【7人の魔王 終】白の恋と、黒の愛

とうや

文字の大きさ
150 / 174

終わり【栢木視点】

しおりを挟む


「いやあ、素晴らしいな魔王軍!銃と酒と煙草、それに美味い飯!ふつーの兵糧かと思ったら弁当だよ弁当!唐揚げ玉子焼きポテサラにアスパラベーコン!?ニンジンあっま!なにこれバター味でしょっぱあま!海苔と桜でんぶで白米に撤収時間まで書いてあるとかもう……あのちびっ子やるなあ!」


やりすぎだクリス少年…。キャラ弁とまではいかねえがなにこれ。新婚さんのとこの弁当かよ。前世も今生も嫁なんかいなかったけど。

うまいうまいと、1000年も前に前世で別れたっきりの友人は笑った。美味そうに弁当食ってビールをグビグビ。よく食えるなこいつ。まあ俺も食うけど。


足元には死体が転がっている。


一体二体の騒ぎじゃない。開発部が面白がって持たせた銃器や榴弾で辺り一面酷い有様だ。俺はやってない。容疑者みたいなこと言うけど、俺は断じてやってない。俺はお目付け役と撮影係だ。開発部のドワーフども、自分たちが作った武器をお試ししてくれる奴が湧いて出たモンだから大騒ぎだ。ウィンストンまでもがキラッキラした目で俺に撮影機渡してきやがった。クソが。あ、玉子焼きにシラス入ってる美味え。


「それでさあ、正宗とはどうなのお前?」

「どう…って」


ビールも弁当も堪能した柊は煙草を取り出した。


「やめろ、俺まだ食ってる」

「ええ~…いいじゃん?俺、正宗、お前の多数決で喫煙者組の勝ち」

「今、正宗居ねえだろ。それに正宗は俺の前じゃ吸わねえし」

「はー……いやさ、だからどうなってんのお前ら」

「はあ?」

「もうヤッた?」

「なにをやっ…」

「セックス」

「は………」


はあああああ!!??


「なにそれ!?何言ってんだお前きもちわ…」

「気持ち悪くねえだろ?ここ異世界よ?性の問題ほぼフリーダムじゃん?」

「いやそん…」

「1000年も一緒にいるんならもう熟年夫婦?」

「そんっなわけあるかあッ!!」

「ええ~…だってえ…お前、地球にいた頃から正宗大好きじゃん?」

「えっ…」


えっ…え……


「え?マジ?気付かれてねえと思ってた?お前さあ、クラスの女子の殆どが生暖かく見守って、男子はいつ一線越えるか賭けてたぞ?あ、胴元俺なんだけど」

「ひいらぎいいいいいいいいい!!!」


なんってことを!!なんってことしやがるんだお前はあああああああ!!??


「正宗、あんなスカしたメガネ野郎のくせにムッツリロリコンだっただろ?前世お前はゴリラかっつーほどゴツかったしさあ」

「ゴリラ言うな!!」

「今生ならワンチャンあるんじゃね?お前今まさにツルペタ美少女ロリータじゃん。ちんこついてるけ……ど!!」


ズビシッと柊の額に箸を突き刺した。


「いってえ!!ぼーりょくはんたーい!!暴力はなにも生み出さない!イジメ、ダメ、ゼッタイ!!」

「テメエ周りの惨状見ても一回行ってみろ!!」

「わあ!なんてひどい!いったいだれがこんなことを!」

「お前だよ!!!棒読みやめろ!!」







やめろよ!!正宗の顔がしばらく見れなくなるだろ!?








しおりを挟む
感想 39

あなたにおすすめの小説

家を追い出されたのでツバメをやろうとしたら強面の乳兄弟に反対されて困っている

香歌奈
BL
ある日、突然、セレンは生まれ育った伯爵家を追い出された。 異母兄の婚約者に乱暴を働こうとした罪らしいが、全く身に覚えがない。なのに伯爵家当主となっている異母兄は家から締め出したばかりか、ヴァーレン伯爵家の籍まで抹消したと言う。 途方に暮れたセレンは、年の離れた乳兄弟ギーズを頼ることにした。ギーズは顔に大きな傷跡が残る強面の騎士。悪人からは恐れられ、女子供からは怯えられているという。でもセレンにとっては子守をしてくれた優しいお兄さん。ギーズの家に置いてもらう日々は昔のようで居心地がいい。とはいえ、いつまでも養ってもらうわけにはいかない。しかしお坊ちゃん育ちで手に職があるわけでもなく……。 「僕は女性ウケがいい。この顔を生かしてツバメをしようかな」「おい、待て。ツバメの意味がわかっているのか!」美貌の天然青年に振り回される強面騎士は、ついに実力行使に出る?!

偽物勇者は愛を乞う

きっせつ
BL
ある日。異世界から本物の勇者が召喚された。 六年間、左目を失いながらも勇者として戦い続けたニルは偽物の烙印を押され、勇者パーティから追い出されてしまう。 偽物勇者として逃げるように人里離れた森の奥の小屋で隠遁生活をし始めたニル。悲嘆に暮れる…事はなく、勇者の重圧から解放された彼は没落人生を楽しもうとして居た矢先、何故か勇者パーティとして今も戦っている筈の騎士が彼の前に現れて……。

公爵家の五男坊はあきらめない

三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。 生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。 冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。 負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。 「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」 都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。 知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。 生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。 あきらめたら待つのは死のみ。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

心からの愛してる

マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。 全寮制男子校 嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります ※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

処理中です...