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帰宅からの『もしも』
しおりを挟む1ヶ月以上になった秋津國訪問が終わる。『ナイトレイ公国』に入るとすげえ安心した。温泉入りたいなあ…。
そんな俺の心を読んだエスパーダリルは、本邸に着くなり風呂に入れてくれてマッサージして良い匂いのクリームを揉み込んでくれた。気持ちいい。癒される~…!
仕事行ってる嫁たちが帰ってくるまで寝てろと、軽食とった後で布団に放り込まれた。
ええ~?寝れないって!まだ午前中じゃん!俺も仕事するぅ~!っていうか魔道具作りt…………すやぁ。
起きたら夕飯前で、急いで支度して食堂に行く。
みんなの「おかえり」が嬉しい。俺、ここに住んでて良いんだなって思う。
さて、ここで重大発表。
ピオ母ちゃんと父ちゃん、じっさまたちのいるいなかに引っ越すんだと。
「多分デキたと思うのよね…」
ウフフ…とピオ母ちゃんは妖艶に笑った。父ちゃん真っ赤。うむ、仲良しで何より。
それに、ピオ母ちゃんは元々、兄ちゃんの嫁が来たらいなかに引っ込むつもりだったらしい。まあ、船頭多くして船山登る…ってやつか。女主人は2人もいらないって、スパって切っちゃうのもピオ母ちゃんらしい。余談だが、元嫁マーガレットが本宅にずっと居るつもりなら、ずっと居座って性根を叩き直してやるつもりだったんだと。怖い怖い。
マーガレットもなあ…。
あの日。浮気なんかせずに王都の新居で「おかえり」って言ってくれれば、きっと俺は離婚なんかしなかった。騙されたままでいてやったのに。君を愛したままだったのに。そのあと殺されてたかもしれないけど。
まあ、その『もしも』は俺が回避したかった鬱展開に直結するんだけど。
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