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私と妹の夜会の前夜
しおりを挟む『明日の夜会のエスコートはしない。だが必ず来い。私に恥をかかせるな』
そんなお手紙が婚約者から届きました。あー…ラーク様から手紙なんて珍しい……というか、初めてじゃない?そう思いながら開封すると、なんとも身勝手な内容。まあ、あれです。今まで手紙ひとつなく放置されていたので全く問題はありませんが。
「ずるいですわぁ!わたくしも1人で会場入りしたいですぅ!お姉様のエスコートしたぁい!でも今回は、わたくしの婚約者が残念ながらいらっしゃるらしいですしぃ~…」
ええ~…ニナさんや。残念ながら、じゃないのよ。今一番勢いのある大国の王子様だからね!!聞かれたら不敬罪で首が物理でとぶわよ!?
私の手を揉む手を休めずにニナはぼやく。
ニナはバーサからハンドマッサージを教えてもらったらしく、明日の夜会に向けて私の手をモミモミしているのです。気持ちいいけど……気持ち良いんだけど!ニナ、自分の準備をしようね?
「サフィ様はぁ、お美しいけどぉ~、なぁんか違うのよねぇ~」
ニナの婚約は1年前に秘密裏に行われた。まあその時はニナの婚約者、サフィ・ルネライト殿下は帝国と戦争をしていた。ルネライト王国が、ではなく、ルネライトの双子の王子たちが帝国に戦争を吹っ掛けたのです。まあ結果的に勝っちゃったのですが。圧勝だったそうです。もしくは蹂躙。戦争中に婚約したのは、我がポルトロンヌ王国が「国一番の美少女を差し上げるから攻撃しないでください」とニナを差し出したから。いまだに婚約を公表していないのは「危険だから」だそう。色々と思うところはあるが、貴族として生まれてしまった以上、政略結婚は仕方ないわよね…。
1年前に一度だけお会いした双子の王子様たちは、それはもう麗しい美少年だった。夕焼け空のように緋色の瞳のルビィ殿下と、夏空のように青い瞳のサフィ殿下。ニナが婚約したのはサフィ殿下。身分の違いも気になさらず、とても良いお方たちだった。
「サフィ様はさぁ、なんかぁ、腹黒っていうかぁ……」
「ニナ?それは明日は言っちゃダメよ?」
「はぁい」
大丈夫かしら…この子……。不安すぎる…!
「どっちかって言うとルビィ様の方がわかりやすいんだけどぉ、ルビィ様はねぇ……」
チラッチラッとニナが私を見る。……???
「ねね!お姉様!お姉様はルビィ様にエスコートして頂いたら?」
「ええっ!?えっ…ちょ……だめよ!ルビィ殿下はルネライトの王子なのよ!婚約者の方が……」
「いないらしいわよ、婚約者」
「えっ…ええ~……」
え…婚約者いないの!?……いないのかぁ…いないんだ………って!はっ!い…いてもいなくても!私には関係ないでしょ!!
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