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パイルバンカー制作、本格始動
翌日ログインし、三人でパイルバンカーをどう作るかの会議を開く。
「で、何から話し合いましょうか?」「そうね……恐らく、この三人ともにパイルバンカー、もしくはそのもどき止まりであったとしてもここは絶対譲れない、譲りたくないって所はあると思うの。それをお互いハッキリと言葉にするというのはどう?」
自分の言葉に、カーネリアンからの提案が出る。そうだな……確かにその点のこだわりは皆強いだろう。ならば最初にそのこだわりをはっきりと認識しあってそこからどうやれば実現できるかを考えるべきか。ある程度作ってからここが気に入らないとかの話になったら揉めること間違いなし、だ。
「確かに、それが良いと思います」「俺も同意するぜ。最初にはっきりと方向性、お互いの希望を認識しあっておくってのは大事な事だと俺も思う」
自分、そしてストラスも同意する言葉を口にする。ならば次はお互いのこだわりを出し合う番だ。
「言い出したのは私だから、早速私からね。私としてはやっぱり威力よね。扱いずらい、リーチが短い、重量もかさむとデメリットが多い分決まれば一撃で相手が沈むか大ダメージを取れる。やっぱりパイルバンカーと言えばこの一撃必殺性でしょ!」
ああ、確かに分かる。決まれば一撃必殺だからこそ、メカ物の対戦では担いでくる人がいる。まず当たらないが、当たれば瞬間決着。それこそがパイルバンカーのロマン性であり、兵器としての恐ろしさだ。無論ゲームなどによっては一撃必殺性が低い事もある。だが、それでも刺されば大ダメージという点は変わらないだろう。
「じゃあ次は俺が。一撃の火力も大事だ。でもよ、やっぱりある程度運搬しやすい形である事も重視したいぜ。攻城兵器じゃないんだ、運用するためにはある程度気軽に運べてこそだろう。弾数が限られちまうのは仕方がないけどよ、運搬しにくいって欠点だけはなくしたいな」
うん、これも最もだ。今から作るのは大勢の人が押して動かすようなデカ物じゃないんだ。運搬しやすい、戦闘中でも動かしにくいような事が無い様にすると言うのは大事だ。そうでなければ使い物にならない。
「では最後に自分が。動力はやっぱり火薬にしたいですね。爆炎と共に杭が射出されて相手を打ち貫くのがパイルバンカーだという認識が強いので」
そして自分の意見を口にした。これは譲りたくない点だ……やはり杭を打ち出した直後に爆炎が舞ってこそパイルバンカーを使っているという気持ちになれるのだ。もちろん個人的な意見であり、そんな事ないだろうと言う反論はもちろんあっていい。
「ここまでの話を聞いて、お互いの意見にそれは無理だとか修正するべきだという反論はあるかしら?」
カーネリアンの確認に、自分とストラスは首を振った。どうやら、お互いに分かり合える範疇の話に収まっているようだ。
「そうなると後は役割分担だが……これはもう決まったも同然じゃないか? 俺が出来るだけ軽くて頑丈な合金の開発。カーネリアンが一撃必殺性を実現する爆発する杭の制作。そしてアースさんがパイルバンカーの土台部分の制作。これでいいんじゃねえ?」
ストラスの言葉に、反論は出ない。確かにそれが一番効率的な役割分担だろう。そうなるとまず自分はゲームなどを参考にしたパイルバンカーをまず作る。そこからどうすればより三人の希望がかなえられる物になるかを詰めていくという流れになるだろう。今回のパイルバンカーは杭を完全に射出するタイプなので、杭を抑える機構は考えなくていい。
「了解、ではまずは試作品をお互いに出し合う所まで行くのが第一段階ですかね? そこからお互いに意見を出して改良を重ねる。ですが、とりあえずカーネリアンさんには普通の鉄でいいので杭部分を作ってもらえませんか? その杭を基に土台の大きさなどを決めていきたいので」
杭の大きさが分からないとどうしようもないからね……なので、カーネリアンさんには模型代わりにこれぐらいの杭でやると言う事を教えてもらっておかないとね。
「そうね……何の変哲もない杭ならすぐできるからちゃちゃっと作ってくるわ」
との言葉を残して一旦この場から離れ、一分もしないうちに戻ってきた。手の中には細い杭が一本握られている。
「持ち歩くこと、重量を加味するとこれぐらいが限界だと思うのよ。どう?」
長さはたぶん十五センチぐらい。直径二センチあるかどうか。パイルバンカーとしては杭が細すぎる気がしなくもないが、確かに機構の重量を加味すると打ち出す杭のサイズとしてはこれぐらいが限界なのかもしれない。杭がでかくなれば当然打ち出すために必要なパワーも支える土台も大きくならざるを得ない。そうなれば当然重量がかさむしストラスの希望する運搬しやすさからはかけ離れてしまう事に繋がる。
「なるほど……この大きさで、火薬に該当する物を詰め込んだ場合の火力はどれぐらいでしょうか?」
この細さだと、自分の技術で生み出せる物では大した火力は出せない。もちろん相手の体を貫いて内部爆発させるわけだからそれなりのダメージはとれるだろうが……一撃必殺とは口が裂けても言えないだろう。なのでそこはカーネリアンが作る爆発物の威力次第と言う事になるのだが……
「レッサードラゴン相手レベルなら、突き刺した部分を木っ端みじんにすることが出来るわね。もちろん胴体に刺されば大きな穴が開く事は間違いないわ。だから、このサイズの杭が刺さるのであれば威力は保証できるわ」
それはまた恐ろしい事。だが、カーネリアンの表情には自信が満ち溢れている。嘘や誇張でこちらを騙そうという雰囲気ではない。本当に彼女はそれが出来ると胸を張って言えるのだと理解した。
「アースさん、カーネリアンの作るやべえ爆発物はそれぐらいの火力はある。今の言葉は信じてくれていいですよ」
更にストラスからのフォローも入る。こちらもカーネリアンの爆発物ならばそれぐらいは容易い事とばかりに疑いの感情など微塵も顔に浮かんでいない。ならば、この杭を打ち出す事を考えて機構を組めばいいな。
「分かりました、ではこの杭の大きさを基準に土台部分を作って行こうと思います。では、お互いに作業を始めましょうか」「おう!」「ええ」
確認も終わったので、各自割り振られた作業へと取り掛かる。とりあえずログインする前にいくつかのメカ物に出てきたパイルバンカーの図面をゲームデートとして取り込んでおいたのでそれの確認から。それらを模せば、とりあえずの形にはなる……その上で、盾として運用するために出来るだけ高さは抑えたい。
後は杭を打ち出した時の爆炎がある程度逃げるようにもしておかないと……爆発物の性質上打ち出して杭が相手に刺さるまでは密閉しておくべきだが、それが終わったらその爆発によって発生した衝撃などが逃げられるようにその瞬間に開く部分などを用意しておかないとしておかないと機構が衝撃に耐えられずぶっ壊れる。
(それに、やっぱり杭を打ち出した後にいくつもの場所から炎が噴き出して煙が舞うのはパイルバンカーの格好良さには欠かせないでしょう)
あの爆炎が舞い、煙が漂うからこそパイルバンカーをぶっ放したという実感が沸く。折角趣味武器を作る以上、そう言う部分には無駄にとことんこだわりたい。周囲からアホだとか狂ってるとか言われてもいい、むしろ趣味武器にとっては誉め言葉という奴よ!
(よーし乗ってきた! この気持ちが冷めないうちに設計図をバリバリ書いちゃうぞっと!)
テンションが高まった自分は、そのままの勢いでパイルバンカーの設計図を書き始める。先に書いていた設計図とは杭からして全く違う物になる為に一からの書き直しとなるが、今のテンションならば設計図を考えて書いていく事が楽しくてしょうがない。最高の一品とするべく、今までの知識を総動員して作り上げるぞー!
*****
申し訳ありません、年末から年明けにかけて新年早々スランプに陥っておりました。
書きたい事はあるのにそれをどう文章にすればいいのかとかなり悩んでおりました。
今は何とか少し落ち着いたので、更新を再開します。
「で、何から話し合いましょうか?」「そうね……恐らく、この三人ともにパイルバンカー、もしくはそのもどき止まりであったとしてもここは絶対譲れない、譲りたくないって所はあると思うの。それをお互いハッキリと言葉にするというのはどう?」
自分の言葉に、カーネリアンからの提案が出る。そうだな……確かにその点のこだわりは皆強いだろう。ならば最初にそのこだわりをはっきりと認識しあってそこからどうやれば実現できるかを考えるべきか。ある程度作ってからここが気に入らないとかの話になったら揉めること間違いなし、だ。
「確かに、それが良いと思います」「俺も同意するぜ。最初にはっきりと方向性、お互いの希望を認識しあっておくってのは大事な事だと俺も思う」
自分、そしてストラスも同意する言葉を口にする。ならば次はお互いのこだわりを出し合う番だ。
「言い出したのは私だから、早速私からね。私としてはやっぱり威力よね。扱いずらい、リーチが短い、重量もかさむとデメリットが多い分決まれば一撃で相手が沈むか大ダメージを取れる。やっぱりパイルバンカーと言えばこの一撃必殺性でしょ!」
ああ、確かに分かる。決まれば一撃必殺だからこそ、メカ物の対戦では担いでくる人がいる。まず当たらないが、当たれば瞬間決着。それこそがパイルバンカーのロマン性であり、兵器としての恐ろしさだ。無論ゲームなどによっては一撃必殺性が低い事もある。だが、それでも刺されば大ダメージという点は変わらないだろう。
「じゃあ次は俺が。一撃の火力も大事だ。でもよ、やっぱりある程度運搬しやすい形である事も重視したいぜ。攻城兵器じゃないんだ、運用するためにはある程度気軽に運べてこそだろう。弾数が限られちまうのは仕方がないけどよ、運搬しにくいって欠点だけはなくしたいな」
うん、これも最もだ。今から作るのは大勢の人が押して動かすようなデカ物じゃないんだ。運搬しやすい、戦闘中でも動かしにくいような事が無い様にすると言うのは大事だ。そうでなければ使い物にならない。
「では最後に自分が。動力はやっぱり火薬にしたいですね。爆炎と共に杭が射出されて相手を打ち貫くのがパイルバンカーだという認識が強いので」
そして自分の意見を口にした。これは譲りたくない点だ……やはり杭を打ち出した直後に爆炎が舞ってこそパイルバンカーを使っているという気持ちになれるのだ。もちろん個人的な意見であり、そんな事ないだろうと言う反論はもちろんあっていい。
「ここまでの話を聞いて、お互いの意見にそれは無理だとか修正するべきだという反論はあるかしら?」
カーネリアンの確認に、自分とストラスは首を振った。どうやら、お互いに分かり合える範疇の話に収まっているようだ。
「そうなると後は役割分担だが……これはもう決まったも同然じゃないか? 俺が出来るだけ軽くて頑丈な合金の開発。カーネリアンが一撃必殺性を実現する爆発する杭の制作。そしてアースさんがパイルバンカーの土台部分の制作。これでいいんじゃねえ?」
ストラスの言葉に、反論は出ない。確かにそれが一番効率的な役割分担だろう。そうなるとまず自分はゲームなどを参考にしたパイルバンカーをまず作る。そこからどうすればより三人の希望がかなえられる物になるかを詰めていくという流れになるだろう。今回のパイルバンカーは杭を完全に射出するタイプなので、杭を抑える機構は考えなくていい。
「了解、ではまずは試作品をお互いに出し合う所まで行くのが第一段階ですかね? そこからお互いに意見を出して改良を重ねる。ですが、とりあえずカーネリアンさんには普通の鉄でいいので杭部分を作ってもらえませんか? その杭を基に土台の大きさなどを決めていきたいので」
杭の大きさが分からないとどうしようもないからね……なので、カーネリアンさんには模型代わりにこれぐらいの杭でやると言う事を教えてもらっておかないとね。
「そうね……何の変哲もない杭ならすぐできるからちゃちゃっと作ってくるわ」
との言葉を残して一旦この場から離れ、一分もしないうちに戻ってきた。手の中には細い杭が一本握られている。
「持ち歩くこと、重量を加味するとこれぐらいが限界だと思うのよ。どう?」
長さはたぶん十五センチぐらい。直径二センチあるかどうか。パイルバンカーとしては杭が細すぎる気がしなくもないが、確かに機構の重量を加味すると打ち出す杭のサイズとしてはこれぐらいが限界なのかもしれない。杭がでかくなれば当然打ち出すために必要なパワーも支える土台も大きくならざるを得ない。そうなれば当然重量がかさむしストラスの希望する運搬しやすさからはかけ離れてしまう事に繋がる。
「なるほど……この大きさで、火薬に該当する物を詰め込んだ場合の火力はどれぐらいでしょうか?」
この細さだと、自分の技術で生み出せる物では大した火力は出せない。もちろん相手の体を貫いて内部爆発させるわけだからそれなりのダメージはとれるだろうが……一撃必殺とは口が裂けても言えないだろう。なのでそこはカーネリアンが作る爆発物の威力次第と言う事になるのだが……
「レッサードラゴン相手レベルなら、突き刺した部分を木っ端みじんにすることが出来るわね。もちろん胴体に刺されば大きな穴が開く事は間違いないわ。だから、このサイズの杭が刺さるのであれば威力は保証できるわ」
それはまた恐ろしい事。だが、カーネリアンの表情には自信が満ち溢れている。嘘や誇張でこちらを騙そうという雰囲気ではない。本当に彼女はそれが出来ると胸を張って言えるのだと理解した。
「アースさん、カーネリアンの作るやべえ爆発物はそれぐらいの火力はある。今の言葉は信じてくれていいですよ」
更にストラスからのフォローも入る。こちらもカーネリアンの爆発物ならばそれぐらいは容易い事とばかりに疑いの感情など微塵も顔に浮かんでいない。ならば、この杭を打ち出す事を考えて機構を組めばいいな。
「分かりました、ではこの杭の大きさを基準に土台部分を作って行こうと思います。では、お互いに作業を始めましょうか」「おう!」「ええ」
確認も終わったので、各自割り振られた作業へと取り掛かる。とりあえずログインする前にいくつかのメカ物に出てきたパイルバンカーの図面をゲームデートとして取り込んでおいたのでそれの確認から。それらを模せば、とりあえずの形にはなる……その上で、盾として運用するために出来るだけ高さは抑えたい。
後は杭を打ち出した時の爆炎がある程度逃げるようにもしておかないと……爆発物の性質上打ち出して杭が相手に刺さるまでは密閉しておくべきだが、それが終わったらその爆発によって発生した衝撃などが逃げられるようにその瞬間に開く部分などを用意しておかないとしておかないと機構が衝撃に耐えられずぶっ壊れる。
(それに、やっぱり杭を打ち出した後にいくつもの場所から炎が噴き出して煙が舞うのはパイルバンカーの格好良さには欠かせないでしょう)
あの爆炎が舞い、煙が漂うからこそパイルバンカーをぶっ放したという実感が沸く。折角趣味武器を作る以上、そう言う部分には無駄にとことんこだわりたい。周囲からアホだとか狂ってるとか言われてもいい、むしろ趣味武器にとっては誉め言葉という奴よ!
(よーし乗ってきた! この気持ちが冷めないうちに設計図をバリバリ書いちゃうぞっと!)
テンションが高まった自分は、そのままの勢いでパイルバンカーの設計図を書き始める。先に書いていた設計図とは杭からして全く違う物になる為に一からの書き直しとなるが、今のテンションならば設計図を考えて書いていく事が楽しくてしょうがない。最高の一品とするべく、今までの知識を総動員して作り上げるぞー!
*****
申し訳ありません、年末から年明けにかけて新年早々スランプに陥っておりました。
書きたい事はあるのにそれをどう文章にすればいいのかとかなり悩んでおりました。
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