死んだと思えば大体なんだって出来る 世界を変えれない僕は自分を変える事にしました。

僕はリズ・ヴァートリー。

生まれてから、ずっとじいちゃんのゴードン・ヴァートリーとスレイプニル(馬)と旅をしている。

将来の夢は”勇者の行方”で描かれているような冒険者になり、世界中を旅することだ。

勇者の行方というのは、とある田舎町出身の若者が色んな国や町に行き、強くなっていく物語で。

この世界にいる人の誰もが知っている実話に基づいた有名な勇者と魔王との戦いが描かれたお話だ。

そして、何故か左目に眼帯をしており、家名であるヴァートリーを名乗ることを止められている。

じいちゃんが言うには、眼帯をしている方が修行になるとか……昔出会った強い冒険者がしていたからしているとか……よくわからないことを言っていた。

家名についても、家柄なんて関係なく大成するのが、真の冒険者とか……このことについてもよくわからないことを言っている。

目を背けたりする仕草からして、何か隠し事があるよいな気もするんだけど――。

ただ、どちらも今は他人に明かさない方がいいとのことだ。

その時のじいちゃんの表情はいつになく真剣だったので、これは信じて守り続けている。

そんな僕が六歳になったある日、じいちゃんから生まれた日の話を打ち明けられていた。



🌟🌟🌟



ここは”勇者の行方”でも語られている勇者と魔王との戦いが相打ちという形で幕を引いてから平和となった五十年後の世界。

この世界には、北から、エルフの国であるドレイン王国、ドワーフの国であるアイアン、その二か国の東側に隣接し、五十年前の勇者一行と魔王軍の戦いによって、魔族を擁する初の他民族国家となったライン王国、その隣に位置する獣人の国、アルフレザ。

この様々な文化や種族を擁する四つの国が存在していた。

その国の一つである多民族国家ライン王国のリターニアという、自然豊かな土地で小さな命が誕生しようとしていた。
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