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終わり【栢木視点】
しおりを挟む「いやあ、素晴らしいな魔王軍!銃と酒と煙草、それに美味い飯!ふつーの兵糧かと思ったら弁当だよ弁当!唐揚げ玉子焼きポテサラにアスパラベーコン!?ニンジンあっま!なにこれバター味でしょっぱあま!海苔と桜でんぶで白米に撤収時間まで書いてあるとかもう……あのちびっ子やるなあ!」
やりすぎだクリス少年…。キャラ弁とまではいかねえがなにこれ。新婚さんのとこの弁当かよ。前世も今生も嫁なんかいなかったけど。
うまいうまいと、1000年も前に前世で別れたっきりの友人は笑った。美味そうに弁当食ってビールをグビグビ。よく食えるなこいつ。まあ俺も食うけど。
足元には死体が転がっている。
一体二体の騒ぎじゃない。開発部が面白がって持たせた銃器や榴弾で辺り一面酷い有様だ。俺はやってない。容疑者みたいなこと言うけど、俺は断じてやってない。俺はお目付け役と撮影係だ。開発部のドワーフども、自分たちが作った武器をお試ししてくれる奴が湧いて出たモンだから大騒ぎだ。ウィンストンまでもがキラッキラした目で俺に撮影機渡してきやがった。クソが。あ、玉子焼きにシラス入ってる美味え。
「それでさあ、正宗とはどうなのお前?」
「どう…って」
ビールも弁当も堪能した柊は煙草を取り出した。
「やめろ、俺まだ食ってる」
「ええ~…いいじゃん?俺、正宗、お前の多数決で喫煙者組の勝ち」
「今、正宗居ねえだろ。それに正宗は俺の前じゃ吸わねえし」
「はー……いやさ、だからどうなってんのお前ら」
「はあ?」
「もうヤッた?」
「なにをやっ…」
「セックス」
「は………」
はあああああ!!??
「なにそれ!?何言ってんだお前きもちわ…」
「気持ち悪くねえだろ?ここ異世界よ?性の問題ほぼフリーダムじゃん?」
「いやそん…」
「1000年も一緒にいるんならもう熟年夫婦?」
「そんっなわけあるかあッ!!」
「ええ~…だってえ…お前、地球にいた頃から正宗大好きじゃん?」
「えっ…」
えっ…え……
「え?マジ?気付かれてねえと思ってた?お前さあ、クラスの女子の殆どが生暖かく見守って、男子はいつ一線越えるか賭けてたぞ?あ、胴元俺なんだけど」
「ひいらぎいいいいいいいいい!!!」
なんってことを!!なんってことしやがるんだお前はあああああああ!!??
「正宗、あんなスカしたメガネ野郎のくせにムッツリロリコンだっただろ?前世お前はゴリラかっつーほどゴツかったしさあ」
「ゴリラ言うな!!」
「今生ならワンチャンあるんじゃね?お前今まさにツルペタ美少女ロリータじゃん。ちんこついてるけ……ど!!」
ズビシッと柊の額に箸を突き刺した。
「いってえ!!ぼーりょくはんたーい!!暴力はなにも生み出さない!イジメ、ダメ、ゼッタイ!!」
「テメエ周りの惨状見ても一回行ってみろ!!」
「わあ!なんてひどい!いったいだれがこんなことを!」
「お前だよ!!!棒読みやめろ!!」
やめろよ!!正宗の顔がしばらく見れなくなるだろ!?
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