夫、いくらこの家がボロ屋だからといって、流石に畳の下がすぐ地面ってことはないだろう。少なくとも木材で覆ってあるだろうから落ち着くんだ。そう自分に言い聞かせた。畳に耳をつけてまた声がしないか確かめてみる。畳の下は無音だった。
ほっと一息つくと、ドラを叩く音と読経の声が静かに始まるのをぼんやりと聞いた。
これは余談であるが、床下からこんにちはと声をかけられてから約16年後に子供が自分の部屋が欲しいと訴えて、問題解決したその部屋をリフォームすることにした。床をフローリングにするために畳を外したのだが、外した途端すぐに地面が現れた。すぐに地面から這い出ようとする夢を思い出し、畳一枚で隔ててるだけだったのかと心底ゾッとしたのだった。
更に金縛りは既に日常茶飯事だった。だがこれは、そもそもこの家に引っ越す前から日常茶飯事だったので金縛り自体は目新しいものではなかった。少なくとも私自身は金縛りで大騒ぎするような人間ではなかった。
しかしこの家での金縛りは精神を消耗させるものだった。眠っていると突然金縛りにあった。ぐっすり寝ていたのに叩き起こされるような金縛りなのである。そして足首を誰かに掴まれた。そのまま両足を持ち上げられた。ふざけたように足を上下左右に振り回され、しかし私は金縛りにあっていて身動きが取れず声も出せなかった。
「うわぁぁぁ、やめてぇぇぇ」と声にならない叫びを上げた。瞬きをしたり、指先を少しずつ動かしたりしているうちに首が少し動くようになった。必死に頭をゆっくり左右に動かして金縛りを解こうとした。
そうやって上手く金縛りが解ける日もあれば、ガッと頭を押さえつけられるように頭に圧を感じて動けなくなる日もあった。金縛りが解けても畳み掛けるようにすぐに金縛りをかけられるという日も多かった。
足首を掴んで振り回されるだけの日もあれば、足首を引っ張られて家の外に引きずり出されそうになる日もあった。金縛りが解けて気が付けば、きちんと布団に寝ている。しかしあまりにもリアルな感触で私は布団に入るのが怖くなるほどだった。
ただ普通に眠りたい。夜中に起こされることなく、普通に眠りたい。それが私の切実な願いだった。
そんなこんなで私の引っ越したいという気持ちは日に日に募った。しかし住んでいる家は夫の実家の隣で夫親族の持ち家である。家賃も安くて、猫も気にせず飼う事ができる。
夫にとっては実家が隣であるというのが気持ち的にも大きかった。引っ越せば今のように毎日実家に帰ることができなくなる。そうすれば仕事が終わって帰る場所には、すぐに泣く子供と疲れ切った時々おかしなことを言う妻と妻にしか懐いていない猫たちだけが待っている。
私の言うことを何一つ経験していない夫が、この状況で引っ越しという選択を却下するのは仕方がなかったのかもしれない。
結果、引っ越したいという私の希望が叶うことはなかった。
すぐに引っ越しをするのが不可能であれば何か対策を打たなければいけない。でも何をどうしたらいいのか手掛かりも足掛かりも全くない。寝不足の私は考えた。そして一つの結論に至った。
なぜなら相手が何者なのかを私が知らないからだ、と。
誰が言ったか、下手な考え休むに似たり。とはいえ私は大真面目にそう思ったのだ。
相手がドラを叩いて読経を上げる集団であること、あと巨大ゴキブリのように見える何かがいること。夜中の2時に「こんにちは」と挨拶する空気を読まない男が床下にいること。足を掴んで悪さする奴がいること。日中にこそこそ話をする複数の女の声がすること。私が知っているのはそれだけである。そもそも誰が無害で誰が味方で誰が危険かすら分かっていない。
私は子供の頃に聞いた話を思い出した。
母の実家は田舎でそこそこ良い暮らしをしていた大家族である。テレビが出回り出した頃、その地域で一番早く手に入れて近所の人が見にきていたとか、山や畑をたくさん所有していて地主のような立ち位置だったとか。
祖父は兄弟の中で唯一戦争を生き残った男の子で小高い山の麓に妹と2人、祖父が結婚するまで住んでいた。
祖父の妹はその辺りでは千里眼の持ち主でいろんな無くし物を探し当てていたそうだ。近所の人が物がなくなって困ると妹のところに行き、どこにあるか教えてもらうと言うことがよくあったそうだ。
その妹、私にとっての大叔母はある日天井を見て言った。
「白い蛇がいる」
その蛇は誰も見ることはできなかったそうだ。しかしその日を境に少しずつ正気を失ってしまい、その後日亡くなったという。大叔母は亡くなるまで「白い蛇がいる」と言い続けたそうだ。命を落とした直接の原因は私は知ることはなかった。
私はその大叔母の話を自身の実母から聞いた。しかし母は言った。
「そんな話したことはないわよ。なんでそんな昔の話をお前が知っているの」
母が忘れているのか、私が母から聞いた話だと勘違いしているのか結局解らなかった。だから本当は誰から聞いた話なのか定かでないし、それ以上詳しい話を聞く機会はなかった。ただ母は自分が話したことは否定したが、話の内容は何一つ否定しなかった。
祖父の血筋の女性というか血縁関係にある女性たちは、千里眼を持っていたという大叔母ほどでないが、私の母を含めた祖父の娘たち、孫娘の幾人かは多少なりとも霊感がある人たちだ。または霊感とまではいかなくても何かしらのそういう敏感さがある人たちだ。
で、根っからの単純な私は思ったのだ。
まずは彼らの正体を確かめねばならない。
夜中にドラを叩き読経を上げるものたち、巨大ゴキブリ、昼間のコソコソ話をする女性。その他諸々。彼らがどういう者たちなのかきちんと確かめたい。もちろん巨大ゴキブリはある意味見えているが、巨大ゴキブリに見えるからといって、本当に巨大ゴキブリとは限らない。そもそも巨大ゴキブリは存在しないのだから何かが擬態しているか、私がそう認知しているだけで本当は何か別の存在かもしれないと思ったのだ。
そして正体を確かめるには姿を見るのが一番確実だろう。ゴキブリに関しては姿というか本当の姿を知るべきだ。そして大叔母が見える人なのであれば、同じ血筋の私も訓練すれば大叔母ほどではないにしても多少は見えるようにならないだろうか?と。
そしてネットで色々と検索をかけた。そしてそれは自分が思っていたより色々と出てきた。その中でオーラ視の訓練と瞑想をするのが手っ取り早く、お金がかからずに今の自分にもできそうだった。「できそう」だなんて図々しいにも程があるが、それでも単純な私は寝る前に1時間瞑想するようになったのだった。
子供を育てるので精一杯ということもあったが、「体験しているのは私一人であること」というのが何もしていなかった主な理由だと思う。もちろん夫にも一応「こんなことがあってね・・・」とさらりと話をしてはいた。夫は困惑しながら「へ~」と返すだけだった。
引っ越しをしたいという気持ちを訴えた事もあった。読経にしろ巨大ゴキブリにしろ、何かがこの家に憑いているのは私の目には明らかだった。家でなければもっとタチが悪いことに何かがこの土地に憑いているのかもしれない。
しかし私ではなく家や土地に憑いているのだったら、対策は至って簡単だ。この家から離れれば現象からは解放される。簡単で単純なことだ。しかし話は簡単にも単純にも進まなかった。
一応、夫の名誉のためにも言っておくが夫は全く何もしなかったわけではない。まぁ真摯に向き合ってきたと言えるほど寄り添ってくれたわけではない。それでも私の訴えを聞き、私が悶々とする中、夫が神社に相談しにいったようでお祓いをしてきたと言った。
「えっ?旦那くんが?」
「うん」
「体験して困ってる私じゃなくて?」
「えっ・・・うん・・・」
「なんかちょっと意味わかんないんだけど、あれ?」
夫もちょっとあれっ?という顔をしたが、気を取り直して言った。
「で、これ貰ってきた」
見ると大きな護符と破魔矢を手に持っている。神社はその辺りでは大きく由緒ある神社だ。なんかちょっと腑に落ちないところはあるが、私は夫にお礼を言いそれらを家の高いところに飾った。
それで特に何か変わったかというと、特に何も変わらなかった。良くも悪くも何もない。神社の御利益が無いというわけではなかったと思う。まだまだ神様からしたら「ワイが動くほどの事ではない」と判断されたのかもしれない。もしくは変わらなかったと思っているのは私だけで、神様としては既に破魔矢とお札の価格5千円分のお仕事をしてくれてたのかもしれない。
そしてそんな護符と破魔矢に見守られている我が家は、超巨大Gが現れてからじわじわと賑やかになっていった。
もちろん我が家は元から賑やかである。なにせ夜中にドラを叩く音と読経の声が聞こえるくらいなのだ。これを賑やかと言わずになんと言おう。
子育てと家事と寝不足で失神するように寝ていたある日、夢を見た。
私の寝ている真下の床下の地面が見える。土がモコモコ動き出した。不安な気持ちで見つめる私。モコモコ動いている土の中から手が出てきた。もがきながら、なんとか地面から出てこようとしている人がいる。肩が見えてくる。顔があるであろう場所を出てきた手が引っ掻いて土を払い除けようとしている。もう一方の手が地面から出てくる。両の手で顔の上にかぶさる土をどんどん払い除ける。
自分が寝ている部屋の床下の下の地面から一生懸命に出ようともがいている。私はそれを上から見ている。やばい、もうすぐ出てきてしまう。横向きに寝た姿勢のままハッと目を覚ました。
「こんにちは!」
元気のいい男の人の声が床下から耳に飛び込んできた。横向きに寝ている私の下の方になっている耳に。咄嗟に私は返した。
「『こんにちは』じゃないよ!今何時だと思ってんだよ!」
バッと時計を見ると午前2時だった。
「夜中の2時だよ!こんばんはだよ!」
声の主もおかしければ、返す私もおかしいのである。
とはいえ驚きで心臓バクバク脈打っていた。声の主にツッコミ入れたものの夢を思い出して遅まきながら鳥肌が立った。
大丈夫、いくらこの家がボロ屋だからといって、流石に畳の下がすぐ地面ってことはないだろう。少なくとも木材で覆ってあるだろうから落ち着くんだ。そう自分に言い聞かせた。畳に耳をつけてまた声がしないか確かめてみる。畳の下は無音だった。
ほっと一息つくと、ドラを叩く音と読経の声が静かに始まるのをぼんやりと聞いた。
これは余談であるが、床下からこんにちはと声をかけられてから約16年後に子供が自分の部屋が欲しいと訴えて、問題解決したその部屋をリフォームすることにした。床をフローリングにするために畳を外したのだが、外した途端すぐに地面が現れた。すぐに地面から這い出ようとする夢を思い出し、畳一枚で隔ててるだけだったのかと心底ゾッとしたのだった。
更に金縛りは既に日常茶飯事だった。だがこれは、そもそもこの家に引っ越す前から日常茶飯事だったので金縛り自体は目新しいものではなかった。少なくとも私自身は金縛りで大騒ぎするような人間ではなかった。
しかしこの家での金縛りは精神を消耗させるものだった。眠っていると突然金縛りにあった。ぐっすり寝ていたのに叩き起こされるような金縛りなのである。そして足首を誰かに掴まれた。そのまま両足を持ち上げられた。ふざけたように足を上下左右に振り回され、しかし私は金縛りにあっていて身動きが取れず声も出せなかった。
「うわぁぁぁ、やめてぇぇぇ」と声にならない叫びを上げた。瞬きをしたり、指先を少しずつ動かしたりしているうちに首が少し動くようになった。必死に頭をゆっくり左右に動かして金縛りを解こうとした。
そうやって上手く金縛りが解ける日もあれば、ガッと頭を押さえつけられるように頭に圧を感じて動けなくなる日もあった。金縛りが解けても畳み掛けるようにすぐに金縛りをかけられるという日も多かった。
足首を掴んで振り回されるだけの日もあれば、足首を引っ張られて家の外に引きずり出されそうになる日もあった。金縛りが解けて気が付けば、きちんと布団に寝ている。しかしあまりにもリアルな感触で私は布団に入るのが怖くなるほどだった。
ただ普通に眠りたい。夜中に起こされることなく、普通に眠りたい。それが私の切実な願いだった。
そんなこんなで私の引っ越したいという気持ちは日に日に募った。しかし住んでいる家は夫の実家の隣で夫親族の持ち家である。家賃も安くて、猫も気にせず飼う事ができる。
夫にとっては実家が隣であるというのが気持ち的にも大きかった。引っ越せば今のように毎日実家に帰ることができなくなる。そうすれば仕事が終わって帰る場所には、すぐに泣く子供と疲れ切った時々おかしなことを言う妻と妻にしか懐いていない猫たちだけが待っている。
私の言うことを何一つ経験していない夫が、この状況で引っ越しという選択を却下するのは仕方がなかったのかもしれない。
結果、引っ越したいという私の希望が叶うことはなかった。
すぐに引っ越しをするのが不可能であれば何か対策を打たなければいけない。でも何をどうしたらいいのか手掛かりも足掛かりも全くない。寝不足の私は考えた。そして一つの結論に至った。
なぜなら相手が何者なのかを私が知らないからだ、と。
誰が言ったか、下手な考え休むに似たり。とはいえ私は大真面目にそう思ったのだ。
相手がドラを叩いて読経を上げる集団であること、あと巨大ゴキブリのように見える何かがいること。夜中の2時に「こんにちは」と挨拶する空気を読まない男が床下にいること。足を掴んで悪さする奴がいること。日中にこそこそ話をする複数の女の声がすること。私が知っているのはそれだけである。そもそも誰が無害で誰が味方で誰が危険かすら分かっていない。
私は子供の頃に聞いた話を思い出した。
母の実家は田舎でそこそこ良い暮らしをしていた大家族である。テレビが出回り出した頃、その地域で一番早く手に入れて近所の人が見にきていたとか、山や畑をたくさん所有していて地主のような立ち位置だったとか。
祖父は兄弟の中で唯一戦争を生き残った男の子で小高い山の麓に妹と2人、祖父が結婚するまで住んでいた。
祖父の妹はその辺りでは千里眼の持ち主でいろんな無くし物を探し当てていたそうだ。近所の人が物がなくなって困ると妹のところに行き、どこにあるか教えてもらうと言うことがよくあったそうだ。
その妹、私にとっての大叔母はある日天井を見て言った。
「白い蛇がいる」
その蛇は誰も見ることはできなかったそうだ。しかしその日を境に少しずつ正気を失ってしまい、その後日亡くなったという。大叔母は亡くなるまで「白い蛇がいる」と言い続けたそうだ。命を落とした直接の原因は私は知ることはなかった。
私はその大叔母の話を自身の実母から聞いた。しかし母は言った。
「そんな話したことはないわよ。なんでそんな昔の話をお前が知っているの」
母が忘れているのか、私が母から聞いた話だと勘違いしているのか結局解らなかった。だから本当は誰から聞いた話なのか定かでないし、それ以上詳しい話を聞く機会はなかった。ただ母は自分が話したことは否定したが、話の内容は何一つ否定しなかった。
祖父の血筋の女性というか血縁関係にある女性たちは、千里眼を持っていたという大叔母ほどでないが、私の母を含めた祖父の娘たち、孫娘の幾人かは多少なりとも霊感がある人たちだ。または霊感とまではいかなくても何かしらのそういう敏感さがある人たちだ。
で、根っからの単純な私は思ったのだ。
まずは彼らの正体を確かめねばならない。
夜中にドラを叩き読経を上げるものたち、巨大ゴキブリ、昼間のコソコソ話をする女性。その他諸々。彼らがどういう者たちなのかきちんと確かめたい。もちろん巨大ゴキブリはある意味見えているが、巨大ゴキブリに見えるからといって、本当に巨大ゴキブリとは限らない。そもそも巨大ゴキブリは存在しないのだから何かが擬態しているか、私がそう認知しているだけで本当は何か別の存在かもしれないと思ったのだ。
そして正体を確かめるには姿を見るのが一番確実だろう。ゴキブリに関しては姿というか本当の姿を知るべきだ。そして大叔母が見える人なのであれば、同じ血筋の私も訓練すれば大叔母ほどではないにしても多少は見えるようにならないだろうか?と。
そしてネットで色々と検索をかけた。そしてそれは自分が思っていたより色々と出てきた。その中でオーラ視の訓練と瞑想をするのが手っ取り早く、お金がかからずに今の自分にもできそうだった。「できそう」だなんて図々しいにも程があるが、それでも単純な私は寝る前に1時間瞑想するようになったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
