【竜と乙女1】竜と乙女と水溜まり

とうや

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(神官長視点)


目の前では大衆小説さながらの断罪劇が繰り広げられていた。

フェリーチェ。女神の愛し子。

彼女が『愛し子』である、と神託を受けたのは私だった。国が開拓を始め、頓挫した荒れ果てた農園。その農園の農奴の女から生まれたのが彼女だった。

私は農奴の夫婦に子供を喜捨させた。

当たり前だ。『愛し子』を金で買い取るなどできない。農園の主人は執拗に金銭を要求したが、『愛し子』の対価に『特級免罪符』を与えるとおとなしくなった。


静かな子供だった。賢く、美しい『愛し子』フェリーチェは、公爵家へと養子に行くことが決まった。公爵家からもたらされた莫大な『支度金』は女神の徒である我々を潤した。

公爵家と結んだ契約は大まかに3つ。


フェリーチェは『愛し子』であるために、生涯清い体であること。

フェリーチェの、毎月決まった金額を神殿へ喜捨すること。

フェリーチェは『愛し子』なので、速やかにすること。


誰も損をしない契約だったはずだ。


かくして、フェリーチェは公爵令嬢となり、王太子の婚約者となった。


王太子がこれほど堪え性がなく、愚かだとは思わなかった。

王太子からの婚約破棄。

だがこれで、『愛し子』フェリーチェは神殿へと出家し、すべては正しい形となる。

美しいフェリーチェはし、殿。神殿で神力の高い男ともいいし、身分の高い者が……そう、私が孕ませてやってもいい。フェリーチェだってそろそろを知りたいだろう。

これからの算段をしながら、ふと断罪されているフェリーチェを見る。美しい紫の瞳が、烟るように黄金色へと変化する。


ゾゾゾ…とえもいわれぬ悪寒が背筋を駆け抜けた。


フェリーチェの瞳は、私の内側の奥の奥を暴くように。

珍しく上がった口角は、全てに見切りをつけるかのように。






「よろしい。では















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