上 下
107 / 121
本編

所帯染みた会話

しおりを挟む


「ふぅ......  さっぱりしたぁ~」

借りた部屋に入って 魔法で体を綺麗にしてすぐにベットに横になった私とリルは横になってすぐに眠りについたみたいで、ベットに入ってからの記憶がほぼなかった。


そして 太陽は完全に昇り、その高さからお昼を過ぎているのは確実な時間になってようやく、目が覚めた。

寝る前に一応魔法で体を綺麗にしたとはいえ、元日本人として お風呂があるなら入りたい!ってことで
家の中を探索がてらうろつき、浴室を見つけたからお借りした。

お風呂、最高!


「風呂、入ってたのか」

「あ、ロイさん。起きたんだ、おはよー」

「あぁ。 俺も風呂入ってくる」

「うん。あ、ロイさんご飯どうする?」

「.......この家に食材なんかないと思うぞ」

「手持ちの食材は有り余ってるから キッチン借りれば作れるけど、外に食べに行く方がいい?」

「調理道具もないだろ、おそらく」

「え、住んでるんだよね?あのギルドマスターさん。この家ここに」

食材がないのはまだわかる。冷蔵庫とかなんてないし。
ある程度日持ちする物以外は基本その日調達になるらしい。

まぁ、男の人だし、ギルドマスターともなれば稼いでいるだろうから 毎日外食もできるだろうけどさ。

コンビニがあるわけじゃないからそれはそれで不便な時もあると思うんだよね.......。

そういう意味もこめて、確認したくなって出た疑問だった。


「家は家でも、帰ってきて風呂入って寝るだけの家だな」

「.........そっか。 まぁとりあえず調理道具も野営前提のだけど持ってるからそれでどうにかするよ。無理そうなら庭で作ればいいし」

寝に帰るだけの家、ってブラック企業のサラリーマンみたいだなぁ.......。
ギルドマスターの仕事ってそんなになるほど大変なのか......。

でもだとしたらなんか納得かな。調理道具なくても。


「それとも外に食べに行く?」

「あー...... 作ってもらってもいいか? 色々、話もあるし」

「うん。軽いのでいい?それともガッツリ食べたい?というか 希望があれば言ってくれれば楽なんだけど」

「.........サンドイッチ肉増し増し」

「了解~。お風呂からでたらすぐ食べれるように準備しとくね」

「頼んだ」

そう言ってお風呂に向かうロイさん。

その後ろ姿を少し眺めたあと、ご飯を作るべく台所へ向かったところで、ハッとした。


──なんか今の会話、夫婦みたいじゃない?
.....いや、食べ盛りの息子とお母さん?

とにかく、“冒険者のパーティーメンバー感”などというものはまったくなく、無駄に所帯染みているな、と思ったのだったー....。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

夏の終わりに、きみを見失って

BL / 連載中 24h.ポイント:28pt お気に入り:2

幸子ばあさんの異世界ご飯

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:133

CLOVER-Genuine

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:417

【R18】花嫁引渡しの儀

恋愛 / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:89

度を越えたシスコン共は花嫁をチェンジする

恋愛 / 完結 24h.ポイント:248pt お気に入り:1,942

モブっと異世界転生

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:3,423

転生脇役令嬢は原作に抗えない

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:287

処理中です...