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セラミナの叫び
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あっ、おっぱい……。
床に額を擦りつける少女の服の隙間。汗で湿った布地が、谷間に張りついていた。
ギンギンっ!
(や、やばい早く出さないと、何も考えられなくなる……)
叱責の声は脳内だけだった。
だが下半身は、すでに主の理性に従ってはいなかった。
ズボンの内側――装着されている“それ”が、きゅうきゅうと押し返してくる。
出発前に渡されたサンドリアの“霧穴”。
千霧魔法で開かれたちっちゃい霧まんこは、密着したまま、ずっと装着されていた。
膣中はぐっちょり濡れており、時おり霧がくすぐるようにぴくつく。
──限界だ。
一回射精しないと精神的に死ぬ。
(ていうか、ずっと勃起してると鬱血してちんちん腐るって聞いたことあるし、抜いとこう)
意を決して、僕は軽く太腿を締め、内部に四度、刺激を送る。
(ッ、ッ……ッ、ッ)
その瞬間、何もない空間の奥が、ぬるるぅ、と動いた。
『まってた、まってた♡』
ほかほかっ。ぬくぬくっ。
そんな声が聞こえてきそうなぬるぬるで暖かい腟内。
遠くの霧穴の向こう――サンドリアが、その“りとる霧おまんこ”で応えたのだ。
何も言葉はない。ただ、彼女の“うねり”だけが、
僕の衝動を、優しく、甘く、ねっとりと受け入れていく。
(……ぐおおおお! 早く搾り取ってくれ!……)
ぴんぴんぴんぴんっ!
土下座する家族たちの真上で、僕は平静を装いながら、
股間を高速でビン立ちさせる。
すると、霧の向こうでもサンドリアが何かを察知したのか物凄い勢いで絞り始めた。
ちゅる、ちゅっぽ、じゅぶっ、ぐぽぉ……っ
ずるるっ、じゅるじゅるっ、んちゅっ、んぐっ、くぷ……
ぬぽっ、じゅぽっ、じゅるるぅ……ちゅぴ、ちゅぱあ……
ごぽっ、ごぷっ、ごくん、ごく、ぴちゃあ……
「タネズ様? どうかされましたか?」
「……ふぅ、いや、なんでもない」
僕は深く椅子に腰を沈め、呼吸を整える。
霧穴から伝わる余韻がようやく静まり、思考が澄んでいく。
向かいに立つジャンゴが、恭しく一礼し、静かに口を開いた。
「それでは改めて――ご紹介いたします」
その声に応じるように、扉の脇に立っていた四人の家族が一歩前に進む。
ジャンゴは視線だけで彼らを促しながら、説明を続けた。
「こちらは、クーシャルバーニア帝国に仕えていた料理人一家です。
父・ミゲル、母・イレーナ、長女・セラミナ、長男・ユリオ──四名揃ってのご案内となります」
僕は家族たちに目をやった。
ミゲルは無言で立っている。精悍な顔つきと無精髭、やややつれた頬、瞳は黒に近い焦げ茶だ。包帯に覆われた右手が痛々しい。
「ミゲルはかつて子爵家にて厨房長を務めていた実力者です。
寡黙な性格で愛想は良くありませんが、実直な性格で彼を支持する者は多かったようです。
貴族に毒を盛ったことに対し罰で利き手の腱を切られましたが、調理の知識は健在です」
毒!? おいおい、やばいやつやん。いきなり地雷ぶっこんできたな。
彼は僕の視線に気づくと、ほんのわずかに頭を垂れた。言葉はないが、その仕草には職人としての矜持があるように見えた。
そして無念そうに、怒りを秘めた目で唇を噛んでいる。
……ほんとに毒盛ったのかなあ? なんか事情がありそうだ。訊いてみないとな。
「妻のイレーナは、傍系騎士爵家の三女にして、確かな調理技術で夫をよく補佐しました。洗濯、掃除の技術も一通りあるので家政婦としてもよく働けるでしょう。
また貴族の前主人との伽により、子は望めぬ身体となっており、やや体調を崩しておりますが……気立ての良い性格で人柄に申し分ございません」
夫がいるのに伽って……まあそういうこともあるのか。ていうか乱暴プレイで痛めたってこと? まったく、貴族ってやつは……。やっぱ前の主人ってのに問題ありそうな気配だな。
イレーナは微笑みながらも、明らかに疲れの残る表情で、腕に抱いたユリオの顔を見下ろしていた。時折、けほけほ、と咳をして顔色も悪い。
彼女の髪はやや癖のある焦げ茶色のロングヘア。基本はざっくりと結んでおり、後れ毛がこめかみで揺れている。
やや細めの糸目が色気ムンムンだ。ぱっちり開くことはほとんどないが、笑みを浮かべた時にふわっと和ませる優しい表情が印象的だ。
あとホクロが口元、左下のあたりにぽつりとひとつ。人妻感がすごい。
全体的に、母性を感じるややぽっちゃり型かな。特に腰回りと胸に柔らかさがあるが、腕や指は鍛えられた調理人の太さを感じる。
あと……胸は少し垂れ気味、腰回り尻周りのの肉付きはかなりよく、本来なら元気な子供を産めそう。お腹にも肉は付いているが太っているわけじゃないね。
ふぅ、思わず見入ってしまった。人妻最高。
「年増女ではございますが……御主人様に、精一杯お仕えいたします。そちらの経験も豊富でございます……ですので、どうか……」
イレーナの声はかすれていたが、言葉には強い意志があった。垂れ気味なおっぱいもぷるぷる揺れて、幸薄そうな人妻ってのがぐっとくる。
「娘のセラミナは、まだ若く、比較的健康です。
調理、洗濯、掃除の知識もございます。特筆すべきは母譲りの肉付きの良さで、将来的には元気な子を産めるでしょう」
その言葉に、セラミナは目を丸くして顔を赤らめた。
けれど逃げるような素振りはなく、僕をまっすぐ見つめて一礼する。
「……お貴族様……っ、どうぞよろしくお願いいたします……! 私が、精一杯、励みますので……! どうか、家族を、どうかっ」
なんか僕のことを貴族だと勘違いしているようだ。まあ、立場的にそう見えるのかな?
セラミナは少女のあどけなさが残る顔で必死に頭を下げてくる。おっぱいには張りがあって、ジャンゴさんの言う通り、歳の割に肉付きがいい。顔立ちは地味めなんだけど、それが逆にいい。
身長は中くらいだが、母譲りの腰と尻の発育が早く、服越しにも女らしい曲線が目を引く。
肌は明るめの小麦色で、少し乾燥しているが、手入れすればすぐに潤いを取り戻すだろう。
髪は母と同じ焦げ茶色だが、少し癖が強く、ハーフアップにして後ろで一つに縛っている。動くたび揺れる白いリボンが年相応の可憐さを引き立てる。
目は……母よりぱっちりしており、茶色の瞳に芯の強さが宿る。なるほど、この目が彼女を“地味めだけど美少女”という印象たらしめているんだね。
「そして、ユリオ。現在は病床にありますが、利発な子と聞いております。
体調が回復すれば、従者として仕込むことも可能かと」
うん、死にかけだ。早く治療してあげないと。ていうかかなり身長の割にガリガリだな。お母さんが一人で抱きかかえられるくらいには軽くなっちゃったんだろう。
ジャンゴは最後に、軽く口元を引き締めた。
「なお、母娘ともに、“主様に尽くす”覚悟は既にできております。
あとは、タネズ様のご判断次第です」
イレーナは疲れた微笑みでもって頭を下げ、セラミナは不安そうに瞳を揺らしながらも覚悟を決めて頭を下げた。
え、マジ?
「夫も弟もいるのに、いいの?」
「問題ございません。帝国では身分制が強く、使用人や従者が主人に妻や娘を差し出すことが習慣です。その見返りに、手厚い庇護を与える、というのが向こうの善き貴族のあり方でもあります」
「じゃあ前の主人は善き貴族じゃなかったんだねえ」
「そうとも言えますな」
肩を竦めるジャンゴさん。
ふむ、父親公認母娘NTRか。帝国、ろくでもなさそうだけど良い文化が根付いているな。
「じゃあいくつか質問するね」
「なんなりと」
優雅に一礼するジャンゴさんとは対象的に、緊張している家族たち。ユリオのかすれた呼吸だけが空を鳴らす。
「単刀直入に聞くけど、前の主人に毒盛ったのってほんと?」
部屋の空気が、ひときわ重くなった。
セラミナが息をのむ。イレーナがそっと彼女の手を握る。
だが、それを制するように、男が――ミゲルが、ゆっくりと口を開いた。
「……やっていない。俺は、濡れ衣を着せられた」
低く、絞り出すような声だった。
「……毒を盛られたのは、あいつ、クソル・アンクーン子爵の“政治敵”だ。俺は、それを知らされず、ただ料理を出した」
ひでえ名前の子爵だなあ……。
言い訳がましくも聞こえるその声に、しかし一点の迷いもなかった。
「……味見も、下ごしらえも、全部……俺がやった。いつも通りだった」
「……でも、“あれはミゲルの仕業だ”と……そういうことにされた。毒を盛ったやつは別にいる……。あいつは……味覚障害を持っていて、俺の出す料理を疎んでいた……先代様と違い、性格がねじ曲がっていた……」
わずかに伏せられた目に、静かな悔しさが滲んでいた。
「死罪になりかけたが……弟子たちや縁ある方々が助命嘆願してくれた……。
だから俺たちは……こうして、まだ生きてる」
それ以上、彼は語らなかった。
まるで、それが“料理人としての矜持”と“男としての限界”の交差点で、もう声を出せる場所ではないかのように。
イレーナがそっと彼の手を取った。
「……すべて、過ぎたことです。
ですが、私たちは……何一つ罪を犯すようなことはしておりません……っゴホッけほっ」
「お母さん……無理しないで……」
「大丈夫よ、セラミナ。貴方が心配することは何もないのよ……」
泣きそうな顔で心配するセラミナ。
イレーナの声は、優しさと、拭いきれない疲労と、微かに残る震えと、母としての強さに満ちていた。
僕は頷く。
「……分かった。じゃあ次の質問をするよ。
君たちの“すべて”って、具体的に何? 何を、捧げられるの? ……セラミナさん、答えて」
夫婦とは話したので次は娘さんとだ。
僕の問いに、あっあっ、と慌てる地味料理娘ちゃん。なんかイジメてるみたいで申し訳ない。でも本当に切羽詰まったときの君の反応や言葉を確認しておきたいんだ。
しばし沈黙が落ちる。
セラミナは小さく震えながらも、ついに答えを見つけたようだ。膝をついたまま背筋を伸ばし、視線を逸らさずに答える。
「……家族です。それが、私たちのすべて……」
「ふむ?」
声はかすれていたが、まっすぐだった。
言いながら、彼女の指がぎゅっと拳を握る。
その指先は、微かに白くなっていた。
「私も母も料理ができます。掃除も洗濯も、よ、夜伽も。力仕事は……父が左手でもやれます。私たちも頑張ります。泣き言も、弱音も吐きません。
弟は回復したら……小さな手でも、必ず役に立ちます」
息が詰まりそうになるのを堪えながら、彼女は言葉を紡ぎ続ける。
「母は……もう子供は産めません。でも、あの人がいたから、私は育ちました。
優しくて、教え方が上手くて、愚図な私を庇って、火傷しながら厨房に立ってくれたこともありました──母がいないと、私、何にもできませんでした。だから、母のために、今度は私が頑張るんです」
イレーナが微かに目を伏せる。ユリオの細い呼吸が、空気の隙間をすり抜けて響く。
「……私なんかに、売れる価値なんて、ないのかもしれないって、ずっと思ってました。
でも……それでも、お願いします、お願いします。
ユリオにおくすりを買ってあげたいんです。こんなに痩せてしまって、普段は本当に元気な子、なんです。私はお姉ちゃん、なんです。
父は私たちのために、母は私とユリオのために、私はユリオのために、何をしたって、命をつなぎます。
もう、あとは命を削るだけです。それでも、家族でいられるなら……」
感情的になったセラミナは、段々と支離滅裂な文脈になっていく。
セラミナの目尻から、一筋の涙が滑り落ちた。
それでも彼女は、僕の目を見て、決して伏せなかった。
「私たちを、主様の……道具にしてください。
私でよければ、全部、捧げます。ほんとうに、全部です。ら、乱暴してもかまいません。わ、私がいちばん健康で、頑丈ですから……。だから、どうか……どうか、“家族ごと”買ってください、お願いします、お願いします。離れたくないんです、一緒にいたいんです。わ、私みたいな地味な女よりも、綺麗な人はいるかもしれませんが、きっとご満足して頂けます。な、なんでもやります。どんなことでも……だから、ひぐっ、お、お願いします、お願いします……うまく言えなくてごめんなさい……許してください……」
言いたいことをうまく言えない状況じゃポイズンなセラミナちゃん。自分でも支離滅裂なことを口走っている、という自覚はあるのか、絶望の表情を浮かべている。
「つまり、あなたたちは……」
僕が話し出すと、料理人家族は息を呑んでこっちを見つめてきた。
「父は包丁の持てない料理人、母は子を産めず病にかかっていて、息子は死にかけ……唯一健康なのは娘だけで、家族ごと買ってほしい、と。うーん、値段に釣り合わないな」
ここで僕は心を鬼にして酷いことを言ってみる。ジャンゴさんが、眉をピクピク動かしているのは笑いを堪えているからか? 仕方ないだろ、こんな酷いこと素面で言える人間じゃないんだよ。地元では慈愛のタネズって呼ばれてたんだぞ。
「そ、そんな」
セラミナの絶望顔が深まる。ううっ、地味顔美少女の絶望顔、なんて背徳的なんだ。癖にならないようにしないと。
「……なら……」
ミゲルがゆっくりと、重々しく話す。
「セラミナだけなら……値段に釣り合う。そういうことだな?」
「お父さんッ!」
「お前は黙っていろ」
セラミナが絶叫するが、父親にぴしゃりと制される。
「お貴族様……どうなんだ?」
「うん。貴方の言う通り、彼女だけから釣り合うね。健康そうだし」
「ふっ……そうか」
「……あなた」
イレーナが諦めたように笑う夫を見て、苦しそうに言った。
「イレーナ……セラミナ一人でも助かる。上出来だろう。ここら辺が、潮時だ」
「ええ……そうね」
イレーナが笑った。
その顔はどこまでも優しくて、どこまでも壊れそうだった。
彼女は腕の中で眠るユリオの頬に、そっと手を添える。
「セラミナ。ユリオは……私がちゃんと向こうでも面倒見るから。安心して。
この子のことは、母として最後まで……見届けるから」
その瞬間だった。
「──やだっ!!」
張り詰めていた空気が、セラミナの絶叫で破られた。
「……やだッ!! やだやだやだ、そんなの絶対……ッ!!」
「わかってますよ……っ、全部……わかってるのに……ッ!」
「なのに……どうして、どうして“家族”を捨てることが正しいって顔で言えるんですか……っ!!」
「そんなの、そんなのっ……っ、ぜったいに……おかしい……っ!!」
声が震えていた。
涙がこぼれ落ちるのも構わず、彼女は地面を叩くようにして前に出る。
そうだ、そのとおりだ。
彼女は今、魂で叫んでいる。その言葉、すべてが僕に突き刺さる。
「誰かひとりだけが救われても……意味がありません!」
「父も、母も、ユリオも……全部そろって、やっと“家族”なんです!」
そして少女は大きく息を吸い、心の底から言った。
「“”家族は、絶対に、離れ離れになってはいけない”んですッ!」
涙で顔はくしゃくしゃだった。
嗚咽を堪えながら、彼女の奥底にある言葉を絞るように吐き出した。
それは僕の心に深く突き刺さる。
もう声は出なかった。
セラミナは膝をつき、地面に額をこすりつけるようにして、嗚咽を漏らした。小さい声でなんどもなんども「お願いします、お願いします」という祈りのような声が聞こえる。
その背中は小さくて、でも、何よりも大きな“意志”を背負っていた。
僕は、黙って彼女を見つめていた。
セラミナの絶叫が、部屋の隅々にまで染み込んでいく。
イレーナは、何かを言おうとして、けれど声にならず──
ただ、震える手で口元をぎゅっと押さえた。
「……ぁ……っ……う……っ……うぅ……」
零れ落ちたのは、嗚咽ともつかぬ声だった。
押し殺したそれは、かえって苦しさを際立たせる。
唇を噛み、肩を震わせながら、イレーナは、泣いた。
「ごめんなさい……ごめんね、セラミナ……」
泣き崩れるように、その場に膝をついて。
母として、女として、何も差し出せないまま娘に叫ばせてしまった、その無力さに。
ミゲルは、拳を固く握っていた。
何も言わず、ただ俯いたまま。
その目から──ぼたり、ぼたりと、涙が落ちる。
重い。
それは悲しみでも悔しさでもない。
己のふがいなさを呪う男の、“鉛のような涙”だった。
家族を守りきれなかった料理人。
包丁を奪われ、誇りを折られ、それでも立ち続けた男が、
今、娘の叫びによって――膝を折りそうになっていた。
言葉はなかった。
でも、その背中が語っていた。
“俺がもっと強ければ”
“もっと早く、何かができていれば”
“娘にあんなことは言わせなかったのに”と。
そして、長い沈黙のあと、僕は口を開いた。
「その言葉が聞きたかった」
床に額を擦りつける少女の服の隙間。汗で湿った布地が、谷間に張りついていた。
ギンギンっ!
(や、やばい早く出さないと、何も考えられなくなる……)
叱責の声は脳内だけだった。
だが下半身は、すでに主の理性に従ってはいなかった。
ズボンの内側――装着されている“それ”が、きゅうきゅうと押し返してくる。
出発前に渡されたサンドリアの“霧穴”。
千霧魔法で開かれたちっちゃい霧まんこは、密着したまま、ずっと装着されていた。
膣中はぐっちょり濡れており、時おり霧がくすぐるようにぴくつく。
──限界だ。
一回射精しないと精神的に死ぬ。
(ていうか、ずっと勃起してると鬱血してちんちん腐るって聞いたことあるし、抜いとこう)
意を決して、僕は軽く太腿を締め、内部に四度、刺激を送る。
(ッ、ッ……ッ、ッ)
その瞬間、何もない空間の奥が、ぬるるぅ、と動いた。
『まってた、まってた♡』
ほかほかっ。ぬくぬくっ。
そんな声が聞こえてきそうなぬるぬるで暖かい腟内。
遠くの霧穴の向こう――サンドリアが、その“りとる霧おまんこ”で応えたのだ。
何も言葉はない。ただ、彼女の“うねり”だけが、
僕の衝動を、優しく、甘く、ねっとりと受け入れていく。
(……ぐおおおお! 早く搾り取ってくれ!……)
ぴんぴんぴんぴんっ!
土下座する家族たちの真上で、僕は平静を装いながら、
股間を高速でビン立ちさせる。
すると、霧の向こうでもサンドリアが何かを察知したのか物凄い勢いで絞り始めた。
ちゅる、ちゅっぽ、じゅぶっ、ぐぽぉ……っ
ずるるっ、じゅるじゅるっ、んちゅっ、んぐっ、くぷ……
ぬぽっ、じゅぽっ、じゅるるぅ……ちゅぴ、ちゅぱあ……
ごぽっ、ごぷっ、ごくん、ごく、ぴちゃあ……
「タネズ様? どうかされましたか?」
「……ふぅ、いや、なんでもない」
僕は深く椅子に腰を沈め、呼吸を整える。
霧穴から伝わる余韻がようやく静まり、思考が澄んでいく。
向かいに立つジャンゴが、恭しく一礼し、静かに口を開いた。
「それでは改めて――ご紹介いたします」
その声に応じるように、扉の脇に立っていた四人の家族が一歩前に進む。
ジャンゴは視線だけで彼らを促しながら、説明を続けた。
「こちらは、クーシャルバーニア帝国に仕えていた料理人一家です。
父・ミゲル、母・イレーナ、長女・セラミナ、長男・ユリオ──四名揃ってのご案内となります」
僕は家族たちに目をやった。
ミゲルは無言で立っている。精悍な顔つきと無精髭、やややつれた頬、瞳は黒に近い焦げ茶だ。包帯に覆われた右手が痛々しい。
「ミゲルはかつて子爵家にて厨房長を務めていた実力者です。
寡黙な性格で愛想は良くありませんが、実直な性格で彼を支持する者は多かったようです。
貴族に毒を盛ったことに対し罰で利き手の腱を切られましたが、調理の知識は健在です」
毒!? おいおい、やばいやつやん。いきなり地雷ぶっこんできたな。
彼は僕の視線に気づくと、ほんのわずかに頭を垂れた。言葉はないが、その仕草には職人としての矜持があるように見えた。
そして無念そうに、怒りを秘めた目で唇を噛んでいる。
……ほんとに毒盛ったのかなあ? なんか事情がありそうだ。訊いてみないとな。
「妻のイレーナは、傍系騎士爵家の三女にして、確かな調理技術で夫をよく補佐しました。洗濯、掃除の技術も一通りあるので家政婦としてもよく働けるでしょう。
また貴族の前主人との伽により、子は望めぬ身体となっており、やや体調を崩しておりますが……気立ての良い性格で人柄に申し分ございません」
夫がいるのに伽って……まあそういうこともあるのか。ていうか乱暴プレイで痛めたってこと? まったく、貴族ってやつは……。やっぱ前の主人ってのに問題ありそうな気配だな。
イレーナは微笑みながらも、明らかに疲れの残る表情で、腕に抱いたユリオの顔を見下ろしていた。時折、けほけほ、と咳をして顔色も悪い。
彼女の髪はやや癖のある焦げ茶色のロングヘア。基本はざっくりと結んでおり、後れ毛がこめかみで揺れている。
やや細めの糸目が色気ムンムンだ。ぱっちり開くことはほとんどないが、笑みを浮かべた時にふわっと和ませる優しい表情が印象的だ。
あとホクロが口元、左下のあたりにぽつりとひとつ。人妻感がすごい。
全体的に、母性を感じるややぽっちゃり型かな。特に腰回りと胸に柔らかさがあるが、腕や指は鍛えられた調理人の太さを感じる。
あと……胸は少し垂れ気味、腰回り尻周りのの肉付きはかなりよく、本来なら元気な子供を産めそう。お腹にも肉は付いているが太っているわけじゃないね。
ふぅ、思わず見入ってしまった。人妻最高。
「年増女ではございますが……御主人様に、精一杯お仕えいたします。そちらの経験も豊富でございます……ですので、どうか……」
イレーナの声はかすれていたが、言葉には強い意志があった。垂れ気味なおっぱいもぷるぷる揺れて、幸薄そうな人妻ってのがぐっとくる。
「娘のセラミナは、まだ若く、比較的健康です。
調理、洗濯、掃除の知識もございます。特筆すべきは母譲りの肉付きの良さで、将来的には元気な子を産めるでしょう」
その言葉に、セラミナは目を丸くして顔を赤らめた。
けれど逃げるような素振りはなく、僕をまっすぐ見つめて一礼する。
「……お貴族様……っ、どうぞよろしくお願いいたします……! 私が、精一杯、励みますので……! どうか、家族を、どうかっ」
なんか僕のことを貴族だと勘違いしているようだ。まあ、立場的にそう見えるのかな?
セラミナは少女のあどけなさが残る顔で必死に頭を下げてくる。おっぱいには張りがあって、ジャンゴさんの言う通り、歳の割に肉付きがいい。顔立ちは地味めなんだけど、それが逆にいい。
身長は中くらいだが、母譲りの腰と尻の発育が早く、服越しにも女らしい曲線が目を引く。
肌は明るめの小麦色で、少し乾燥しているが、手入れすればすぐに潤いを取り戻すだろう。
髪は母と同じ焦げ茶色だが、少し癖が強く、ハーフアップにして後ろで一つに縛っている。動くたび揺れる白いリボンが年相応の可憐さを引き立てる。
目は……母よりぱっちりしており、茶色の瞳に芯の強さが宿る。なるほど、この目が彼女を“地味めだけど美少女”という印象たらしめているんだね。
「そして、ユリオ。現在は病床にありますが、利発な子と聞いております。
体調が回復すれば、従者として仕込むことも可能かと」
うん、死にかけだ。早く治療してあげないと。ていうかかなり身長の割にガリガリだな。お母さんが一人で抱きかかえられるくらいには軽くなっちゃったんだろう。
ジャンゴは最後に、軽く口元を引き締めた。
「なお、母娘ともに、“主様に尽くす”覚悟は既にできております。
あとは、タネズ様のご判断次第です」
イレーナは疲れた微笑みでもって頭を下げ、セラミナは不安そうに瞳を揺らしながらも覚悟を決めて頭を下げた。
え、マジ?
「夫も弟もいるのに、いいの?」
「問題ございません。帝国では身分制が強く、使用人や従者が主人に妻や娘を差し出すことが習慣です。その見返りに、手厚い庇護を与える、というのが向こうの善き貴族のあり方でもあります」
「じゃあ前の主人は善き貴族じゃなかったんだねえ」
「そうとも言えますな」
肩を竦めるジャンゴさん。
ふむ、父親公認母娘NTRか。帝国、ろくでもなさそうだけど良い文化が根付いているな。
「じゃあいくつか質問するね」
「なんなりと」
優雅に一礼するジャンゴさんとは対象的に、緊張している家族たち。ユリオのかすれた呼吸だけが空を鳴らす。
「単刀直入に聞くけど、前の主人に毒盛ったのってほんと?」
部屋の空気が、ひときわ重くなった。
セラミナが息をのむ。イレーナがそっと彼女の手を握る。
だが、それを制するように、男が――ミゲルが、ゆっくりと口を開いた。
「……やっていない。俺は、濡れ衣を着せられた」
低く、絞り出すような声だった。
「……毒を盛られたのは、あいつ、クソル・アンクーン子爵の“政治敵”だ。俺は、それを知らされず、ただ料理を出した」
ひでえ名前の子爵だなあ……。
言い訳がましくも聞こえるその声に、しかし一点の迷いもなかった。
「……味見も、下ごしらえも、全部……俺がやった。いつも通りだった」
「……でも、“あれはミゲルの仕業だ”と……そういうことにされた。毒を盛ったやつは別にいる……。あいつは……味覚障害を持っていて、俺の出す料理を疎んでいた……先代様と違い、性格がねじ曲がっていた……」
わずかに伏せられた目に、静かな悔しさが滲んでいた。
「死罪になりかけたが……弟子たちや縁ある方々が助命嘆願してくれた……。
だから俺たちは……こうして、まだ生きてる」
それ以上、彼は語らなかった。
まるで、それが“料理人としての矜持”と“男としての限界”の交差点で、もう声を出せる場所ではないかのように。
イレーナがそっと彼の手を取った。
「……すべて、過ぎたことです。
ですが、私たちは……何一つ罪を犯すようなことはしておりません……っゴホッけほっ」
「お母さん……無理しないで……」
「大丈夫よ、セラミナ。貴方が心配することは何もないのよ……」
泣きそうな顔で心配するセラミナ。
イレーナの声は、優しさと、拭いきれない疲労と、微かに残る震えと、母としての強さに満ちていた。
僕は頷く。
「……分かった。じゃあ次の質問をするよ。
君たちの“すべて”って、具体的に何? 何を、捧げられるの? ……セラミナさん、答えて」
夫婦とは話したので次は娘さんとだ。
僕の問いに、あっあっ、と慌てる地味料理娘ちゃん。なんかイジメてるみたいで申し訳ない。でも本当に切羽詰まったときの君の反応や言葉を確認しておきたいんだ。
しばし沈黙が落ちる。
セラミナは小さく震えながらも、ついに答えを見つけたようだ。膝をついたまま背筋を伸ばし、視線を逸らさずに答える。
「……家族です。それが、私たちのすべて……」
「ふむ?」
声はかすれていたが、まっすぐだった。
言いながら、彼女の指がぎゅっと拳を握る。
その指先は、微かに白くなっていた。
「私も母も料理ができます。掃除も洗濯も、よ、夜伽も。力仕事は……父が左手でもやれます。私たちも頑張ります。泣き言も、弱音も吐きません。
弟は回復したら……小さな手でも、必ず役に立ちます」
息が詰まりそうになるのを堪えながら、彼女は言葉を紡ぎ続ける。
「母は……もう子供は産めません。でも、あの人がいたから、私は育ちました。
優しくて、教え方が上手くて、愚図な私を庇って、火傷しながら厨房に立ってくれたこともありました──母がいないと、私、何にもできませんでした。だから、母のために、今度は私が頑張るんです」
イレーナが微かに目を伏せる。ユリオの細い呼吸が、空気の隙間をすり抜けて響く。
「……私なんかに、売れる価値なんて、ないのかもしれないって、ずっと思ってました。
でも……それでも、お願いします、お願いします。
ユリオにおくすりを買ってあげたいんです。こんなに痩せてしまって、普段は本当に元気な子、なんです。私はお姉ちゃん、なんです。
父は私たちのために、母は私とユリオのために、私はユリオのために、何をしたって、命をつなぎます。
もう、あとは命を削るだけです。それでも、家族でいられるなら……」
感情的になったセラミナは、段々と支離滅裂な文脈になっていく。
セラミナの目尻から、一筋の涙が滑り落ちた。
それでも彼女は、僕の目を見て、決して伏せなかった。
「私たちを、主様の……道具にしてください。
私でよければ、全部、捧げます。ほんとうに、全部です。ら、乱暴してもかまいません。わ、私がいちばん健康で、頑丈ですから……。だから、どうか……どうか、“家族ごと”買ってください、お願いします、お願いします。離れたくないんです、一緒にいたいんです。わ、私みたいな地味な女よりも、綺麗な人はいるかもしれませんが、きっとご満足して頂けます。な、なんでもやります。どんなことでも……だから、ひぐっ、お、お願いします、お願いします……うまく言えなくてごめんなさい……許してください……」
言いたいことをうまく言えない状況じゃポイズンなセラミナちゃん。自分でも支離滅裂なことを口走っている、という自覚はあるのか、絶望の表情を浮かべている。
「つまり、あなたたちは……」
僕が話し出すと、料理人家族は息を呑んでこっちを見つめてきた。
「父は包丁の持てない料理人、母は子を産めず病にかかっていて、息子は死にかけ……唯一健康なのは娘だけで、家族ごと買ってほしい、と。うーん、値段に釣り合わないな」
ここで僕は心を鬼にして酷いことを言ってみる。ジャンゴさんが、眉をピクピク動かしているのは笑いを堪えているからか? 仕方ないだろ、こんな酷いこと素面で言える人間じゃないんだよ。地元では慈愛のタネズって呼ばれてたんだぞ。
「そ、そんな」
セラミナの絶望顔が深まる。ううっ、地味顔美少女の絶望顔、なんて背徳的なんだ。癖にならないようにしないと。
「……なら……」
ミゲルがゆっくりと、重々しく話す。
「セラミナだけなら……値段に釣り合う。そういうことだな?」
「お父さんッ!」
「お前は黙っていろ」
セラミナが絶叫するが、父親にぴしゃりと制される。
「お貴族様……どうなんだ?」
「うん。貴方の言う通り、彼女だけから釣り合うね。健康そうだし」
「ふっ……そうか」
「……あなた」
イレーナが諦めたように笑う夫を見て、苦しそうに言った。
「イレーナ……セラミナ一人でも助かる。上出来だろう。ここら辺が、潮時だ」
「ええ……そうね」
イレーナが笑った。
その顔はどこまでも優しくて、どこまでも壊れそうだった。
彼女は腕の中で眠るユリオの頬に、そっと手を添える。
「セラミナ。ユリオは……私がちゃんと向こうでも面倒見るから。安心して。
この子のことは、母として最後まで……見届けるから」
その瞬間だった。
「──やだっ!!」
張り詰めていた空気が、セラミナの絶叫で破られた。
「……やだッ!! やだやだやだ、そんなの絶対……ッ!!」
「わかってますよ……っ、全部……わかってるのに……ッ!」
「なのに……どうして、どうして“家族”を捨てることが正しいって顔で言えるんですか……っ!!」
「そんなの、そんなのっ……っ、ぜったいに……おかしい……っ!!」
声が震えていた。
涙がこぼれ落ちるのも構わず、彼女は地面を叩くようにして前に出る。
そうだ、そのとおりだ。
彼女は今、魂で叫んでいる。その言葉、すべてが僕に突き刺さる。
「誰かひとりだけが救われても……意味がありません!」
「父も、母も、ユリオも……全部そろって、やっと“家族”なんです!」
そして少女は大きく息を吸い、心の底から言った。
「“”家族は、絶対に、離れ離れになってはいけない”んですッ!」
涙で顔はくしゃくしゃだった。
嗚咽を堪えながら、彼女の奥底にある言葉を絞るように吐き出した。
それは僕の心に深く突き刺さる。
もう声は出なかった。
セラミナは膝をつき、地面に額をこすりつけるようにして、嗚咽を漏らした。小さい声でなんどもなんども「お願いします、お願いします」という祈りのような声が聞こえる。
その背中は小さくて、でも、何よりも大きな“意志”を背負っていた。
僕は、黙って彼女を見つめていた。
セラミナの絶叫が、部屋の隅々にまで染み込んでいく。
イレーナは、何かを言おうとして、けれど声にならず──
ただ、震える手で口元をぎゅっと押さえた。
「……ぁ……っ……う……っ……うぅ……」
零れ落ちたのは、嗚咽ともつかぬ声だった。
押し殺したそれは、かえって苦しさを際立たせる。
唇を噛み、肩を震わせながら、イレーナは、泣いた。
「ごめんなさい……ごめんね、セラミナ……」
泣き崩れるように、その場に膝をついて。
母として、女として、何も差し出せないまま娘に叫ばせてしまった、その無力さに。
ミゲルは、拳を固く握っていた。
何も言わず、ただ俯いたまま。
その目から──ぼたり、ぼたりと、涙が落ちる。
重い。
それは悲しみでも悔しさでもない。
己のふがいなさを呪う男の、“鉛のような涙”だった。
家族を守りきれなかった料理人。
包丁を奪われ、誇りを折られ、それでも立ち続けた男が、
今、娘の叫びによって――膝を折りそうになっていた。
言葉はなかった。
でも、その背中が語っていた。
“俺がもっと強ければ”
“もっと早く、何かができていれば”
“娘にあんなことは言わせなかったのに”と。
そして、長い沈黙のあと、僕は口を開いた。
「その言葉が聞きたかった」
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