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ロナちゃん暴れる
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ノーラとのロナちゃんの戦いによる均衡が破れたのは一分ぐらいたってからだろうか。ノーラがロナちゃんのハイキックを斜め前方に前方に勢いよく踏み込みながらロナちゃんの横を駆け抜ける形で背後に回り、短剣の代名詞と言えるバックスタブを仕掛けようとしたその瞬間だった。ロナちゃんのハイキックが一回転してノーラの頭部を捉えたのは。
(なるほど、ハイキックを繰り出したのはこのためか。ハイキックに見せかけてノーラの動きを誘い、そして頭部に蹴りを見舞う。優しくないダメージの筈だぞ、今のは)
自分の見立て通り、かなりのダメージが入った様でノーラが明確によろけた。当然ロナちゃんは更なる追撃としてタックルを仕掛けながら上に覆いかぶさった。格闘技で言うマウントポジションって奴だ。これはノーラにとって絶望的な盤面だな、あの状態から逃げるのは難しいぞ。更にノーラ側のチームは乱入を使い果たしてしまっている為、助けに入る事も出来ない。
「じゃ、いくよ?」
そんなロナちゃんの言葉の後、遠慮なしのパンチがノーラの顔面に向かって振り落とされる。ノーラは短剣で何とかパンチを逸らそうとするが、逃げ場のないポジションに追い込まれている上にロナちゃんはナックルをはめている為短剣の刃など気にせずに拳を振り下ろす。
「ノーラさんは逃げ出せるでしょうか? あのままではKOされてしまうのは時間の問題です」「しかし、マウントポジションを抜けたいならかなり専門の知識がいる。がむしゃらに動いても抜け出せないぞ」
抜ける方法がない訳じゃないんだが──詳しい解説は専門誌に譲るとして、相応の知識が無いとあそこまでもろに乗られている状態から抜け出すのはまず無理だ。更にロナちゃんは次々と拳を振るってノーラの顔面に叩き込んでいるから痛みと焦りで冷静になれというのは経験が無いと難しい。
「くうううううっ!?」
歯を食いしばって短剣を振るい、何とか活路を見出そうとノーラが動いているのは分かる。だが、そのこと如くをロナちゃんは対処。短剣を弾いてからパンチ、首の動きをさせてからパンチ、本能的に手で前をガードしたら横から殴るようなパンチとここで絶対に落とす意志をこれでもかと周囲に見せつける。
そして、結局ノーラはロナちゃんのマウントポジションから逃げ出す事は出来なかった。何度目かのロナちゃんのパンチが顔面に突き刺さった瞬間、ノーラの体から力が抜けた後に体が消滅。これでノーラはKOされた事になる。うーん、ノーラのHPは全く減ってなかったのに、ノーラのワンミスから一気にコンビネーションでロナちゃんが持って行ってしまった。格闘家怖いな!
そして武舞台に上がってくるのはツヴァイ。まあレイジもダメージが蓄積しているからある程度回復できたであろうツヴァイが上がるしかないよな。ロナちゃんも一旦距離を取って構えなおす。
「やっぱり格闘家のコンビネーションって奴は怖いな。ノーラが何もできずに退場させられるとは」「ふっふーん、これが格闘家の持ち味だからね。モンスター相手でも火力は出せるけど、プレイヤーや人型相手ならよりえげつない攻めが出来る。そう言う立ち位置だもん……次はツヴァイにたーっぷりと味わってもらうからね」
ロナちゃんの笑みが怖い。ツヴァイもそう感じていたようで身震いをする。そこから戦闘が再開したわけだが、カナさんが自分に視線を移して問いかけてきた。
「アースさんが先ほどの形をロナさんにとられた場合、どうしますか?」「もちろん抜けるよ、師匠には関節技なんかの指導も受けていたからね……もしくはロナちゃんのパンチを取って関節技で逆にダメージを与えるって手段もある」
この辺の戦い方ももちろん雨龍師匠、砂龍師匠から仕込まれている。現実でもやれるかと言われると怪しいが、ワンモア世界なら十分やれる。魔王様から貰ったアイテムのお陰で、素手系統の技でも関節技限定でダメージを与えられるようになっているから手は幾つもあるのだ。修行を受けている時は何度も悲鳴を上げたが、そのおかげでどう対策すべきかが分かる。
「では、自分から仕掛ける事も出来ると?」「マウントポジションは無理かもしれないけど、関節技は寝技だけじゃない。武道の心得があるカナさんなら、その辺りはよくご存じでしょう?」
カナさんの問いかけに自分がそのように返すと、カナさんが笑みを浮かべた。ただし笑みと言っても肉食獣のような笑みだったが。そう、何もマウントポジションでなくても寝技でなくても掛けられる関節技は幾つもある。普段はやらないだけである──基本的に返し技として習得している訳であって、メインで使いたいならロナちゃんのように格闘家になるべきだし。
さて、一方でツヴァイとロナちゃんの戦いの方は──ツヴァイが大剣のリーチを生かして牽制し、ロナちゃんの間合いには入らせないように徹底しているな。ただ、時々ロナちゃんが真剣白刃取りをしそうな動きを取っているのが気になる。できるのか? しかし動きがブラフであってもツヴァイとしては万が一を考えるだろう。
そうなると自然に剣の振り方は横薙ぎが多くなる。縦に振ろうとするとロナちゃんがそう言う態勢を取るからな。だが、縦振りが減ればロナちゃんとしては跳躍してからの強襲がやりやすくなるなんて事も当然戦っている二人は理解しているはずだ。その上であのように戦っているとみる。
「さて、そろそろ動きそうですね」「お互い牽制が続いていますから、タイミングとしてはそうですね。どちら側も相手を落として数的優位を得たいでしょう。だからこそ、大技を振るうかコンビネーションで仕留めるかという考えになっていると思いますよ」
なんて自分とカナさんの会話が終わるか否かというタイミングで両者が前に出た。ツヴァイが鋭い突きをロナちゃん目がけて放った。その突きを回避しながらロナちゃんが跳躍して飛び蹴りをツヴァイの顔面目掛けて仕掛ける。しかしこれを読んでいたと思われるツヴァイが突きの動きから一転して自分の真後ろに向かって振り下ろす動きを見せる。
当然その大剣の動きの上にロナちゃんの体がある。それをロナちゃんも理解したが──跳躍してしまった以上、ロナちゃんには回避する手段が無い。そう思っていたのだが、ロナちゃんは無理やり空中で体を捻り、自分に向かって登ってくる大剣の横腹を目いっぱい蹴りつけた。もちろん空中だから踏ん張りも効いていないが、意味はあった。
蹴った反動によってロナちゃんの体が横に動いたことと、ツヴァイの大剣の軌跡がずれた事によってロナちゃんは真っ二つにされる状況から脱したのだ。が、無傷とも行かなかった。必死で体を捻って大剣の刃を回避しようとしたが、脚の一部に刃が届いたらしくロナちゃんの足から鮮血が舞った。
それでもブレイク状態になる事は避けられたようで、ロナちゃんは地面に着地した後すかさずパンチを大剣を振り切って硬直して動けないツヴァイの顔面に叩き込む。いい音と共にツヴァイがのけ反る。そこから再びロナちゃんはマウントポジションを取るべくタックルを仕掛けるが、ツヴァイののけ反りは先ほどのローラと比べて小さかった事もあり、ツヴァイはそのタックルを軽く横に飛んで回避。
だが、ツヴァイはタックルを外したロナちゃんに向かって剣を振り下ろさず間合いを取った。そして乱れた呼吸を必死で整えている。ロナちゃんもそこは同じの様で、こちらも呼吸を必死で整えていた。
「お互いに決めきれませんでしたね」「今のはロナちゃんのとっさの判断がすごかったとしか……あのツヴァイが振るった大剣の突きを見せてからの連携攻撃をよくあのダメージに抑えたとしか言いようがないです。もし直撃していたら、ロナちゃんは真っ二つにされていたでしょう」
互いに必殺の連携を仕掛けたがお互いに決められなかった、か。とはいえ、ここまで来るともう互いに余裕はないはず。次のワンミスで、どちらかが落ちる形となるだろう。
****
戦闘シーン書くの難しいよう、熱くてエアコン無かったら倒れるよう、話が進まないよう!
そんな心境を抱え込みつつ書いています。来週はお盆なのでお休みさせていただきます。
うちはお墓も仏壇もあるので……
(なるほど、ハイキックを繰り出したのはこのためか。ハイキックに見せかけてノーラの動きを誘い、そして頭部に蹴りを見舞う。優しくないダメージの筈だぞ、今のは)
自分の見立て通り、かなりのダメージが入った様でノーラが明確によろけた。当然ロナちゃんは更なる追撃としてタックルを仕掛けながら上に覆いかぶさった。格闘技で言うマウントポジションって奴だ。これはノーラにとって絶望的な盤面だな、あの状態から逃げるのは難しいぞ。更にノーラ側のチームは乱入を使い果たしてしまっている為、助けに入る事も出来ない。
「じゃ、いくよ?」
そんなロナちゃんの言葉の後、遠慮なしのパンチがノーラの顔面に向かって振り落とされる。ノーラは短剣で何とかパンチを逸らそうとするが、逃げ場のないポジションに追い込まれている上にロナちゃんはナックルをはめている為短剣の刃など気にせずに拳を振り下ろす。
「ノーラさんは逃げ出せるでしょうか? あのままではKOされてしまうのは時間の問題です」「しかし、マウントポジションを抜けたいならかなり専門の知識がいる。がむしゃらに動いても抜け出せないぞ」
抜ける方法がない訳じゃないんだが──詳しい解説は専門誌に譲るとして、相応の知識が無いとあそこまでもろに乗られている状態から抜け出すのはまず無理だ。更にロナちゃんは次々と拳を振るってノーラの顔面に叩き込んでいるから痛みと焦りで冷静になれというのは経験が無いと難しい。
「くうううううっ!?」
歯を食いしばって短剣を振るい、何とか活路を見出そうとノーラが動いているのは分かる。だが、そのこと如くをロナちゃんは対処。短剣を弾いてからパンチ、首の動きをさせてからパンチ、本能的に手で前をガードしたら横から殴るようなパンチとここで絶対に落とす意志をこれでもかと周囲に見せつける。
そして、結局ノーラはロナちゃんのマウントポジションから逃げ出す事は出来なかった。何度目かのロナちゃんのパンチが顔面に突き刺さった瞬間、ノーラの体から力が抜けた後に体が消滅。これでノーラはKOされた事になる。うーん、ノーラのHPは全く減ってなかったのに、ノーラのワンミスから一気にコンビネーションでロナちゃんが持って行ってしまった。格闘家怖いな!
そして武舞台に上がってくるのはツヴァイ。まあレイジもダメージが蓄積しているからある程度回復できたであろうツヴァイが上がるしかないよな。ロナちゃんも一旦距離を取って構えなおす。
「やっぱり格闘家のコンビネーションって奴は怖いな。ノーラが何もできずに退場させられるとは」「ふっふーん、これが格闘家の持ち味だからね。モンスター相手でも火力は出せるけど、プレイヤーや人型相手ならよりえげつない攻めが出来る。そう言う立ち位置だもん……次はツヴァイにたーっぷりと味わってもらうからね」
ロナちゃんの笑みが怖い。ツヴァイもそう感じていたようで身震いをする。そこから戦闘が再開したわけだが、カナさんが自分に視線を移して問いかけてきた。
「アースさんが先ほどの形をロナさんにとられた場合、どうしますか?」「もちろん抜けるよ、師匠には関節技なんかの指導も受けていたからね……もしくはロナちゃんのパンチを取って関節技で逆にダメージを与えるって手段もある」
この辺の戦い方ももちろん雨龍師匠、砂龍師匠から仕込まれている。現実でもやれるかと言われると怪しいが、ワンモア世界なら十分やれる。魔王様から貰ったアイテムのお陰で、素手系統の技でも関節技限定でダメージを与えられるようになっているから手は幾つもあるのだ。修行を受けている時は何度も悲鳴を上げたが、そのおかげでどう対策すべきかが分かる。
「では、自分から仕掛ける事も出来ると?」「マウントポジションは無理かもしれないけど、関節技は寝技だけじゃない。武道の心得があるカナさんなら、その辺りはよくご存じでしょう?」
カナさんの問いかけに自分がそのように返すと、カナさんが笑みを浮かべた。ただし笑みと言っても肉食獣のような笑みだったが。そう、何もマウントポジションでなくても寝技でなくても掛けられる関節技は幾つもある。普段はやらないだけである──基本的に返し技として習得している訳であって、メインで使いたいならロナちゃんのように格闘家になるべきだし。
さて、一方でツヴァイとロナちゃんの戦いの方は──ツヴァイが大剣のリーチを生かして牽制し、ロナちゃんの間合いには入らせないように徹底しているな。ただ、時々ロナちゃんが真剣白刃取りをしそうな動きを取っているのが気になる。できるのか? しかし動きがブラフであってもツヴァイとしては万が一を考えるだろう。
そうなると自然に剣の振り方は横薙ぎが多くなる。縦に振ろうとするとロナちゃんがそう言う態勢を取るからな。だが、縦振りが減ればロナちゃんとしては跳躍してからの強襲がやりやすくなるなんて事も当然戦っている二人は理解しているはずだ。その上であのように戦っているとみる。
「さて、そろそろ動きそうですね」「お互い牽制が続いていますから、タイミングとしてはそうですね。どちら側も相手を落として数的優位を得たいでしょう。だからこそ、大技を振るうかコンビネーションで仕留めるかという考えになっていると思いますよ」
なんて自分とカナさんの会話が終わるか否かというタイミングで両者が前に出た。ツヴァイが鋭い突きをロナちゃん目がけて放った。その突きを回避しながらロナちゃんが跳躍して飛び蹴りをツヴァイの顔面目掛けて仕掛ける。しかしこれを読んでいたと思われるツヴァイが突きの動きから一転して自分の真後ろに向かって振り下ろす動きを見せる。
当然その大剣の動きの上にロナちゃんの体がある。それをロナちゃんも理解したが──跳躍してしまった以上、ロナちゃんには回避する手段が無い。そう思っていたのだが、ロナちゃんは無理やり空中で体を捻り、自分に向かって登ってくる大剣の横腹を目いっぱい蹴りつけた。もちろん空中だから踏ん張りも効いていないが、意味はあった。
蹴った反動によってロナちゃんの体が横に動いたことと、ツヴァイの大剣の軌跡がずれた事によってロナちゃんは真っ二つにされる状況から脱したのだ。が、無傷とも行かなかった。必死で体を捻って大剣の刃を回避しようとしたが、脚の一部に刃が届いたらしくロナちゃんの足から鮮血が舞った。
それでもブレイク状態になる事は避けられたようで、ロナちゃんは地面に着地した後すかさずパンチを大剣を振り切って硬直して動けないツヴァイの顔面に叩き込む。いい音と共にツヴァイがのけ反る。そこから再びロナちゃんはマウントポジションを取るべくタックルを仕掛けるが、ツヴァイののけ反りは先ほどのローラと比べて小さかった事もあり、ツヴァイはそのタックルを軽く横に飛んで回避。
だが、ツヴァイはタックルを外したロナちゃんに向かって剣を振り下ろさず間合いを取った。そして乱れた呼吸を必死で整えている。ロナちゃんもそこは同じの様で、こちらも呼吸を必死で整えていた。
「お互いに決めきれませんでしたね」「今のはロナちゃんのとっさの判断がすごかったとしか……あのツヴァイが振るった大剣の突きを見せてからの連携攻撃をよくあのダメージに抑えたとしか言いようがないです。もし直撃していたら、ロナちゃんは真っ二つにされていたでしょう」
互いに必殺の連携を仕掛けたがお互いに決められなかった、か。とはいえ、ここまで来るともう互いに余裕はないはず。次のワンミスで、どちらかが落ちる形となるだろう。
****
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