51 / 63
Ⅴ章
51話 皇都の天陽市
しおりを挟む
ソミンの目の回復。彼女がずっと顔をしかめているのはこの約束のせいだった。目の回復よりも、アルデバランに施しを受けるのが堪らなく屈辱なのだろう。
アルデバランがソミンに近づくと眉間の皺が一層深くなる。
「そう身構えるな。そのままにしていれば良いから」
「さっさと終わらせて」
険悪な態度を隠そうともせず言い放つ彼女の目元に、アルデバランがそっと手を乗せた。途端に、柔らかな金色の光が淡く輝き始める。
優しい色だ。傍から見ていたロゼアリアは、その光を目にしてそう思った。ラウニャドールを焼くあの炎と似た色味なのに、全く違う。
それほど時間はかからなかった。アルデバランの手が離れたソミンは、先程までと何も変わらないように見える。
「目を開けてみろ」
閉じられていた両眼がそっと開かれる。それは、春の芽吹きを、夏の深緑を、溢れ出す生命の輝きを放っていた。
誰もが息を飲む美しさ。最高峰のエメラルドをもってしても、彼女の前ではただの石ころと化するだろう。
アルデバランとソミン。二人の管理者が並ぶそこは、まるで神話の一ページのよう。
「目が……私の、目が……」
信じられない、と言うように己の手を見つめるソミン。
もう二度と、光を映すことはないと思っていたのに。何をしても、治らなかったのに。
「どうして……」
「違和感は無いか? 見え方は? 以前と変わったところは?」
「大丈夫……」
すっかりアルデバランに邪険な態度を取るのも忘れ、呆けた様子のソミン。目を治したアルデバランも、どこか満足そうだった。
真っ黒な髪に真っ黒な目を持つザジャの民の中で、ソミンは明らかに異質だった。顔立ちもザジャ人より、アルデバランの方が似ている。
なんてことを言えば彼女が激昂することは目に見えているので、ロゼアリアは静かに見守っていた。
ソミンもまた、龍の化身のように美しい少女だった。これが管理者。彼らが特異な存在であると改めて思い知らされる。それが遠くて、あまりにも遠くて、二人の姿を見つめながら心に風が吹き抜けるのをロゼアリアは感じた。
「まさか本当に、ソミンの目を治してしまうとはな」
感心した様子でクシャが言う。ソミン自身もまだ信じられないようだ。
「できないことをわざわざ『できる』とは言わない」
たった今奇跡を起こしてみせた魔法使いは、何でもないことだと話す。
こうして、今回の旅の目的は淡々と果たされたのであった。
クシャとの謁見の直後、回廊でロゼアリアは立ち去るソミンの背中を追いかけた。
「ソミン!」
少女が振り向き、輝く翠緑の瞳がロゼアリアを見つめた。
「何?」
「あの、リエンってどこにいるか知ってますか?」
これまで閉じていた瞳が開かれただけで、随分と印象が違う。冷たく、静かな圧を放っていた彼女は、今や神々しさを伴った凄みがあった。
「詳しいことまでは分からないけれど、他の殿下と共にラウニャドールの対応に追われているはずよ。最近動きが活発になってきているから、皇子殿下、皇女殿下はお忙しいの」
「そっか……武闘会の後から姿を見かけてないから、少し話したかったなって」
ラウニャドールの出現が増えていることは、ザジャに来て間もないロゼアリア達も分かっていた。対応に追われているならば仕方ない。
「じゃあ」
「あ、待って!」
話は済んだとばかりに背を向けるソミンを再び呼び止める。
「まだ何かあるの? またエレトー様の話?」
「ううん。明日帝都の市に皆で行くんだけど、ソミンも一緒に行きませんか?」
ロゼアリアの誘いに、ソミンが目を瞬かせた。
「……市に? 私が?」
「うん。一緒にどうかなって。本当はリエンも誘いたかったんだけど」
「悪いけれど、行けないわ。もうすぐ私にもラウニャドール討伐の話がくるはずよ。それに、ザジャにいる私達は市なら来月でも再来月でも行けるから。貴女達は楽しんで」
「そっか。引き止めてごめんなさい」
今度こそソミンは行ってしまった。
迎賓殿に戻ったロゼアリア達は、帰国のために少しずつ荷物をまとめ始めた。ラウニャドールの出現が増えていることを考えると、あまり長居をしてこっちに気を遣わせるのも悪い。協力を仰ぐという目的は達成したのだから、これ以上留まる理由も無かった。
それに。
飛行船の中でアルデバランから聞いた話が本当なら、グレナディーヌを長期間空けるのが良いとも思えない。
(リエンと話せないまま帰国になるかも……)
フィオラと荷物を詰めながら、そんな思いが頭をよぎって少し落ち込んだ。
「お嬢様、このお荷物はもう詰めますか?」
「ううん、まだ詰めない。明日、市で騎士団の皆にお土産をどれくらい買うか分からないから、ちょっと空けといて」
「かしこまりました」
帰国は明後日。ザジャに滞在する時間は思っていたよりも短い。
毎月開かれるという天陽市は、まるで祭りのようだった。様々な出店が立ち並び、美味しそうな匂いが至る所から漂ってくる。人々で通りは賑わい、どこを見ても好奇心が唆られる。
「すごい! もう楽しい!」
さてどこから回ろうかと、ロゼアリアが目をキラキラと輝かせる。これは一日中遊んでいられそうだ。
「毎月開催されるなんて、ザジャってすごいのね!」
そんなロゼアリアを見下ろすアルデバランは、既に疲れた様子だった。
「こんなに人で溢れてると酔いそうだ。人の少ないところで休んでていいか?」
「何言ってるの。誘ってきたのはアルデバランでしょ」
「そうなんだけどな」
これだけ人がいても、黒い装束の背が高い男はよく目立つ。誰かが迷子になっても、アルデバランを目印にすれば合流できそうだ。
げっそりしているアルデバランを引きずり、人で溢れた通りを歩く。
「すごいねえ。こっちの通りまでお店が出てるよお」
額に手を当て、ロドニシオが分岐した路地の先を眺める。小柄なグレナディーヌ人にとって、市はなかなか歩きづらい。
「皆さんはどうぞこちら側を歩いてください!」
体格の良いカカルクが人通りのある方を歩いてくれている。
「カカルク君ありがとお。アルデバラン君なんか流されそうになってるのに。鍛えた方がいいんじゃない?」
「余計な世話だ。魔法使いに筋肉が必要なわけないだろ」
ロゼアリアも、アルデバランは少しくらい鍛えた方が良いと思った。諸事情で一度彼の上裸を目にしているが、あまりにも細すぎる。
どこか店に入って昼食を食べる話になったが、ロゼアリアが食べ歩きを希望したためそれに決まった。各々が好きな物を見つけては「あっちに行きたい」「それを見たい」と自由奔放に移動しようとする。
「あれだね。分かれて行動しよっか」
とうとうロドニシオがそれを提案した。
「とりあえず二手に分かれる? 買いたいものが同じ人で分かれるのが一番だと思うけど」
「じゃあ、私とアルデバランはリブにお土産を買いたいから、一緒の方がいいよね? オロルックも」
「おっけー。じゃあロゼの方にアルデバラン君とオロルックとフィオラ、カカルク君とココリリさんは俺と一緒で良い?」
誰と行動するかすんなりと決まり、日が暮れる前に迎賓殿に戻ることを約束した。
ロドニシオ達に手を振って見送り、その直後には白い湯気を立てる屋台へまっしぐらに向かうロゼアリア。その後ろをオロルックとフィオラが慌てて追いかけ、仕方なさそうにアルデバランが続く。
「これは何ですか?」
ロゼアリアが見つめるのは点心の入った蒸籠。ザジャではお馴染みのお菓子だが、グレナディーヌでは見たことない。
「肉餡を包んで蒸した饅頭だよ。嬢ちゃん、ザジャの人じゃないね。どこから来たんだい?」
「グレナディーヌです」
「グレナディーヌ? また遠い所から来たねぇ」
ふくよかな店主の女性が驚いた表情をする。珍しいのも無理はない。観光でザジャへ行くグレナディーヌ人は滅多にいないのだがら。
「一つどうだい?」
「四つください! 皆も食べるでしょ?」
オロルック達を振り返るロゼアリア。本当は一人で四つくらい食べられるが、この後も様々な食べ物に巡り会えるから、と一つで我慢した。
アルデバランがソミンに近づくと眉間の皺が一層深くなる。
「そう身構えるな。そのままにしていれば良いから」
「さっさと終わらせて」
険悪な態度を隠そうともせず言い放つ彼女の目元に、アルデバランがそっと手を乗せた。途端に、柔らかな金色の光が淡く輝き始める。
優しい色だ。傍から見ていたロゼアリアは、その光を目にしてそう思った。ラウニャドールを焼くあの炎と似た色味なのに、全く違う。
それほど時間はかからなかった。アルデバランの手が離れたソミンは、先程までと何も変わらないように見える。
「目を開けてみろ」
閉じられていた両眼がそっと開かれる。それは、春の芽吹きを、夏の深緑を、溢れ出す生命の輝きを放っていた。
誰もが息を飲む美しさ。最高峰のエメラルドをもってしても、彼女の前ではただの石ころと化するだろう。
アルデバランとソミン。二人の管理者が並ぶそこは、まるで神話の一ページのよう。
「目が……私の、目が……」
信じられない、と言うように己の手を見つめるソミン。
もう二度と、光を映すことはないと思っていたのに。何をしても、治らなかったのに。
「どうして……」
「違和感は無いか? 見え方は? 以前と変わったところは?」
「大丈夫……」
すっかりアルデバランに邪険な態度を取るのも忘れ、呆けた様子のソミン。目を治したアルデバランも、どこか満足そうだった。
真っ黒な髪に真っ黒な目を持つザジャの民の中で、ソミンは明らかに異質だった。顔立ちもザジャ人より、アルデバランの方が似ている。
なんてことを言えば彼女が激昂することは目に見えているので、ロゼアリアは静かに見守っていた。
ソミンもまた、龍の化身のように美しい少女だった。これが管理者。彼らが特異な存在であると改めて思い知らされる。それが遠くて、あまりにも遠くて、二人の姿を見つめながら心に風が吹き抜けるのをロゼアリアは感じた。
「まさか本当に、ソミンの目を治してしまうとはな」
感心した様子でクシャが言う。ソミン自身もまだ信じられないようだ。
「できないことをわざわざ『できる』とは言わない」
たった今奇跡を起こしてみせた魔法使いは、何でもないことだと話す。
こうして、今回の旅の目的は淡々と果たされたのであった。
クシャとの謁見の直後、回廊でロゼアリアは立ち去るソミンの背中を追いかけた。
「ソミン!」
少女が振り向き、輝く翠緑の瞳がロゼアリアを見つめた。
「何?」
「あの、リエンってどこにいるか知ってますか?」
これまで閉じていた瞳が開かれただけで、随分と印象が違う。冷たく、静かな圧を放っていた彼女は、今や神々しさを伴った凄みがあった。
「詳しいことまでは分からないけれど、他の殿下と共にラウニャドールの対応に追われているはずよ。最近動きが活発になってきているから、皇子殿下、皇女殿下はお忙しいの」
「そっか……武闘会の後から姿を見かけてないから、少し話したかったなって」
ラウニャドールの出現が増えていることは、ザジャに来て間もないロゼアリア達も分かっていた。対応に追われているならば仕方ない。
「じゃあ」
「あ、待って!」
話は済んだとばかりに背を向けるソミンを再び呼び止める。
「まだ何かあるの? またエレトー様の話?」
「ううん。明日帝都の市に皆で行くんだけど、ソミンも一緒に行きませんか?」
ロゼアリアの誘いに、ソミンが目を瞬かせた。
「……市に? 私が?」
「うん。一緒にどうかなって。本当はリエンも誘いたかったんだけど」
「悪いけれど、行けないわ。もうすぐ私にもラウニャドール討伐の話がくるはずよ。それに、ザジャにいる私達は市なら来月でも再来月でも行けるから。貴女達は楽しんで」
「そっか。引き止めてごめんなさい」
今度こそソミンは行ってしまった。
迎賓殿に戻ったロゼアリア達は、帰国のために少しずつ荷物をまとめ始めた。ラウニャドールの出現が増えていることを考えると、あまり長居をしてこっちに気を遣わせるのも悪い。協力を仰ぐという目的は達成したのだから、これ以上留まる理由も無かった。
それに。
飛行船の中でアルデバランから聞いた話が本当なら、グレナディーヌを長期間空けるのが良いとも思えない。
(リエンと話せないまま帰国になるかも……)
フィオラと荷物を詰めながら、そんな思いが頭をよぎって少し落ち込んだ。
「お嬢様、このお荷物はもう詰めますか?」
「ううん、まだ詰めない。明日、市で騎士団の皆にお土産をどれくらい買うか分からないから、ちょっと空けといて」
「かしこまりました」
帰国は明後日。ザジャに滞在する時間は思っていたよりも短い。
毎月開かれるという天陽市は、まるで祭りのようだった。様々な出店が立ち並び、美味しそうな匂いが至る所から漂ってくる。人々で通りは賑わい、どこを見ても好奇心が唆られる。
「すごい! もう楽しい!」
さてどこから回ろうかと、ロゼアリアが目をキラキラと輝かせる。これは一日中遊んでいられそうだ。
「毎月開催されるなんて、ザジャってすごいのね!」
そんなロゼアリアを見下ろすアルデバランは、既に疲れた様子だった。
「こんなに人で溢れてると酔いそうだ。人の少ないところで休んでていいか?」
「何言ってるの。誘ってきたのはアルデバランでしょ」
「そうなんだけどな」
これだけ人がいても、黒い装束の背が高い男はよく目立つ。誰かが迷子になっても、アルデバランを目印にすれば合流できそうだ。
げっそりしているアルデバランを引きずり、人で溢れた通りを歩く。
「すごいねえ。こっちの通りまでお店が出てるよお」
額に手を当て、ロドニシオが分岐した路地の先を眺める。小柄なグレナディーヌ人にとって、市はなかなか歩きづらい。
「皆さんはどうぞこちら側を歩いてください!」
体格の良いカカルクが人通りのある方を歩いてくれている。
「カカルク君ありがとお。アルデバラン君なんか流されそうになってるのに。鍛えた方がいいんじゃない?」
「余計な世話だ。魔法使いに筋肉が必要なわけないだろ」
ロゼアリアも、アルデバランは少しくらい鍛えた方が良いと思った。諸事情で一度彼の上裸を目にしているが、あまりにも細すぎる。
どこか店に入って昼食を食べる話になったが、ロゼアリアが食べ歩きを希望したためそれに決まった。各々が好きな物を見つけては「あっちに行きたい」「それを見たい」と自由奔放に移動しようとする。
「あれだね。分かれて行動しよっか」
とうとうロドニシオがそれを提案した。
「とりあえず二手に分かれる? 買いたいものが同じ人で分かれるのが一番だと思うけど」
「じゃあ、私とアルデバランはリブにお土産を買いたいから、一緒の方がいいよね? オロルックも」
「おっけー。じゃあロゼの方にアルデバラン君とオロルックとフィオラ、カカルク君とココリリさんは俺と一緒で良い?」
誰と行動するかすんなりと決まり、日が暮れる前に迎賓殿に戻ることを約束した。
ロドニシオ達に手を振って見送り、その直後には白い湯気を立てる屋台へまっしぐらに向かうロゼアリア。その後ろをオロルックとフィオラが慌てて追いかけ、仕方なさそうにアルデバランが続く。
「これは何ですか?」
ロゼアリアが見つめるのは点心の入った蒸籠。ザジャではお馴染みのお菓子だが、グレナディーヌでは見たことない。
「肉餡を包んで蒸した饅頭だよ。嬢ちゃん、ザジャの人じゃないね。どこから来たんだい?」
「グレナディーヌです」
「グレナディーヌ? また遠い所から来たねぇ」
ふくよかな店主の女性が驚いた表情をする。珍しいのも無理はない。観光でザジャへ行くグレナディーヌ人は滅多にいないのだがら。
「一つどうだい?」
「四つください! 皆も食べるでしょ?」
オロルック達を振り返るロゼアリア。本当は一人で四つくらい食べられるが、この後も様々な食べ物に巡り会えるから、と一つで我慢した。
0
あなたにおすすめの小説
あなたが後悔しても、私の愛はもう戻りません
藤原遊
恋愛
婚約者のアルベルトは、優しい人だった。
ただ――いつも、私より優先する存在がいただけで。
「君は分かってくれると思っていた」
その一言で、リーシェは気づいてしまう。
私は、最初から選ばれていなかったのだと。
これは、奪われた恋を取り戻す物語ではない。
後悔する彼と、もう戻らないと決めた私、
そして“私を選ぶ人”に出会うまでの、静かな恋の終わりと始まりの物語。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
短編)どうぞ、勝手に滅んでください。
黑野羊
恋愛
二度も捨てられた聖女です。真実の愛を見つけたので、国は救いません。
あらすじ)
大陸中央にあるルオーゴ王国で、国を守る結界を維持してきた聖女ロザリア。
政略のため王太子と婚約していた彼女は、突如『真の聖女』が現れたとして婚約を破棄され、聖女の座を追われてしまう。さらに、代わりに婚姻しろと命じられた聖騎士からも拒絶され、実家にも見捨てられたロザリアは、『最果ての修道院』へと追放された。
けれど彼女はそこで、地位や栄光、贅沢などとはほど遠い、無条件に寄り添ってくれる『真実の愛』と穏やかな日々を手にいれる。
やがて聖女を失った王国は、崩壊へ向かっていき――。
ーーー
※カクヨム、なろうにも掲載しています
「その気になれない」と婚約破棄したあなたの、話を聞く必要がありますか?
さんけい
恋愛
国境を守るために結ばれた婚約を、侯爵家の令息は「その気になれない」という身勝手な理由で壊した。しかも婿入りする立場でありながら、愛人を認めろとまで言い出して――。
侮られ、傷つきながらも、伯爵家の跡取り娘エーディアは立ち止まらない。父とともに次の手を打ち、地に足のついた堅実な男ユリウスと出会い、領地と未来を少しずつ立て直していく。
一方、婚約を軽んじた元婚約者は、家にも王都にも見限られ、じわじわと立場を失っていく。
これは、誰かに苦しみを背負わせようとした男が自滅し、自分の足で立つ女が静かに幸福をつかむ、国境領ざまあ婚約破棄譚。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
【短編】『待つ女』をやめたら、『追われる女』になりました
あまぞらりゅう
恋愛
婚約者の王太子を、いつも待ち続けてきたシャルロッテ侯爵令嬢。
だがある日、彼女は知ってしまう。彼には本命の恋人がいて、自分のことを都合よく放置していただけなのだと。
彼女が待つのをやめた瞬間、追ってきたのは隣国の皇太子だった。
※覚えやすさや分かりやすさを重視しているので、登場人物の名前は「キャラクター名+身分表記」にしています
★小説家になろう2026/1/29日間総合8位異世界恋愛7位
★他サイト様にも投稿しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる