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本編
どうやら本当に
しおりを挟む「エミリーさんのご飯、美味しかったね!」
「あぁ。エミリーは昔から料理が上手い」
「私も頑張るね。旅中でも美味しいご飯食べたいもんね」
「あぁ」
ー騎士団の宿舎からギルド経営の宿までは少し距離がある。
その道すがら、ロイさんがいつお説教モードに入るのかとドキドキしていた。
ーだけど一向に、そんな雰囲気にはならず、とうとう宿に着いた。
「風呂は明日でいいか。遅いし、もう寝よう」
「………え? あ、うん。そうだね……」
「どうした?」
「えっと……何か、言うこととかないの?」
「? あぁ、飯のことか」
「うん」
「マリアの料理は初めて食ったけど、美味かったよ。旅中の料理、期待している」
「………それだけ?」
「? あぁ……牛乳を使った料理ってのは初めてだったな。獣人独特の食文化があるなんて知らなかった。面白いな。また何か作ってくれ。もちろん、今日のも」
「……うん。また、作るね」
ー幸か不幸か、
ロイさんは牛乳を使った料理が本当に獣人独特の食文化だと思ってるみたい。
……うん。このまま勘違いしてもらったままにしておこう。
その方がいろいろめんどくさくないし。
見慣れないものは全部、
獣人独特の食文化で~ってそれっぽく言っとけば
納得してくれそう。
何より、私が美味しいもの食べたいからね!!
ついでにロイさんにも美味しいもの食べてもらいたいし。
食べるのって大事だし、ここに遠慮は必要ないよね、うん。
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