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パイルバンカー完成、そして小型化へ
さて、親方がパイルバンカーの制作にかかわるようになってからは……本当に速かった。まずストラスの作っていた合金を完成させ、次にカーネリアンさんのローコストパイルも完成。これにより合金はより強度を獲得しつつも重量の更なる軽減に成功。打ち出されるパイルも一本七千グロー前後に収まる事となった。ここまでにかかった時間はわずか三日である。
その後、自分、ストラス、カーネリアンさん、親方の四人でパイルバンカーを完成品にするべく話し合いと試作を繰り返し──ついに中盾サイズを維持しながらもパイルバンカーの機能を持ち合わせた武器が完成した。当初の変形機構はやはりオミットされ、腕に装着する中盾という形になった。
ただ、盾の中央上部付近に穴が開いており、その穴は普段装甲の蓋で隠されている。パイルバンカーを使った時だけ衝撃と爆炎を逃がすためにスライドする形で蓋が開き、逃げ道となる。こうしないと内部に熱と爆発による衝撃の逃げ道が作れない以上、必要な処置である。それでも蓋部分の強度は十二分にあり、弱点とはならない。
パイルバンカー部分のお手入れの為に、複数個所のロックを外せばスライドしてパイルバンカーの部分を取り出せるようにしてある。また、リロード方式も盾の裏側からシリンダーにパイルを挿入する形となった。そして起爆用の火薬が入ったカードリッチもシリンダーにセットする形になり、パイルを押し込んだ後にセットする形を取った。
試作五号機としたそのほぼ完成品を数日かけてテストし、使い勝手は良好。暴発、想定外の破損も発生せず。最終チェックを経て、遂にパイルバンカーが完成と相成った。
特殊刺突兵装内蔵シールド 製作
内部に特殊な刺突を行う機構が仕込まれた中盾。盾としての運用はもちろん、特殊な機構を起動させる事で刺突攻撃を可能とする盾であり武器である。弾数は四発。
DEF+320 (盾部分の防御力) ATK+6700 (刺突攻撃直撃時)
制作評価 10
これが性能となる。制作評価が一〇になったのは、自分じゃないと作れない部分以外は親方の手によって作られたからだと思われる。防御力が高いのは、中盾である事と新しい合金による成果が乗った結果だろう。中盾として十二分の防御力を持っており、なにより攻撃力六七〇〇はまさに圧巻である。
連続で使えるのは四回までかつ、パイルも火薬も必要ではあるもののMPを一切消費せずここまでの火力をたたき出せるのは非常に有用である。サブウェポンの枠に収まっていないまさに切り札として使えるレベルになったと言っていい。完成品のデータを見て、自分を始めとした製作に関わった面子全員が笑顔になるのも無理はない。
「自分達が求めたロマンを出来る範疇で叶えた武器になったと言っていいのでは?」「ああ、こいつは良い。普段戦闘はしない俺だけど、こいつは使いてえ」「防御も火力も十分ね、夢がかなったわ」「凄い物が出来たな。これは確かに、試し打ちをしたくなる」
なので、例によって完成品を四人で順番に試す。不備は出ないと分かっているので、これは完成した事の喜びを分かち合う儀式のようなモノだ。うん、問題なし。完全に完成だ!
「こいつがあれば、切り札が欲しい連中が食いつくだろうが……むやみやたらと世間に回したくないな。悪党の手に渡ったらそれこそ事だ」
ここで親方が完成したパイルバンカーを眺めながらそう口にする。正直、自分もストラスもカーネリアンさんも売り物にするつもりはなかった。あくまでロマン武器を作れるのかと言う事が目的だったからだ。後は自分の気分転換に付き合ってくれたって所だな。
「売り物にするつもりはなかったんですよね。作れるか否かに挑戦しただけですからね」「ああ、親方の言う通り下手に世間に回していい武器じゃないってのは俺も自覚している」「というか売っちゃダメでしょうこれ。顔見知りのみ限定で運用させるがぎりぎりの許容範囲。そう言えるレベルの武器よねぇ」
自分、ストラス、カーネリアンさんもそう次々に己の意見を口にする。もし売るとしたら……こいつの劣化版だろう。このまま売り出したら絶対まずい事になる。特に攻撃力六七〇〇という点がマズイ。下手したらちょっとした城門すら打ち貫いてしまう可能性がある。そんな物を世間にホイホイ流せるわけがない。
「やはりこいつは飾っておくに留めるべき武器だな。中盾って事でアースも使えないからな……こいつを今度は小型化して、アースが使える小型の盾に収まるようにしてみようか。で、そっちはアースのみに使って貰う」
親方がそう結論を出した。この後、このパイルバンカーは時々親方やお弟子さん達がストレス発散をしたい時に的に向かって炸裂させる武器という運用をされる事となった。武器としちゃ間違っているのかもしれないが、仕方がない判断だろう。さて、それはそれとしてパイルバンカーは完成した。なので次は親方の言葉通りに自分が使える小型化したパイルバンカーの制作に取り掛かる。
「小型化、と言う事ですからパイルもやや小さくしましょう。多少火力が下がっても、パイルバンカーならば十分な火力が出ると思いますし」「シリンダーとかはやっぱり重くなってたから、なくす方向で進めようぜ。シングルか、ダブルバレルにすればいいだろ」「杭の件は分かったわ、出来るだけ威力を維持したまま小型化に挑戦してみる」「基礎的な設計は分かったからな、後は強度をいかに保ちつつ小さく出来るかだな」
と、すぐに小盾版のパイルバンカー制作に取り掛かった。今回はすでに合金もある、基礎設計図もある。だから後はいかに使いやすく、そしてできる限り威力を維持したまま作れるかの一点に集中する。基礎設計は、単発バージョンとダブルバレルバージョンの二種類にした。ダブルバレルで問題が無ければダブルバレル、どうしても無理そうなら単発バージョンを採用する事となるだろう。
最初は鋼鉄で単発とダブルバレルの両方の模型を作ってみる。ダブルバレルって作ってみるのは初めてだったんだけど、ストラスが基礎設計を知っていた。なので彼に教えを請いながら完成させた。うん、シングルもダブルバレルもこの模型では問題なく動作した。後はこれを小型化した状態で正常に動かせるかどうかだ。
「リロード方法はちょっと変えなきゃダメですねぇ。シリンダーのように回せませんから」「悩む必要は無いだろ。シリンダーなどが無い分仕組みを単純化できるのだから、後方からパイルとカードリッチを差せるようにすればいいだけだ」
と、大きな変更はリロード方式が中盾版とは異なる形になったぐらいか。後はカーネリアンさんの杭の製作が進まないと詰められない。なので親方にはそちらに移動してもらった。
「それにしても、ついにできたなぁ」「そうっすね、ファンタジーにパイルバンカーを持ち込むななんて指摘も飛びそうだけど、作れちゃったんだがら仕方が無いっすよね。それに、空の世界ではメカも多く居たって話も聞いてるから、パイルバンカーがあっても文句は言わせない」
あー、うん。確かに空の戦いではモロにメカが出てきたな。更に言うなら自分は乗り込んで戦ってたし──確かにパイルバンカーぐらいじゃあれこれ言われる筋合いはもうないな。流石に全身がメカになったらやり過ぎだ馬鹿とは言われるかもしれないが。
「今日はログアウトかな?」「それでいいと思うぜ、いくらカーネリアンと親方のタッグでも完成品は短時間で上がってこないと思うしなぁ……明日進捗を聞けばいいと思う」
というストラスの言葉にうなずいて、親方の工房を後にした。後は宿屋に戻ってログアウトだなーと考えつつ歩いていると──騒いでいる声が耳に入ってきた。なんだ? また何かもめているのか? まあ一週間に一回の頻度で多少のいざこざは発生しているのであまり気に留める事もないと立ち去ろうと思ってのだが。
「いい加減にしてくださいまし!」「そう嫌わなくても良いじゃねーか」
聞こえてきた声の中に、エリザの声が混じっていた事で足が止まる。流石に知り合いが揉め事に巻き込まれているとなると流石に無視は出来ない。自分は足を揉めていると思われる声が飛び交う場所に向かって進める事にした。一体何事だろうか……でも、今のエリザは昔と違って人当たりもかなり良くなっているから、エリザ側が挑発して揉め事が発生したとは思えない。
(とりあえず、状況確認とツヴァイに連絡だな)
その後、自分、ストラス、カーネリアンさん、親方の四人でパイルバンカーを完成品にするべく話し合いと試作を繰り返し──ついに中盾サイズを維持しながらもパイルバンカーの機能を持ち合わせた武器が完成した。当初の変形機構はやはりオミットされ、腕に装着する中盾という形になった。
ただ、盾の中央上部付近に穴が開いており、その穴は普段装甲の蓋で隠されている。パイルバンカーを使った時だけ衝撃と爆炎を逃がすためにスライドする形で蓋が開き、逃げ道となる。こうしないと内部に熱と爆発による衝撃の逃げ道が作れない以上、必要な処置である。それでも蓋部分の強度は十二分にあり、弱点とはならない。
パイルバンカー部分のお手入れの為に、複数個所のロックを外せばスライドしてパイルバンカーの部分を取り出せるようにしてある。また、リロード方式も盾の裏側からシリンダーにパイルを挿入する形となった。そして起爆用の火薬が入ったカードリッチもシリンダーにセットする形になり、パイルを押し込んだ後にセットする形を取った。
試作五号機としたそのほぼ完成品を数日かけてテストし、使い勝手は良好。暴発、想定外の破損も発生せず。最終チェックを経て、遂にパイルバンカーが完成と相成った。
特殊刺突兵装内蔵シールド 製作
内部に特殊な刺突を行う機構が仕込まれた中盾。盾としての運用はもちろん、特殊な機構を起動させる事で刺突攻撃を可能とする盾であり武器である。弾数は四発。
DEF+320 (盾部分の防御力) ATK+6700 (刺突攻撃直撃時)
制作評価 10
これが性能となる。制作評価が一〇になったのは、自分じゃないと作れない部分以外は親方の手によって作られたからだと思われる。防御力が高いのは、中盾である事と新しい合金による成果が乗った結果だろう。中盾として十二分の防御力を持っており、なにより攻撃力六七〇〇はまさに圧巻である。
連続で使えるのは四回までかつ、パイルも火薬も必要ではあるもののMPを一切消費せずここまでの火力をたたき出せるのは非常に有用である。サブウェポンの枠に収まっていないまさに切り札として使えるレベルになったと言っていい。完成品のデータを見て、自分を始めとした製作に関わった面子全員が笑顔になるのも無理はない。
「自分達が求めたロマンを出来る範疇で叶えた武器になったと言っていいのでは?」「ああ、こいつは良い。普段戦闘はしない俺だけど、こいつは使いてえ」「防御も火力も十分ね、夢がかなったわ」「凄い物が出来たな。これは確かに、試し打ちをしたくなる」
なので、例によって完成品を四人で順番に試す。不備は出ないと分かっているので、これは完成した事の喜びを分かち合う儀式のようなモノだ。うん、問題なし。完全に完成だ!
「こいつがあれば、切り札が欲しい連中が食いつくだろうが……むやみやたらと世間に回したくないな。悪党の手に渡ったらそれこそ事だ」
ここで親方が完成したパイルバンカーを眺めながらそう口にする。正直、自分もストラスもカーネリアンさんも売り物にするつもりはなかった。あくまでロマン武器を作れるのかと言う事が目的だったからだ。後は自分の気分転換に付き合ってくれたって所だな。
「売り物にするつもりはなかったんですよね。作れるか否かに挑戦しただけですからね」「ああ、親方の言う通り下手に世間に回していい武器じゃないってのは俺も自覚している」「というか売っちゃダメでしょうこれ。顔見知りのみ限定で運用させるがぎりぎりの許容範囲。そう言えるレベルの武器よねぇ」
自分、ストラス、カーネリアンさんもそう次々に己の意見を口にする。もし売るとしたら……こいつの劣化版だろう。このまま売り出したら絶対まずい事になる。特に攻撃力六七〇〇という点がマズイ。下手したらちょっとした城門すら打ち貫いてしまう可能性がある。そんな物を世間にホイホイ流せるわけがない。
「やはりこいつは飾っておくに留めるべき武器だな。中盾って事でアースも使えないからな……こいつを今度は小型化して、アースが使える小型の盾に収まるようにしてみようか。で、そっちはアースのみに使って貰う」
親方がそう結論を出した。この後、このパイルバンカーは時々親方やお弟子さん達がストレス発散をしたい時に的に向かって炸裂させる武器という運用をされる事となった。武器としちゃ間違っているのかもしれないが、仕方がない判断だろう。さて、それはそれとしてパイルバンカーは完成した。なので次は親方の言葉通りに自分が使える小型化したパイルバンカーの制作に取り掛かる。
「小型化、と言う事ですからパイルもやや小さくしましょう。多少火力が下がっても、パイルバンカーならば十分な火力が出ると思いますし」「シリンダーとかはやっぱり重くなってたから、なくす方向で進めようぜ。シングルか、ダブルバレルにすればいいだろ」「杭の件は分かったわ、出来るだけ威力を維持したまま小型化に挑戦してみる」「基礎的な設計は分かったからな、後は強度をいかに保ちつつ小さく出来るかだな」
と、すぐに小盾版のパイルバンカー制作に取り掛かった。今回はすでに合金もある、基礎設計図もある。だから後はいかに使いやすく、そしてできる限り威力を維持したまま作れるかの一点に集中する。基礎設計は、単発バージョンとダブルバレルバージョンの二種類にした。ダブルバレルで問題が無ければダブルバレル、どうしても無理そうなら単発バージョンを採用する事となるだろう。
最初は鋼鉄で単発とダブルバレルの両方の模型を作ってみる。ダブルバレルって作ってみるのは初めてだったんだけど、ストラスが基礎設計を知っていた。なので彼に教えを請いながら完成させた。うん、シングルもダブルバレルもこの模型では問題なく動作した。後はこれを小型化した状態で正常に動かせるかどうかだ。
「リロード方法はちょっと変えなきゃダメですねぇ。シリンダーのように回せませんから」「悩む必要は無いだろ。シリンダーなどが無い分仕組みを単純化できるのだから、後方からパイルとカードリッチを差せるようにすればいいだけだ」
と、大きな変更はリロード方式が中盾版とは異なる形になったぐらいか。後はカーネリアンさんの杭の製作が進まないと詰められない。なので親方にはそちらに移動してもらった。
「それにしても、ついにできたなぁ」「そうっすね、ファンタジーにパイルバンカーを持ち込むななんて指摘も飛びそうだけど、作れちゃったんだがら仕方が無いっすよね。それに、空の世界ではメカも多く居たって話も聞いてるから、パイルバンカーがあっても文句は言わせない」
あー、うん。確かに空の戦いではモロにメカが出てきたな。更に言うなら自分は乗り込んで戦ってたし──確かにパイルバンカーぐらいじゃあれこれ言われる筋合いはもうないな。流石に全身がメカになったらやり過ぎだ馬鹿とは言われるかもしれないが。
「今日はログアウトかな?」「それでいいと思うぜ、いくらカーネリアンと親方のタッグでも完成品は短時間で上がってこないと思うしなぁ……明日進捗を聞けばいいと思う」
というストラスの言葉にうなずいて、親方の工房を後にした。後は宿屋に戻ってログアウトだなーと考えつつ歩いていると──騒いでいる声が耳に入ってきた。なんだ? また何かもめているのか? まあ一週間に一回の頻度で多少のいざこざは発生しているのであまり気に留める事もないと立ち去ろうと思ってのだが。
「いい加減にしてくださいまし!」「そう嫌わなくても良いじゃねーか」
聞こえてきた声の中に、エリザの声が混じっていた事で足が止まる。流石に知り合いが揉め事に巻き込まれているとなると流石に無視は出来ない。自分は足を揉めていると思われる声が飛び交う場所に向かって進める事にした。一体何事だろうか……でも、今のエリザは昔と違って人当たりもかなり良くなっているから、エリザ側が挑発して揉め事が発生したとは思えない。
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